「イベント」カテゴリーアーカイブ
3/31 印刷メディアのポジショニング分析 2025
計画的OJTのすすめ
ある会員企業の印刷会社から高卒の新人向けの教育カリキュラムの策定を依頼された。その背景には採用難がある。
page2025終了のご報告と次回page2026日程
先週のpage2025では大変お世話になりました。 ご参加いただきました皆様のご協力のおかげで盛況裡に終了することが出来ました。 心より御礼申し上げます。
2025年2月7日より開始したオンラインカンファレンスセミナーを皮切りに、東京・池袋サンシャインシティにて2月19日~21日まで開催した展示会まで、全日程を終了することが出来ました。出展いただきました企業・団体の皆様、登壇いただいた講師の皆様、そしてご参加・ご来場いただいた皆様にあらためて御礼申し上げます。page2025の展示会の来場者数をご報告申し上げます。
2月19日(水)6,645名(前回5,426名)
2月20日(木)7,920名(前回7,106名)
2月21日(金)10,015名(前回9,048名)
3日間合計 24,580名(前回21,580名)
page2025展示会においては特に今回、日本新聞協会・日本新聞制作技術懇話会(CONPT)とのジョイントによる「JANPS in page2025」が実施することが出来、多くの方々にご来場いただいた。また従来のpage展とは異なる切り口の新企画「工場ソリューションゾーン」を設置したほか、展示ホールB内のセミナー会場では基調講演をはじめ、出展企業によるプレゼンテーションも多数実施し、数多くのご来場を賜った。いずれも今後に繋がる結果となり、次回以降もご期待いただきたい。その次回page2026についてお知らせいたします。
<次回page2026開催場所及び日程>
2026年2月18日(水)~2月20日(金)@サンシャインシティ
次回も多くの皆様にご参加いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
<page事務局>
【3/6開催】page2025から読み解く印刷の未来
【1/17開催】XML・CSS組版の動向と生成AI活用
人気キャラクター「ちいかわ」にみる印刷ビジネスの機会
とある会話、人気のうさぎキャラクター
キャラクターグッズビジネスは、印刷及び関連会社にも携わっているケースも多い。先日、とある劇場のロビーで、若い学生風の姉妹と父親らしき来場者がバッグに付けたアクリルキーホルダーに纏わるこんな会話を耳にした。
父親らしき人物「この『うさぎ』可愛いね!」
妹らしき人物「そうそう『ちいかわ』だよ!可愛いでしょう!」
姉らしき人物「うさぎ?『ちいかわ』知らないの?」
父親らしき人物「なんとなく『ちいかわ』見たこと!?知っているかな!?」
ちいかわは、言わずと知れた一般社団法人キャラクターブランド・ライセンス協会が主催する日本キャラクター大賞において、Twitter発のコンテンツとしては初めてグランプリを受賞したキャラクターである。ハローキティやミッフィーでもなく人気キャラクターはSNSから生まれる時代だ。2024年度のキャラクタービジネス市場規模は前年度比101.8%の2兆7,464億円を予測(株式会社矢野経済研究所調べ)され、急成長を背景に続々と新キャラクターが登場している。最新の人気うさぎキャラクターも今や「ちいかわ」だけでもなさそうだ。2024年版10代女子が選ぶ!流行りそうな人気キャラクターランキング(マイナビマーケティング広報ラボ:更新日:2024年02月08日より)では、好きになったきっかけや購入したくなるグッズのポイントを徹底調査している。
2024年流行りそうなキャラクターランキングでは、
第1位「おぱんちゅうさぎ」
第2位「ちいかわ」
第3位「んぽちゃむ」
キャラクターの好きなポイントは、
「ビジュアル」が約8割
- 高校生:「キャラクターの言葉」への注目度も高く、コトバ自体が流行ることもある
- 大学・専門学生:「キャラクターの設定・コンセプト」の回答率が高く、見た目とその背景にも魅力を感じることが多い
好きなキャラクターのグッズは、
「ぬいぐるみ」「キーホルダー」を持っている
好きなキャラクターのコラボ商品・サービスは、
「文房具」「食品・お菓子」を購入
キャラクターIPを生み出す背景
