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DXが本格化する時代の「page2021」始まります

印刷・メディア産業にとってのDXの可能性を考えてみたい。初めてオンライン開催となった「page2021オンライン」では、カンファレンス・ミニセミナーの配信のほか、多彩なコミュニケーションツールを使ったオンライン展示会を実施する。

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)という言葉がいつの間にかビジネス用語として定着している。DXと略されるのは、接頭辞のTransが「交差する」を意味し、英語圏では文字の形が交差している「X」が使われるからだ。DXを直訳すれば「デジタルを利用した変革」となるが、デジタル化によって行政やビジネスを効率化するという狭い意味に使われていることも多い。

経済産業省「DX推進ガイドライン Ver.1.0」(2018年12月)では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義している。

このガイドラインが発表された背景には、「2025年の崖」(日本の基幹システムの複雑化やブラックボックス化が経営の足かせとなって、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じるとされる)があった。しかし、コロナ禍でデジタル化は20年早まったという予測もあり、今後さらに大きく進展する可能性が高い。

JAGATでは「デジタル×紙×マーケティング」をテーマに、2018年度から事業を展開している。『印刷白書』では2013年版からデジタルイノベーション、デジタルマーケティングがテーマとなり、page展ではデジタルマーケティングがpage2016で初めてカンファレンスのテーマとなった。そして、JAGAT地域大会(JUMP)、JAGAT Summer Fes 2019(夏フェス2019)、page2020などでは、デジタルトランスフォーメーションをテーマに、印刷会社の課題解決に焦点を当てたセミナーを実施してきた。

早くから印刷・メディア産業にとってのDXの可能性に着目してきたJAGATでは、DXの本来の意味での広がりを探ってきた。今年度は年に一度の会員大会を「JAGAT大会2020オンライン」として、初めてオンデマンド配信で実施した。

2月開催の「page2021」も今回初めてオンライン開催となり、「リセット・ザ・フューチャー」をテーマにした基調講演、9本のカンファレンス、26本のミニセミナーを配信する。また、オンライン展示会では、ブースの見所や製品内容などの情報取得のほか、名刺交換やチャット、アンケート機能を使って出展企業とコミュニケーションを図ることができる。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

with/afterコロナの新常識について語り対策を考える ~page2021 オンラインオープニングセッション~


2月8日(月)から開幕するpage2021 オンラインカンファレンス・オープニングセッションでは、本間充氏に登壇いただき、新型コロナウイルスによって変化した世の中の新常識について問いかけ、with/afterコロナ時代の印刷物の役割、印刷ビジネスはどうあるべきかについて突き詰める。

JAGATは、2018年より印刷業界の未来を切り拓くキーワードとして“デジタル×紙×マーケティング”を掲げ、page、JAGAT大会、JUMP(JAGAT地域大会)、研究会、セミナーなどあらゆる機会を通じて議論、考察、啓蒙を行ってきた。
この間、マーケティングサイエンスラボの本間充氏には、デジタルマーケッターの立場から印刷ビジネスに関し、講演、アドバイス、提言など様々な協力を得てきたが、『印刷白書2020』においても、コロナ禍とどう向き合うかについてのディスカッションへの参加とともに、新たな時代に印刷会社創生のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて寄稿いただいた。

 

白書のディスカッションにおいて、本間氏はまず価値観の変化と多様性について言及する。最初の緊急事態宣言解除後に訪れたレストランではメニューとペンを渡され、オーダーをメニューに記入して店員に渡すシステムになっていた。これまで豪華なメニューで客の目を引き、長く使うといった価値観とは対極にあり、メニューの目的が再定義されている。
またマスク不足が問題となったが、今まで値段か品質かといったファクターのみで片付けていたマーケティング的価値観が、「高くても品質重視」「原産国はどこか(国産にこだわる)」「何枚入りの箱(大量重視)なのか」など多様化している、と指摘する。
全国一律で扱うといったマーケティングは成立しなくなり、印刷業界においては「印刷とは?自体を問い直す」必要がある。価値観が多様化した中で、顧客をもう一度よく観察し、印刷を使った最適なコミュニケーションを考えなければならない。ということだ。

 

