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社員が自走する組織づくりと1on1ミーティング

社員の自走について

企業に必要とされるイノベーションや生産性向上は、印刷会社においても重要な課題で、人材においては、自走する社員が求められる。「社員の自走」とは、社員が自ら考え、行動し、課題を解決する能力を持つことを示す。上司からの指示を待つのではなく、自分でやるべきことを見つけて実行する姿勢を意味する。PHP人材開発のWebサイト(2024年2月13日更新)を参考に自走する社員がいる組織のメリットが上げられる。

<メリット>

  • 生産性の向上:社員が自発的に動くことで、業務の効率が上がる。
  • イノベーションの促進:新しいアイデアや改善策が生まれやすくなる。
  • マネジメントの負担軽減:上司が細かい指示を出す必要がなくなり、戦略的な業務に集中できる。

自走する社員を育成するためには重要なポイントがあるという。

<実施するポイント>

  • 理念やビジョンの共有:企業の方向性を明確にし、社員に浸透させる。
  • 支援型リーダーの育成:社員の自主性を引き出し、サポートするリーダーを育てる。
  • 心理的安全性の確保:社員が安心して意見を言える環境を整える。

社員の自走を促進するコミュニケーション

社員が自走するためには、マネジメントにおける社員各々のモチベーションと目標を持たせることが欠かせない。鍵の握るのは、コミュニケーションである。JAGATの管理者系研修でも受講者の困りごととして「部下とのコミュニケーション」についての事柄が意外に多い。2024年9月12日(木)に開講する「営業マネージャー養成講座」の第2回目では「部下の成長を促進させる1on1ミーティング」をテーマに泉谷史郎氏(キャリアコンサルタント、凸版印刷株式会社 情報コミュニケーション事業本部ビジネスプロデュースセンター第六営業本部長)により事例と演習を交えながら講座を行う。 LINEヤフー株式会社 が2012年から取り入れたことでも話題になった「1on1ミーティング」は効果的な手法のひとつかもしれない。講座では、その狙いについて、過去のマネジメントスタイルやリーダー像を鉄道に例えて「機関車」と称する。先頭の機関車が動力のない車両を強引に引っ張るものだ。対して、これからのマネジメントを「新幹線」に例えている。新幹線は、各車両が自走することで効率よく高速で走り快適な乗り心地を生み出すことができる。自走型の組織と自走できる社員の育成の必要性を表したものだ。講座では、部下を育てる上で必要となる関係づくりを学び、コミュニケーショントレーニングを行う。

1on1は、各社員の力を引き出し、業績アップを導くものだ。上司と部下が1対1で行う定期的なミーティングで概ね短時間の面談、頻繁に実施することが基本とされる。1on1の目的は、部下の成長のために行うものである。主役はあくまで部下、上司は聞き手に徹することが大切である。

1on1ミーティングを効果的に行うためにはポイントがある。

(目的と期待を共有する)

ミーティングの目的や期待を事前に部下と共有することで、双方が同じ方向を向いて話し合う。

(傾聴の姿勢を持つ)

上司は部下の話をしっかりと聞くことが重要。部下が話しやすい雰囲気を作り、積極的に質問を投げかけることで、深い対話を可能にする。

(定期的に実施する)

1on1ミーティングは一度きりではなく、短い時間でも定期的に行うことで信頼関係が築かれる。例えば、月に一度や隔週で行うことなど。

(フィードバックを具体的にする)

ポジティブなフィードバックだけでなく、改善点も具体的に伝えることが大切。具体的な事例を挙げて話すと、部下も理解しやすい。

(アクションプランを策定する)

ミーティングの最後には、次回までのアクションプランを明確にし、フォローアップを行うこと。成長をサポートしていく。

(記録を残す)

ミーティングの内容を記録し、いつでも見返せるようにしておく。次回のミーティングにも役立つ。

部下とのコミュニケーションスタイルの変化への柔軟な対応は益々重要である。1on1が話題になっている背景には、VUCAと称される時代や働き手の減少に加え、働き方の多様化などがある。 人材マネジメントは 、人材の確保と育成において益々各社員を尊重し、それぞれの心を大切にする必要がある。一方、その運用に難しさを感じている企業も多い。企業の中には、強烈なリーダーにより成長してきた事例も多い。大きな声を出す過去の成功体験や実績のあるリーダーこそ変化対応が難しいかもしれない。拘ることは、テクニックや体裁ではない。無駄な人材を抱える余裕のない中、満遍なく各社員を機能させ戦力化することである。生産性を高め自走する組織づくりには、各社員の心に触れ、やる気を高めることにより自走する社員を生み出すことだ。

