4月に入ってから新入社員は社内で又は外部の新入社員講座に参加して勉強しながら、少しずつではあるが社会人としての意識をもち始めているころだろう。JAGATでも印刷技術基礎の習得・ビジネスマナーの基本確認・コミュニケーションスキル向上を柱としてこれから印刷会社で働く新入社員が知っておくべき基本的なことを解説している。
実技研修を通じて印刷知識をより早く身に付ける
「新入社員養成講座」では印刷の基礎知識とマナーを組み合わせた入門講座として、印刷業および関連産業の新入社員が多数参加した。「印刷製作入門講座(講義編)」はデザイン・制作・刷版・印刷・製本加工の製作工程分野と印刷材料について新入社員に必要とされる印刷技術知識を解説している。ここまでは、多くの会社でも行っている研修ではあるが、JAGATでは新入社員に印刷に対する理解をより深めてもらうことを目的に「印刷製作入門講座(実技編)」を開催している。
この研修は3日間にわたって行われる。1・2日目はMacintosh を使用したDTPの実習であり、3日目は、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から実際の実習ではなく、印刷機の機構や印刷現場の作業についてサンプルを提示しながらの解説となる。
新入社員にとって専門用語が多い印刷技術知識を座学だけでは容易に理解できるものではないが、実技研修を通じてより早く印刷制作に対する知識を身に付けることができる。
DTPソフトを実際に体験
DTP実習ではMacintoshを使ってIllustratorで図版を製作し、Photoshopで写真の画像補正を行う。制作したパーツをInDesginで組版、レイアウト作業をして印刷用データを作成する。
印刷現場については、元印刷機械メーカーで機械修理や印刷障害対策に従事され、印刷現場の予防保全活動をしていた方を講師に迎え、その豊富な経験をふまえて印刷機の構造や印刷現場の作業について分かりやすくオンラインで解説する。さらに、会場でも印刷版、ブランケット、インキ、用紙見本などのサンプルを用意して実際に触れてもらうことによりオフセット印刷の特長を理解していただく。
参加者に望むこと
オフセット印刷機は鉄の塊であり頑丈な機械ではあるが、印刷物の仕上りに影響を与えるいろいろな変動要素があり素人が扱えるものではない。印刷現場に配属される人は講義を受けた知識を基礎に印刷作業に関わるスキルを積んで印刷オペレーターとしてのプロになってもらいたい。企画・デザイン・制作・営業に配属される人は直接印刷機を操作することはないが、自分が進行させているものが現場でどのように印刷されていくかを頭の中で思い浮かべながら仕事ができるようになってもらいたい。また、総務や事務職に配属された人は自社の工場にはどういう印刷機があり、現場の人はどういう作業があるかを理解してもらいたい。
(CS部 伊藤禎昭)
●4月14日(水)~16日(金) 10:00~17:00
「印刷製作入門講座(実技編)」