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オンライン展示会を活用した実践的な人材教育 ~在宅勤務を機会に~

テレワークの一部を人材育成やwith/afterコロナを見据えた次の一手を考える機会にする。その題材としてオンライン展示会を活用してはいかがだろうか。印刷会社の取り組み計画の事例を交えながら紹介する。


自粛期間をwith/afterコロナを見据えた次の一手を考える機会に

2回目の緊急事態宣言が発令により、テレワークを推進している企業も多い。しかしながら、テレワークへ円滑に移行できている企業は少なく、どうしても作業能率は下がる。ただ、仕事の移行だけを考えるのではなく、テレワーク期間を社員がじっくり考える時間に当てるのはいかがだろうか。前回の緊急事態宣言においても、自粛期間に社員へ業務改善や新ビジネスの企画を考えさせたり、通信教育や書籍を活用して社員教育を行っている企業も見受けられた。印刷会社の事例で言えば、抗菌、抗ウイルス印刷、感染防止の印刷サービス、巣籠需要を狙った紙商品のカードゲームの開発等、その取り組みは多岐に渡っていた。自粛期間中に、with/afterコロナにおけるマーケットや技術のトレンドをいち早く捉えて、新たなビジネスの企画や業務改善に取り組むことができるか否かが、勝敗を分けると言っても過言ではない。

前回の自粛期間はオンラインが一般的ではなく、在宅で情報を収集する場や勉強する機会は限られていた。しかし、あれから1年弱の月日が経ち、オンラインに対応した研修、展示会、イベントは多く開催されている。つまり、自宅に居ながらもビジネスのトレンド収集や勉強する機会は格段に増えている。印刷業界でみても、各メーカー主催のオンラインイベントも開催されている。2月8日から開催する「page2021オンライン」では、総勢40社を超える出展社による印刷、マーケット、技術の最新情報がリリースされるし、20セッション以上の無料セミナーもオンデマンドで視聴できるため、情報収集、勉強する機会は充実している。


テレワークを活用した「ビジネス×人材育成」

先日話を伺った印刷会社では、今回の緊急事態宣言における自粛期間の社員活動のテーマを「ビジネス×人材育成」とし、page2021オンラインを活用したビジネス企画と人材育成の両面を考えている。具体的には、page2021オンラインに社員を参加させ、印刷業界のトレンドについて勉強を兼ねて情報収集することを徹底するようだ。ただ参加させるだけではなく、製品・サービスの情報をもとに自社のビジネスへの活用方法や業務改善とリンクをさせた報告レポートの提出を必須にしている。自社の仕事とリンクしながら考える時間を設けることで、社員が自分事としてオンライン展に参加する意識を高めるのが狙いだ。次に、その報告をもとに上長がいくつかピックアップしたテーマについて、社員同士でグループワークの機会を設ける。自身の仕事と関連付けながら考え抜くことで、オンライン展示会での情報収集や勉強だけに留まらず、実際のビジネスにつながる可能性がある。また、人材育成としても、勉強の枠を超えた実践的なものになりその効果に期待も高まる。今までも、pageリアル展示会へ社員を参加させていたが、仕事の都合上や物理的な移動を伴うためその参加人数は限られていた。しかし、テレワーク期間によって時間の都合がつけやすいうえに、オンラインによる参加が可能なため今まで以上に多くの社員を参加させることができる。今の状況をプラスに捉えビジネスと人材育成の両輪を回す考え方に感銘を受けたため紹介した。


前回の自粛期間とは違い、オンラインイベントによる情報収集や関係者とのデジタルコミュニケーションの機会は格段に増えている。この機会をどう生かすかが今後のビジネス展開の差になるであろう。2月8日に開幕した「page2021オンライン」が、そのお役に立てば幸いである。

(JAGAT CS部 塚本直樹)

【関連情報】

page2021オンライン展示会(2/8開幕)

https://page.nikkeineon.jp/

テレワークで働きオンラインで学ぶ

コロナ渦でOJT やOff-JTは低調だが、自己啓発の意欲は増加している。page2021オンラインでビジネスに役立つミニセミナーやカンファレンスの聴講や、最新情報にアクセスしてほしい。