(研究教育部 古谷芸文)

オンライン 印刷営業マネージャー養成講座2024

オンライン【2024年10月開講】秋の印刷入門

新しい企画を生み出す時に大事なこと

東京・池袋サンシャインシティで 2025年2月19日~21日の3日間、「共奏」をテーマに開催する「page2025」では新企画として「工場ソリューションゾーン(仮称)」を設置する。

シンプルなネーミングで新企画の趣旨を訴える

展示会に行くと主催者企画ゾーンというのを多く見かける。主催側からすると何らかの思いがあって企画ゾーンを作っているのだが、それを訴える際に重要になるのがネーミングである。pageでも「クリエイティブゾーン」や「印刷パートナーゾーン」など様々なゾーンがあった。特に印刷会社の出展ゾーンである「印刷パートナーゾーン」の設置に際しては、「来場者の中で最もシェアの高い印刷会社さんをパートナーにする印刷会社さんのためのゾーン」という意味で「印刷パートナーゾーン」と名付けた。個人的にはとても気に入っていたが設立当初は、印刷会社さんに自社製品・サービスを訴求したい印刷会社ではない企業から「ウチは印刷会社のパートナーになりたいので、印刷パートナーゾーンに出展できないのですか?」という問い合わせがいくつかあった。また特に近年になって、自社独自のITシステムなどの製品を開発した印刷会社さんが、印刷パートナーゾーンよりも高い出展料を支払って、印刷パートナーゾーン以外に出展するケースも増えてきた(その結果、今回のpage2025では印刷パートナーゾーンは設定しない)。
page2025の新企画「工場ソリューションゾーン」は、「印刷現場の課題解決」という大きなテーマを、簡潔にゾーン名とした。来場される皆様には、自社工場の課題を解決してくれる製品・サービスの展示を期待いただきたい。

新しい企画を作る時に大事なこと

先日、pageイベントの会場となるサンシャインシティで現在開催されているイベントを視察した。サンシャインシティでは、例年夏休みは子供向けイベントが目白押しだが、今年は初めてとなるイベントが複数行われており、そのうち「原作45周年記念 『キン肉マン』愛と絆の原画展」と「都市伝説展2024」を訪問した。イベント自体はいずれも現在は終了しており、内容の紹介は割愛するが、パネル展示が中心のイベントで案内員がほぼいないにもかかわらず、多くの来場者で「賑わって」いた。また原作に出てくるシチュエーションを生かし、来場者がどの方向に移動しても良い導線設計は、一方通行が基本であるpageとは異なり、こういう形もあるのだと感心させられた。また、上述した通り夏休みは親子連れの来場が多いサンシャインシティの展示会場に、原作を愛する年配の男性が多くいるのは、これまであまりない景色だったという。
新しい企画を作る時に重要なことは「破壊」だと思っている。固定観念を出来るだけ無くし、既成概念に捉われないことが不可欠であるが、それを超越していたのがもう一つのイベント「都市伝説展2024」であった。

自分にとっての当たり前が誰かの驚きに

この「都市伝説展2024」もパネル展示が中心であったが、心霊写真や呪物展示をはじめ、怪談や未確認生物、UFO・宇宙人、学校の怪談や世界のミステリーなど様々な都市伝説を立体物やパネルを交えて解説されており、有料イベントにもかかわらず、中高生の来場が多かったのには驚いた。そして最大の衝撃は、「閉館後のサンシャインシティ水族館でUFOを呼ぶ」という企画であった。結果については伏せさせていただくが、いずれにしても私のこれまでの人生経験のすべてを費やしても思いつくことが無いアイデアであり、もはや破壊を超えた発想といえた(サンシャイン水族館も閉館後を活用した事例は初とのこと)。以前の記事でpage2025のテーマが「共奏」であることを受けて、「ぶっ飛んだ狂騒を生み出す位に」と書いたが、まさにそれが実現されていた。しかし一方で、この都市伝説展に関心ある人からすれば、至極当たり前の発想なのかもしれない。
pageイベントの名称は「pagination(ページ割り)」に由来しており、 「プリプレスサービス企業向けのイベント」というイメージが未だに根強くある。その意味で今回の新企画「工場ソリューションゾーン」はpageとは真逆の概念であるが、時代は変わり、ニーズも大きく変わった。そしてそもそもそういうイメージを持っているのは、主催者だけなのかもしれない。固定観念を無くし、既成概念を破壊するくらいの新企画にご注目いただきたい。

