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印刷業のキャラクターグッズとライセンスビジネスのアウトライン

page2024セミナーのゲストスピーカーに三輪 直之氏(シンクイノベーション株式会社 代表取締役)

ウォルトディズニーにみるキャラクタービジネスの展開

世界的にも競争力の高い日本のキャラクターは、さまざまなコンテンツやグッズ、イベントなどで活用されている。そんなキャラクターの知的財産(IP)のライセンスを扱うのがキャラクターライセンスビジネスだ。昨今は、漫画やアニメ、ゲームに携わる企業の業績が軒並み好調である。作品のキャラクターや世界観などIP(知的財産)を用いたエンタメ、コンテンツ領域での事業の拡大や企業のプロモーション活動におけるIPの活用によるキャラクタービジネスに注力している。東洋経済オンライン(2022年01月29日)によれば、そのビジネスモデルはアメリカのウォルトディズニーにも似ているという。ウォルトディズニーの事業は大きく分けて2つあるとされる。一つ目は、テレビ放送や動画配信サービスによる「映像系」作品の事業。二つ目は、作品をベースにしてテーマパークを軸にしたリアルエンタメを提供する「体験系」だという。加えてそれら作品のストーリー性やリアルエンタメの世界観体験の副産物としての製品パッケージなどの企業プロモーションでのコラボや様々な製品、グッズなどでのキャラクタービジネスでの大きな収益がある。特にキャラクタービジネスは、商品企画や在庫におけるコストがかからないため高採算なビジネスが多いともいわれている。日本のゲームや漫画IPは、もともと高い競争力を持っている。世界的な動画サービスの普及を受けて派生したコンテンツは、グローバルに拡大し、ゲームIPは、スマホやPCの普及により世界的に急速に広がっている。競争が厳しい事業でもある。コンテンツやキャラクターなどのIP力で成否が分かれるからだ。ゲーム会社や出版社といったコンテンツを生み出す企業がキャラクター市場で勝ち抜く上では、コンテンツの競争力維持に加え総合力が求められているという。多角的な展開やキャラクター活用による提案力がいっそう必要になっている。

キャラクターライセンスビジネスの展開とシンクイノベーション株式会社

魅力的なコンテンツIPを持つ会社は、キャラクタービジネスを展開するための魅力的なパートナー企業を求めている。ライセンスビジネスプレーヤーは主に4つある。「ライセンサー」「ライセンシー」「ライセンスエージェント」「小売業者(流通のプラットホーム)」で、互いの強みを発揮することで双方の利益を図ることができる。

  • 【ライセンサー(実施許諾者)】ブランドやキャラクターなどの特許ライセンスを所有する団体や個人
  • 【ライセンシー(実施権者)】ブランドやキャラクターなどのIP(知的財産)の使用権をライセンサーから承諾を得ることで、IPを使用した商品やサービスを開発し、販売することが可能な事業者
  • 【ライセンスエージェント】ライセンサー(実施許諾者)と契約を結ぶことで、キャラクターやブランドなどのIPの営業代行やマーケティングを行う団体や個人。
  • 【小売業者】ライセンシーが開発したライセンス製品を購入することで、インターネットや小売店などを通して販売する事業者。

また、キャラクターグッズに携わる事業者には、ライセンサー(版権元)から版権を借りてグッズ化し販売する事業者「ライセンシー」と企業や同人、個人から委託されるOEMがある。

page2024セミナーでは、ゲストスピーカーに三輪 直之氏(シンクイノベーション株式会社 代表取締役)に登壇頂く。ライセンスグッズの企画・製造・販売を手がける同社は、概ね3つ事業がある。一つ目は、オリジナルでバッチやスマホケースなどの企画・製造・販売するBtoC事業。二つ目は、雑貨店などの商品を依頼受けて製造するOEM事業。加えて、三つ目にMD事業(ライセンス事業)がある。例えば、アニメの「進撃の巨人」や「ハイキュー!!」のキャラクターライセンスを取得して自社商品としてキャラクターライセンスビジネスを展開している。印刷業界での話題では、株式会社ミマキエンジニアリングのUVインクジェットプリンタをはじめとする印刷機械設備65台。従業員数100名で社内生産をしていることも特徴でpage2024セミナーでは解説やコメントを頂戴する予定だ。

