協会情報」カテゴリーアーカイブ

『DTPの基礎 改訂版』正誤表

『DTPの基礎 改訂版』(2012年2月3日刊)に以下の誤りがありました。
お詫びして訂正いたします。

161ページ「●DVDメディア」本文6行目
(誤)読み出し専用のDVD-RAMのほか、
(正)読み出し専用のDVD-ROMのほか、

2014年の印刷ビジネスを振り返り、2015年を展望

4月は多くの印刷会社にとっても新年度のスタートとなるが、新たな経営戦略や事業方針が立てられ、目標を達成するべくスタートが切られたことであろう。JAGAT info4月号の特集は、2014年の印刷ビジネス動向を振り返るとともに、2015年を展望している。 続きを読む

専務理事就任のあいさつ

2015年4月1日からJAGATの専務理事になりました郡司秀明でございます。まだまだ不慣れのポジションで、皆様にはご迷惑をおかけすると思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 続きを読む

ギフトカタログのWeb to printと電子版制作

DTPによる印刷物制作とWeb用のHTML制作を別々に進行することは、校正やチェックが2重となり、時間・コスト的にもさまざまな無駄が発生する。コンテンツを一元化し、DTPソフトに依存せずにPDFデータ作成とHTML展開を行うことが出来ないか。
共同印刷の藤森良成氏にギフトカタログのWeb to printに取り組んだ経緯を聞いた。

■DTPによるカタログ制作の問題点

ギフトカタログは定型レイアウトがほとんどで、基本パターンとして1つのページに商品単位の小組をレイアウトする。自動化しやすいケースではあるが、さまざまな要因から自動化されていないことも多い。DTPでフルに制作している場合、商品ごとに製造元や生産者に原稿(データ)と掲載内容に関してアナログなやり取りが発生し、たいへんな手間・コストがかかる。また、DTP上の修正はデータベースに反映することはできないため、次年度のトラブルの種になってしまうという問題があった。

■CatalogPackerの構成と機能

CatalogPackerは、ネットワーク上で定型カタログを制作するためのWeb to Printであり、自動組版システムである。Webブラウザ上で動作するため、OSに依存せず、各PCにDTPソフトウェアをインストールすることも不要である。
商品DBをメンテナンスするユニットとそのデータを組版し割り付けるユニットで構成されている。DBの内容はクライアントや商品のサプライヤーに直接直してもらうことを想定している。DBを修正した後、小組単位で自動組版してPDFを作成し、校了まで進める。
ページアップした後の校正は行わない。実際にはバックグラウンドでXSL-FOを生成し、AH Formatterで組版レイアウトを行っている。

例えば旅行のカタログを作る場合、通常のRDBなら朝昼夕の食事回数を0,0,1と記号化して入力し、印刷物にする際に「朝食0回、昼食0回、夕食1回」という文字列に変換している。
食料品の通販であれば、チルド、冷凍などの区分を文字ではなくマークや画像で表現してほしいとなる。
このような印刷物上のルールを、全部印刷会社側で管理すると校正漏れやミスも多くなる。

そこで、価格・スペックなどを格納する商品DBと、印刷物上の文字列などをXML形式で記述する体裁情報DBに分けた。価格・スペックの修正は、常に体裁情報DBに同期されるようになっている。

小組のレイアウト指示は簡易設定画面から行う。小組の縦横サイズやどの位置にデータベースのどの項目を配置するか、その条件などを設定する。プレビューボタンを押すと、作ったレイアウトにデータベースの1件目が流し込まれて、結果を確認することができる。裏側ではXSL-FOで動作しているが、DTPや組版の専門的な知識は必要ない。簡単なトレーニングでWebオペレーターでも対応できるレベルである。

InDesignなどのDTPでカタログを制作する際、難しいとされているのが爪(インデックス)の自動発生である。例えば、北海道とか東北とか海鮮品なのか野菜果物なのか、フラグによって爪の色や文字、位置を変更する。DTPではオペレーターが手作業で配置するしかないが、XMLなので自動生成することができる。

