新入社員が入社してすぐに知っておくべきコンプライアンス

掲載日:2022年2月25日

新入社員が「知らなかった・・・」や「ついやってしまった・・・」で大きな問題に発展しないようコンプライアンスに関する知識はもっておく必要があります。

 

コンプライアンスとは「法令遵守」のことをいいますが、これ以外にも企業内の規程を守ること、さらには、一般的な社会的規範や企業倫理も含めて考えられています。4月に入社してくる新入社員のみなさんにとっても、これから社会生活を送るにあたって非常に大切な知識です。


企業人としての自覚をもつ大切さ

 新入社員は社会人としての経験が浅く基礎的なビジネスマナーの知識も少ないため、社会規範に関する意識も薄い人が多いです。そのため、新入社員が起こしがちな業務中のコンプライアンス違反には、「知らなかった・・・」や「ついやってしまった・・・」といったことがよくあります。
 こうしたことは些細なきっかけや友人との会話での気の緩み、家族だから大丈夫だろうという誤った自己判断など、自覚のない行動によって引き起こされることが多いようです。たとえ新入社員であっても“コンプライアンス違反”はあってはならないことですが、知らないうちについ起こしがちなことであり、ここでは事例をいくつか紹介します。


「ついうっかり・・・」やりがちな事例

〇よくあるのが、友人や家族に発売前の自社の新商品といった社外秘を話してしまうことです。もし、それが発端で競合他社が先に同様の商品をリリースしたりすると大変なことになります。
企業は保有する機密情報が不正に持ち出されるなどの被害にあった場合、民事上・刑事上の措置を                  とることもできます。このように社外の人にむやみに社内の情報を話すことは厳禁です。

〇新入社員も個人情報を外部に漏らしてはいけないという意識をもっている人は多いです。しかし、例えば新聞やインターネットなどで既に公表されている個人情報でも、その取り扱いに注意する必要があります。公知の情報でも、その利用目的や他の個人情報との照合など取扱いの態様によっては個人の権利利益の侵害につながるおそれがあるので、個人情報保護法では他の個人情報と区別せず、保護の対象としています。

〇資料作成のためにインターネット上の文章や画像を勝手にコピーすることがあります。インターネット上の文章や画像などのほとんどが著作物であり著作権が発生しています。無断で引用すると著作権法違反に問われ責任を追及される可能性があります。画像や文章を引用する際は、作成した本人の許諾を得る、引用元を明記するなど、適切な措置をしておく必要があります。

〇新入社員が特に注意しないといけないのが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の使い方です。これは友人や家族同士のコミュニケーションの手段として多く使用されて身近なものとなっています。しかし、SNSでのメッセージの伝播力が大きいので、企業内部に関する新入社員の不用意な投稿が大きな問題を引き起こす可能性もあります。


コンプライアンス研修の重要性

 新入社員の不注意から発生するコンプライアンス違反についての事例は他にもたくさんあります。こうした事態を引き起こすと会社が民事上、刑事上またはその両方の責任を負うことになり多大な損害を被る可能性もあります。こうしたことから、コンプライアンスに関する教育は中堅・ベテラン社員はもちろんのこと、新入社員にとっても重要性が高いといえます。
 また、新入社員とっての当たり前や常識が、先輩や上司の価値観と異なることもあります。そのような世代間のギャップを埋めつつ、新入社員にコンプライアンスを学んでもらう必要があります。
                                   CS部 伊藤禎昭
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