(CS部 古谷芸文)

【S4】キャラクタービジネスと印刷業の可能性

【S1】営業初心者をあっという間に戦力化する 「チームマネジメント」

【S2】新時代突入! 生成AIでデザイン業務はどう変わるのか

【S3】未来を見据えた異業種共創と新事業開発

【S5】生成AIで変わる動画ビジネス

2024年6月開講【オンライン】第4期 印刷工場長養成講座

 

 

「人材開発支援助成金」と「オンラインスキルアップ助成金」の

対象になる可能性があります。

 

工場の価値を高め稼ぐマネジメント力を身に着ける  

企業規模の大小にかかわらず、工場長や製造現場の管理者は、経営の重要な役割を担っている。
印刷工場で作り出す製品は、印刷ビジネスを左右することから自社の営業戦略を共有し、稼ぐ工場として価値を高めていかなければならい。ビジネス環境の変化対応の中、生産現場の管理は勿論のこと経営視点での幅広い見識と対応力が求められる。
印刷工場長養成講座では、守りだけではなく攻めの工場マネージャー育成を目指す。マネジメント、製品とサービス開発、設備投資、改善活動、財務管理の広い視野で講座を開催する。

 

 

 本講座のおすすめポイント
・競争力のある工場づくりのポイントが学べる
・生産性向上から補助金活用、投資計画をカバーしたカリキュラム
・印刷ビズネスに特化、実務経験と実績ある講師陣
・管理者としての思考を学び、モチベーションが高められる
・経営数字の読み方を学び経営感覚をブラシュアップする。
・経営戦略と連携した工場マネジメントを学ぶ。
・部下の管理と育成について学べる
・オンラインでの自社や自宅で相互コミュニケーションでの受講ができる。
・1 社2 名の参加で社内体制作りに繋げる。

 

開催日程

2024年6月5日(水)開講 全6回 ※計20時間 (1回/3時間または4時間) 

※本講座は、Web会議システム「ZOOM」を使用したインターネットによる講座です。

 

カリキュラム

開催日 詳細
第1回
6/5(水)
13:00~17:00
(4時間)
●テーマ:
経営と印刷工場マネジメント
●内容:
競争力のある工場づくり
・顧客思考のものづくり
・マネジメントとはなにか
・コミュニケーションの活性化
「部下のやる気を引き出すチームづくり」
演習①:強いチーム活性化とは、
部下のモチベーションを高めるコミュニケーション演習
・自社、工場の強みを伸ばすための活動
演習②:顧客視点の工場づくり
自社・工場の強み・価値
A) 「止めちゃっていることを探せ」
B) 「お客様の期待を1%でも上回る」
 ↓
【最終日に向けての課題説明】
1.個人目標(フレームワーク)
※部下のモチベーションを高める実践目標
一日1回部下を褒めることを実践など
2.工場づくり目標(※顧客視点強化目標)
※工場を巻き込んだイベントの実施
工場のオープン化、工場の魅せる化など
 ↓
・工場改善の課題設定と目標(最終日発表会へ)

第2回
6/12(水)
14:00~17:00
(3時間)
●テーマ:
印刷工場の生産性向上と改善活動
●内容:
生産性向上のためマネジメント
・競争力アップのマジメントとは何か
(工程管理・品質検証・品質改善など)
・5Sを徹底してQCDを進める
※不良品、再発防止・未然防止と原因追求と対策
・4Mと維持管理
・改善活動推進のポイント
印刷工場の改善活動実務
・印刷現場の課題
・印刷工場の改善活動実務

