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新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。新型コロナウイルスのニュースに明け暮れた2020年もようやく終わり年も新たになって、戦いも中盤あたりでしょうか。冬になって気温も下がり、湿度も下がるにつれ、世界の各地で感染者数が再び増加して、欧米では深刻な状況に逆戻りしています。世界の専門家の予想では、こうした事態が収束に向かうのは、安全なワクチンが広く利用される今年の後半以降とのことなので、今年もまだそれまでwithコロナの状況で、やっていかなければなりません。

昨年を振り返ると、コロナ禍の状況下、多くの企業は主に2つのことに注力してきたように見えます。一方では、収束後の社会に備えて、現在の経営資源を維持することで、助成金の申請などで遊休資源をフリーズしてきました。また一方では、売り上げの止まった過去のビジネスのやり方を見直し、人による営業活動からホームページの改修、メルマガやダイレクトメールの利用、動画を利用したオンラインセミナーやウェビナーの開催など、マーケティング活動においてはターゲットユーザーにリーチするチャネルの見直しを行い、デジタルメディアにシフトしてきました。仕事のやり方そのものが見直され、テレワークが急速に普及していきました。

イベントの自粛や経済活動に制限があるなか、企業の行動がこのように変化して、印刷業界では広告、宣伝、販促といった分野の仕事に影響が大きく及び、オフセット輪転機に象徴されるカラー印刷の仕事が減少しました。現在の状況は、不況で売り上げが減少するということでは10年前のリーマンショック後の世界と似ています。企業の使える予算も限られてくるので、気の利いたサービスを提供するよりは本質的なサービスをよりリーズナブルなコストで提供する必要があります。

受注から納品までの全てのプロセスでタッチポイントを減らすべくワークフローオートメーションに取り組んだり、そもそも全て自前の自社の垂直統合モデルを見直してみるとか、柔軟な対応性のために各部門の職務範囲を少し広げてみるとか、毎日の仕事が減って時間に余裕ができた分、各社でいろいろと考えたりトライしてみたりできたのではないでしょうか。

JAGATでも昨年はセミナーを開催して集客することができなかったので、トピック技術セミナーも、地方の大会であるJUMPも、JAGAT大会もオンラインになりました。当初はやや不馴れだった動画撮影やストリーミング配信も最近ではスムーズにいくようになりました。2月の3日から28日まで開催するpage2021は、新しい試みとしてリアルとオンラインでハイブリッドなイベントとして企画しました。皆さんの参加をお待ちしております。今年が各社の皆様にとりましてより良い一年となりますようお祈り申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

公益社団法人 日本印刷技術協会
会長 塚田 司郎

オンラインイベント運営の背景、映像と音に慣れる

全国高等学校鉄道模型コンテストオンラインにみる背景

今年は、様々なイベントがオンライン化になっている。リアル会場で開催していたものをWeb上で展開するにはそれなりのノウハウが必要になる。

毎年8月に東京ビッグサイトで開かれていた「全国高等学校鉄道模型コンテスト」。今年は11月22、23日にYouTubeで生配信された。鉄道好きで知られるホリプロマネジャーの南田裕介さんやアナウンサーの久野知美さんが司会進行を務め、各校の作品を紹介しながら、学校や自宅にいる高校生とオンライン会議システム「Zoom」でやり取りしたという。(教育サイト朝日新聞EduA12月25日より)同コンテストには例年、140~150校ほどが参加しているが、今年のオンライン開催では、約100校がエントリーし、実際に参加したのは89校にとどまったというが、それでも89校が参加し、オンラインイベントが成功している。事務局によれば5年前から参加校には作品を紹介する動画を制作してもらい、コンテスト会場で流したりYouTubeで配信したりしてきた経験により、高校生の動画制作やプレゼンのスキルが総じて高かったことが背景にある。

成功のポイントは、配信手段も大事だが何を配信するか、コンテンツが重要になる。リアルと違うところは、音と映像のコンテンツだということだ。映像と音を学び、扱うことに慣れることが必要になってくる。企業活動では、外部スタッフに依頼(外注)することもあるが、単なる丸投げではいけない。当事者は、日常の中で見識を高める必要がる。良いものつくるには理解し把握することが肝心だ。

ダイナミックマイクとコンデンサーマイクを使ってみた。丸覚えより考えることが大事

音を収録するには、マイク(マイクフォン)が欠かせない。マイクには、ダイナミックマイクとコンデンサ-マイクがある。しばしばユーチューバーの間では、コンデンサーマイクがお勧め商品として話題になることがある。感度が高く、微細な音まで拾うからだ。だからといって「感度が良い=質が良い」とは限らない。使う状況によっては変わる。