また、新しい時代の強靭化された印刷会社を創生するためのDX の取り組み方についての考察では、まずビジネスにおけるDXの定義を「デジタル技術を駆使して、ビジネスをより良く変革すること」とし、その最初のステップは「デジタル化」である。印刷は、印刷機、印刷プロセスなどはデジタル化が進んだが、印刷事業のデジタル化に課題が山積みであると指摘する。具体的には印刷営業活動のデジタル化などは、人がやるべき仕事とコンピューターにやらせる仕事との仕分けから始めなくてはならない。デジタルの力でビジネスの拡張の機会が増えるのは確かだが、デジタル化で失われてはならないものがあり、DXの設計には「会社の出自」との持続性、そして「会社の強み」のさらなる強化が必須条件だとしている。

 

本間氏には、2月8日のpage2021オンラインのカンファレンス・オープニングセッション「コロナで変化した世の中の新常識について語り、対策を考える」に登壇いただく。
本間氏は、もともと花王においてばりばりのデジタルマーケッターであったが、アナログメディアである印刷物について「データに紐付いてデジタル印刷機から出力される印刷物はすでにデジタルメディア」であり、そもそも「生活者はデジタルかアナログかなど区別していない」。そして問題は「デジタルマーケッターはまだまだ今のデジタル印刷で出来ることを知らず、また印刷業界もそれを彼らに訴求できていない」といった持論をお持ちであり、変化した世の中に対応して、印刷物や印刷ビジネスがどうなっていくのか、またどうあるべきかについて必ず興味深い話が聞けるものと期待している。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

【関連情報】
page2021オンライン(2/8~2/28) 
 →入場登録(無料)はこちら 

【C1】オープニングセッション(2月8日(月) 14:00~15:30) 
コロナで変化した世の中の 新常識について語り、対策を考える」 

1/23 DTPエキスパート学科ポイント解説講座受講者の皆さまへ

1月23日開催「DTPエキスパート学科ポイント解説」(オンライン講座)につきまして、
視聴用URLを1月22日10:15 各受講者様にメール送信しました。
(第1回1月16日開催分とは異なるURLとなりますのでご注意ください。)

当日投影資料は、同メールでご案内した資料ダウンロードページよりダウンロード取得いただけます。

印刷とメディアの動向と展望 2020-2021

最新データと現時点で予想しうる2021年の与件に基づき2021年の印刷ビジネスを分析する。2020年までの状況を整理、来たる2021年の印刷市場に影響するだろう周辺関連トピックを洗い出し、市場動向を予想する。 続きを読む

page2021リアル展示会 中止決定の背景

2020年12月28日の仕事納めまで、page2021リアル展示会は開催の予定だった。

開催するリスクと中止するリスク

しかし年が明け、一気に潮目が変わった。 1月7日に発令された「緊急事態宣言」は、実はイベントの開催手法の制限はあるが、禁止ではないため、今日現在もpage2021の会場となるサンシャインシティにおいても、イベントは開催されている。またライブイベントなどと違い、BtoBビジネスショーであるpage展において、大声を出すことはほとんどない。また展示会場内の飲食は厳禁であるから、マスクを外す機会も少ない。しかし、pageイベントはひとえに来場者が多いイベントであり、業界の皆様にもそう認知されてきた。人が動き、集まれば、ウイルスの感染リスクは高まる。万が一、当イベントにかかわる方の命に関わることが起きたら…、さらにはクラスター発生…。事務局としては、ご出展の申し込みをいただいた企業様や、準備を進めてきた関係者の方々の努力を思うと胸が痛いが、苦渋の決断であったことをどうかご理解いただきたい。

周到に準備してきたオンライン展示会

一方、昨年6月ごろからオンライン展示会の開催準備を進め、9月24日にはリアル展示会&オンライン展示会の開催発表の説明会を行った。その時から一貫して「リアルも開催、オンラインも開催」と言い続けてきた。同時並行で準備を進めてきた結果、中止の発表と同時にWebサイトもオンライン展示会の仕様に切り替えた。またpage2021オンラインの出展企業には、元々リアル&オンライン双方に出展する企業とともに、リアル展示会の中止に伴い、速やかにオンラインへの出展に移行した企業も多い。リアル展示会用に準備した動画やカタログ、パンフレットの画像データはオンライン展示会に活用できるからだ。したがって、page2021オンラインはまだ出展を募集している。

