「2023年経済構造実態調査(産業横断調査)」によれば、印刷産業は1万6734企業、売上高は7兆5639億円となった。 (数字で読み解く印刷産業2024その1)
「経済構造実態調査」の速報値公表
総務省・経済産業省は、「2023年経済構造実態調査(産業横断調査)」の一次集計結果(企業等に関する集計)を3月27日に公表しました。
売上高を見ると、「製造業」は453兆8466億円(前年比9.4%増)、「印刷・同関連業」は7兆5639億円(同1.7%減)となっています。
企業数を見ると、「製造業」は24万1661企業(同0.5%減)、「印刷・同関連業」は1万6734企業(同0.8%減)となっています。
一次集計(産業横断調査)は法人企業を集計対象とした速報値で、確報値は2024年7月公表予定の二次集計(産業横断調査)で公表されます。
また、2022年調査から「経済構造実態調査」の一部として実施されている「製造業事業所調査」も2024年7月に公表予定です。
印刷産業の出荷額4.9兆円に対して、売上高は7.6兆円
「2022年経済構造実態調査 製造業事業所調査」(2023年7月31日公表)が現時点では最新のデータで、2021年の「印刷・同関連業」の製造品出荷額等(全事業所)は4兆8555億円です。
これに対して、「2023年経済構造実態調査(産業横断調査)」の一次集計(企業等に関する集計)では、「印刷・同関連業」の売上高は7兆5639億円となっています。
印刷産業の出荷額は4.9兆円なのに、売上高は7.6兆円、この差はどこからきているのでしょうか。
「製造業事業所調査」の出荷額は事業所単位の集計なので、主要製品が「印刷・同関連品」なら印刷産業の出荷額になります。一方、「産業横断調査」の売上高は企業単位の集計なので、主業が「印刷・同関連業」なら印刷産業の売上高になるのです。
また、出荷額は工場出荷金額(積み込み料、運賃、保険料、その他費用を除いた金額)なので、その分売上高より金額は小さくなります。
『印刷白書2023』では 印刷メディア産業に関連するデータを網羅し、わかりやすい図表にして分析しています。
また、限られた誌面で伝えきれないことや、今後の大きな変更点は「数字で読み解く印刷産業」で順次発信していきます。ご意見、ご要望などもぜひお寄せください。
(JAGAT 吉村マチ子)