2019年の印刷産業出荷額(4人以上の事業所)は微増の4兆8453億円(確報値)

掲載日:2021年6月15日

「2020年工業統計表 産業別統計表〔概要版〕」によれば、印刷産業の事業所数・従業者数は減少が続くが、出荷額は0.4%増、付加価値額は0.5%増となった。(数字で読み解く印刷産業2021その6)

事業所数・従業者数は減少が続くが、出荷額・付加価値額は微増

「2020年工業統計調査(2019年実績)」の産業別統計表〔概要版〕が5月28日に公表されました。同調査は製造業に属する4人以上の事業所を対象とし、2020年の調査対象数は19万2047事業所、回収率は95.1%です。

製造業全体で見ると、2020年6月1日現在の従業者4人以上の事業所数は18万1877事業所(前年比1.7%減)で4年連続の減少、従業者数は5年連続の増加から減少に転じ、771万7646人(同0.8%減)となりました。2019年の製造品出荷額等は322兆5334億円(同2.8%減)、付加価値額は100兆2348億円(同3.9%減)で、速報値よりは減少幅は小さくなりましたが、すべて減少となりました。

印刷産業に関して見ると、こちらも速報値よりは減少幅は小さくなりましたが、事業所数は9661事業所(同2.3%減)で4年連続の減少、従業者数は25万1733人(同0.8%減)で12年連続の減少となりました。しかし、製造品出荷額等は4兆8453億円(同0.4%増)で12年ぶりのプラス、付加価値額は2兆1291億円(同0.5%増)で2年ぶりのプラスとなりました。

「工業統計調査」の調査結果は速報→概要版→確報の順で公表され、今回の産業別統計表〔概要版〕は、産業別、都道府県別に主要項目を集計したもので、8月に公表予定の「産業別統計表」「地域別統計表」の数値が確定値になります。

なお、2021年は5年ごとに全産業を調査する「経済センサス-活動調査」の実施年のため、「工業統計調査」は中止となります。現在、2021年6月1日を期日として、「令和3年 経済センサス‐活動調査」が実施されていて、同調査の中で工業統計調査と同様の調査事項が調査されています。

JAGAT刊『印刷白書』では、「工業統計調査」が全事業所での調査を開始した1955年からの長期データなどを、わかりやすい図表にして掲載しています。また、限られた誌面で伝え切れないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信しています。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)