第3回
6/19(水)
14:00~17:00
(3時間)
●テーマ:
設備の導入/工場の原価と利益管理
●内容:
効果的な設備導入と体制づくり
設備導入体制と新規設備の投資計画について
※補助金・助成金でビジネスの成功率を高め
印刷工場の原価管理と見える化
原価管理と見える化は、何のためにするのか?
原価を見える化するしくみづくりと手法
工場が利益を増やす方法

第4回
6/26(水)
14:00~17:00
(3時間)
●テーマ:
DXと技術動向
●内容:
デジタル印刷の動向と効果的な運用
DXとAIで変わるビジネスの流れ
デジタルデータによる仕事の特徴と動向
多様化するデジタルデータ知識
デジタル印刷に欠かせない設計の重要性
デジタル印刷の種類とバリアブル印刷
第5回
7/3(水)
14:00~17:00
(3時間)
●テーマ:
リスクマネジメントと持続的な対策
●内容:
リスクマネジメントとは何か
多岐に渡る管理
(品質や環境、労働安全衛生、情報管理など)
これから注目すべきマネジメント
(情報セキュリティや労働安全衛生、災害対策計画、重要機密情報など)
持続的な工場マネジメントとBCP対策
第6回
7/10(水)
13:00~17:00
(4時間)
●テーマ:
工場改善の目標と実践計画づくり/人材マネジメント
●内容:
成果を上げる印刷工場の組織と目標発表
※会社の強みを活かした工場改善目標
※部下のモチベーション改善計画
※競争力を高める設備投資と保全
【発表内容】
1.個人目標(フレームワーク)
※部下のモチベーションを高める実践目標
一日1回部下を褒めることを実践など
2.工場づくり目標(※顧客視点強化目標)
※工場を巻き込んだイベントの実施
工場のオープン化、工場の魅せる化など

※カリキュラム、日程等は諸般の事情により変更となる場合がございます

 

対象

工場・各職場の管理者、リーダー、ISOの管理者、改善リーダーの方など

定員

10社(1枠2名まで可)  

最少催行社数

 3社

受講料(税込み)※1枠2名まで(複数枠お申込可能)

JAGAT会員 330,000円   一般 440,000円

パンフレットのダウンロードはこちら ※準備中 

 

 

「人材開発支援助成金」の対象になる可能性があります。

人材開発支援助成金とは?
厚生労働省が管轄している助成金制度で、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

厚生労働省のWebサイト:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

 

 

●関連記事

令和5年度「人材開発支援助成金」は大幅に制度改定

 

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03-3384-3168までFAXにてお送りください。

 

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 お気軽にお問合せください。 
 公益社団法人日本印刷技術協会 CS部 セミナー担当
 TEL:03-3384-3411/FAX:03-3384-3168
 E-mail:

 

 

 

印刷発注者が印刷入門講座を受講する背景とは

近年、JAGATが主催する印刷会社の新入社員や中途採用者を対象にした「オンデマンド印刷基礎入門講座」に印刷発注者の受講が増えている。彼らにとっても印刷技術の基礎を知ることは高品質な印刷物の制作につながるので、我々としても歓迎したいところだが、その具体的な背景を探る。
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動画生成AIとSNSによる仕事の変化

動画生成AIの怖さと広がり

動画生成AIは急速に進歩している。2023年10月下旬から生成AIでニュース番組に似せた偽広告がYouTubeやSNSで配信されていることが一斉に報じられた11月1日付のNHKによれば生成AIを使って実在のアナウンサーの声や動きを再現したとみられ、偽動画はサイトへの登録を促す内容で番組に似せた偽動画を作られた日本テレビが注意を呼びかけているとうものだ。この動画は、音声と口の動きが一致していないので一目で見破れたというが、近い将来に識別が困難になることは明らかで、削除されたとしても類似の動画が次々とアップされることが懸念される。進歩に対しては規制も必要だろう。

