2017年10月26日(木)に創立50周年記念のJAGAT大会を開催して、『JAGAT50周年記念誌』『印刷白書2017』と二分冊で発行し、お披露目をしました。『印刷白書』とあわせて読んでいただきたい。【50周年記念】
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JAGAT info10月号ではPRINT17レポート掲載
印刷業界の世界4大機材展示会の一つPRINT17が、シカゴのマコ―ミックプレイス南館で開催された。近年は4大印刷機材展といっても、drupaの一人勝ちの様相を呈しており、PRINT、IPEX、IGASは存在感を低下さているように見える。PRINT、IPEXには、かつては日本からも多くの印刷関係者が視察に行っていたが、訪れる人も減っている。
しかし、PRINT17はdrupaとは一線を画し、デジタル印刷機を中心に新たな印刷機材展の方向性を探っているようで、規模が縮小しているが、出展内容は見ごたえのある展示会になったようだ。
JAGAT info10月号では、JAGAT客員研究員でメディアテクノス代表取締役の井上秋男氏に、PRINT17を視察した概要のレポートを寄稿いただいたのでご一読いただければと思う。
PRINT17ではオフセット印刷の実機展示をしたのは日本のリョービMHIグラフィックテクノロジーのみで、他メーカーはパネル出展となったという。一方、デジタル印刷とデジタル印刷機と後加工機の出展は増加し、各社からさまざまなソリューションが紹介された。また、併せて50を超えるセミナーも開催されて、まさにアメリカの印刷メディアのデジタルトランスフォーメンションを実感する展示会となったようだ。
この後10月30日から11月3日まではイギリスのバーミンガムでIPEX2017が開催される。IPEX2017では主要メーカーの出展はあまり予定されていないようだが、印刷市場の変化にともなってデジタル印刷機の存在感が高まるなかで、イノベーション、技術とビジネスソリューションの展示を打ち出している。新しい機械の導入が即仕事に直結しづらい時代になっているなか、新しいビジネスの仕組み作りのヒントを探るような展示内容へ変化していくのだろうか。来年の7月には日本でIGAS2018が開催されるが、どのような内容の出展になるのか注目したい。
JAGAT info10月号目次はこちら
JAGAT Summer Fes 2017開催レポートを刊行
このたび、「JAGAT Summer Fes 2017」の開催レポートを刊行いたしましたので、ここにご報告いたします。 続きを読む
新しい形のミドルマンとプリンティングコーディネータ
10月4日(水)から第20期プリンティングコーディネータ養成講座が開講した。今回の重点テーマは、「顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする」である。
この講座は、コーディネータという確立された概念や人物を想定したものはない。資格取得するものでもない。印刷ビジネスでは、コーディネートする事柄が、限りなく広く、時代と共に、刻一刻と変化するからだ。コーディネータという言葉の意味は、いろいろな要素を統合したり調整したりして、一つにまとめ上げる人のことである。多様化する顧客の要望に応えるためには、多様な技術とクリエイティブをまとめ上げるコーディネータが不可欠だ。
■商業印刷にみるスクリーン印刷
スクリーン印刷は、オフセット印刷に比べ市場規模は小さいが、様々な分野で利用されている。
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★その理由としては、★
印刷できる材料の種類が豊富で、紙・ガラス・プラスチック・合成樹脂・金属・布など、多くの材料に印刷ができる。版に柔軟性があり、印刷圧が低いので多種な材質(柔らかい/硬い素材、厚い/薄い素材、曲面/凸面/凹面)にも印刷ができる。
インキの種類が豊富で水性・油性・UV硬化型・粉体(金粉、銀粉、パール粉)・機能性インキ(香料、蓄光、ミラー、変色など)などが印刷できる
インキを厚膜に印刷できるので、発色・隠蔽力・耐候性に優れている。
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スクリーン印刷の用途 は、
工業製品(計器類、CD・DVD、電機部品、液晶ディスプレイ、成型物、プリント回路など)、生活用品(玩具、文房具、Tシャツ、各種パッケージ、容器、木工品、ガラス、陶磁器など)、商業関係(ポスター、看板、POP、ディスプレイ、ステッカー、標識など)がある。
規模の大きいものは工業製品で、商業印刷においては、小規模な事業形態がほとんどだ。魅力ある技術力はあっても販売力やマーケティングにおいてビジネスパートナーを欲している。繋げることでビジネスへの可能性を秘めている。
■現代のミドルマンとコーディネータ
