若者や女性が働きやすい職場環境が求められています。印刷企業ではどの程度対応が進んでいるのでしょうか(数字で読み解く印刷産業2016その9) 続きを読む
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JAGAT最新刊「DTPベーシックガイダンス」発刊
JAGATは豊富な図版とわかりやすい解説で、DTPの基本知識とDTPエキスパート受験のための基礎が学習できる「DTPベーシックガイダンス」を発刊した。
「DTPベーシックガイダンス」まえがき
DTPの基礎を学ぶための参考書は多々ありますが、本書はJAGATのDTPエキスパート認証試験対策セミナーのレジュメをもとに誕生しました。
早いものでDTPエキスパート認証試験も2016年8月の試験で46回目を迎えます。初期のDTP環境は、知識も、ワークフローも、オペレーションも、人によってバラバラで、信頼できる指針がなかった混沌としたものでした。そのような中、標準的な指針を示す必要性から生まれた「DTPエキスパート認証試験」が、日本の印刷物製作のデジタル化、DTP化へ貢献してきた点は決して少なくないと自負しています。
スタート時の混沌としたDTP環境も、瞬く間に進化しました。今や「DTPエキスパート認証試験」の解説書は、膨大な量の情報が網羅されており、効率よく勉強するには少々骨が折れます。しかし、本書「DTPベーシックガイダンス」は、セミナーで講義の理解をより深めるためのレジュメをもとにしているため、図版が豊富で分かりやすく、効率よく学習することができます。
現代のDTPエキスパートは、DTPオペレーションだけではなく幅広い知識が必要です。DTP以外の新しい情報も常に仕入れて行く必要があり、時間との勝負でもあります。そこで、スピーディにDTPの基礎を学べ、DTPエキスパートを目指す方にとってもベーシックな知識を学べる本書は、最適な教科書と言えます。
DTP経験者にとっても、知識の再整理に役立つとともに最新知識を勉強する良い参考書になることでしょう。
本書をフル活用し、最新DTP知識を学び、考え、実践し、ぜひ「DTPエキスパート認証試験」の合格を目指してください。
JAGAT専務理事 郡司秀明
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発行日:2016年6月23日 ※ご注文受付を開始しました |
小売業の売上増は印刷産業の需要増につながるか?
2015年のスーパー・コンビニの売上高はプラス成長。百貨店は4年ぶりの前年割れながら、訪日外国人増加の恩恵で主要10都市の店舗は好調を維持。印刷会社の需要にはどう影響するのでしょうか。(数字で読み解く印刷産業2016その8) 続きを読む
印刷業の10年の歩みを「印刷統計」で見てみよう
工業統計の印刷産業出荷額の推移からデジタル化の影響が明らかになります。印刷統計の生産金額の推移からは出版印刷の低迷や包装印刷の漸増などが見えてきます。(数字で読み解く印刷産業2016その7) 続きを読む
印刷統計で何がわかるの?
印刷統計によると、2015年の印刷業の生産金額は3971億円(前年比0.3%減)、商業印刷と出版印刷で5割以上を占め、商業印刷の動向が市場を左右しています。(数字で読み解く印刷産業2016その6)
※本稿は2016年3月22日公表の数字に基づくものです。「平成27年経済産業省生産動態統計年報」(2016年6月)で2015年の印刷業の生産金額は3973億円(前年比1.8%増)に訂正されました。
統計調査には、特定の時点における状況を把握する静態統計と、一定の期間内の変化を把握する動態統計の2種類があります。例えば、総務省統計局の「国勢調査2015」は2015年10月1日現在の全国すべての人を対象に行われた静態統計です。これに対して、戸籍上の出生・死亡などの届け出を集計して厚生労働省が毎月作成している「人口動態調査」が動態統計になります。また、5年ごとの国勢調査ではとらえられない現在あるいは将来の人口については、総務省統計局が「現在推計人口」を、厚生労働省国立社会保障・人口問題研究所が「将来推計人口」を作成しています。
製造業に関しては経済産業省が従業者4人以上の約22万事業所を対象に毎年12月31日に実施している「工業統計調査」が静態統計で、約2万の事業所を対象に毎月実施している「経済産業省生産動態統計」が動態統計になります。
