協会情報」カテゴリーアーカイブ

印刷業定点調査 各地の声(2021年8月度)

6月の売上高は+8.9%。消費増税前の駆け込み需要があった2019年7~9月以来の3カ月連続プラス。ただし、コロナ禍前の2019年6月と比べた実質は売上高△13.6%、受注件数△16.9%。依然として10~20%減で推移している。なお、4月の19年比はそれぞれ△7.2%、△12.4%、5月の19年比は△12.7%、△21.3%だった。売上高は4月から2カ月連続で減速、実質的な回復の足取りは次第に弱くなっていることが分かる。 続きを読む

印刷会社の自社製品・サービスをpage2022でPR

JAGATでは「page2022」を、2022年2月2日(水)~4日(金)の3日間、
東京・池袋サンシャインシティにて、開催いたします。 それとともに、前回page2021にて実施したオンライン展示会につきましては、 「ビジネス直結」を最優先に考えたオンラインでの展開を行います。

昨年の実績と経験を踏まえブラッシュアップしたオンライン展開

内容を簡単に申し上げますと、今回はご協賛いただく企業様の動画コンテンツを配信し、その動画の視聴者情報(リスト)をお渡しする形になります。リアル展示会のご出展企業であれば、製品動画1本をご用意いただければ、展示会出展1小間分ほどの費用で、御社動画コンテンツの視聴者情報が取得が可能となる。

印刷会社様が出展しやすいオンラインイベントに

そして今回、特に印刷関連企業の皆様にご出展いただくべく、自社セミナーの開催プランに加えて、企業紹介及び製品紹介の動画プランもご用意した。自社紹介の動画であれば、ご用意されている企業も多く、またもし用意が無くても、安価で簡単に動画作成が可能となるサービスも多数存在している。そうした動画をご用意いただければ、page2022期間中に誰が動画を再生したかが分かる仕組みとなっている。リスクとコストを削減し、リアル展示会と同様の効果が得られます。

つきましては、こちらの詳細についての、
事務局からご説明を各社様個別に相談会をオンラインにて行います。

こちらの相談会の参加をご検討する企業様におかれましては、添付ファイルをダウンロードいただき、必要事項をご記入いただきお送りいただきたい。

(JAGAT page事務局)

印刷工場のムダな在庫とお金の目

自動車メーカーの変化と在庫のムダ

印刷工場の改善活動では、ムリ・ムダ・ムラの3Mを無くすことは課題である。中でも過剰な在庫を減らすことは重要だ。最近の在庫管理では、少し違う見方もある。日本経済新聞オンライン(2021年9月15日 18:00)の記事によれば自動車メーカーの在庫管理に対する変化を伝えている。自動車メーカーの間では、できるだけ部品の在庫を持たない効率重視の調達戦略を見直す動きが広がってきた。トヨタ自動車や日産自動車、スズキは半導体の在庫を積み増す。レアメタル(希少金属)権益を自ら確保するメーカーもある。電動車シフトという構造変化を受けて半導体などは戦略部品として重要性が高まっており、国際情勢も勘案しながら安定調達する必要が出てきた。「持たざる経営」は転機を迎えた。と報じている。つまり在庫を増やすということだ。そもそも自動車業界の成長は、受注生産方式で在庫を持たないということで競争力を付けてきた。従来、メーカーの多くは、売り上げを予測して、見込生産により商品を売り切ることを目指す。売り切れずに過剰在庫となり利益に悪影響を及ぼすことがある。

トヨタ自動車のトヨタ生産方式「ジャストインタイム」は、受注生産方式のボトルネックであるリードタイムやコスト、仕様変更へ対応を改善活動により極力向上させた代表的な取り組みだ。その受注生産体制の中で、在庫を持つ方針を打ち出している。勘違いしてはいけないことは、単純な従来のリードタイム短縮や急な需要への対応などではないところだ。危機管理によるマクロ環境対応を考えた経営判断によることを理解しなければならない。

基本は、在庫は持たないほうが良い。なぜか?

