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印刷白書2016

 

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印刷白書2016
印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2016』
第1部「特集 デジタルイノベーションと新ビジネス」
第2部「印刷産業の動向」「印刷トレンド」「関連産業の動向」
第3部「印刷産業の経営課題」
ご注文はこちら発行日:2016年10月7日
頁数:152ページ
判型:A4判
発行:公益社団法人日本印刷技術協会
総図版点数:147点
定価:9,167円+税
JAGAT会員特別定価:7,685円+税

解説

印刷産業の現在とこれからを知るために必携の白書『印刷白書2016』
印刷・同関連業界だけでなく広く産業界全体に役立つ年鑑とするために、「印刷白書」は3部構成となっています。
印刷業界で唯一の白書として1993年以来毎年発行してきましたが、2016年版では、ワークフロー、drupa2016、デジタルマーケティングなどの新たな項目を追加し、内容をより充実させております。

第1部 「特集」では、「デジタルイノベーションと新ビジネス」をテーマとしました。マーケティングオートメーションを始めとするデジタルマーケティング手法を取り入れて、いかに費用対効果の高いメディア提案をするかなどの課題に取り組んでいます。

第2部「印刷・関連産業の動向」、第3部「印刷産業の経営課題」では、社会、技術、産業全体、周辺産業という様々な観点から、ビジョンを描き込み、今後の印刷メディア産業の方向性を探りました。印刷メディア産業に関連するデータを網羅、UD書体を使った見やすくわかりやすい図版を多数掲載し、他誌には見られない経営比率に関する調査比較などのオリジナルの図版も増加しました。

 


CONTENTS

第1部 特集 デジタルイノベーションと新ビジネス
[プロローグ]社会構造の変化に対応するための意識改革とイノベーション
[特集1]MAとリンクして広がる印刷メディアの可能性
[関連資料]DTP・デジタル年表
[特集2]人工知能の進化が人間を超能力者にする
[特集3]IoTがもたらすビジネス変革

第2部
第2章 印刷産業の動向
[産業構造]製造業×サービス業で可能性を広げる印刷産業
[産業連関表]すべての産業とともに歩む印刷産業
[市場規模]落ち着く印刷市場、不足する成長戦略 ICT時代の新たな印刷会社像を求めて
[上場企業]積極投資でさらなる進化を目指す上場印刷企業
[アメリカ印刷産業]ダイレクトマーケティングとの連携で変わる印刷ビジネス
[関連資料]産業構造/産業分類・商品分類/規模/産出事業所数(上位品目)/ 産出事業所数・出荷額
  産業別国内生産額/国内生産額・国内需要に占める輸出入割合/調達先と販売先/
  産業全体への影響力と感応度/最終需要と生産誘発/経営動向/上場企業/生産金額
  売上高前期比・景況DI/設備投資・研究開発/生産能力/印刷用紙/印刷インキ/M&A/
  印刷物の輸出入(全域)/印刷物の輸出入(主要国)

第3章 印刷トレンド
[デザイン]理念を可視化し、企業活動と社会生活に生かすデザインの力
[ワークフロー]自動化・標準化に向けて革新が進むワークフロー構築
[drupa2016]「All Digital drupa」は第二のステージへ
[デジタル印刷]drupa2016にみる最新デジタル印刷技術
[オフセット印刷]改良進むオフセット印刷機、版、インキ
[用紙]デジタル印刷の進展と用紙の動向
[後加工]技術・設備の融合で生産の効率化と高付加価値化を促進
[関連資料]デジタル印刷/フォーム印刷業界

第4章 関連産業の動向
[出版業界]雑誌の低迷と書籍の健闘、明暗分かれた出版市場
[電子書籍]紙の電子化とボーンデジタルが電子書籍市場を加速する
[新聞業界]メディア環境の変化に対応した取り組みが本格化
[広告業界]「自宅メディア」の不振と「出先メディア」の堅調
[DM業界]ターゲットの精緻化と訴求力強化が進むDMメディア
[折込広告他]地域メディアとしてのチラシとフリーペーパー、その用途開発の進展
[通信販売業界]ネット基軸の安定成長で6兆円市場拡大
[関連資料]読書率/出版市場/電子書籍市場/新聞市場/広告市場/通販市場

第3部
第5章 印刷産業の経営課題
[地域活性化]地域とのつながりを深め、新たな地域活性ビジネスに挑戦
[経営管理]成果を上げる原価管理
[クロスメディア]ソーシャルメディアの普及で力を発揮する「分散型メディア」
[デジタルマーケティング]ブランドとエンターテイメントの融合が新しいマーケティングコミュニケーションを創造する
[人材1]デジタルマーケティングの知識と技能が人材を強くする
[人材2]人材の確保における価値観の共有と企業ブランディング
[関連資料]地域活性化/クロスメディア/人材
[コラム]コラム 消える職業、なくなる仕事/チャレンジのためのモチベーション

●巻末資料
年表/主な統計調査の概要/関連団体アドレス/図版インデックス

印刷統計で何がわかるの?

