10月7日(金)に開催する「JAGAT大会2016」では、「印刷の再成長―市場の創出」について考えていきます。また参加者にはJAGATの最新刊 『印刷白書2016』 をお持ち帰りいただきます。
「協会情報」カテゴリーアーカイブ
産業構造の変化とキャリア開発
技術革新による産業構造の変化は、産業の原動力となる人の働き方と密接に関わっている。
現在私たちが向き合う高度ネットワーク社会は、自律的な最適化を背景にした労働力のパラダイムシフトを引き起こし、価値労働への移行が求められている。
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2017年春試験2月26日(日)開催要項発表
次回2017年春試験は、2月26日(日)に開催いたします。
各試験開催要項を公開しました。
第47期DTPエキスパート/第23期クロスメディアエキスパート認証試験 実施要項
2016年度新入社員は何を重視して会社を選び印刷業界へ足を踏み入れたのか
何人かの印刷会社の経営者の方から、このところ新卒を含めての人材確保が難しくなっているという声を聞いた。
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【DTPキーワード】原稿整理
原稿の表記の様式は、著者の思想および感情の表現の一部である。また1 冊の本の中で表記形式の不統一は、読者が内容を理解するときに混乱を起こす。
原稿整理での表記の統一(形式的整理)は、第一に著者の意向を尊重して執筆方針を読みとって作業を進め、その中での未整理の部分、不統一の部分を正す。
表記について、あらかじめ著者との間に「執筆要項」を作成してそれに従って作業する場合もある。
出版社単位あるいは雑誌媒体に応じて、原稿表記についてのルールを整理して、明文化したハウスルールを作っている場合もある。
文章については、文体の統一、漢字の使用範囲、漢字の字体、かなづかい、送りがな、引用文の表記、ルビをどのようにするか、などを決める。意図的に旧かなづかいがされている場合もあるので、その原則を知っておく。
用語については、外来語の表記、外国の国名/地名/人名、学術用語の表記、などを決める。
組版については、繰り返し符号、かぎや括弧および句読点、年月日、数詞、単位記号、括弧と句読点の関連、などの組み方原則を決める。
書籍全体では、見出し、注、文献のあげ方、索引のオーダー、改丁/改ページ/改行/追い込み/追い出し、行あき/字下がり/文字サイズを下げるところ、などを決める。
見出し[heading ; headline]
書物において、記事の冒頭に置かれ、その記事の内容が一目で分かるように書かれた標題。編、章、節などの区分に応じて、大見出し、中見出し、小見出しと段階的に見出しが付けられる。見出しには通常本文よりも大きい文字や太い文字を用いる。
注[note]
本文中の用語、または図表などの一部についての補助的な説明。本文上部の頭注、本文下部の脚注、本文中の割注、小口側の傍注、編、章、節、段落などの次や巻末に入る後注などがある。
文献[literature]
筆録・印刷物などで、以前の制度や文物などを研究する参考資料。多くは参考文献として巻末に記載する。
索引[index]
本文中の主要な語句や項目を検索しやすいように抽出して50 音順かアルファベット順にまとめその記載ページを記したもの。多くは巻末に記載する。
改丁
章見出しなどでページを改め、次の奇数ページからまた組み始めること。奇数ページで終わった場合、次の偶数ページは白となる。
改ページ[form feed]
章見出しなどでページを改めて組版すること。奇数偶数に関係なくページが変わればよい。
改行[line feed]
文字組版の際、行を改めて次の行に替え文章を組むこと。
追い込み[run in ; run on]
改行、改段、改ページなどをやめて、前の行に続けて組むこと。
追い出し[run out]
禁則処理における行頭行末禁則の句読点や約物類などの処理方法の一つ。行頭禁則の句読点などが行頭にくる場合に、前行の文字を次行に追い出し、前行の空いた分のアキをスペーシング処理して行末揃えを行う。
ここまでを追い出し処理という。
行あき
前行と次行のアキの距離。行間。
字下がり[indention]
所定の字詰めより下げて組むこと。和文組版では段落の1 行目の行頭を1 文字下げる場合が多い。
文字サイズ
文字の大きさ。Q(1Q = 0.25mm)/ ポイント(1point ≒0.3528mm)で示す。
2016年9月実施更新試験開始
更新試験専用サイトオープンしました。
更新試験申請者の方は、下記期限内に必ず試験にお取り組みいただくようお願いします。
更新試験専用サイトはこちら
試験実施期間:2016年9月1日(木)10:00~2016年9月30日(金)23:59まで
※試験専用サイトのパスワードがご不明な場合は
更新試験専用サイト上の「パスワードをお忘れですか?」よりパスワードを取得していただくか、
更新試験専用サイトサポート窓口までパスワードをお問い合わせください。
更新試験専用サイトサポート窓口