在庫に戻ったポスターの束を見て思いついた盛り上げ施策

page展は、第1回のPAGE’88の開催以降、紆余曲折を経ながらも33年連続開催してきたが、オンライン開催は初めてとなる。その為には「page2021オンライン」の認知を上げる施策が不可欠となる。その一環として、「page2021ポスター貼って、撮って、送ってキャンペーン」をスタートした。これはpage2021ポスターを貼っていただく企業様(個人でもOK)を広く募集するものである。その掲載画像をお送りいただければ、page2021サイト上やJAGAT公式SNSにてご紹介させていただく。展示会場に貼ることが出来ず、廃棄せざるを得なかったポスターが、ご参加企業のエントランスや応接室に掲載され、それがWeb上に掲載され拡散していく。JAGATが2年以上前から掲げてきたスローガン「デジタル×紙×マーケティング」を体現した企画であるので、ぜひご協力をお願いしたい。

波は乗り越えるのではなく乗りこなす

先日、新型コロナウイルス感染者が初めて日本で発見されてからちょうど1年、という報道を目にした。誰も想像できない1年だったが、 ただヒヤヒヤしながら過ごしていたわけではない。 昨年2月には感染対策を施して「page2020」を開催し、page2021開催に向けてはオンライン開催の準備を並行してきた。これからさらなる第4波、第5波が来るかもしれないが、波は乗り越えるものではなく、次に来る波を見据えながら、上手く乗りこなすものである。開催手法も期間も大きく変わるpage2021にぜひご期待いただきたい。

<JAGAT CS部 堀雄亮>

page2021カンファレンスは全国どこからでも参加可能に!!

page2021 は2021年2月8日(月)~2月28日(日)にかけてWEB上にてオンラインカンファレンスを展開する。「リセット・ザ・フューチャー」をテーマにした基調講演、9本のカンファレンス、26本のミニセミナーを配信、職場や自宅など好きな場所から参加できる環境を用意する。
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page2021基調講演と会場ミニセミナーをオンデマンド配信へ変更

page2021リアル展の中止(オンライン展は開催)に伴い、2月3日(水)~5日(金)の3日間で開催を予定しておりました、①基調講演「リセット・ザ・フューチャー」(2月3日 10:10~)、②JAGATプレゼンツミニセミナー(2月3日~5日)、③スポンサープレゼンツミニセミナー(2月3日~5日)の会場開催を中止とし、page2021オンライン展(2/8~28)でのオンデマンド配信へ変更いたします。
page2021オンライン展の事前来場登録(無料)をしていただけましたら、すべて無料でご視聴いただけます。ぜひ、下記Webサイトよりご登録をお願い申し上げます。

なお、「page2021のご案内DM」がお手元に届いている方は、「リアル展の中止」「基調講演と会場セミナーの配信方法変更」が反映されておりません。最新情報は「page2021公式Webサイト」をご覧ください。※「オンラインカンファレンス」に変更はございませんので,「page2021のご案内DM」からでもお申込みいただけます。

繰り返しになりますが、2月3日(水)~5日(金)の会場でのセミナー開催は行いません。page2021オンライン展内での、オンデマンド配信へ変更となりますのでご注意ください。

 

■page2021基調講演・ミニセミナー開催概要
page2021オンライン展示会内では、30本を超える基調講演、JAGATミニセミナーを無料でオンデマンド視聴できます。
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 視聴方法:オンデマンド配信
 配信期間:2月8日(月)~28日(日)順次配信
 申込方法:page2021オンライン展事前登録(無料)
 (URL)https://page.jagat.or.jp/online.html
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各セッションのオンデマンド配信スケジュールは、下記となります。

 

【各種セミナーオンデマンド配信スケジュール】

基調講演

下記の基調講演は2/8(月)~2/28(日)の3週間page2021オンライン展にて視聴できます。

2/8(月)~2/28(日)

リセット・ザ・フューチャー

JAGATは、印刷ビジネスの近未来のキーワードを「デジタル×紙×マーケティング」と置いて活動してきた。しかし、新型コロナはビジネスそのものを根底から変えてしまうインパクトを持っている。 本セッションでは、JAGAT会長・副会長に専務理事を合わせた4人で、何が変わって何が変わらなかったか、with,afterコロナを見据えた印刷ビジネを考える。 「サービス産業指向」は頭では分かっていても、現実にどうするのか等、なかなか実行に移せないものだ。現実にどうするのか?にポイントを置いて議論していきたい。