印刷統計によると、2015年の印刷業の生産金額は3971億円(前年比0.3%減)、商業印刷と出版印刷で5割以上を占め、商業印刷の動向が市場を左右しています。(数字で読み解く印刷産業2016その6)

※本稿は2016年3月22日公表の数字に基づくものです。「平成27年経済産業省生産動態統計年報」(2016年6月)で2015年の印刷業の生産金額は3973億円(前年比1.8%増)に訂正されました。

 

統計調査には、特定の時点における状況を把握する静態統計と、一定の期間内の変化を把握する動態統計の2種類があります。例えば、総務省統計局の「国勢調査2015」は2015年10月1日現在の全国すべての人を対象に行われた静態統計です。これに対して、戸籍上の出生・死亡などの届け出を集計して厚生労働省が毎月作成している「人口動態調査」が動態統計になります。また、5年ごとの国勢調査ではとらえられない現在あるいは将来の人口については、総務省統計局が「現在推計人口」を、厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が「将来推計人口」を作成しています。
製造業に関しては経済産業省が従業者4人以上の約22万事業所を対象に毎年12月31日に実施している「工業統計調査」が静態統計で、約2万の事業所を対象に毎月実施している「経済産業省生産動態統計」が動態統計になります。

「経済産業省生産動態統計」の中でも印刷業を対象とした調査が「印刷統計」で、従事者100人以上の印刷業を対象に、毎月月末現在で1カ月の生産金額、月末従事者数を調査しています。
印刷統計の「生産金額」は、製品別内訳(出版印刷、商業印刷、証券印刷、事務用印刷、包装印刷、建装材印刷、その他の印刷)と印刷方式別内訳(凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式)で集計されて、両者の合計額は一致します。なお、生産金額=出荷金額ではなく、以下の式により算出されます。

生産金額=出荷(販売)金額-[(企画・編集費+製版費+製本・加工費)+(印刷媒体費)+(積込み料+運賃+保険料+その他の諸掛り)]

工業統計の出荷額5兆円に対して、印刷統計の2015年年計では生産金額は3970億87百万円です。この差はもちろん静態統計と動態統計の差ではなく、印刷統計は100人以上の印刷業を対象とした標本調査で、印刷前工程(企画・編集・製版など)と印刷後工程(製本・加工など)、用紙代などを除いた、印刷工程の生産金額に限定された数字だからです。

印刷製品別生産金額の構成比を見ると、商業印刷と出版印刷で5割以上を占めています。印刷方式別では平版印刷(オフセット印刷)が7割弱と圧倒的ですが、その他の印刷方式(デジタル印刷など)が毎年少しずつ増えています。

構成比

2015年の生産金額3971億円は、前年の3902億円と単純比較では増加していますが、時系列データが不連続なために接続係数により前年比を算出すると、2015年は0.3%減となります。2013年の3.5%減から2014年は0.6%減と少しずつ好転しています。伸び率寄与度では商業印刷が2014年1.4%、2015年2.7%と健闘しています。

印刷統計前年比

「印刷統計」の2004年調査開始以来の製品別シェアを見ると、この11年間で大きく減少したのは出版印刷(30.0%→18.7%)と証券印刷(2.0%→1.5%)で、包装印刷は逆に13.0%→18.5%と大きくシェアを伸ばし、建装材印刷も3.2%→4.3%と着実に増加しています。出版不況の長期化、証券印刷物関連の電子化、包装材や建装材の多様化などを反映した数字となっています。
時系列表で過去61カ月分の推移を見ると、商業印刷の動向がそのまま印刷業全体の動向となっていることがよくわかります。商業印刷の動向はクライアント産業の動向によって決まるわけで、また違う統計データを見る必要があります。

印刷統計

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

印刷物は印刷産業によって作られている

「工業統計調査」は2363品目、546産業という細密さで調査が行われています。どの品目をどの産業が産出しているか、あるいはそれぞれの産業がどのような品目を出荷しているのか詳しく見ることができます。(数字で読み解く印刷産業2016その5) 続きを読む

どんな事業所が一番多いでしょうか?

「オフセット印刷物」の産出事業所数は7044と全製造業で最も多く、東京・大阪・愛知など26都府県で第1位品目となりました。出荷金額でも東京では第1位品目となり、地場産業であることがよくわかります。(数字で読み解く印刷産業2016その4) 続きを読む