レイアウト後にデータ修正をする際、画面をクリックすると「データを修正しますか。それともレイアウトを修正しますか」と選択できるようになっている。価格データを修正すると、連動して小組に修正が反映され、PDFが自動で作成される。
また、「今回だけこの価格を特別値引きにしたので、色を変えてほしい」といった修正であれば、レイアウトの情報だけを変更すればいい。
このような形でデータと体裁を分離し、管理しているためコンテンツの一元化を実現することができる。

■今後の課題

実際に運用してみると、一番の問題は商品のサプライヤーが画面上でのデータ修正に慣れていないことであった。
また、この仕組みは定型カタログが対象である。定型カタログはカタログの12~13%でしかない。大量部数であるため仕事としては重要だが、頻度は少ないというのが実態である。

今後は、CSS組版による印刷データ制作にトライしたいと考えている。CSS組版ができれば、Webと共通のラインで紙でも電子でも制作することができる。このような形でコンテンツの一元管理を進めていくことで、印刷会社がシステムインテグレーターやWeb制作会社と差別化することが可能になる。

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共同印刷_CatalogPacker_ページ_03

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)

XMLを活用した製品マニュアルとHTMLの同時制作

三和印刷工業では、主にAV機器、デジタル製品の取扱説明書やサービスマニュアル等を制作している。XML技術を活用したコンテンツ管理と自動組版、HTML自動生成など、製品マニュアルのワンソースマルチユースを実現し、多言語対応にも効果を上げている。
同社代表取締役の竹内栄司に話を聞いた。

■XML技術を導入した背景と方法

顧客は電機メーカーで、テレビ、DVDレコーダー、ビデオカメラ、デジカメなどのマニュアルを制作している。仕事量は年々減っているが、競合も多く品質や納期面の要求はより厳しくなっている。DTPなど従来の方法では限界があり、大幅な原価削減や差別化を模索していた。
XMLはタグ付きテキストデータであり、1つのデータからスタイルシートを変えることでレイアウト変更や印刷用PDFを書き出し、自動でHTMLを生成することができる。DTPを自動化し、Webマニュアルも同時に自動生成できることから、XML方式を導入することを決定した。XMLの生成方法は、WordやInDesign、XMLエディタも検討したが、オペレータにXML知識が不要で、ワンソースマルチユースが可能なCMSを自社開発することに決定した。データベースのサーバーにテキストやイラスト、スタイルシート等が格納され、そこからXMLが自動出力される。XSLTスタイルシートを経由してアンテナハウスのAH Formatterという変換エンジンでPDFに書き出す。HTMLもCSSを組み合わせて自動でアップする仕組になっている。

■システム開発の経過と成果

初期の段階で、テキストとイラストを多言語も含めて全部データベース化し、PDFとWebマニュアルを同時に作ることができ、また取説の固有名詞を管理するシステムを2年かけて開発した。最初からいろいろな仕組みを一遍に立ち上げたため、安定もせず、効率化もできていなかった。しかし値段だけは安くできたので、顧客も許容してくれた。その後、約3年かけてシステムを強化した。1つのモデルの取説を複数の人間で編集できるようにした。また、例えば5モデルくらいを一度に作り、最小限の修正作業で各ファイルに反映できるようにした。PDFとHTMLも同時に作ることを実現した。DTPに追いつき、追い越したというところである。
さらに、XMLと翻訳システムを連動させた。検査機能や自動メンテ機能を付加し、作業を大幅に削減することができた。システム的に品質向上する仕組みを実現することができた。現在、6年が経過し、編集システムiTrexと翻訳管理システムiTosに加え、PettssというGUIの用語データベースが連動している。
システム導入の効果として、以前の体制よりDTPオペレータと校正者を削減し、執筆者を増やすことができた。XSLTというスタイルシートの設計は、当初外注していたが現在は内製化している。納期面でも、多言語版を含めると大きな効果が出ている。レイアウトも翻訳準備も自動化したため、InDesignで約20日間かかっていた業務が約10日でできるようになった。顧客からも高い評価を受けている。

