新人・中途入社の社員に対し、印刷業務に必要な専門的知識を習得するために社内または、社外での集合研修やOJT研修を行う。その目的は、1.スキルの習得2.事業内容の理解を深める3.早期戦力化などであるが、早期戦力化にもつながる「体験型研修」は、学習効果の高さにおいても注目を集めている。
学習効果の高い体験型研修
体験型研修は、具体的な課題や事案に対し実体験として取り組むため、実際の業務においてどのように活用できるかがイメージしやすいため、座学研修より学習効果の高いことで注目されている。
体験型研修には、自然体験(キャンプや自然の中でのレジャーなど)を通して社員間のコミュニケーションが活発になり、お互いの知らない一面を知ることができるなど親睦を深める研修と、能力開発や組織開発を目的とした参加型研修の2種類がある。
参加型研修では、ビジネス現場を疑似体験することで学びを深めることができるため、日常業務と研修内容が結びつきやすく、より実践的な研修といえる。実際に業務プロセスを体験し、学んだことをアウトプットすることで、自分たちの行動に責任を持ち、考え行動する力が身につく。体験型研修の特徴の一つであるPDCAサイクル「計画→実行・実践→振り返り→改善」を回すことにより、学んだ知識を落とし込み、また、うまくいかなかったことを振り返ることで、習得した内容を定着させ、成長へとつながる。
【PDCAサイクル】
Plan(計画する)
目標を設定し、それを達成するための実行計画を立てる
Do(実行・実践する)
Pで立てた計画を実際に行う
Check(評価する)
計画に沿って実行できていたのかを評価する
Action(改善)
実施結果を検討し、業務の改善を行う
※計画を立て実行・実践し、行動を振り返る。そして、「計画通りに実行できたか」「計画通りにできなかった場合の原因は何か」を考え、改善することにより、より良い解決策を見出すことができる。
JAGATで5月に開催する「印刷営業20日間集中ゼミ」は、印刷基礎知識と営業基本スキルを集中的に学習し、営業即戦力を養成する大型講座で、今年で第49期を迎える。実践力の強化に重点をおくため、座学による必須知識の習得にとどまらず、具体的な案件に取り組む体験型学習により営業の実務プロセスを身につけることが可能だ。
今回のフィールドワークでは、中野富士見町にある実際のカフェの協力のもと、PRツールを作成すべく、ヒアリングを行い、企画から仕様書、見積書の作成、デザイン依頼や印刷出力を経て、最終的にプレゼンテーションといった一連の流れを体験し、顧客の要望に沿う販促物を作成するワークを体験する。印刷営業のプロセスを20日間通し、「知っている、わかっている」という知識を「できる」に変えることで、受講者は仕事に対するやる気や自信へとつながっていくだろう。
新人営業職だけでなく、後継者・中途入社社員の即戦力養成プログラムとして役立ててほしい。
JAGAT CS部 加治 寛子
【第49期 印刷営業20日間集中ゼミ】
https://www.jagat.or.jp/archives/81764