テレワークの実施率は横ばい、勤め先への信頼度は安定的

日本国内で初めての感染者が確認されてから1年が経ち、三密対策が浸透する一方で、コロナ慣れも拡がり、緊急事態宣言の効果が限定的なものとなることが懸念されている。
東京都のテレワーク導入率調査では、都内企業(従業員30人以上)の導入率は2020年3月の24.0%から、1回目の緊急事態宣言で4月には62.7%まで上昇したものの、宣言解除後の6月には57.8%に下がり、12月も51.4%にとどまっていた。2回目の緊急事態宣言を受けて2021年1月は57.1%と、前月に比べて5.7ポイント上昇したが、2020年4月と比べると5.6ポイント低くなっている。

日本生産性本部が2021年1月12~13日に実施した「第4回働く人の意識調査」によれば、緊急事態宣言下の1都3県のテレワーク実施率は32.7%、2020年10月の28.3%からは上昇したが、同じく緊急事態宣言下だった5月の41.3%に比べると約10ポイント低くなっている。一方、コロナ禍収束後もテレワークを望む回答は76.4%(「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計)で、過去4回の調査で最多となった。
勤め先への信頼感も調査していて、勤め先の健康配慮について肯定的(「そう思う」「まずまずそう思う」の合計)が65.0%、信頼度も肯定的(「信頼している」「まずまず信頼している」の合計)が62.7%で、いずれも7月調査以降安定傾向にある。

働き方改革の文脈でテレワークを取り入れた新しい働き方を定着させていくには、どんなことが必要だろうか。他社もやっているからという同調圧力ではいずれ元に戻ってしまうことは、2つの調査からも明らかだ。社員やその家族がより幸せになる働き方を実現するには、大局的な経営判断が求められるだろう。

テレワークでなければできなかったこと、オンラインだからできること

2020年7月に野村総合研究所(NRI)が行った調査によると、従業員1000人以上の大企業のほぼ半数、日本全体では約3割の従業員がテレワークを経験している。テレワークによる生産性の低下が指摘されるが、NRI社内での実証実験ではテレワークによる生産性低下の影響は限定的で、むしろワークライフバランスが改善することで生産性向上に結びつくという側面も見られたという。

JAGATでは1回目の緊急事態宣言下では、隔日で在宅勤務を実施し、JAGAT通信教育「よくわかる印刷技術・基本」に取り組んだ。印刷技術の基礎を全社員があらためて整理し直すことは、テレワークの機会がなければできなかったことだろう。

日本生産性本部の先の調査では、1年間に及ぶコロナ禍の期間中、9割以上の雇用者がOff-JTを受けていないが、自己啓発を「行っている」は10月調査の15.6%から20.1%へと増加している。特に30 代では63.4%(「行っている」と「行っていないが、始めたいと思う」の合計)が自己啓発に前向きな姿勢を示している。

2回目の緊急事態宣言を受けて、JAGATが毎年2月に開催しているpage展をリアルからオンラインに全面的に切り替え、「page2021オンライン」として開催することとなった。これまで会場に来られなかった方々にも、オンライン展示会ならではの利便性を感じていただき、ビジネスに役立つミニセミナーやカンファレンスの聴講や、最新情報へのアクセスを行ってほしい。
また、毎年page展ではJAGAT図書の販売を行っていて、実際に本を手に取っていただき、ささやかながらアドバイスを行ってきた。今年はリアルではできないが、「JAGAT Book Store」から購入して自己啓発につなげていただければと思う。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

page2021から読み解く印刷業の未来

印刷機材展としては初めての完全オンライン開催となったpage2021。「リセット・ザ・フューチャー」をテーマに41社の出展、9本のオンラインカンファレンス、13本のスポンサーズセミナーなど多彩なコンテンツが提供されている。

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進むオンライン化、Webコミュニケーションでの効果的なカメラの使い方

印刷ビジネスにおいても顧客との面談や社内会議などのリモート化が進んでいるが、オンライン面談においてもコミュニケーション上注意すべき点は、言語による情報だけではない。

コミュニケーションの大部分は、言葉ではなく、話し方や非言語コミュニケーションに基づいている。アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンによって提唱された「メラビアンの法則」では、非言語である聴覚情報と視覚情報が9割以上という結果から、非言語コミュニケーションの重要性を説明している。

  • 言語情報(話の内容や言葉の意味):7%
  • 聴覚情報(声のトーンや話す早さ):38%
  • 視覚情報(表情や態度、見た目):55%

これは、オンランによる面談でも同じことだ。表情、顔色、視線、まばたきなど、視覚的に得られる相手の情報としてオンラインでは加えて、映像データや音声データの品質にも気を使う必要がある。