株式会社 イー・コミュニケーションズ サポート窓口
TEL 03-3560-3905 e-mail cbt-support@e-coms.co.jp
受付期間:試験期間内のみ対応
受付時間:平日10:00~17:00
drupa2016を通して考えるこれからの印刷ビジネス
drupa2016が終了してから2カ月以上が経ち、各業界団体やメーカー報告会も概ね終了し、印刷関連紙誌でのレポートなども一段落といった感じで、既にdrupa2016報告についてはお腹いっぱいという方もいるかもしれない。
しかし、真打ち登場ということで、JAGAT専務理事郡司秀明のdrupa2016レポートをJAGAT info8月号にてぜひご覧いただきたい。
現在、世の中的には「ポケモンGO」が大きな話題を集めているが、この成功を見るにつけ、印刷業界でも新たなビジネスを生み出すためのイノベーション的発想の重要性を感じる。ご存知のように「ポケモンGO」は決して最先端の独自技術のゲームではなく、実体はポケモンという20年にもわたって受け継がれてきたキャラクター・コンテンツと、AR技術(最先端技術とも言えなくもないが)や位置情報サービスなどを組み合わせたものだ。要は既存のコンテンツや技術だったとしても、アイデアと工夫でビジネスの可能性を拡げることができることを証明している。
同様に印刷業界にも培ってきたノウハウや磨き上げられた技術、蓄積されたコンテンツと新しい技術や機器を組み合わせることで、これまでにないビジネスを生み出す可能性はあるわけだ。そのような視点でdrupaを捉えれば、前号の紹介で語った「メシのタネ」を探すのが難しい状況になったというのは一面に過ぎず、依然としてこれからの印刷ビジネスを生み出すヒントを得られる印刷業界最大の展示会といえるのだろう。
JAGAT info8月号では、7月号に引き続きdrupa2016について報告するが、少し趣を変えて、JAGAT専務理事の郡司秀明がdrupa2016で展示された機器などの傾向とそれらは今後の印刷ビジネスにおいて、どのように影響を与えていくだろうかという視点を交えて報告している。特に今回は各社が提案し、注目を集めたB1デジタル印刷機については過去のdrupaでのデジタル印刷機の流れを交えつつ、独自の視点で実際の生産機としての可能性に言及する。また、デジタル機による加飾加工での付加価値創造によるビジネス展開にも注目する。さらにソリューション的なものとして、「Print4.0」の提唱やHPの「Print OS」などは、まさに、これからの新たなビジネスモデルを生み出すだけのポテンシャルを持っているように感じられる。
JAGAT info8月号は、このほかに技術情報/グラフィックスの特別編として、印刷用紙の発注においてEDI導入により間接業務の大幅な効率化を実現した日経印刷の取り組みを中心に紙卸商側の対応を含めて紹介している。また、経営者インタビューには名古屋・近藤印刷の近藤起久子社長にご登場いただき、自社商品開発への想いや「見える化」への取り組みなどにとついて語っていただいた。
ちなみにJAGATもポケストップです。「ポケモンGO」をしている方は、JAGATに来訪いただく機会がありましたらチェックしてみてください。
(JAGAT info編集担当 小野寺仁志)
2016年8月号目次はこちら
2016年8月21日開催エキスパート認証試験 受験上のご注意
傾聴と共感がクレームを改善する
職場でも家庭でも社会生活を営む者にとってクレームはつきものだ。とくに印刷会社は、オーダーメイド生産のため、お客様の求める品質にも差がありクレームになりやすい。 続きを読む
【クロスメディアキーワード】メディアの複合利用
クロスメディアキーワード【第7回】
クロスメディアとは、ある情報について文字や音響、映像などの様々な素材と、ペーパーメディアやデジタルメディアといった複数のメディアを用い、効果的な情報伝達を行う手法である。
複数メディアの利用については、生活者のメディア導線を予測したシナリオにより、メディア毎に適したコンテンツを用意し情報発信を行う。メディア利用の概 念については、「ワンソースマルチユース」や「マルチメディア」、「メディアミックス」など、「クロスメディア」と似た様々なものがある。
ワンソースマルチユース
ワンソースマルチユースとは、基となる印刷用データやWebサイト用データなどから、異なるメディアへコンテンツ展開を行う概念である。「マルチ (multi:複数の)」の意味としては、利用するメディアの数や、コンテンツの再利用回数といった解釈も可能であり、ワンソースマルチユースにより、コ ンテンツの制作効率を高めるといった意味を持ち合わせている。
印刷用に加工されたデータ利用し、他のメディアへ展開を行うには、データの 再加工が必要となる。ワンソースマルチユースを実現するために、印刷用データに含まれる寸法や書体指定のような情報は付加せず、他のペーパーメディアや Webメディア向けといった複数の出力を想定したデータ作成が求められる。