ミドルマンとは、ポール・ラザースフェルト(1901~1976)という社会学者が提唱した概念だ。「専門家の難しい考えをわかりやすく説明したりイメージ化したりできる人。無数のメディア情報を受け取ってそれを要約し、自分の属する小集団に伝える存在(オピニオンリーダー)もミドルマンと言える。」とある。 スクリーン印刷業を含めた幅広い技術は、クリエイティブと結び付け多種多様な人との関わりによって形となり価値を発揮する。間に立って繋ぐ役目のコミュニケーターが必要だ。現代におけるミドルマンだといえる。従来のミドルマンに加え顧客志向、マーケティング感覚が必要だ。現代のミドルマンは、印刷ビジネスにおけるコーディネータの存在のようだ。
「プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)」は様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場として10月4日から開講した。
第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする
詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。
(CS部古谷)
新事業開発に必要な人材をどう育てるか
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「これがデザイン!?」ジャンルを問わずにデザインを評価するグッドデザイン賞は、毎年驚きと発見をもたらしてくれる。 続きを読む
印刷会社の働き方改革
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JAGATが経済産業省より業界初の「事業分野別経営力向上推進機関」として認定
人の共感と感動を生み出す印刷メディアのコーディネート
従来のオフセット印刷を中心とした製造現場では、5S活動や改善活動の話題が多い。目的はムリ、ムラ、ムダの削減であり、ムダを“無くす”ことで価値が生まれる。一方で、マーケティングの視点では、手間を “無くさない”ことで生まれる付加価値もある。
■食べられるインクから生まれる情緒的な価値
食べられるインクが様々な商品となって話題となっている。食べられるインクは可食性食用インクという。食品衛生法で許可されている食品添加物のみを原料として、認可を受けた工場にて製造される。 食べ物の種類や商品により、天然可食性インクと食用可食性インクに分けられる。 印刷方法は下記のようなものがある。
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★食用インクの印刷方法★
[焼き印(焼き鏝)による刻印]
お饅頭やドラ焼き、卵焼きなどに焼付けなど
[パッド印刷]
えび煎餅やクッキーなどへの印刷
[静電スクリーン印刷]
えび煎餅やクッキーなどへの印刷
[可食シート及び可食フィルムへの印刷]
ホットケーキやクッキー、キャンディなど素材
[可食プリンターによる印刷]
和菓子、洋菓子、お餅、ケーキのほか可食シートなど
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個人的に気になった商品では、食べられるインクのペン「フードペン」がある。食用の着色料、揮発性のアルコール成分でできたインクを使っている。果物やパン、菓子など様々な食べ物にメッセージを手軽に書き込むことができる。例えば、ある運動会の朝、朝食の場面で母親が子供にパンの表面に応援メッセージ「がんばれ!」などと書かれていたらどうであろうか。微笑ましい光景だ。ひと手間暇かけることで五感+メッセージによりエモーショナルな(感情、情緒的な)価値が生まれた場面だ。
■エモーショナルマーケティングと幅広い印刷技術表現のコーディネートのツボ
エモーショナルマーケティングは、商品・サービスの機能の優位性を伝えるだけではなく、人の感情や共感に訴えて独自性を訴求する考え方だ。コミュニケーションにおいては、合理的な伝達ではなく、手間をかけたコンテンツの提供が人の感情や共感に訴える効果を高める。例えば、2011年3月11日の東日本大震災では、インターネットでのSNSが活躍した。SNSに求めたものは、合理的な情報の共有もあったが、様々なコミュニティー形成による絆があったようだ。一方、大きな話題となった紙メディアがあった。それは、宮城県石巻市の地域紙である石巻日日新聞の壁新聞だ。電気も機材も無い中、手書きの新聞が手間をかけながら発行され続けた。感動を与えたのは、記者や編集者の情熱や思いであったように思える。肝心なことは、何に感動し、心を揺さぶられるかである。現在の印刷加工技術は幅広い。五感に訴える技術は、デジタルもアナログでも進んでいる。技術に溺れることなく使いこなすことが肝心だ。印刷ビジネスおいては、顧客とその顧客、個人とコミュニティーなどの間に立ってコーディネートすることがビジネスチャンスに繋がる。エモーショナルな価値をテーマに幅広い印刷加工技術をコーディネートすることは益々求められそうだ。
プリンティングコーディネータ養成講座第20期(JAGAT主催)は、様々な印刷技法、素材、作品、人との出会いの場。今年もブラシュアップして10月4日から開催する。
第20期プリンティングコーディネータ養成講座
顧客の伝えたい価値を幅広い印刷表現技術で形にする
詳細はhttps://www.jagat.or.jp/archives/37462をご覧ください。
(CS部古谷)