JAGAT大会について一言二言(その弐)
非日常的な場が「連携」を生みビジネスを創造する
VUCA時代に企業が生き残るためには、企業間の「連携」により、新たな着想を基に事業を展開し価値を創造していくことが重要だ。そして、新たな着想は企業同士がフランクに会話ができる非日常的交流の場から生まれることが多い。
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アキダイから学ぶ地域密着と現場主義
JAGAT大会2023ではスーパーアキダイの秋葉社長に特別講演をいただく。この社長、ただ単にテレビに年間300本以上出演するだけの目立ちたがり屋では決してない。
年間300本もテレビに出演する不思議なスーパーマーケットの社長
東京23区の西の端、練馬区関町にアキダイ関町本店は位置している。筆者の自宅から徒歩圏内、筆者もユーザーの一人である。 地元民としての率直な印象は「不思議な店」である。
「スーパーマーケット」と呼べるほどの広い店舗でもないものの、肉、魚など野菜(アキダイは元々八百屋からスタートした)以外の生鮮食品の品揃えも豊富。しかし平日は19時30分、日曜日は18時30分に閉店するので、会社帰りには寄ったことは無いし、ある休日に、すき焼きに入れる春菊を買いに行ったら閉店していたこともある。正直「コンビニエンス」な要素も少ない。ただ店員さんが皆、元気で明るく、店は常に明るく活気がある。そして「朝市」の開催される日曜日の朝は、開店前から行列ができている。引っ越してきた当初は、何でこんなに繁盛しているのかなと思っていた。
そんなある日、筆者が外で昼食を取っていると、店のテレビから聞き覚えのある声が聞こえてきた。画面を見ると、見慣れた店構えの前で社長がインタビューを受けているではないか。景気動向について消費者目線でのコメントを述べていたのだが、驚いたのはそれがその後も頻繁に続いたことであった。 ある日は朝の情報番組で、またある日は夜のニュースにといった具合で、 最近はバラエティー番組で、タレントと一緒にロケまでしている(らしい)。家の近所のスーパーの社長は、今や年間300本のテレビ出演本数を誇る有名人になってしまっていた。
アキダイから学ぶ地域密着の経営戦略
そんなアキダイの秋葉社長にJAGAT大会2023の特別講演をお願いしたのは、ただ単に有名人だからではない。
アキダイは1992年の創業から30年余り、店舗数10店舗を展開し、年商39億円を誇る。その一方でアキダイは「地域に密着した」お店である。関町本店の立地は、バス通りから奥に入っており、決して良いとはいいがたい。数年前までは駐車場も無かった。しかしたくさんの近隣住民が、雨の日も風の日も自転車もしくは徒歩で買い物に来ている。当然、近所には大手スーパーが複数あるにもかかわらずである。中小企業における「地域密着」を体現してきた秘密をお話しいただく予定だ。
今も店頭に立ち仕入れまで行う社長の原動力とは?
秋葉社長は創業当初、あまりにもお客さんが来ない為、「大根1本10円」という看板を自ら作成し、バス通りに出て行き、通過する路線バスの乗客に向かって看板を掲げてお店をアピールをしていたのだという。その後、その看板を見たおばあちゃん達が、店に来てくれて野菜や果物の話をするうちに仲良くなり、常連さんになったそうだ。そんな創業から30年余り、様々な紆余曲折があったことは容易に推測できるが、秋葉社長は今もテレビ取材を受けるだけでなく、お店の前に立ち、しゃがれた声を張り続けている(筆者もたまに見かける)。そして今回の講演時間が15時で終了するのは、夕方の発注業務があるからなのだ。多店舗展開を行いながらも、現場主義を貫く原動力も伺いたい。
(CS部 堀雄亮)
JAGAT大会について一言二言(その壱)
10/23 JAGAT大会2024オンライン
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