マルチユースは「データベースパブリッシング」の考え方と接な 関係がある。データベースパブリッシングは、リレーショナルデータベースを用い、条件に応じて自動レイアウトを行うシステムである。フォーマットがある程 度定型化されている大型のカタログやパンフレットなどの制作には欠かせないものであり、データベースに蓄積されたデータの活用は、当初のメディアに対する コンテンツ制作や再利用だけに止まるものではない。リーフレットやWeb、デジタルサイネージなど、様々なメディアへのコンテンツ展開を可能にする。
出力メディアを構成するコンテンツに関する情報をデータベース化し、メディアに合わせた検索を行い、データ抽出後に自動レイアウトする手法が普及している。
文書の型を定義付けられるXML(Extensible Markup Language)を利用したデータベースをシステムの中核にし、各々のメディアに合わせたスタイルシートを用意することで、フレキシブルなコンテンツ展 開も実現できる。XMLに対応したDTPアプリケーションを合わせて利用することで、変更や修正を行った箇所をデータベース内のデータに対し同期させるさ せることが可能である。データベースにより派生する、他のメディアのコンテンツに、自動的に反映することができる。このコンテンツ管理手法が「ワンソース マルチユース」といった概念であり、データベースパブリッシングは効率良く実現するための手段である。
クロスメディア
共通データのデータベース化は、情報のクロスメディア展開の際においても有効な資源となる。クロスメディアの概念では、必ずしも「基となるデータ」が1つ である必要はない。情報発信の効果を最大限にするため、「基となるデータ」に対しメディア特性を考慮した加工を施すことや、新たな「データ」を追加するこ とが求められる。
現代の生活者は、製品やサービスを購入する際に関連の詳細情報を求める傾向があり、得た情報の結果に満足しないと購買活 動へと至らないことがある。製品の機能を紹介する場合、プリントメディアでは文字や写真、図表での表現となるが、映像や音響の利用により製品の動きや音の 表現が可能となり、機能の理解度が飛躍的に高まることが期待できる。映像や音響といった「データ」を追加することで、Webコンテンツにより効果的な製品 の機能紹介を実現できる。また、モバイル端末向けWebサイトを併設する場合、端末の動作を考慮し、コンテンツのデータ量を削減する取り組みも求められる ことがある。
映像や音響を扱うテレビ放送であっても、製品の詳細機能を訴求するメディアとしての活用が難しい点がある。テレビ放送は、インタラクティブ性や検索性に欠ける部分があり、生活者が情報を得る際、目的の情報を見付け難いことがある。
クロスメディアを実現するためには、メディア特性を熟慮する必要がある。クロスメディアは「基となるデータ」を効率良く展開することではない。情報の発信 者が想定するシナリオを前提に、情報の受信者である生活者が行動することを促すために、様々メディアの持つ特性を理解しメリットを最大限に発揮させること が重要である。
コンテンツを構成する情報による相互作用や相乗効果を高めるために、クロスメディアの概念が活用される。また、クロスメ ディアでは、QRコードによるWebサイトへの誘導、ICカードを活用した本人認証や決済機能など、各メディアの連携を実現する「橋渡しの仕組み」も不可 欠である。クロスメディアは、制作効率の向上が目的ではなく、情報発信の目的を達成するためのメディア活用手法である。
メディアミックス
メディアミックスは、メディアを組み合わせて情報の到達を最大限にする、クロスメディアと近い概念である。異なるメディアを組み合わせ、活用することにより、各メディアの弱点を補う手法といった原義がある。
コンテンツは、映像でなければ伝えられない情報や、熟読しないと伝えられない情報など複合的に存在するため、必然的に使用するメディアも複合的になる。映 像での情報と紙面(誌面)での情報を連動させ、生活者のコンテンツに対する理解を強化するために、統一したビジュアル表現を採用することもある。個別のメ ディアにおいても、原則的には個別にコンテンツとして完結することを前提にしている。
現在では、特定の娯楽作品が一定の経済効果を持った時、その作品の副次的作品を数種類のメディアを利用を前提に多数製作することで、ファンサービスと販売促進を拡充する手法を指すことが多い。
例題
次の文[ア][イ][ウ]と用語群[A][B][C]の組み合わせとして、最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。
ア 一つの素材を複数の媒体で利用することであり、複数の範囲には利用媒体の数の他、再利用等の利用回数も含まれ、効率性を重視している。
イ 文字、音声、映像など多様な形態の情報を組み込んだメディアのことである。
ウ 情報資源を複数の適切なメディアに展開することで、目的達成のためにシナジー効果をもたらす手法である。
[用語群]
A:クロスメディア B:マルチメディア C:ワンソースマルチユース
[解答群]
①アとC イとA ウとB
②アとA イとB ウとC
③アとC イとB ウとA
④アとA イとC ウとB
[解答]
③アとC イとB ウとA
※本ページの内容は掲載当時(2013年)のものです。