「協会情報」カテゴリーアーカイブ
事故にみる工場のヒューマンエラー対策
交通事故にみるヒューマンエラー
工場管理でやっかいな課題に人為的過誤やミスであるヒューマンエラーがある。ヒューマンエラーに起因するトラブルや事故は、工場に限ったことではない。警察庁によれば、交通事故におけるアクセルとブレーキの踏み間違いによる人身事故は過去5年(2016~20年)で2万1103件発生し、248件が死亡事故につながっているという。よく高齢者による事案が話題になるが年齢に限らずヒューマンエラーの視点で捉えることも重要だ。国土交通省自動車局が2018年9月に公表した「自動車の安全確保に係る制度及び自動運転技術等の動向について」では、2016年のヒューマンエラーによる法令違反に起因する交通死亡事故は全死亡事故の97%に上るという。また、内閣府が同年発表した「平成28年中の道路交通事故の状況」での死亡事故原因は「わき見」や「漫然運転」「安全不確認」といった安全運転義務違反が55%を占めている。「一時停止違反」や「速度違反」なども多いようだ。こうしたヒューマンエラーへの対応策は、自動運転システムの普及と人間の心理的、生理的特徴への対応だともいわれている。
犯人捜しでは解決できないヒューマンエラー対策
人が活動する限りヒューマンエラーは無くすことはできない。なくならいことを前提に考える必要がある。トラブル対応では、事故を起こした当人を探し責める場面があるが、犯人捜だけでは解決できない。孔子の教えに「罪を憎んで人を憎まず」とあるが、同様にトラブル自体に目を向けなければならい。原因を把握したうえで適切な対策を講じて発生しにくい環境を整えることが大切だ。コンサルソーシング株式会社のサイト記事(2018年7月28日)では、事務ミス・作業ミスの多い人の傾向的特徴と対策の方法・事例について解説してある。人それぞれに傾向と特徴があり、それに合わせた対策を行うことで効果的にヒューマンエラーやミスを軽減することができるというものだ。例えば、人の行動特性を7つタイプに分ければ下記のようになる。
- 細部が気になる人
- 場当たり的に仕事をする人
- 言われたことしかしない人
- 認識が他の人とずれる人
- 何でも抱え込んでしまう人
- 仕事が中途半端な人
- すぐ忘れる人
タイプ別に対応は異なる。ヒューマンエラーは、人の特性を理解し、それぞれに応じた対策が求められる。対応策としては、人に仕事の中に潜むミスを気づかせる見える化改善に繋げることが必要になるという。ミスの検出力を高めるミーティングや見える化の改善策が有効になるとうことだ。工場管理においては、改善活動とヒューマンエラー対策はセットで考える必要があるのだ。
CS部 古谷芸文
印刷工場の競争力を高めるための「工場改善活動の進め方」
工場のトラブル対応!「ヒューマンエラー対策」
8/30 印刷ビジネスの未来を考える
【マスター郡司のキーワード解説2022】Wi-Fi(その弐)
JAGATのベストセラー:初心者向け印刷、DTPの入門書
初心者向け印刷、DTPの入門書として最適な2冊をご紹介いたします。
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工場の日常管理、維持管理、叱ると怒るの境界線
パワハラが社会問題とされる中、悩む管理者
工場をマネジメントする管理者は、人を育てる意識が重要だ。2021年6月に大手運送会社では、上司2人からの度重なる叱責(しっせき)によるパワーハラスメント(パワハラ)などを理由に、営業所で自殺していたことが明らかになった。同社では内部通報があったが生かせなかったという(東京新聞2021年11月5日)。2020年4月にパワハラ対策を大企業に義務付けた法律施行後も、働く人の自殺は後を絶たない。2022年4月より中小企業にも義務付けられた。一方、昨今の工場の管理者は、生産性の向上や部下への指導と関わり方で「厳しく接すること」がうまく実践できずに悩んでいることを耳にする。パワハラが社会問題とされる中、過剰に気を遣うことは容易に理解できる。
「叱る」と「怒る」の違いを学ぶ
5S活動をベースに工場改善に取り組む上では、日常管理、維持管理が第一歩となる。維持管理は至ってシンプルで部下に決まったことやルールを守らせることである。維持管理ができなければ、工場づくりは進まない。時には守らない部下を厳しく躾ける必要が出てくる。指導するコツのひとつが「叱る」と「怒る」の境界線を知ることだ。「叱る」は、人を育てるための教育であり理性である。一方、「怒る」は、個人的でコントロールができない感情であり暴力にあたる。叱ることを学ぶ必要がある。
ルールを守れない場合は、原因を探求することが肝心
2022年6月9日(木)に開講した「第2期印刷工場養成講座」(JAGAT主催、全6回)での初回「経営と印刷工場のマネジメント」では、石川秀人氏(コンサルソーシング株式会社、コンサルタント)を招き、部下の指導についても触れられた。叱るときのポイントは、熱くなりすぎず要点を絞り込んで指摘することだという。部下に問題の重大性を認識させ、同じ失敗を繰り返さないように考えさせることだ。根本的には、部下に反省や気付きを促すという目的を意識して指導できるかどうかである。ルールを守れない場合は、原因を探求することが肝心だ。原因は、いくつかのパターンに整理できる。
①決まったことを知らない、忘れてしまった。
