提案営業のために潜在情報を収集して売上げアップ

掲載日:2022年6月7日

普段の営業活動を顧客視点で見直し、いかに顧客情報を収拾して提案していくにはどうしたらいいか考えよう。

●“御用聞き営業”の大切さを踏まえて“提案型営業”へ
 新入社員や若手中途社員が営業部に配属されると、一般的にはある一定の期間、営業の“見習い”として先輩社員から仕事の進め方、技術知識や積算方法などの教育を受けてから営業として独り立ちしていく。新人のうちは既存の仕事を受注し、顧客の御用を聞きながら仕事を進める“御用聞き営業”が多い。
 この“御用聞き営業”で大切なことは、今まで先輩たちが守ってきた既存の仕事を何のトラブルもなく遂行することだ。他の言い方をすると、“御用聞き営業”ができないと顧客からの信用を得るのは難しく、従って営業の駆け出しのときの“御用聞き営業”は会社のため本人のためにも大切な業務だ。
 しかし、ノルマが増え、売上を向上させるための次のステップは“提案型営業”だ。これは、顧客の困っていることをヒアリングして解決方法を提案する営業スタイルだ。しかし、日常営業活動の中で顧客情報をつかむためにどうしたらいいか、具体的にどう行動したらいいかわからないで悩んでいる営業も多いだろう。顧客に提案するためには、事案に関連した情報が必要だ。そして、営業で活用する情報には「顕在情報」と「潜在情報」がある。

●営業活動で大切な「顕在情報」と「潜在情報」
 「顕在情報」は基本的にテレビ・雑誌・インターネットなどを利用して、だれでも収集できる情報である。具体的には顧客の業界動向やサービスや自社が提供できるサービス内容などだ。営業はこうした情報を最低限押さえてながら有効に活用して自分の営業トークに取り入れて顧客とコミュニケーションをとっていく必要がある。
 これに対し「潜在情報」は、引き出す努力をしなければ、表に出てこない情報である。具体的には「顧客の本音」「競合他社の営業戦略」「自社のサービスに対する市場評価」などがこれにあたり、営業活動で受注に大きく関連する情報だ。
 この「潜在情報」を収集するために欠かせないのが、社内外での人脈形成である。顧客、競合他社の営業も含めた社内外の関係者と良好な関係をいかに構築できるかが重要だ。このためにも、“情報源”をしっかり押さえておく必要がある。「潜在情報」は、顧客や競合他社を含めた社内外の関係者と良好な関係が築かれている場合に、口頭で敢えてもらえるケースが多い。そのため、顧客の言うことを聞き逃さない集中力も必要だ。
 また、営業は顧客を一面的にしか見ていないことが多いので、上司や役員、デザイナーやシステムエンジニアといった社内専門家と同行することも効果的だ。ここで自社が提供できるサービを別の立場から提案できれば、新たな情報を収拾できる可能性もでてくる。これは営業が視野を広めて成長するためにも効果的なことだ。

 顧客に提案するためには関連する情報が必要であり、それを収拾するためには営業自身が勉強することはもちろんのこと、社内でも営業をどうやって支援していくかの工夫が必要だ。JAGATでは「顧客に選ばれる印刷営業活動の鉄則」と題して、若手営業を対象としたセミナーを開催する。このセミナーでは営業品質を高めるためには提案力だけではなく顧客対応力を高めることの重要性を解説するので、貴社、若手営業教育の一環としてご活用いただきたい。
                                (CS部 伊藤禎昭)
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