・ダイナミックマイク:電源不必要、丈夫で比較的湿度に強い、感度が低い(比較的安価)

・コンデンサーマイク:電源必要、振動や湿気に特に弱い、感度が高い(比較的高価)

例えば、ライブ会場や展示会場では、人ごみや物音などの雑音が多い環境だ。感度が高いことが仇となり、余計な音が妨げとなる。よってダイナミックマイク(ボーカルマイク)を選択することになる。感度が低めでしっかりしたマイクをしっかり近づけて使うのだ。機材を使いこなすコツは、手順を丸覚えをすることではなく、「慣れる」に加え、「何故か?」というロジックを考えることだ。当JAGATでは、page2021オンライン開催に向けて配信システムの構築と共に映像収録ノウハウについてもこの4月より試行錯誤の繰り返しながら体制を整えてきた。音の収録、マイクの選択一つとっても自問自答を繰り返してきた。page2021リアル&オンラインのハイブリッドで開催される。公開されるコンテンツは、会場、音と映像配信体制づくりも重要になる。

CS部 古谷芸文

page2021  https://www.jagat.or.jp/cat8_2021

page2021オンライン  https://www.jagat.or.jp/page2021online

JAGAT  オンラインセミナー   https://www.jagat.or.jp/cat3

2月はまるまるpage月間

page2021は2月3日(水)~5日(金)の3日間「page2021リアル展示会」をサンシャインシティにて、2月8日(月)~28日(日)までの21日間、「page2021オンライン」を開催いたします。

page2021のテーマは「リセット・ザ・フューチャー」

page2021リアル展示会は、2021年2月3日(水)~2月5日(金)の3日間、東京・池袋サンシャインシティコンベンションセンターで開催いたします。展示会開催ガイドラインに基づいた新型コロナウイルス感染防止対策を施し、ソーシャルディスタンスを確保した「広々page」に、95社が出展します(2020年12月18日現在)。カンファレンス・セミナーは、これまでのワールドインポートマートビル コンファレンスルームではなく、オープンエアー方式の展示会場内に設置するセミナー会場で実施。初日の基調講演を皮切りに、3日間で合計27本実施いたします。
そしてpage2021のテーマは「今まで漠然と抱いていた未来をリセットしないと、時代について行けない。生き残れない。」との切実な思いから「リセット・ザ・フューチャー」とさせていただきました。

■page2021リアル展示会 概要
開催期間:2021年2月3日(水)~2月5日(金)10:00~17:00(3日間とも)
場所:サンシャインシティコンベンションセンター
入場方法:1,000円(事前来場登録で無料)
●3つの特長
1)安全・安心の「印刷・メディアビジネスの総合イベント」
マスク着用や検温など、新型コロナウイルス感染防止対策は、page2020において既に実施しております。page2021のおいて同様の対策を施しますので、安心してご来場ください。
2)出展社数は95社、27本の無料ミニセミナーを開催
page2021は95社が出展(2020年12月25日現在)、文化会館2F(展示ホールD)と3F(展示ホールC)に設置するセミナー会場では、JAGATプレゼンツミニセミナーとスポンサープレゼンツミニセミナーを合計27本実施します。
3)2月はまるまるpage月間
第1回のPAGE’88の開催以来、33年連続開催の実績により、「2月はpage」のイメージは業界内外に定着しつつあります。これに加え今回は「page2021オンライン」を2月8日(月)~28日(日)まで開催いたします。「2月はまるまるpage月間」としてビジネスにご活用下さい。

JAGAT初めての試み「page2021オンライン」

page2021は、このリアル展示会に加えて2月8日より3週間、初の試みとしてオンライン展示会を開催します。オンライン展示会では、時間や場所の制約がなくなりこれまで会場に来られなかった方々も、業界最新情報にアクセスできるようになります。ブースの見所や製品内容などの情報取得の他、名刺交換やチャット、アンケート機能を使って出展企業とコミュニケーションを図ることができます。そしてpage2021オンライン展示会内では、リアル展で開催する30本を超えるJAGATミニセミナーを無料でオンデマンド視聴できます。 そして翌週の2月8日(月)~28日(日)の期間で、初めての試みとなる「page2021オンライン」を開催いたします。

■page2021オンライン展示会
開催期間:2021年2月8日(月)~2月28日(日)
入場方法:来場登録制(無料)
●3つの特長
1)30本を超える無料のオンデマンドセミナーが充実
page2021オンライン展示会内では、出展者のプレゼン情報に加え、リアル展で開催する30本を超えるJAGATミニセミナーを無料でオンデマンド視聴できます。2)「名刺交換機能」双方向コミュニケーション
来場者が出展者の製品・サービスに興味を持った際に、オンライン上の名刺交換やチャット機能を利用して、出展者と情報交換や質問ができます。双方向のコミュニケーションを意識したオンライン展です。
3)来場者の回遊を促すシンプル設計
バーチャルブースなどの仕組みはなくし、来場者に分かりやすいシンプル、スマートなサイト設計です。来場者の直感的な操作で、リアル展示会と同じように出展者とのコミュニケーションを行うことができます。