『ちいかわ』ヒットの背景は、SNSで活躍するクリエーターのナガノ氏が2020年にTwitterで展開し始めた漫画作品がある。現在ではキャラクターライセンスを専門に取り扱う株式会社スパイラルキュートがプロデュースしているIPだということだ。キャラクターを生む作家と作品(キャラクター)を発掘して育てるプロセスで成立する。ビジネスでは、特に後者にあたるプロディースが重要だ。2024年07月04日(木)開催、コンテンツ東京の特別講演 「キャラクター&ブランド活用」IPヒットへの仕掛けとキャラクター活用の可能性では、社会現象化する「ちいかわ」成功の背景とネクスト・ステージと称して、川上 洋一氏(スパイラルキュート代表)、辻 有起氏(グレイ・パーカー・サービス営業部長)と古川 愛一郎氏(一社キャラクターブランド・ライセンス協会理事長、ラブワン・コミュニケーションズ 代表取締役)によるトークイベントが開催され、成功の背景として川上氏より、SNSでのキャラクタークリエイター発掘、素材としての作品の目利きがポイントでることに加え、クリエイター・キャラクターファーストであることが語られた。グッズ販売にあたる辻氏からは、LINEをはじめとするSNSをコミュニケーション手段の主力とし、メイン商品のひとつとしてのぬいぐるみを主力とした売り場のポップアップなど見た目を重要視することと、新しいキャラクターをスタートすることへの注力について語られた。
キャラクターIPビジネスのプレーヤー
キャラクターIPビジネスには、プレーヤーとしてのそれぞれのポジションが4つある。「ライセンサー」「ライセンシー」「ライセンスエージェント」「小売業者(流通のプラットホーム)」で、互いの強みを発揮することで双方の利益を図ることができる。
【ライセンサー(実施許諾者)】
ブランドやキャラクターなどの特許ライセンスを所有する団体や個人
【ライセンシー(実施権者)】
ブランドやキャラクターなどのIP(知的財産)の使用権をライセンサーから承諾を得ることで、IPを使用した商品やサービスを開発し、販売することが可能な事業者
【ライセンスエージェント】
ライセンサー(実施許諾者)と契約を結ぶことで、キャラクターやブランドなどのIPの営業代行やマーケティングを行う団体や個人。
【小売業者】
ライセンシーが開発したライセンス製品を購入することで、インターネットや小売店などを通して販売する事業者。また、キャラクターグッズに携わる事業者には、ライセンサー(版権元)から版権を借りてグッズ化し販売する事業者「ライセンシー」と企業や同人、個人から委託されるOEMがある。
キャラクターIPビジネスは、成長分野ではあるが競争は激しい。もはや、レッドオーシャンかもしれない。一方、拡大する市場の中、顧客は、常にキャラクター開発に留まらず、ビジネスに纏わる情報や確かなブレーンを求めている。印刷会社としては、自らキャラクター開発を行うライセンサーに目を奪われているだけではなく、自社の強みや「やりたいこと」を明確し、プレーヤーとしてのポジションを選択することも視野にいれる必要がある。ちなみに、前出の人気グッズ「ぬいぐるみ」「キーホルダー」は、モノづくりに自信のある印刷会社は、ライセンシーとの関係づくりにもビジネスチャンスがあるだろう。商品開発には、売れる製造ノウハウが欠かせないことは当然だ。印刷会社では、「推し活」やファンアイテムの必需品として人気のアクリルキーホルダー(アクキー)やアクリルスタンド(アクスタ)は、「レーザー加工機」と「UVプリンター」を使ったアクリルグッズ製作で業績を伸ばした事例もある。市場は拡大の傾向だ。重要なことは、「今、売れている?」からではなく、市場のしくみを理解して「自社には何ができるか!」「何をやりたいか!」である。page2025セミナーでは、キャラクターIP、グッズ商品の製造販売で業績を伸ばす企業よりご登壇頂きビジネス開発のポイントを解説する予定だ。講師事前インタビューで感じたことは、ビジネスへの想いと熱い情熱が必要なことは強く感じた。また、キャラクターに愛情を注ぐ若い社員のモチベーションを引き出し、チームづくりを大切にしているマネジメントには共感を覚えた。
(研究教育部 古谷芸文)
page2025
page2024 オンラインカンファレンス・セミナー
page2025は会場内セミナーも人気です
page2025は前回に比べて、出展企業が大幅に増加している。それに伴い、会場内セミナーの開催枠も残りわずかとなってきた。オンラインで気軽にセミナーが聞ける昨今、なぜリアル会場内セミナーがこれほど人気なのか?