答えはシンプルで、在庫はお金ではないからだ

印刷工場の在庫では、材料となる用紙やインキ、刷版などが上げられる。これらは、経営資源「お金」として都合よく運用できるものではない。コスト判断の上でも誤ることがある。例えば、財務諸表の損益計算書では、見せかけの利益となり判断を誤る。在庫は、売れないかぎり原価には計上されないからだ。例えば、年間100万円の利益を稼いだとしても、期首からの在庫残高が100万円増えれば、利益が在庫に形を変えただけでお金は全く増えていないことになる。また、会社の懐具合(ふところぐあい)である貸借対照表、資産の部「棚卸資産」に計上されるが、お金ではないことを認識しなければならい。

ムダな在庫は、生産コストにも悪影響を及ぼす。ムダな在庫は、スペースを取り、倉庫管理というムダな仕事も増やすことになる。

印刷工場のマネジメントでは、それらをお金で計ることが求められる。財務知識は必須だ。だからといって、簿記の資格を取得しなければならないということでもない。管理会計やマクロ会計的な見識が土台となる。工場に纏わる原価の科目を理解し、お金の動きと生産現場の業務を繋げ把握することが必要だ。ムダな在庫を会社のお金と結び付けて考える習慣ができれば、改善活動への意識も高まるはずだ。

オンライン印刷工場長養成講座(JAGAT主催)第1回目は、トヨタ生産方式を基本に「経営と工場マネジメント」をテーマにスタートする。

CS部 古谷芸文

【オンライン】印刷工場長養成講座 https://www.jagat.or.jp/archives/87828

否応なしに加速するデジタルシフト、後戻りはできない

「週刊文春」は8月26日号をもって電車内の中吊り広告を終了した。呼応するように「週刊新潮」も9月末の発売号での掲載中止を発表した。両誌とも、車内広告コストを電子出版やデジタルコンテンツに振り向けるとのことだ。中吊りを雑誌文化の一つととらえる向きもあるが、デジタルシフトはある意味非情ともいうべきスピードで文化をも破壊して進展し、このコロナ禍でますます加速していくだろう。 続きを読む

印刷業定点調査 各地の声(2021年7月度)

5月の売上高は+18.2%と高い伸び。消費増税前の駆け込み需要があった2019年8~9月以来の2ヵ月連続プラス。ただし2019年5月比は売上高△12.7%、受注件数△21.3%。実質は15~20%減で推移していると見た方がよい。4月の19年比はそれぞれ△7.2%、△12.4%だったので5月は4月より相当に減速したのが実際である。 続きを読む

トヨタ生産方式に学ぶ、印刷工場の改善活動とムダとり

改善活動における「ムダとり」

印刷工場の生産効率を上げることは、印刷会社の利益に直結する。特に「ムダ取り」は多くの生産現場で課題となっている。TPS(トヨタ生産方式)ベースの人づくりを中心に実践活動を行うコンサルティングファームのコンサルソーシング株式会社では、YouTubeにおいて工場改善についての動画ラーニングチャンネルが公開されている。トヨタ生産方式をベースに工場の改善活動を様々な視点で解説してある。カイゼンとは、工場の生産現場の作業効率や安全性の確保を見直す活動のことだ。現場の作業者が知恵を出し合うことで問題を解決する点に特徴があり、中でもムダな作業を無くす「ムダとり」は、大きなテーマだ。

ムダとりは、正味作業と非正味作業の仕分けからはじめる

改善活動は、課題を分類することからはじまるとも言われる。トヨタ方式でのムダ取り改善は、正味作業の割合を高めて仕事の付加価値を高めるとされている。

正味作業は、一言でいうと付加価値のある仕事で、非正味作業は、一言でいうと付加価値のない仕事だ。例えば、印刷業でいえば、顧客に対して、直接的に価値を提供している本業としての仕事、印刷製品の品質・コスト・納期を直接左右する影響力の大きい支援的な仕事、遵法性、社会性に関わる仕事にあたる。例えば、印刷現場の品質基準、数値管理、営業での顧客へのヒアリング、提案書作成、プレゼンテーション、契約書作成、締結、請求、支払いなどがある。