一方、生成AI活用は、凄まじい広がりをみせている。2023年9月21日に米YouTubeは、生成AIを活用した動画制作の支援機能を年内に導入すると発表した。この新機能により、ユーザーは入力した文章に基づいて動画の背景を自動で生成でき、動画制作のプロセスがより効率的になるという。この新機能「Dream Screen」は年内に提供開始予定で、YouTube Shorts(YouTubeショート)で活用できる。最大60秒までの縦型動画を作成、編集、共有できるサービスで、YouTube Shortsは、スマートフォンのカメラを使ってどこでも縦型の動画を撮影・共有できる。スマートフォンで動画を撮影したら、あとは編集を加えて微調整するだけ。録画速度の調整、フィルタの適用、複数の動画の連結、字幕の追加などの編集を行うこともできる。

生成AIで変わる仕事と求められる仕事

SNSでの動画コンテンツの普及は、動画関連ビジネスも大きく変わると考えられる。2023年4月21日に公開されたビジネス映像メディア「PIVOT」のYouTubeチャンネルでは、明石ガクト氏(ワンメディア 株式会社CEO)と佐々木紀彦氏(PIVOT株式会社CEO)の対談「生成AI時代の動画ビジネス」がなされ、ビジネスにおける動画編集者は要らなくなるという 動画制作会社にとって は衝撃的なフレーズ もあった。明石ガクト氏によればAIが生成する情報の精度は「学習するデータがネット上にあるかどうか」だという。AIの捉え方として「相対」と「絶対」の見方があるという。AIはインターネット上の莫大なデータより相対的に判断し答えを導き出すという特徴がある。それに対して絶対的判断は、人が独自に判断することで人間関係づくりや業務のやり繰りなどの人が主体的に判断する事柄だ。AIと共存する上でのキーワードになる。

SNSを生成AIにおける写真や動画などのデータを集めるプラットフォームとして捉えればどうであろうか。Facebook、Instagram、TikTok、YouTubeなどには膨大なデータが集まっているが、これらの豊富なデータをAIが学習するとすれば生成AIが出す相対的な答えの精度は上がる。動画生成AIを活用する環境は整ってきている。動画制作の仕事では、時間やスキルが要らなくなってくる。AIや安価なアプリケーションや機材などの普及によりプロとしての参入障壁も低くなっている。スキルは著しくコモディティー化していくと考えられる。さらに、同氏によれば、ChatGPT(GPT-4)などの大規模言語モデル(LLM)を使いこなすために必須のスキルとされるプロンプトエンジニアリングも簡単になるという。

人が取り組む仕事は、AIに真似ができないことだ。ライター、動画編集、CG制作などの部分的な仕事は、競合としてAIが入ってくる可能性が高い。絶対的な価値を生む仕事の中には、ディレクターという各作業を束ねる上位概念ある。人が自分の意志で判断し決定する業務だ。その範疇では生成AIを使えるスタッフが増えたと捉えることもできる。AIを使う側である。動画ビジネスでは、規模の小さな会社や経験の少ない印刷会社などはショート動画から始めるのも良いであろう。ディレクターという全部を束ねる仕事を経験し、ノウハウを蓄積していくことができるからだ。規模は小さくても意思決定できる立場や経験を積み重ねることが大切だ。生成AIの時代は、作業をする人とマネジメントをする人に大きな差ができてくるという。マネジメントにおいては、AIが苦手とされる事柄が多い。人の気持ちを汲み取る人間関係づくりや個性、パーソナルな判断、クリエイティブな力が必要とされる業務だ。人が利用するAIを理解し、人間関係とAIとの関係が上手く構築できれば仕事の可能性は広がりそうだ。

(CS部 古谷芸文)

生成AI活用で変わる動画ディレクションと動画制作


ゼロから始めるWebを受注するための営業術
 

ゼロから始めるWebディレクター 

デジタル印刷とデータビジネスの基本

中小企業の深刻な人手不足を教育で補完する

日本商工会議所・東京商工会議所「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」(2023年9月28日発表)によると、人手が「不足している」と回答した企業の割合が68.0%に達し、調査を開始した2015年以降で最高となった。
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「+1%の工夫」業務棚卸で印刷ビジネスの価値を高める

