印刷業定点調査 各地の声(2021年2月度)

掲載日:2021年3月25日

12月の売上高は△10.2%。短期的には10月(△1.4%)を回復のピークに2カ月連続でマイナス幅が拡大、持ち直し傾向の腰折れ感が鮮明になった。

地域別では首都圏(△12.7%)が全国最大の落ち込み。名古屋圏(△10.8%)は3カ月連続でマイナス幅が縮小。大阪圏(△6.0%)は、12月に関しては名古屋圏をも上回った。

業種・業態別では、商業印刷(△10.9%)の大きな落ち込みが続く。出版印刷(△3.6%)は3カ月連続で△10%未満と、影響は相対的に軽微。地方に多い総合印刷(△14.4%)は、製品別では3カ月連続で最も回復度が低く懸念される。紙器・事務印刷は、出版印刷には及ばないが3カ月連続で△10%以下と比較的堅調な部類に入る。

規模別では、50~99人(△10.1%)と100~299人(△5.1%)が11月より上向いたところを見ると、すべての規模が一様に悪化しているわけではない。29人以下(△14.9%)、30~49人(△10.0%)、300人以上(△8.8%)は11月よりも後退した。

【印刷会社経営者の声】

東京:事務

新刊1点当たりの冊数減、出版間隔の延びなど、ジワジワとコロナの影響が拡大しています。

長野:総合

トータルクオリティーを高くするためにも、さまざまな付加価値や利益を重視する方向性を考え、今までの広告代理店の業務を印刷会社が直接行うことが求められ始めているように思います。

岐阜:総合

岐阜県も緊急事態宣言が発出されそうな雰囲気です。経済活動が縮小を余儀なくされるなか、会社をどう舵取りするか悩む日々が続きます。いろいろなITツールを駆使しながら、非接触対応社会に向け社内体制も提案サービスも一つ一つ構築していきます。

愛知:出版

予想通りの新型コロナ感染の第三波到来と、緊急事態宣言の発出。感染対策に万全を期す。afterコロナに向けて、商品・サービスの「選択と集中」へ。

山口:事務

昨年は、都市部の感染拡大を対岸の火事的に楽観視していた感もありました。しかし、年明け早々地元でもクラスターが発生し、大変な状況になっています。緊急事態宣言もやむなしですね。従業員に感染者が出たら工場ストップです。最需要期を目前に厳しい管理を徹底します。

(『JAGAT info』 2021年2月号,印刷経営ウォッチング,p56-57より抜粋して要約)