②内容を理解していない
③管理者が根気強く教えていない
④守れない者に叱り方が分からない
⑤守っていないことに当事者が気づかない
⑥守っていない犯人捜しで終わっている
⑦作業の指示が曖昧で、報連相が無い
⑧維持管理のサイクル(PDCA)が回っていない
守れない原因は何故かということを繰り返し考えることが重要だ。そして、原因に合わせて対処するのだ。考えることによって理性的に対応することへも繋がる。考えさせることを学ぶのだ。指導の仕方を身に着けることで人材が育ち工場の競争力に繋がる。
(CS部 古谷芸文)
先行予約案受付中!第3期【オンライン】印刷工場長養成講座
最新版!DTPアプリケーションの徹底活用
PDF入稿の運用方法とトラブル対策
情報の活かし方とアイデア発想法
DTP制作のための組版の基礎知識
【マスター郡司のキーワード解説2022】Wi-Fi(その壱)
最近はインターネットを使用して在宅勤務という方も多いのではないだろうか? 私も先日、 かつて住んでいた埼玉県内の家(現在は息子一家が住んでいる)のインターネット回線契約を息子の名義に変更したので、ついでに設備も新しいものに更新しようと自ら設定しに出掛けてきた。
広告効果の高いメディアとは何か
サブスクリプションの動画配信サービスや、有料コンテンツ配信が加速する中、広告媒体の価値を考えてみる。
昔のテレビにあって今のテレビにないもの
昨日の記事からの続きになるが、筆者の自宅リビングにもスマートテレビがある。動画配信サービスはサブスクリプションが基本であるとともに、オンデマンド配信なので子供たちは、自分の観たいコンテンツを自分の好きなタイミングで観ている。そこにそれまでのテレビには必要不可欠であった「タイムテーブル」と「テレビCM」という概念は存在しない。たまに地上波で放送された番組の見逃し配信サービスを利用することがあるが、スキップ出来ないCMの長さを憂いている。
ライブ配信の価値が一気に向上
一方、スポーツや音楽ライブなど、そのタイミングでしか観ることが出来ないコンテンツの価値は一気に高まる。先週の日曜日行われた格闘技イベントでは、当初予定されていた生中継を予定していた地上波放送局が放映を撤退したが、その結果PPV(ペイ・パー・ビュー:動画配信サービスの有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)の契約数が急増したという。最終的には5,500円の視聴サービス購入数は約50万件以上に達し、放映権料とスポンサー料を大きく上回る結果となった。無料で観られる「テレビ番組」が無数にある中、有料の「コンテンツ」の視聴者数でビジネスが成立する事例が日本でも生まれつつある中、テレビCMの価値は低くなっているのだろうか?
「日本の広告費2021」によると、テレビメディア広告費は1兆8,393億円(対前年111.1%)という。2021年の広告費は全体として、ほぼすべての媒体でコロナの影響を受けた前年との比較でプラスになっているが、テレビメディア広告費はコロナ前の水準(2019年;1兆8,612億円)に戻っている。そしてこのテレビ広告費の前年比伸び率が最も高い業種が「情報・通信業」である。テレビどころかマス4媒体の広告費を上回る勢いのインターネット広告の大元である業種が、テレビCMに価値を見出しているというのも興味深い。
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まだまだテレビCMの優位は揺るがないが
上述した通り、私の子供たちは家のリビングでテレビを観る時には、主に動画配信サービスを選択しているが、テレビ世代の私は、暇な時はほぼ無意識に地上波にチャンネルを合わせてしまう。おそらく私よりも年上の方々であれば猶更ではないか。しかしテレビCMを打てるほどの広告費がある企業は多くないはずだ。「日本の広告費2021」によると「DM(ダイレクトメール)」広告費は3,446億円(前年比104.7%)で、その中で特に増加したのがネット広告でカバーし切れないターゲット向けの無宛名便であった。また雑誌広告費は1,224億円で、前年とほぼ同水準だったが、雑誌の販売金額が前年割れする中、広告費が堅調に推移したのは、ターゲットを絞ったり、ニッチなテーマを取り上げるメディアの広告費の増加であろう。
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ターゲットが特化されたニッチなメディアは効果が高い
当協会の会員企業に毎月送付しているJAGATinfoも、7月号からオールカラー化することになった。JAGATinfoは、印刷業界の経営者が最も読んでいるメディアと言っても過言ではないほどターゲットは特化しており、テーマもかなりニッチだ。JAGATinfoのリニューアルに合わせて広告プログラムも見直しを図り、リーズナブルなプランや、デジタルメディアと連動したセットも提案可能になっている。詳細はこちらをご覧いただき、ご活用いただきたい。
(CS部 堀雄亮)
企業内教育における通信教育の活用法
時間と場所を選ばず、自由なペースで学習できる。本社、支社など同じ期間に、同質の学習機会が提供できる。成績表がフィードバックされるので、進捗や成績の一元管理ができる。といった特徴を持つ通信教育講座。これを企業内教育に導入する際には大きく2つの形式がある。 続きを読む