名称:page2025
テーマ:共奏 
期間:2025年2月19日(水)~21日(金)10:00~17:00
会場:サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区東池袋3丁目1)
2階ホールD/3階ホールC/4階ホールB
https://www.jagat.or.jp/cat8_2025

(page事務局)

職場のモチベーションアップと目標管理

社員のモチベーション管理と課題

印刷工場の改善活動が進まない大きな原因のひとつにリーダーシップや社員のやる気(モチベーション)という心の問題がある。社員のモチベーションを高めるために印刷会社でも、人事評価に目標管理を連動させて運用しているケースも少なくない。人事評価に目標管理を組み込むことで、公平かつ納得感のある人事評価を行うことが目的である。しかし、目標管理や人事評価の本来の意味や目的を正しく理解していないために、運用方法を間違え社員の主体性やモチベーションを奪う場合もある。リクルートソマネジメントリューションズのWeb版用語解説によれば、モチベーションとは、動機づけ、やる気という意味。何かを欲求して動かす(動かされる)ことで、目標(ターゲット)を認識し、それを獲得し実現するために、方向づけたり行動したりすることを示すとある。ビジネスでは「仕事への意欲」を指し、社員のモチベーションを引き出すことを「動機づけ」と呼ばれている。モチベーションに関する研究は、主に1950年代に広く行われ、現在でも有名な「マズローの欲求段階説」「マクレガーのX理論・Y理論」「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論(二要因理論)」などが展開されている。一般的にモチベーションを上げるには、動機づけを大きく2つに分類できる。

<外発的動機づけ>

外発的動機とは「給料のため」「生活のため」など、外部から与えられた条件や特定の目的意識などによる意欲のことで、昇給や賞与、インセンティブ、社内表彰、抜擢など、報酬や名誉によってモチベーションを上げる施策がある。

<内発的動機づけ>

内発的動機とは「自身の成長」「おもしろみ」「夢の実現」など、個人の内面から起こる感情や発生する意欲のことになる。金銭や知名度アップなどではない「自らのやりがい」という意識がある。社員の多様な仕事への価値観や働き方を理解し、コミュニケーションや仕組みづくりにより目標を導くことが求められる。

モチベーションを上げる目標管理

本来の目標管理は、社員のモチベーションを上げるものだ。目標管理である「MBO」とはManagement by Objectives and Self controlの略で、目標管理制度のことを意味する(人事ポータルサイト【HRpro】用語集より)。個別またはグルーブごとに目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決める制度で、1954年にP.F.ドラッガーが自身の著書の中で提唱した組織マネジメントの概念とされる。過去に大ブームとなった小説“もしドラ”(「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」)でも注目され、組織貢献と自己成長の両方が達成できる「個人目標」を設定させ、その達成度で評価を行う人事制度として用いられていた。そもそも人事評価とは相反する部分もある。人事評価の指標は、企業の期待に対して、従業員の能力や業務遂行度、業績などを評価し、待遇・処遇に反映させる。従来の日本の企業では、年齢や勤続年数による人事評価が採用され、近年では、個人の働きぶりや能力を重視し、適切に評価することが主流になりつつある。

「目標管理」では、社員自らが設定した目標を、「主体的」に管理し、達成に向けて行動することが求められる。管理するポイントは、例えば、「組織目標との連動」「適切な目標設定」「取り組みの具体的性」「期間の設定」などをチェックし、進捗を見極める。社員は自己管理をしながら目標達成に向けて行動する。目標管理では、定期的に1on1や面談などにより、上司と部下との間で、進捗状況の共有し、目標を達成できるように適切なアドバイスなどのコミュニケーションが求められる。共にPDCAを行いながらゴールに向かって行動していくことが肝心だ。そうすることにより、現実的な達成感が得られ、モチベーション向上に繋がる。社員が目標を達成することは、組織全体の良い業績を生み出すことになる。

ドラッカーの提唱したMBOと日本に根付いたMBOとでは、大きな違いがあるという。目標管理は単なる人事評価とは異なる。また、経営陣によるトップダウンで成果を求めるものでもない。「評価の手法」ではなく、「マネジメントの手法」として提唱している。社員各々を尊重したもので民主的な考え方だ。目標づくりは、本来セルフコントロールの領分とされる。一人ひとりが目標を考え、そこに対してコミットし、コミットの結果を自分で振り返りながら達成に向かっていくことがポイントとさられる。去る6月~7月に開催された第4期印刷工場長養成講座でも多くの工場長が人材育成やコミュニケーションといった部下の管理に纏わる課題が関心を集めた。人材不足の昨今、社員の多様化する働き方や価値に対応し、モチベーションアップという単純な解のない課題解決は益々重要になっていく。