ウェブカメラをビデオカメラに置き換える

オンライン面談をするなら「Zoom」や「Teams」等のWebミーティングアプリを利用するが自分を映すには、ウェブカメラやマイクが必要だ。そこが意外と慣れていないと無防備になる。現在売られているノートPCの多くはウェブカメラを備える。ただし、ノートPCの内蔵カメラは、位置を動かすことができず、真正面や下からなどアングルが固定され映像イメージのコントロールが難しく、画質もイマイチということがよくある。そこで、ビデオカメラをPCに繋ぎWebカメラとして有効活用することが考えられる。ビデオカメラを使いこなすことにより、用途に合った幅広い映像表現が可能となる。

ビデオカメラをHDMIケーブルでPCに接続しようとすると映像が映らないことがある。これは、ほとんどのPCがHDMI端子は出力専用で入力ができないからだ。ビデオキャプチャーデバイスを使えばHDMIからの映像出力をUSB接続によって取り組むことが可能となる。このキャプチャーデバイスは、市販されており簡単に手に入れることができる。映像をコントロールするポイントは3つである。

<映像コントロールで見るべきポイント>

  • 解像度及びピント → fullHD1920p×1080p<画素数(約200万画素)で配信。
  • 明るさ(露出) → マニュアルでコントロール。室内では、+補正。
  • 色味(カラーバランス) → 照明の色温度とカメラの色温度設定を合わせる。
  • 音声(マイクレベル)

これらの要素を分かった上で機材を使いこなすことが肝となる。

一方、昨今のオンラインベントやセミナーにおいてもオンライン配信の映像品質はポイントの一つになるが、視聴者側の環境やデバイスも重要だ。視聴にあたっては、配信者側の特性を理解し対応した状態が望まれる。

美食家として知られる北大路魯山人は「食器は料理の着物である」という名言を残した。 その言葉通り、食器は料理を供すのに欠かせないのはもちろん、料理の味や香り、盛り付けなどを引き立てる。メニューや全体のコンセプトを考える上でも外せない。映像視聴においての器としてのデバイスには注意したい。当JAGAT主催のpage2021オンラインもより良い環境で視聴することが望まれる。

(CS部 古谷芸文)

DXが本格化する時代の「page2021」始まります

印刷・メディア産業にとってのDXの可能性を考えてみたい。初めてオンライン開催となった「page2021オンライン」では、カンファレンス・ミニセミナーの配信のほか、多彩なコミュニケーションツールを使ったオンライン展示会を実施する。

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)という言葉がいつの間にかビジネス用語として定着している。DXと略されるのは、接頭辞のTransが「交差する」を意味し、英語圏では文字の形が交差している「X」が使われるからだ。DXを直訳すれば「デジタルを利用した変革」となるが、デジタル化によって行政やビジネスを効率化するという狭い意味に使われていることも多い。

経済産業省「DX推進ガイドライン Ver.1.0」(2018年12月)では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義している。

このガイドラインが発表された背景には、「2025年の崖」(日本の基幹システムの複雑化やブラックボックス化が経営の足かせとなって、2025年以降、最大12兆円/年の経済損失が生じるとされる)があった。しかし、コロナ禍でデジタル化は20年早まったという予測もあり、今後さらに大きく進展する可能性が高い。

JAGATでは「デジタル×紙×マーケティング」をテーマに、2018年度から事業を展開している。『印刷白書』では2013年版からデジタルイノベーション、デジタルマーケティングがテーマとなり、page展ではデジタルマーケティングがpage2016で初めてカンファレンスのテーマとなった。そして、JAGAT地域大会(JUMP)、JAGAT Summer Fes 2019(夏フェス2019)、page2020などでは、デジタルトランスフォーメーションをテーマに、印刷会社の課題解決に焦点を当てたセミナーを実施してきた。

早くから印刷・メディア産業にとってのDXの可能性に着目してきたJAGATでは、DXの本来の意味での広がりを探ってきた。今年度は年に一度の会員大会を「JAGAT大会2020オンライン」として、初めてオンデマンド配信で実施した。

2月開催の「page2021」も今回初めてオンライン開催となり、「リセット・ザ・フューチャー」をテーマにした基調講演、9本のカンファレンス、26本のミニセミナーを配信する。また、オンライン展示会では、ブースの見所や製品内容などの情報取得のほか、名刺交換やチャット、アンケート機能を使って出展企業とコミュニケーションを図ることができる。

