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JAGAT大会2021で「今こそ、マーケティング」を
11月25日(木)14時よりオンラインで開催するJAGAT大会2021ではぜひ「今こそ、マーケティング」を考え直すきっかけにしていただきたい。
JAGAT大会は前回2020に続きオンラインでの開催とさせていただく。新型コロナウイルス感染状況は減少傾向にあり、リアルイベントの開催制限も緩和され、リアル会場でのセミナー開催も徐々に行われつつある。しかしJAGAT大会は2019年まで東京・椿山荘での開催であり、セミナー後には懇親会も実施していたが、まだ大人数での飲食を伴う会食を行うにはリスクが高すぎることもあり、見送ることとした。JAGAT会員企業様及び印刷総合研究会会員様は参加費無料とさせていただくので、ぜひご視聴いただきたい。
5年前と今で変わるもの変わらないもの
さて、今回のJAGAT大会2021で基調講演をいただくロン・ジェイコブス氏には、今から約5年前の「page2017」で登壇いただいている。当時の講演録を紐解くと、印象的な言葉がある。
「マーケティングは今まで私たちが考え、運用してきたものとはやり方が変わってきている。顧客、様々なブランドが、それぞれがより効果的に、より意味のあるコミュニケーションをするためにはどのようにすべきかを学ぶ必要がある。」
この考え方は今も変わらず、 5年経った今もテクノロジーは進化を止めていない。 常に変化の真っ只中であり、顧客とのコミュニケーションを行うにはどうすべきかは常に考える必要があるだろう。もう一つ、氏の言葉をご紹介する。
「現在の市場において、主役はカスタマーである。もはや企業が主体で動ける時代ではなくなった。」
この概念は現在はより一層鮮明になっているものと思われる。その一方で5年前と全く異なる点が2つある。1つはコロナ禍という経験、もう一つは世代が進み、2017年当時まだ大学生であったZ世代 (1990年代後半以降生まれ、センテニアル世代)が社会人になり、消費の中心になってきたことである。 Z世代は前世代となるY世代(ミレニアル世代、2000年代に成人を迎える)よりもデジタルネイティブでネットリテラシーが高く、 マスメディア離れが進んでいる。ジェイコブス氏も当然現在の状況をキャッチアップしており、 今回のテーマは 「アフターコロナを見据えた印刷業界」とした。
コロナによる断絶を乗り越えつつある今だからこそ
ジェイコブス氏が基調講演を行ったpage2017のテーマは「ビジネスを創る~市場の創出」であった。 マーケティングとはすなわち市場を創ることに他ならず、そしてこうしたマーケティングの必要性を印刷会社の皆様に啓蒙すべく 「デジタル×紙×マーケティング」のスローガンを掲げるきっかけとなったのがこのpage2017の基調講演であった。 5年前を振り返るのではなく、様々な5年間の経験を踏まえ、さらにコロナによる断絶を乗り越えつつある今、 学ぶべきテーマとしてJAGAT大会2021は「今こそ、マーケティング」とした。最後にもう一つ引用する。
「 今起きていることと、これから起きることを考えれば、古き良きものこそ人々の支えになる。」
これはジェイコブス氏ではなく、ある映画の1セリフだが、氏の講演の中にその映画シリーズの引用があるので、加えさせていただいた。マーケティングの概念、考え方は何十年も前から存在するものである。原点に立ち返り、今さらではなく「今こそ、マーケティング」という想いを持って視聴いただければ幸いである。
(CS部 堀雄亮)
JAGAT大会2021へのご参加はこちらをどうぞ。
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雑誌のブランド力をWeb広告で武器にする
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そんな中、出版の広告分野でもデジタル活用が話題になっている。今回は成長が続く出版社のデジタル広告の展開を取り上げる。
Web広告の特色と求められる戦略
近年広告市場の成長をリードしてきたWeb広告であるが、Web広告は大きく分けて運用型広告と予約型広告の二種類に分類される。広告を獲得する上での戦略はそれぞれに異なるため、まずはこの二つの特徴について紹介したい。
運用型広告はWeb広告の約8割を占める最もポピュラーな方法である。広告主が広告の内容や掲出場所の希望条件などを指定してアドサーバーと呼ばれる場所に出稿すると自動的に条件のあったサイトが割り振られ掲出されるという仕組みである。希望する条件が他社と競合した際にはサーバー上で自動的に入札(オークション)が行われるという特徴もある。出版社などの媒体側にとっても、個々の広告主とやり取りする必要がなく、場所を貸し出すだけでいいという利点がある。
しかし、現状出版社のWebサイトの中で運用型広告を採用するのはニュース系の雑誌などに限られている。運用型広告では掲出される広告をコントロールすることが難しく、雑誌のイメージとそぐわない内容が表示されることがあるからだ。そのため、芸能人の不祥事や社会問題などあらゆる内容を取り上げるニュース系の雑誌で運用型は多く使われている。
予約型広告は自社のサイトの広告枠を広告主に期間を決めて貸し出す形態の広告である。昔ながら広告と近い方法であるが、近年再評価が進んでいる。広告主にとっては自社の商品にあったサイトを選んで申し込むことになる。手間はかかるが、サイトにくるユーザーを想定できればより絞った対象に広告を届けることができるという強みがある。そのため、美容系やファッション誌を始めとした明確な支持層のある雑誌は予約型広告に力を入れている。広告主もそのサイト用に新たに広告を作ることもあり、タイアップ広告とも言われている。
雑誌のWeb広告の持つ高い成長性
雑誌のデジタル広告の分野において最初に大きな成果を上げたのは、やはり手軽な運用型広告であった。しかし、近年各雑誌がWebコンテンツを充実させていった結果、予約型投稿の出稿が増えてきている。
雑誌のデジタル広告の成長率は、Web広告全体の成長率を上回っている。雑誌の持つブランド力がWeb上でも大きな存在感を持っているからだと言えるだろう。今後電子出版のように、紙の広告の減少分を補うだけの成果を出せるかが注目される。一方で、金額ベースで言えば、現在も紙の雑誌広告の方がWeb広告よりもはるかに多い。デジタルシフト一辺倒になるだけではなく、電子の成長を紙に波及させるような導線をいかに作るかが今後の課題だと言えるだろう。
紙の紙面とデジタルコンテンツが連動し、雑誌のブランド力を最大化させたとき、広告を原動力とした雑誌の再生が可能になるのではないだろうか。
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