部門間の壁が低くなれば、社員間の意思の疎通がとれてそこから新たなアイディアが生まれることも期待できるようになる。
営業と制作部門の間にある壁。これはどこの会社でもあることだ。しかし、このことを単なる個人的な感情として処理するのではなく、経営者をはじめ社員が共通の認識をもって取り組んでいく必要がある。
●部門間に壁ができる原因
営業は制作部門に対し、品質を維持することはもちろん納期に間に合うようにしてほしいなど要求は厳しい。さらに顧客からのクレームがあると対応しないといけない。
制作部門ではコストダウン、品質向上のための努力をしながら納期の短縮をはかり計画をたてて作業を進めている。しかし、当初の計画通りにいかないことがよくある。例えば、顧客からの急ぎの仕事であると営業から無理やり仕事を入れてこられると計画が乱れて制作部門間で仕事が逼迫し、結果的に残業時間が多くなりコストアップになってしまう。また、営業が受注競争で低廉な価格で受注をしてくることがあり、金額的な負担が制作部門にかかってくることもある。結局、問題が生ずると部門間で責任のなすり合いをしてしまうことが対立を生じさせる原因のひとつといえよう。
●対立を解決するための考え方
部門間が対立した問題を放置しておくと情報が共有できずに仕事がうまく回らないなど組織全体に悪影響を及ぼす。ここでは、こうした状況を改善するためにはどうしたらいいかについて考え方のひとつを紹介する。
第1に、社長をはじめとした経営トップから、部門間のリレーシションシップをとるためのしっかりした指針が示されることが大事だ。社員は大きな指針により各組織が動いているということが理解できていれば、部門間同士でベクトルを合わせやすくなる。
第2に、部門間の溝を埋めるには横断的な社内でのプロジェクトチーム活動などを開催するのが効果的だ。この場合、部門ごとにリーダーを選出することになるが、日常業務とプロジェクトチームでの活動が同時期に行うことになるので、本人には大きな負担がかかる。
リーダーは他部門との連携という重要な役割をもつので、元の部門の上司はプロジェクト活動と本来の業務のバランスを正当に評価してやる必要がある。また、プロジェクト活動が単なる利害調整の場になってしまっては意味がないので、プロジェクトリーダーは目標を達成するためのPDCAサイクルをしっかり回して活動できるようにしないといけない。
第3に、プロジェクトチームの活動を基に部門間で情報の共有するためにオープンに連携することが重要だ。営業・制作の事情を互いに共有し、相手の立場を理解するように議論できれば、それまで知らなかった情報もでてくる。オープンな議論で大切なことは責任の追及の場ではないということだ。問題の原因を明らかにしてこれからどう修正していくか前向きな議論でないといけない。
第4に自分の担当する仕事はしっかりできていても、それ以外についてはまったく関心を持たず非協力的になる人もいる。この場合、社長や経営者が話し合いの場に立ち会って、引き込むことが重要だ。このままだと会社全体の生産性は上がらないということを納得してもらう必要がある。
JAGATではこうした部門間に生じた問題にどう取り組んでいったらいいかを考えるために「営業と制作とのリレーションシップ構築に必要なことは何か」と題しセミナーを開催します。このセミナーでは、営業と制作の間でどのような問題がどのように発生するのかを事例を挙げて紹介し、こうした問題を未然に防ぐにはどうしたらいいかを一緒に考えていきます。
部門間でさまざまな問題を抱えて仕事の効率がうまくいってないことで悩んでいる方に是非受講していただきたいセミナーです。奮ってご参加ください。 (CS部 伊藤禎昭)
開催セミナー:「【オンライン】営業と制作とのリレーションシップ構築に必要なことは何か」
日 時:11月18日(木) 14:00-17:00