深刻化する人手不足

少子高齢化や離職率の上昇などで、印刷会社に限らず国内の人手不足はますます深刻化している。製造業では特にその影響が顕著に表れ人材の募集をかけても必要な人員を確保できないケースが目立っている。2022年版ものづくり白書(厚生労働省)では、製造業就業者数の減少に加え、製造業の若者離れを示唆する決定的なデータが報告され、2002年を起点とした約20年間において、製造業就業者数は約157万人減少するなか、34歳以下の若年就業者数では約121万人と大幅な減少が確認されているようだ。一方、65歳以上の高齢就業者数は33万人増加しており、製造業全体での人手不足および若者離れ、高齢化が顕在化する結果が示されている。業務の効率化、生産性向上への取り組みは急務だ。

業務棚卸について

2019年に施行された働き方改革の推進による残業時間の上限規制によって、業務の効率性を高める必要の中、業務改善につながる「業務棚卸」は、効果的な対応策のひとつとされてる。業務棚卸とは、社内の業務を洗い出して整理する取り組みのことだ。整理をする業務内容は様々で、企業全体や部署ごと、社員一人ひとりの粒度で業務内容や作業時間、コストといった軸で洗い出し、業務内容とコストの両面で整理をして仕事上の非効率的なポイントを可視化していくものだ。従業員のムリ・ムダ・ムラを見える化する取り組みでもある。具体的には、棚卸表をつくることが多い。

<業務棚卸のねらい>

◆業務の効率化につながる

◆作業配分が適正かどうかを見極められる

従業員一人ひとりの業務量や時間を把握でき、平準化、適正化を図る

◆人事評価がしやすくなる

◆業務の属人化をなくす

<棚卸表について>

1.各業務を書き出す

2.記入フォーマットを作成する

 ※日次、月次など時系列や経理、営業事務のような業務の大別でも構わない。

3.フォーマットに発生のタイミングと処理時間を記入

<棚卸表での検証>

・想像以上に時間が取られている業務への気づき

・不必要な業務の洗い出し

・進行の悪い業務の検証

・他の人に委譲できる業務の確認

「+1%の工夫」の棚卸で業務開発へ

印刷業務は、普段「アタリマエ」で他の社員や顧客が知らないことも多く、業務棚卸に加えて、それらの業務に「+1%の工夫」と「100%の仲間や顧客視点」を加えることで価値が増大する。業務は、社内や顧客などの他者の評価で価値が決まる。JAGAT講師でもある河島弘司氏(バリューマシーンインターナショナル代表取締役)は、100社を超える印刷会社の新サービス支援を行った実績にもとづき、印刷会社の「隠された強みの発見」や「顧客視点アプローチの導入」、「新サービスのパッケージ化」などを取り上げ、要点を学び、印刷ビジネスを開発する講座を実施している。その考え方は、工場マネジメントや業務改善講座でも実施され受講者のモチベーションアップにも繋がっている。コアとなる手法が業務棚卸に顧客視点を加えたものだ。各業務を棚卸によって強みや弱みを見える化し、チームや顧客視点で社員同士のコミュニケーションやアイデアよって少しの工夫を加えるものだ。営業以外の業務でも顧客視点や他者の評価を加えることで社員は俄然やる気が出ることがある。業務改善は、取り組み方によっては新たな価値を生み出し、業務の開発に繋がり会社の業績を押し上げる力にもなるのだ。

(CS部 古谷芸文)

【オンライン】原価に結ぶ業務管理の実務

【オンライン】印刷会社で実践した部下の成長を促進させる1on1ミーティング

【オンライン】仕事で貢献するための会社数字の見方、捉え方

【オンライン】校正実務講座

印刷・Web・デジタル時代の確かな仕事につながる校正の講座です。
印刷ビジネスにおける校正は、コンテンツの誤りを発見し訂正することで、
お客様の安心や信頼を得られるとともに、業務の進行管理ではトラブルを未然に防ぎ、
生産性の向上につながります。
校正を正しく理解し、考え方やルールの再確認ができる、ビジネススキルの向上を図る講座です。