(研究教育部 古谷芸文)

オンライン 印刷営業マネージャー養成講座2024

オンライン  秋の印刷入門<2024年10月開講>

「コンペに勝てる」営業力とは

コンペの依頼があった場合、営業としては「まずは参加しなくては仕事が得られない」と思いがちだが、勝算がなければ辞退すべきであろう。負けてしまうと、それまでの多くの時間と手間が全くの無駄になってしまうからだ。
では、コンペに勝つためには何が重要でそのために何をすべきなのだろうか。 続きを読む

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page2025新企画ゾーン企画進行中

東京・池袋サンシャインシティで 2025年2月19日~21日の3日間、「共奏」をテーマに開催する「page2025」は例年通り8月1日(木)より出展募集を開始する。

1988年から始まったpageは、歴史を重ねるごとにプリプレスから印刷機材、材料、IT、マーケティングまで印刷会社のための幅広いソリューションの展示会へと成長した。38回目を迎える今回のpage2025では、印刷会社が様々なステークホルダーと連携しながら共にビジネスを創ってほしいという思いから「共奏」を掲げ、印刷業に関わる全ての方々に有益な機会提供を行う。page2025の開催概要は下記のとおり。

名称:page2025
テーマ:共奏 
期間:2025年2月19日(水)~21日(金)10:00~17:00
会場:サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区東池袋3丁目1)
2階ホールD/3階ホールC/4階ホールB

新企画ゾーンはさらに拡大

page2025では新企画として「工場ソリューションゾーン(仮称)」を設置する。「印刷現場の課題解決」という大きなテーマのもと、工場内の「環境改善」や「機器・設備・備品の補強」、従業員の働きやすさを向上させる「暑熱対策」や「健康サポート」などの出展企業を募集する。

pageイベントの名称は「pagination(ページ割り)」に由来しており、 一貫して「機材展」という言葉も使ってこなかった。このため 「プリプレスサービス企業向けのイベント」というイメージが根強く、IGASや機器商社の主催する展示会に比べ、資機材系の製品・サービスを展開する企業のプレゼンスが低くなってしまっていた。一方で、pageは来場者の半分以上が印刷関連業であるとともに、展示会の来場目的も、より具体的な課題解決へと変化している。
今回「工場ソリューション」という大きなテーマを打ち出すことにより、印刷会社の経営者が頭を悩ませる省エネやBCP対策、現場の人材採用や教育、さらにはDX推進といった分野まで幅広く出展企業を募り、来場者とのビジネスマッチングを生み出したいと考える。

セミナー会場と一体化した展示ゾーンに印刷会社の新規ビジネス紹介を

page2024では「連携ゾーン」を設置したが、今回page2025においても、テーマ「共奏」を冠した新企画ゾーンを設置する。このゾーンには前回の連携ゾーンに引き続きセミナー会場を設置し、ミニセミナーを3日間実施するとともに、現役クリエイターおよび、印刷・デザインに関連する企業・団体が参画するコーナーを設置する。
またpageイベントでは、印刷会社の出展ゾーンである「印刷パートナーゾーン」を page2017から設けてきたが、今回はこの新企画ゾーンに統合させる予定だ。出展のパターンも小間プランだけでなく、コストを抑えたカウンター形式のテーブルブースもご用意する。昨今、自社オリジナルの製品サービスを展開する印刷会社は増加している一方で、印刷関連企業の来場者が多いpageでは「ビジネスマッチング」という部分では他の展示会に比べて弱い印象があった。展示会への出展には出展料だけでなく、会期中の人員コストや事前準備の時間コストなど目に見えない部分も多い。テーブルブースプランを選択することで、人員コストは大幅に削減できるため、メリットは大きい。また印刷会社の来場者が多いことを逆手に、新規ビジネス・製品・サービスのテストマーケティングの場として活用したり、若手社員の活躍の場としての活用も検討いただきたい。

以前の記事でpageイベントを「来場する価値のあるイベントに」と書いたが、それに加えて「出展する価値のあるイベント」にしたいと考えている。出展企業と来場者が「共奏」できる場を提供すべく、準備を進めていく所存だ。

(page事務局)

社員の早期退職防止策を“ChatGPT”に聞いてみた

新たなビジネス展開のためにも優秀な人材確保は必須であるが、売り手市場が続く現状において採用活動は、少子化も加速する中でますます難しい。一方で、苦労して採用に至っても、退職代行サービスの台頭もあり、早期退職の防止も大きな課題となってきた。

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