スピーカー:JAGAT会長 塚田 司郎/JAGAT副会長 網野 勝彦/JAGAT副会長 森澤 彰彦

モデレーター:JAGAT専務理事 郡司 秀明

 

JAGATプレゼンツミニセミナー

JAGATプレゼンツミニセミナーは、以下の3つの期間に分けてpage2021オンライン展にてオンデマンド配信をいたします。期間外では視聴できませんのでご注意ください。

2/8(月)~2/14(日) 2/15(月)~2/21(日) 2/22(月)~2/28(日)
●RGB時代のアナログ的減色混合ルネサンス
多摩美術大学
非常勤講師 小宮山 陽一
●1冊からの伝票印刷「フロム1」
株式会社和歌山印刷所
専務取締役 百合川 壮
不確実な時代のビジュアルコミュニケーション
ゲッティイメージズジャパン株式会社
シニアマネージャー 宮本 哲也
●小さな会社がクラウドファンディングを有効活用するコツ
株式会社ノウト
代表取締役 高木 芳紀
LEDの機能性
インテックス株式会社
代表取締役 八木 穣
●オープンイノベーションとサービス3倍プロジェクト
大日印刷株式会社
代表取締役 太田 英伸
●この激動の時代における我が社の戦略
株式会社ライブアートブックス(大伸社グループ)
常務執行役員 辻田 和雄
●SDGsが注目される中「行動経済理論」で印刷サービス革新を
ナッジ株式会社
代表取締役 露木 聡
●DX 思考で大きく伸ばす「デジタル印刷」ビジネス
株式会社フジプラス
カスタマーマーケティングG 部長 江藤 直軌
●バーチャルキャラクターの有効性と活用例
株式会社スタジオ・エーワン
代表取締役 江原 常人
●共同印刷発の社内ベンチャーが手掛ける「キャッシュレス事業」の展開について
TOMOWEL Payment Service 株式会社
取締役 小島 昌也
●コロナ禍での営業職の価値
株式会社河内
営業部 岩本 朋晃
  ●消費者の売上データは嘘をつかない
株式会社EVOCデータ・マーケティング
CEO 石見 征也
 

 

スポンサーズプレゼンツミニセミナー

下記のスポンサーズプレゼンツミニセミナーはすべて、2/8(月)~2/28(日)の3週間page2021オンライン展にて視聴できます。

2/8(月)~2/28(日)
●page2021の見どころ(仮)
株式会社バリューマシーンインターナショナル
宮本 泰夫
未来を変える!新しい成果を生み出す仕事術!
主催 リコージャパン株式会社
Sorriso(ソリーゾ) 戸谷 有里子
iCE LiNKによる 後加工生産効率指標化
株式会社ホリゾン
木谷 孝則
●自動組版を成功に導く3原則
株式会社ニューキャスト
代表取締役 川原 正隆
商品情報管理の必要性と企業が抱える課題とは?
エコーインテック株式会社
取締役 尾頭 博雄
カタログのジャストインタイム生産
廣済堂 佐々木 徹郎/ SCREENグラフィック
ソリューションズ 中谷 路子
●ニューノーマルにおけるAIの活用法
株式会社N.ジェン
熊谷 一生
●収益を高める印刷DXの本質とは?!
株式会社グーフ
代表取締役CEO 岡本 幸憲
不確実な時代に打ち勝つ!今必要な印刷会社の受注拡大と生産現場の効率化
コニカミノルタジャパン株式会社
重野 直和
●紙媒体×デジタル!ここまで出来るQRコード活用
アララ株式会社
高田 美恵
医薬品・医療機器添付文書作成システム
PMDOC X(パムドック エックス)新機能のご紹介
ネクストソリューション株式会社
代表取締役 依岡 正明
デザイン性と統一感を両立させるフォント
タイププロジェクト株式会社
野村 渉
  ●コーポレートフォントとブランディング
タイププロジェクト株式会社
鈴木 功
 

※記載内容は諸般の事情により変更となる場合があります。※敬称略