 

開催日時

2023年12月5日(火) 13:00~16:00

 

<カリキュラム>

校正とは
 校正の種類  / 校正の考え方 /  校正方法 / 校正の手順

原稿のチェックと校正のポイント
 校正の基礎知識  / 赤字チェックポイント
 指示の入れ方・確認 / ファイルの時系列管理 

ワーク
 カタログを使用した校正ワーク

検版ソフトについて

校正ミスの注意箇所
 事例含め解説します!

 

最少催行人数 

6名

 

受講対象

新人・若手社員、印刷営業の方
 このような方におすすめ!
 ・校正の基本的な考え方、知識を学び業務に活かしたい方
 ・原稿の誤植を発見し、提案できる知識を身に付けたい方
 ・校正ミスによるトラブルを改善したい方

 

講 師

 橋口 良子 (はしぐち りょうこ)

   広告校正協会

カタログ、チラシ、雑誌、Webコンテンツなど多岐にわたる媒体にて、原稿整理、制作進行、校正・校閲などを経験し、現在も商業印刷の現場にて、校正ディレクターとして活動中です。
【広告校正協会】編集、校正・校閲、制作、ディレクションなど、さまざまな立場で培ってきた経験やノウハウを、セミナーを通じて少しでも皆さまにお伝えできたらという思いで立ち上げました。そして世に出る広告や出版物が、より良いものになることを目指しています。

 

参加費(税込)

JAGAT 会員 14,300 円 /一 般 19,800 円

※上記価格は、1名様の価格です。
 複数名でご視聴の際は、人数×受講料をお支払いください。

 

お申込み  

 Webからのお申込み

必要事項をご記入のうえ、お申込みください。

 

FAXでのお申込み  
annai-2
お申込書をプリントアウトし必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

 

■ 参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

 

● 研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内

研究会・セミナーのZoomウェビナー参加方法のご案内

● セミナーお申し込み後の流れについて

オンラインセミナーお申込み後の流れについてのご案内

【内容に関して問い合わせ先】
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411

【お申し込み及びお支払に関して】
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会

コンテンツとキャラクタービジネスの可能性

メディアの時代からコンテンツの時代

この6月に開催されたコンテンツ東京2023でも生成AIが大きな話題となる中、様々なキャラクタービジネスも賑わいを見せた。印刷業界を含むコンテンツビジネスでも成長の可能性が高い。イベント内のカンファレンスでは「キャラクターとブランド活用におけるコンテンツ産業政策の現状及び方向性について」と「キャラクタービジネスの最新業界動向について」渡邊佳奈子氏〈経済産業省商務情報政策局 コンテンツ産業課 課長〉と陸川和男氏〈(株)キャラクター・データバンク代表取締役社長/(一社)キャラクターブランド・ライセンス協会 専務理事〉による講演が開催された。基本的な環境認識においては、メディアの時代からコンテンツの時代への変化について取り上げられた。コンテンツの時代は、スマートフォンをはじめとする利便性の高いデバイスによりメディアが多様化している。いつでもどこでも様々なコンテンツの視聴を可能し、コンテンツの奪い合いや競争となりコンテンツが主役になっているという。政府のクールジャパン戦略おいては、価値の高いコンテンツの強みを活かして海外市場でビジネス展開を支援しその後国内消費、インバウンド(観光に繋げる)取り組みをおこなっている。例えば、海外においては、人気の高いアニメーションを題材にファンを増やし日本のブームをつくり、日本の様々な商品を買ってもらい、日本に訪れる外国人に対しては、国内製品の購買や日本のアニメーションで描かれているような情景の疑似体験による消費の拡大を伺うというものだ。JETRO「プラットフォーム時代の韓国コンテンツ産業振興策および事例調査」(2022年)を基に経済産業省作成の資料によれば世界のコンテンツ市場は、2020年には約1.1兆ドル(約149兆円)、2025年に約1.3兆ドル(約183兆円)を⾒込むとされている。 各国でコロナ禍より急速に回復し、さらに、⽇本のコンテンツ産業の波及効果(⼆次利⽤・関連市場の市場規模)では、⽇本のコンテンツの波及効果について、ライセンス利⽤市場と関連市場の規模を推計、関連市場を含めると、合計額は27兆円相当(データ通信を除くと19兆円相当)となっている(※ヒューマンメディア調査「コンテンツ産業の現状」<2023年3⽉、経団連委託調査>より)。特にこの二次利用と関連市場に印刷業とってもビジネスチャンスがありそうだ。経済産業省が提供するコンテンツ海外展開促進・基盤強化事業費補助金は、コンテンツ自体のデジタル化の取り組みや今後海外展開する際に必要になるデジタル技術の導入に必要な費用に対する補助金制度で日本のコンテンツ産業の成長を目的に海外への進出を補助する制度もので、1件当たり上限2,500万円、1事業者当たり20件もしくは1億円が上限とされる。この機会に経済産業省のホームページを確認するのも良いだろう。