「経済産業省生産動態統計」の中でも印刷業を対象とした調査が「印刷統計」で、従事者100人以上の印刷業を対象に、毎月月末現在で1カ月の生産金額、月末従事者数を調査しています。
印刷統計の「生産金額」は、製品別内訳(出版印刷、商業印刷、証券印刷、事務用印刷、包装印刷、建装材印刷、その他の印刷)と印刷方式別内訳(凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷、フレキソ印刷、その他の印刷方式)で集計されて、両者の合計額は一致します。なお、生産金額=出荷金額ではなく、以下の式により算出されます。
生産金額=出荷(販売)金額-[(企画・編集費+製版費+製本・加工費)+(印刷媒体費)+(積込み料+運賃+保険料+その他の諸掛り)]
工業統計の出荷額5兆円に対して、印刷統計の2015年年計では生産金額は3970億87百万円です。この差はもちろん静態統計と動態統計の差ではなく、印刷統計は100人以上の印刷業を対象とした標本調査で、印刷前工程(企画・編集・製版など)と印刷後工程(製本・加工など)、用紙代などを除いた、印刷工程の生産金額に限定された数字だからです。
印刷製品別生産金額の構成比を見ると、商業印刷と出版印刷で5割以上を占めています。印刷方式別では平版印刷(オフセット印刷)が7割弱と圧倒的ですが、その他の印刷方式(デジタル印刷など)が毎年少しずつ増えています。
2015年の生産金額3971億円は、前年の3902億円と単純比較では増加していますが、時系列データが不連続なために接続係数により前年比を算出すると、2015年は0.3%減となります。2013年の3.5%減から2014年は0.6%減と少しずつ好転しています。伸び率寄与度では商業印刷が2014年1.4%、2015年2.7%と健闘しています。
「印刷統計」の2004年調査開始以来の製品別シェアを見ると、この11年間で大きく減少したのは出版印刷(30.0%→18.7%)と証券印刷(2.0%→1.5%)で、包装印刷は逆に13.0%→18.5%と大きくシェアを伸ばし、建装材印刷も3.2%→4.3%と着実に増加しています。出版不況の長期化、証券印刷物関連の電子化、包装材や建装材の多様化などを反映した数字となっています。
時系列表で過去61カ月分の推移を見ると、商業印刷の動向がそのまま印刷業全体の動向となっていることがよくわかります。商業印刷の動向はクライアント産業の動向によって決まるわけで、また違う統計データを見る必要があります。
(JAGAT CS部 吉村マチ子)
印刷物は印刷産業によって作られている
「工業統計調査」は2363品目、546産業という細密さで調査が行われています。どの品目をどの産業が産出しているか、あるいはそれぞれの産業がどのような品目を出荷しているのか詳しく見ることができます。(数字で読み解く印刷産業2016その5) 続きを読む
どんな事業所が一番多いでしょうか?
「オフセット印刷物」の産出事業所数は7044と全製造業で最も多く、東京・大阪・愛知など26都府県で第1位品目となりました。出荷金額でも東京では第1位品目となり、地場産業であることがよくわかります。(数字で読み解く印刷産業2016その4) 続きを読む
印刷産業に30万人、そのうち25万人が印刷業で働いている
印刷産業の従業者数は東京・埼玉・大阪・愛知で半数近くを占め、山口、秋田、大分など9県で増加、38道府県は減少。1事業所平均は11.5人、東京・大阪の10人弱に対して、滋賀・埼玉は20人超。(数字で読み解く印刷産業2016その3) 続きを読む
東京・大阪の次に多いのは福井、さて何の話でしょうか?
2014年の印刷産業事業所数は2万5843、前年比4.4%減となりました。印刷産業の事業所が存在しない県は一つもないことからも、印刷産業の裾野の広さがわかるのではないでしょうか。(数字で読み解く印刷産業2016その2) 続きを読む
工業統計で何がわかるの?
2014年の印刷産業出荷額は5兆5364億86百万円、減少幅は前年比0.2%減と小さく、1事業所当たり出荷額は2年連続増で214.2百万円を確保。印刷産業の市場規模は工業統計の数字で示されるが、実際の印刷会社の仕事はもっと大きく広がっています。 続きを読む