2月の売上高は△3.6%と駆け込み需要の反動減で沈んだ2014年4月以来の大きな落ち込み幅になった。
印刷経営を巡る状況は予断を許さないが、統一地方選を控えていることなどもあり、仕事に関しては数字の落ち込みほどの悲壮感はない。
地域別に見ると、首都圏と名古屋圏の回復傾向が顕著だ。一方、大阪圏と近畿・四国・中国は前年を割り込み続け、むしろ状況が悪化している。印刷業の景気回復は中日本以北で進んでいるように見受けられる。
業種・業態別にみると、商業印刷が前年並み水準で安定推移している。増税後に減少した個人消費の影響を受けていた紙器・事務・その他がやや持ち直している。
受注件数は△3.9%と2013年2月以来22時カ月ぶりの大きな落ち込み幅になった。労働時間が△9.3%と昨年より大きく減少、工場の稼働率も落ちている。ただし、売上高・受注件数とも増税前の駆け込み需要のあった昨年同月との単純比較はできないため、いずれも判断が難しい。
【印刷会社経営者の声】
■ 茨城:商業
4年前に初当選した市長のリーダーシップにより、将来に希望が持てるようになりました。明確なビジョンはやる気の源泉になります。
■ 石川:総合
アベノミクスの影響はあまりありません。当地は北陸新幹線で活気が出ていますが、これも一過性とみています。一カ月も経過すれば通常の状態に戻るでしょう。来客が増えるのと同じように、印刷関連が増加することを期待しています。
■ 岐阜:総合
内製化による付加価値アップを試みた。オフセット印刷機からデジタル機へ移行することにより、職人のパート化が実現、製本工程も減り、劇的に製本体制に変化をもたらすことができた。
■ 岐阜:総合
年度末だというのに、例年の忙しさが感じられない。昨年の消費増税の駆け込み需要を補えるほど受注が伸びていない。4月以降は新入社員も入ってくるので、一日でも早く一人前に育て上げられるよう希望を持って取り組んでいきたい。
■ 岐阜:紙器
設備投資を考える時、ハード・ソフト共に、何故こんなに高額なのかと悩む。つまり、成果物に以下にして付加価値を盛り込む販売をするかが重要なポイントなのだと認識するに至る。
■ 和歌山:商業
昨年、外注仕入の大きなスポット商品があった穴を埋められず、売り上げは大きなマイナスとなってしまいました。3月は統一地方選もあるので、この穴を挽回したいと思います。
■ 福岡:商業
全体的な景況感、業界動向はまだまだ改善しませんが、選挙特需があるなど一進一退の状況です。資材料の値上げもあり、経営の厳しさは変わりません。