1988年の初開催以降、今回で38回目となる印刷・メディアビジネスの総合イベント「page2025」は「共奏」をテーマに、2月7日~2月14日にカンファレンス・セミナーをオンライン配信する。そして2月19日~21日の3日間、リアル展示会をサンシャインシティで開催する。また基調講演もリアル展示会の開催初日の2月19日に、展示会場内のセミナー会場で開催する。オンラインでご視聴になり、翌週のリアル展示会に足を運んでいただきたい。
出展企業向け展示説明会が満席に
JAGATではイベント開催に先立ち、page2025「出展企業様向け展示説明会」を2024年11月15日にJAGAT本社で開催した。page2025展示会の出展企業各社を対象に、上述した開催の概要をはじめ広報・PRなどの計画、会場内セミナーや広告プランの紹介、スケジュールや会場内での各種規定の説明、協力会社から会場設営時における注意点などのガイダンスを行った。当説明会は遠方の出展企業向けに録画し、後日視聴できる形にしたのだが、会場内には出展企業関係者で満席となった。質疑応答も行われて熱気に包まれた。近年にはない光景であり、page2025の盛り上がりを予感させた。
展示会場内セミナー枠があと2枠に
page2025では、前回に引き続き展示会場内にセミナー会場を設置する。1枠30分にて製品、サービスのプレゼンテーションなど出展企業の自由な発表の場として活用いただくのだが、有料にもかかわらずこのセミナー枠が残りわずかとなっている(本日12月2日現在で残り2本)。そして売れ行きもさることながら、こちらの想定を上回っているのが、1枠30分のセミナー枠を連続で申し込んでいる企業が複数いらっしゃることである。確かに連続で枠を取れば、枠と枠の間の休憩時間を埋めて、60分以上のセミナーを実施することが可能となる。より充実したコンテンツの提供が見込まれ、多くの方々に聞いていただきたい。
「展示会場内セミナー」がもたらす相乗効果
pageイベントだけでなく、他の展示会でも自社の出展ブース内でプレゼンテーションやミニセミナーを開催しているのを多く見かける。自社ブース内であれば確かに費用は掛からないが、聞いている人があまりいない中行われているプレゼンテーションは正直あまり見栄えがしない。それは登壇者やコンテンツが悪いからではない。ミニセミナーという形で10~15分程度のプレゼンテーションを準備して、出展社からすると気軽に聞いてほしい、ということで座席を設けていないケースが多いためと推測される。来場者からすると、立ち見で15分のプレゼンを聞くというのは正直かなり高いハードルであり、結果として途中で移動するか、出展ブースに足を止めないということになるのである。その点、会場内セミナーは時間内で枠内であれば他の出展企業に邪魔されることなく、思う存分プレゼンテーションが出来る。また会場内セミナーを開催するのは出展企業である。出展ブースを訪れた来場者には「○○日の○時からセミナーがあるので、ぜひ聞いてください。」と言えるし、セミナー参加者には「より詳しいお話は出展ブースでどうぞ。」と言うことが出来る。こうした効果に有料でもいいから、会場内セミナー枠を買おうと思ったことが要因である。
また昨今はオンラインでセミナーを視聴することが多くなっている。JAGATでも開催するセミナーは、一部リアル会場と併催することはあっても、オンラインが基本である。これにより会場に来られない遠方の方でも参加することが可能になり、距離の壁は無くなった。しかし展示会に行くと、どのイベントでもセミナーが行われており、参加者が少ないセミナーを見ることはあまりない。これはひとえに「展示会場内セミナー」だからと考える。「セミナーを聞いた帰りに展示会にも行ってみよう。」もしくは「展示会に行くついでにセミナーを聞いて来よう。」というちょうどよい相乗効果が生まれるからに他ならない。 30分のセミナーを聞きに、往復2時間かけて参加する方はそれほどいない一方でオンラインセミナーであれば、自分のデスクからでも視聴可能だが、その反面、当日予定が入ってしまったり、忙しくしているうちにセミナーが終わってしまっていたりと、手軽に聞ける分聞き逃すケースも多々ある。page2025はサンシャインシティでの開催であり、都内在住在勤者であれば、アクセスも良い。ぜひイベントにお越しいただく際には、会場内セミナーにもご参加いただきたい。
<研究・教育部 堀雄亮>