カンファレンスは2月8日からLive配信

さらに今回、pageイベントの大きな柱である「カンファレンス・セミナー」は「オンラインカンファレンス」としてLive配信いたします。プログラムは追ってご紹介いたしますが、これまでのカンファレンス・セミナーと同様に熱気あふれるコンテンツを企画中です。
このようにpage2021はこれまでと大きく変わります。しかし皆様のビジネスに直結する「印刷・メディアビジネスの総合イベント」として、コロナ禍においても実施してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(日本印刷技術協会page事務局)

JAGAT大会2020はオンラインで開催中!!

例年、椿山荘で開催してきたJAGAT大会。今年はオンライン開催なので全国どこからも参加できる。with/afterコロナ時代の経営戦略について、新規採用戦略について、そしてマーケティング戦略について、各種の最新調査研究から解説する。

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「コンペに勝つ」営業力とは

コンペの依頼があった場合、営業としては「まずは参加しなくては仕事が得られない」と思いがちだが、勝算がなければ辞退すべきであろう。負けてしまうと、それまでの多くの時間と手間が全くの無駄になってしまうからだ。では、コンペに勝つためには何が重要でそのために何をすべきなのだろうか

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アイデアを出すためのアート思考について

ビジネスに欠かせないアイデア

ビジネスにはアイデアが欠かせないものだ。だが、アイデアは、「出せ!」言われても易々と出せないものだ。アイデアとは何か。ひとことで言うとビジネスでは、「実現につながる思いつきのこと」ではないだろうか。そもそも発想するということは、自発的な行為であり、モチベーションが重要だ。

今年の情報処理学会関西支部大会では、追手門(おうてもん)学院大手前中・高校(大阪市中央区)のロボットサイエンス部の研究が「盲導犬ロボットとプログラミング教材」ともにジュニア会員特別賞に選ばれた。朝日新聞デジタル(2020年11月23日)によれば、部員は70人。ロボットの世界大会に6年連続出場し、挑戦する分野も多彩になってきたという。盲導犬ロボットを開発したのは中学2年生のチーム、オンライン上で論理的思考力を育むプログラミング教材を作ったのは高校2年生だ。それぞれ論文の提出後、9月、同大会のオンラインで研究内容を発表した。部員の活動は、取り組みたいテーマを決め、15を超える分野でロボット作りに取り組んでいる。持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにした高校生4人のチームは、7月にインド洋の島国モーリシャス沖で座礁した船からの重油流出に注目し、重油回収ロボットを製作中だ。同校ロボット・プログラミング教育推進室長でもある福田さんは「テーマを生徒に考えさせることが重要で、私の仕事は段取りだけです」と言う。つまり、作業を与えるのではなく、考える機会を与えているのだ。

アート思考とアイデア

「アート思考」が話題になっている。大まかにいえば「アーティストの作品づくりでの思考法を取り入れること」だ。自己を探求し、ものごとの見方や主張を作品で表現し、新たな価値を創造していくものだ。これまでの常識にとらわれない考え方や表現が芸術性を高め柔軟な発想が作品としてつくり上げられていく。アート思考と並びデザイン思考も話題になることがあるが、両者には違いがある。「アート」は、作家の自由な表現や創造を指し、アートの目的は人々に感動をもたらし、世の中に問題提起をしたりすることだが、大衆に受け入れられることを目的とはしていない。「デザイン」は、課題解決が目的となっている。例えば、ビジネスとしてデザインは、商品やサービスを使いやすく、顧客に好まれやすくすることを考え、最適な形に落とし込むことになる。つまり、アートは自己の価値が起点となり、デザインは社会の価値に合わせることにおいて大きな違いがある。

そこで、ポイントとなるのが「社会」だ。コロナ禍で変化する社会は、「VUCA(ブーカ)」とも呼ばれ益々混沌としている。VUCAは、1990年代後半にアメリカで使われるようになった軍事用語だが曖昧な社会を表している。社会が何であるか分からない中、さらに注目を集めているのが「芸術(アート)分野」である。物事を垂直に捉えるのではなく、自己が縦横、自由に発想することが求められる。企業の発展においても社員一人一人のアイデアが益々鍵を握りそうだ。

(CS部古谷芸文)

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