非正味作業は、顧客にとって価値の無い、または、価値の低い作業である。無くても顧客に何かしらの損害を与えてしまうリスクが低いものだ。印刷業では、社内都合での会議、打合せ、監視、管理の仕事、トラブル発生に付帯するフォロー仕事、具体的には、刷り直し、製本、加工ミスでの再納品、クレーム処理、値引き、再契約等が考えられる。非効率な会議やトラブル対策は大きな要因のようだ。

勘違いしてはいけないことは、ムダは、正味作業にも非正味作業にも存在しているということだ。ただし、非正味作業のムダを優先してムダとりを行うことになる。顧客にとって価値がない又は低い作業なので損害を与えるリスクが低いからだ。その点、正味作業は顧客に直接価値を提供しているので、その作業をやめたときに問題が発生する可能性が大きい。例えば印刷受注でのプレゼンテーションは、受注する印刷会社にとって必ずしも必要なものでもない。しかし、顧客にとっては、発注する印刷製品価値の理解度を高めるものだ。顧客にとっては重要な作業になる。一概にムダと判断するにはリスク伴う。ムダの性質を知る必要があるのだ。トヨタのムダとり改善は、効率化改善のように仕事を速く処理するという考え方をしない。ムダをみつけて取り除く改善ではあるが、最大との特徴は「やめる改善」で、「価値を探求する改善」だ。顧客満足に向けて、価値を探求し、仕事の付加価値を高めることで成果を上げて余裕ある仕事ができる工場くりに取り組んでいる。

ムダをとっても顧客に選ばれることにはならない

ムダを取っても、顧客に選んでもらうことはできない。顧客に選んでもらうためには、顧客にとって価値の高い魅力的な商品やサービスを提案・提供しなければならないことを認識することだ。正味作業の中にも、顧客にとって価値のない、或いは、低いものがある。価値のない作業を、価値のある作業に変えていく必要がある。変えるためには、価値のない作業をやめて、新たに価値のある作業を始めるか、価値を生み出すようにしなければならい。ムダの認識は、実は、顧客と接する営業や経営方針にも関係する全社あげての取り組む要因でもある。印刷工場においても生産効率を高めるために非正味作業を優先して取り除く活動が必要とされるが、正味作業の中に一見ムダとも思える作業の中の価値を見落としてはいけない。例えば、印刷工場の現場では、印刷におけるカラーバー(印刷品質管理スケール)が紙のムダだと耳にすることがあった。顧客には関係ないことのように思えるが意味を知ったらどうであろうか。品質保証という顧客にとって安心、信頼という価値に繋がる可能性が出てくる。ムダとり改善は、経営やマーケティング感覚も必要な生産現場活動なのだ。

2021年10月20日開講のオンライン印刷工場長養成講座(JAGAT主催)は、第1回目にトヨタ生産方式を取り上げ、経営と工場マネジメントをテーマにスタートする。

CS部 古谷芸文

コンサルソーシング株式会社 動画ラーニングチャンネルhttps://www.youtube.com/c/ConsultsourcingJp/videos

【オンライン】 印刷工場長養成講座 https://www.jagat.or.jp/archives/87828

令和3年度「人材開発支援助成金」改訂のポイント

生産性向上や利益の拡大など更なる成長を見込み、社員教育を重視している企業も多い。しかし、人材育成には時間の確保や研修費などのコスト面での負担が大きい。そこで、助成金を有効に活用し、少しでも負担を軽減させるために、令和3年度「人材開発支援助成金」の改訂のポイントを紹介する。
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