■今後の展開

Web化することで取扱説明書の付加価値を上げたいと考えている。通常の取説は、目次と索引で必要な事項を探す必要がある。目次にできることを並べているだけなので、どの機能を使って良いかわからない。デジカメなどでは、目次だけで100項目くらいあるので全部は読まれていない。
Webマニュアルであれば、「初めて使うときは」をクリックすると、初めて使うときの手順をエンドユーザーにナビゲートすることができる。「めざまし時計代わりに音楽を再生したい」とか、「プレイリスト風に使いたいときはどうするか」等、事例を挟みながら説明することができる。また、ネットワーク接続は他メーカーの機器と接続するため、取説で説明することは非常に厄介だったが、Webなら条件を選ぶことによって絞り込むことができる。
使い方がわからないとエンドユーザーはメーカーに電話するが、そのサポートもコストになる。Webマニュアルを提案することで、メーカーではコスト削減になり、印刷会社の付加価値にもなる。しかも、手間や費用をかけて制作するのではなく、紙を作ったついでにHTMLにすることを選ぶだけである。これがPDFとHTMLを同時に印刷するという事例である。

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三和印刷_資料3_1_ページ_11

 

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)

ムダな会議はもうやめる! 【大阪開催】
~効果的な会議デザインと運営方法の技術を学ぶ~

意見やアイデアが出ない非効率な会議に時間を費やしてはいませんか?

そもそも会議とは、関係者が集まり「相談」をしたり、「情報伝達・共有」をしたり、物事を「決定」する重要な場です。お互いに意見交換をして、最良の施策、結果を出すために意見をまとめ集約するため時間を費やすものなのです。ところが、本来の目的を見失った会議(業務報告のみ、延々と資料を棒読みするだけ)も多いのが現状です。

 

「なぜうちの会議は長いんだ」
「無駄な会議が多すぎる」
「どうせ意見を言っても変わらない」

環境が厳しく、変化の激しい現在だからこそ社員それぞれが持つアイデアや情報、提案、率直な意見などを引き出し、さらに上手く組み合わせ、力を合わせて経営課題の発見や解決をしていく必要があります。
効果的な会議デザインと運営方法の技術は必須のスキルです。
日常的に会議運営に関わるチームリーダー、管理職の方にはぜひ学んでいただきたい講座です。


講 師

福原美砂氏 (オフィス福原 C&D HR Lab.代表)

【プロフィール】
印刷関連商社にて顧客と関わる技術職(インストラクター等)を10数年。顧客感動を目指す中で、コミュニケーションの重要性を痛感し、心理学(TA 交流分析)を経て、コーアクティブ・コーチングと出会う。2004年春より国際コーチ連盟認定のコーチ養成機関「CTIジャパン」にてコーチングを学ぶ。
2006年9月CPCC 資格取得、印刷業界他、多方面で活躍中。

開催日時

2015年6月24日(水) 13:00-18:00

内 容

(1)オリエンテーション
  ~今日の進め方とルールについて
(2)会議ファシリテーションの重要性
 ・うまくいかない会議のあるあるパターン
 ・会議チェックシートで日常の会議を診断する
 ・「場」とは何か 
 ・効果的な会議を運営するための5つのポイント
 ・話し合いを進める技法
 ・意思決定の技法
 ・場の学びを促進する技法
(3)模擬会議
 【グループ演習】
(4)研修のまとめ

ね ら い 

1.「場」(グループプロセス)とその診断方法を知る
2.会議ファシリテーションのスキルを身につける
3. 模擬会議で学んだことを試してみる

対 象

リーダー、管理職など

定 員

16名(最少催行人数6名)

参加費(税込)

JAGAT会員・大印工組合員  14,040円
一  般              18,360円

会 場

大阪印刷会館 (大阪府大阪市都島区中野町4-4-2)
セミナールーム  
大阪環状線桜ノ宮駅より 徒歩5分


申込要項(FAX申込み)


お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容の問合わせは下記へご連絡ください
公益社団法人日本印刷技術協会 
西部支社 
TEL. 06-6352-6845/FAX. 06-6353-5020

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)