コンテンツの価値を高めるキャラクタービジネス

例えばアニメーションでは、コンテンツの主役としてキャラクターがある。(株)矢野経済研究所が1日発表した「キャラクタービジネスに関する調査」の結果によると、2023年度のキャラクタービジネス市場は前年度比1.4%増の2兆6508億円に拡大すると予測される。22年度のキャラクタービジネス市場は、同1.1%増の2兆6136億円。メディアミックス「ウマ娘プリティーダービー」、アニメ化された「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」、特撮「ウルトラマン」、映画が公開された「ONE PIECE FILM RED」などにより、市場は堅調に推移したとされる。キャラクタービジネス市場は商品化権と版権とで構成される。22年度の商品化権市場(小売金額ベース)は同1.4%増の1兆2736億円、版権市場(契約金額ベース)は同0.8%増の1兆3400億円と、どちらもプラス成長となった。その要因として、商品化権では行動制限の緩和などでテーマパークのグッズ販売が好調に転じたこと、版権ではVTuberの起用が急増したことがあるという。23年度は同1.4%増の2兆6508億円と予測している。第2期のヒットが確実視される「推しの子」をはじめ、「鬼滅の刃」「進撃の巨人」も新作アニメの放送が予定されている。「スーパーマリオ」は、映画と11年ぶりの「スーパーマリオブラザーズ」新作ゲームなどで、人気が再燃するとみられる。これらが牽引して、引き続き、市場は好調に推移すると予測しているということだ。

<キャラクターの今後のキーワード>

①数は増加、売れるモノと売れないモノの2極化

②体験型諸費

③ハイブリッド型 デジタル商材で拡大

④海外市場の拡大

⑤キッズ市場は大きく変化。海外産アニメの影響が強まる可能性も

⑥第一次オタク世代の高齢化 シニア市場の拡大?

こらからのビジネスは、潮流のキーワードを参考にしつつもゼロベースで思考することも必要だ。キャラクタービジネスは、メタバースやゲームとの親和性も高いとされている。ゲームはさらにメタバースが先行しているとも言われている。単体で考えるのではなく、複合的に捉えることも重要だ。コンテンツ・キャラクター・メタバースなども組み合わせよって価値が増大する。中小印刷業においては、先に述べた波及効果の市場やあらためて自社の強みの「たな卸し」を行い、事業ドメインを見失わないことも益々重要かもしれない。これまでに「ゆるキャラブーム」や「ご当地キャラクターブーム」が話題になっていたが、キャラクタービジネスに限らず、過去の成功体験にとらわれず、新しいものも取り入れながら変化・成長していくことがこれからも求められる。

(CS部 古谷芸文)

秋の印刷入門