「コンペに勝つ」営業力とは

掲載日:2020年12月8日

コンペの依頼があった場合、営業としては「まずは参加しなくては仕事が得られない」と思いがちだが、勝算がなければ辞退すべきであろう。負けてしまうと、それまでの多くの時間と手間が全くの無駄になってしまうからだ。では、コンペに勝つためには何が重要でそのために何をすべきなのだろうか

 

コンペ(コンペティション)とはもちろん、顧客がより良い企画やよりコスパの優れた提案を求めて、複数のサプライヤーに提案を競わせることだ。コンペ依頼があること自体、顧客からそれなりの評価を得られているということで、営業としては是非参加して信頼を深めたいところだ。
しかし、勝てれば相応の仕事と利益も見込めるであろうが、負けた際には利益どころか持ち出しとなりかねず、手間暇の無駄を考えると損害も大きい。
従って「高い確率で勝てる見込みがないコンペには参加すべきではない」は正しい判断であるが、「どうすれば勝てるのかということを考え、学ばなければビジネスチャンスを失ってしまう」ということもいえる。

JAGATで「コンペで勝つ!企画提案の3つの極意」や「ゼロから始めるWebを受注するための営業術」といったセミナーの講師を務めるブライプロジェクト代表取締役の布施貴規氏は、自ら現役のプレゼンターとしてコンペ勝率70%を達成している。
コンペに勝つためには「素晴らしい企画」「他社より優れたデザイン」が必須であると思われがちだが、布施氏によると勝敗をわける最も重要なポイントは「営業力」にあるということだ。
コンペのキーパーソンは営業担当者、勝敗の責任も営業担当者であり、敗因を企画やデザイン担当者にあると考える会社はコンペの勝率は低い傾向にあるという。

布施氏の講義では、営業力のなかで最も重要なポイントは「情報収集力」であり、その精度を高めることで勝てる可能性がぐっと上がると解説する。情報戦を制するものがコンペに勝つのだ。
そのために、コンペの形式(見積書のみ、見積書+提案書、見積書+提案書+プレゼン、など)から顧客の意図を汲み取り、要件だけでなくより多くの顧客企業情報を入手し、社内に対しては顧客の代弁者として機能しなければならない。
そして、質の良い情報を得るためにはヒアリングが核心である。情報を引き出し、自社を売り込むヒアリングの過程では、「聞かなければならなこと」があるのは当然だが「聞いてはいけないこと」もある。
「顧客から要望を聞き出し、自社内に伝えて企画を立てていく」コンペは、伝言ゲームに例えることができる。顧客の要望が正しく伝わらなければ勝てる提案は作れない。伝言ゲームの精度を上げるために、追加のヒアリングにおいて提案に直結する項目、企画立案、デザインの段階においては決定に直結する項目を把握できていなければならない。

顧客に直接提案を売り込む最後の大きな舞台としてプレゼンの機会がある。
その際には顧客の決定プロセスとキーパーソンを事前に把握しておかなければならない。また、プレゼンでしてはいけないこと、するべきことを押さえておく必要がある。

ということで、コンペに勝つためには営業担当者の情報収集力が最も重要だが、日頃営業活動や顧客からの信頼も大きく結果に影響する。
そして、コンペに出ることが営業担当者の仕事ではなく、コンペに勝ち、顧客に貢献することが営業担当者の仕事だということだ。

JAGATでは印刷会社の営業担当者が、コンペに勝つための情報収集、企画、プレゼンテーション、社内のチーム作りなどの方法を、経験豊富な布施氏が執筆したオリジナルテキストで学べる通信教育「コンペで勝てる印刷営業力を磨く」を開講している。受講期間1ヶ月(1回の添削課題)のコンパクトな講座なので、営業の方にも受講しやすく、この機会におすすめしたい。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

 

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