専務理事就任のあいさつ

掲載日:2015年4月1日

2015年4月1日からJAGATの専務理事になりました郡司秀明でございます。まだまだ不慣れのポジションで、皆様にはご迷惑をおかけすると思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

JAGATは1967年の設立以来、日本で唯一の印刷系シンクタンクとして活動してまいりました。2015年の今年は48年目の年男(年法人?こんな言い方があるかどうかなんですが、JAGATは未年生まれ)です。

JAGATの歴史は、変革の集大成ともいえます。塚田益男元JAGAT会長の「活字よさようなら、コールドタイプよこんにちは」は、印刷技術が金属凸版から平版オフセット印刷に移行する時代で、JAGATは設立時から変革と共に生まれたわけです。

私にとってJAGATとのつながりは古く、メーカーに勤めていた頃は外部からバックアップ役として協力してきました。私自身が実際に関わった変革はDTP革命(デジタル化)で、セミナーや色々な委員会活動、DTPエキスパート試験へ協力してきました。そのようなJAGATの活動が業界のためにもなると信じて手伝ってきました。そしてその成果は証明され、JAGATのDTP活動は、印刷業界の「DTP化の道しるべ」になったと思っております。

page(1992年から2011年までは大文字のPAGE)展も、米国のSeybold展に習い、JAGAT風に日本化(ジャパナイズ)して、他の印刷展示会とは異なる独自の存在感を持つまでに育ててきた経緯があります。page展で初めて見た技術をいち早くビジネス化して成功した印刷会社、pageカンファレンスでビジネスヒントをいち早く掴んで、そのビジネスの芽を大きく発展させた印刷会社も多いと思います。

DTP化までの印刷業界の歴史は、印刷会社が100社あったら95社まで同じことをやって上手くいく時代だったといえます。しかし、今後は100社あったら40社(それ以下かも?)くらいまでは同じことをやっても良いのですが、それ以外は独創的なことをやらないと生き残れない時代になったといえます。

「生産技術を追求する会社」「受注システムに比重を置くためにWeb to Printシステムを強化する会社」「マーケティング力を強めるためにIT系の部門を新たに立ち上げる会社」「PODビジネスを強化する会社」等々、かつては同じ機械を買って、同じ教育を社員に施していけば良かったものが、どのように会社を存続させて、伸ばしていくかには選択肢の幅が大きい時代になってしまいました。そのような時代に立ち向かうために、JAGATの使命である「指針」「教育」「場」という基本に戻りたいと考えています。

そんな活動の第一弾として、Joe Webb博士の最新著書である“THIS POINT FORWARD”を、邦題「未来を創る」として四月(予定)に発刊します。訳者の山下潤一郎氏を交えて内容をJAGAT内部、外部識者を含めて読み込み、翻訳内容も実務的に落とし込み、読み応えのある内容になったと自負しております。

このような作業を通して、業界の皆さまと意見交換が出来れば幸いです。このようにJAGATでは、研究会で「指針」を示し、セミナーやコンサルティングを通して「教育」し、page等のイベントを含めて、「場」を提供していくのがJAGATの三つの使命です。どうぞJAGATのイベントをご活用くださいますようお願い申し上げます。

(JAGAT専務理事 郡司秀明)