(JAGAT CS部 吉村マチ子)

with/afterコロナの新常識について語り対策を考える ~page2021 オンラインオープニングセッション~


2月8日(月)から開幕するpage2021 オンラインカンファレンス・オープニングセッションでは、本間充氏に登壇いただき、新型コロナウイルスによって変化した世の中の新常識について問いかけ、with/afterコロナ時代の印刷物の役割、印刷ビジネスはどうあるべきかについて突き詰める。

JAGATは、2018年より印刷業界の未来を切り拓くキーワードとして“デジタル×紙×マーケティング”を掲げ、page、JAGAT大会、JUMP(JAGAT地域大会)、研究会、セミナーなどあらゆる機会を通じて議論、考察、啓蒙を行ってきた。
この間、マーケティングサイエンスラボの本間充氏には、デジタルマーケッターの立場から印刷ビジネスに関し、講演、アドバイス、提言など様々な協力を得てきたが、『印刷白書2020』においても、コロナ禍とどう向き合うかについてのディスカッションへの参加とともに、新たな時代に印刷会社創生のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについて寄稿いただいた。

 

白書のディスカッションにおいて、本間氏はまず価値観の変化と多様性について言及する。最初の緊急事態宣言解除後に訪れたレストランではメニューとペンを渡され、オーダーをメニューに記入して店員に渡すシステムになっていた。これまで豪華なメニューで客の目を引き、長く使うといった価値観とは対極にあり、メニューの目的が再定義されている。
またマスク不足が問題となったが、今まで値段か品質かといったファクターのみで片付けていたマーケティング的価値観が、「高くても品質重視」「原産国はどこか(国産にこだわる)」「何枚入りの箱(大量重視)なのか」など多様化している、と指摘する。
全国一律で扱うといったマーケティングは成立しなくなり、印刷業界においては「印刷とは?自体を問い直す」必要がある。価値観が多様化した中で、顧客をもう一度よく観察し、印刷を使った最適なコミュニケーションを考えなければならない。ということだ。

 

また、新しい時代の強靭化された印刷会社を創生するためのDX の取り組み方についての考察では、まずビジネスにおけるDXの定義を「デジタル技術を駆使して、ビジネスをより良く変革すること」とし、その最初のステップは「デジタル化」である。印刷は、印刷機、印刷プロセスなどはデジタル化が進んだが、印刷事業のデジタル化に課題が山積みであると指摘する。具体的には印刷営業活動のデジタル化などは、人がやるべき仕事とコンピューターにやらせる仕事との仕分けから始めなくてはならない。デジタルの力でビジネスの拡張の機会が増えるのは確かだが、デジタル化で失われてはならないものがあり、DXの設計には「会社の出自」との持続性、そして「会社の強み」のさらなる強化が必須条件だとしている。

 

本間氏には、2月8日のpage2021オンラインのカンファレンス・オープニングセッション「コロナで変化した世の中の新常識について語り、対策を考える」に登壇いただく。
本間氏は、もともと花王においてばりばりのデジタルマーケッターであったが、アナログメディアである印刷物について「データに紐付いてデジタル印刷機から出力される印刷物はすでにデジタルメディア」であり、そもそも「生活者はデジタルかアナログかなど区別していない」。そして問題は「デジタルマーケッターはまだまだ今のデジタル印刷で出来ることを知らず、また印刷業界もそれを彼らに訴求できていない」といった持論をお持ちであり、変化した世の中に対応して、印刷物や印刷ビジネスがどうなっていくのか、またどうあるべきかについて必ず興味深い話が聞けるものと期待している。

(JAGAT CS部 橋本和弥)

【関連情報】
page2021オンライン(2/8~2/28) 
 →入場登録(無料)はこちら 

【C1】オープニングセッション(2月8日(月) 14:00~15:30) 
コロナで変化した世の中の 新常識について語り、対策を考える」 

1/23 DTPエキスパート学科ポイント解説講座受講者の皆さまへ

1月23日開催「DTPエキスパート学科ポイント解説」(オンライン講座)につきまして、
視聴用URLを1月22日10:15 各受講者様にメール送信しました。
(第1回1月16日開催分とは異なるURLとなりますのでご注意ください。)

当日投影資料は、同メールでご案内した資料ダウンロードページよりダウンロード取得いただけます。

印刷とメディアの動向と展望 2020-2021

最新データと現時点で予想しうる2021年の与件に基づき2021年の印刷ビジネスを分析する。2020年までの状況を整理、来たる2021年の印刷市場に影響するだろう周辺関連トピックを洗い出し、市場動向を予想する。 続きを読む