新入社員教育の効果を高めるための工夫

掲載日:2021年1月13日

2020年度は新型コロナウイルス感染防止のために、新入社員教育のやり方を見直さざるを得ない企業が多かった

 

活用されるオンライン研修

新入社員研修の目的には、ビジネスマナー、印刷業務に関わる専門知識、会社で働く上でのコミュニケーションの取り方、また社会人としての基礎力を身につけて組織へのエンゲージメントを強化して早期戦力化を図ることなどがある。しかし、コロナ禍のもと、実際には新人教育は人事部が予定していた通りに満足に行えていない企業も多かったようだ。JAGATでは2020年7月に「新卒採用と新入社員教育に関する実態アンケート」を実施し、81社の印刷会社から回答を得たのでその一部を紹介する。

 

新入社員教育に四苦八苦

このアンケートで人事担当者の「新卒採用の満足度」に対する回答では、約8割の会社が採用に関しては例年通り又はそれ以上に納得のいく採用ができていたようだった。
しかし、「新入社員教育はうまくできたか」については、「やや不満・不満」と回答した企業が約3割あった。その理由としては新型コロナウイルス感染拡大による外部研修が中止となったことが大きい。その分をOJTで補いたいところだが、OJTの形式を確立できず十分な研修ができなかった企業が多かったようだ。

 

仕事に前向きな新入社員

一方で、新入社員側はどういう意識をもっているのだろうか。JAGATでは2020年度も「新入社員意識調査」アンケートを実施し、東京・大阪・愛知・岐阜・石川・宮城の新入社員研修に参加した100名の声を聞けた。この中で「入社したらどのような仕事をしたいか」の問いに、6割以上の方が「営業・企画」「デザイン・Web・DTP」の職を希望していた。その理由として、「お客様の課題や困りごとを解決して助けられる仕事をしたい」、「デザインしたものがどういう工程を踏んで形になるのか知りたかった」など、印刷のことが好きで入社した人も多くいた。これは毎年の傾向でもあり、大学や専門学校でマーケティングやDTP、デザインなど印刷に関わる授業を受けた人も多く、なんらかのかたちで印刷携わりたいと考えて入社しているといえよう。企業としてはこうした人材の早期離職を防ぐためにも、人事部と各部署が連携して会社が一体となって育成していく必要がある。

 

新入社員育成には計画性が必要

そこで大切なことはセミナーや通信教育を受講して終わりでなく、各部署で上司や先輩がその内容をあらためて解説したり、質問を受けるなど社内研修を設けて復習しながら研修効果を高めることもひとつの方法だ。実際に新入社員をうまく育成しているある会社の社長によると、社内研修は、中期的な計画をたてて中断させずに実行することがポイントだという。こうしたことがうまく機能すれば新入社員はより早く基礎知識を身に付け、仕事の面白さも理解できて離職防止にもつながるだろう。採用した社員を戦力化していくことは、今後の会社の成長に直接つながることなので、新入社員教育は会社にとって重要な事業といえる。
                                (CS部 伊藤禎昭)

 

 

◆2021年度 JAGAT新入社員研修◆

『新入社員養成講座【オンライン同時開催】』
2021年4月2日(金) 10:00~17:00

『印刷製作入門講座<講義編>【オンライン同時開催】』
第1回目/2021年4月5日(月)~6日(火)10:00~17:00
第2回目/2021年4月12日(月)~13日(火)10:00~17:00

『印刷製作入門講座<実技編>』  
第1回目/2021年4月7日(水)~9日(金)10:00~17:00
第2回目/2021年4月14日(水)~16日(金)10:00~17:00  

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため予定を変更する場合もありますのでご了承ください。