制作・デザイン系」カテゴリーアーカイブ

教えることで学ぶラーニングピラミッド

~社員の主体性を育てる~

社員教育において効果を上げるには、社員自身のそれぞれの主体性がカギを握る。「勉強しろ!」「努力しろ!」という掛け声だけでは効果は上がらない。目標とプロセスを共有すると同時に社員の主体性が重要になる。学びの場、教育の場を如何につくれるかが鍵を握る。学びの場は、知識を詰め込むことやセミナー等に参加せるだけでは効果は望めない。自分で課題を見出して気づきのプロセスを体験させることが大切だ。中でも“教えるプロセス”が高い効果が得られるとされる。自身が覚えた知識や課題を発見し解決できたことを他者に教えることだ。考えが整理され、主体性が発揮される。アメリカ国立訓練研究所が発表した研究結果で、7つの学習方法を学習の定着率順に並べたラーニングピラミッドでは、学習方法がしっかり頭に残るかを分類してピラミッド型にまとめている。ラーニングピラミッドを見ると、単に講義を受けているだけでは学習定着率が5%と低く、覚えたことを他の人に教えると学習定着率が90%になっている。つまり、受動的な環境ではなく、能動的になる環境が効果的だと示している。

  • Lecture(講義)…5%
  • Reading(読書)…10%
  • Audiovisual(視聴覚)…20%
  • Demonstration(実演説明)…30%
  • Discussion Group(議論し合うグループ)…50%
  • Practice Doing(練習)…75%
  • Teaching Others(他者に教える)…90%

一方、能動的な学習の場は、社会人になればなるほど少ないのが現状だ。リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査2018」によれば、1年間に自分の意志で仕事にかかわる知識や技術の向上のための取り組みをした雇用者の割合は、33.1%という数字になったということだ。7割弱の人が学ぶ習慣を持っていないということになる。社員の学ぶ機会をどうつくっていくかは、企業の競争力を強化する上でも重要な課題となっている。そもそも教育は、educationと英訳される。educationとは何か?educoというラテン語から来たもので「人間の内部にもともと備わっている才能を引き出す」という意味だ。社員の学ぶ習慣をつくることは、企業の日常活動においても育むことができる。学びの機会は、何もセミナーや資格取得に限ったことではない。改善活動などの仕事の中にも機会は身近にある。様々な教育ソリューションもその上で効果が高まると考えられる。

(CS部 古谷芸文)

4月のセミナー開催予定 https://www.jagat.or.jp/cat3

オンラインイベント運営の背景、映像と音に慣れる

全国高等学校鉄道模型コンテストオンラインにみる背景

今年は、様々なイベントがオンライン化になっている。リアル会場で開催していたものをWeb上で展開するにはそれなりのノウハウが必要になる。

毎年8月に東京ビッグサイトで開かれていた「全国高等学校鉄道模型コンテスト」。今年は11月22、23日にYouTubeで生配信された。鉄道好きで知られるホリプロマネジャーの南田裕介さんやアナウンサーの久野知美さんが司会進行を務め、各校の作品を紹介しながら、学校や自宅にいる高校生とオンライン会議システム「Zoom」でやり取りしたという。(教育サイト朝日新聞EduA12月25日より)同コンテストには例年、140~150校ほどが参加しているが、今年のオンライン開催では、約100校がエントリーし、実際に参加したのは89校にとどまったというが、それでも89校が参加し、オンラインイベントが成功している。事務局によれば5年前から参加校には作品を紹介する動画を制作してもらい、コンテスト会場で流したりYouTubeで配信したりしてきた経験により、高校生の動画制作やプレゼンのスキルが総じて高かったことが背景にある。

成功のポイントは、配信手段も大事だが何を配信するか、コンテンツが重要になる。リアルと違うところは、音と映像のコンテンツだということだ。映像と音を学び、扱うことに慣れることが必要になってくる。企業活動では、外部スタッフに依頼(外注)することもあるが、単なる丸投げではいけない。当事者は、日常の中で見識を高める必要がる。良いものつくるには理解し把握することが肝心だ。

ダイナミックマイクとコンデンサーマイクを使ってみた。丸覚えより考えることが大事

音を収録するには、マイク(マイクフォン)が欠かせない。マイクには、ダイナミックマイクとコンデンサ-マイクがある。しばしばユーチューバーの間では、コンデンサーマイクがお勧め商品として話題になることがある。感度が高く、微細な音まで拾うからだ。だからといって「感度が良い=質が良い」とは限らない。使う状況によっては変わる。

・ダイナミックマイク:電源不必要、丈夫で比較的湿度に強い、感度が低い(比較的安価)

・コンデンサーマイク:電源必要、振動や湿気に特に弱い、感度が高い(比較的高価)

例えば、ライブ会場や展示会場では、人ごみや物音などの雑音が多い環境だ。感度が高いことが仇となり、余計な音が妨げとなる。よってダイナミックマイク(ボーカルマイク)を選択することになる。感度が低めでしっかりしたマイクをしっかり近づけて使うのだ。機材を使いこなすコツは、手順を丸覚えをすることではなく、「慣れる」に加え、「何故か?」というロジックを考えることだ。当JAGATでは、page2021オンライン開催に向けて配信システムの構築と共に映像収録ノウハウについてもこの4月より試行錯誤の繰り返しながら体制を整えてきた。音の収録、マイクの選択一つとっても自問自答を繰り返してきた。page2021リアル&オンラインのハイブリッドで開催される。公開されるコンテンツは、会場、音と映像配信体制づくりも重要になる。

CS部 古谷芸文

page2021  https://www.jagat.or.jp/cat8_2021

page2021オンライン  https://www.jagat.or.jp/page2021online

JAGAT  オンラインセミナー   https://www.jagat.or.jp/cat3

アイデアを出すためのアート思考について

ビジネスに欠かせないアイデア

ビジネスにはアイデアが欠かせないものだ。だが、アイデアは、「出せ!」言われても易々と出せないものだ。アイデアとは何か。ひとことで言うとビジネスでは、「実現につながる思いつきのこと」ではないだろうか。そもそも発想するということは、自発的な行為であり、モチベーションが重要だ。

今年の情報処理学会関西支部大会では、追手門(おうてもん)学院大手前中・高校(大阪市中央区)のロボットサイエンス部の研究が「盲導犬ロボットとプログラミング教材」ともにジュニア会員特別賞に選ばれた。朝日新聞デジタル(2020年11月23日)によれば、部員は70人。ロボットの世界大会に6年連続出場し、挑戦する分野も多彩になってきたという。盲導犬ロボットを開発したのは中学2年生のチーム、オンライン上で論理的思考力を育むプログラミング教材を作ったのは高校2年生だ。それぞれ論文の提出後、9月、同大会のオンラインで研究内容を発表した。部員の活動は、取り組みたいテーマを決め、15を超える分野でロボット作りに取り組んでいる。持続可能な開発目標(SDGs)をテーマにした高校生4人のチームは、7月にインド洋の島国モーリシャス沖で座礁した船からの重油流出に注目し、重油回収ロボットを製作中だ。同校ロボット・プログラミング教育推進室長でもある福田さんは「テーマを生徒に考えさせることが重要で、私の仕事は段取りだけです」と言う。つまり、作業を与えるのではなく、考える機会を与えているのだ。

アート思考とアイデア

「アート思考」が話題になっている。大まかにいえば「アーティストの作品づくりでの思考法を取り入れること」だ。自己を探求し、ものごとの見方や主張を作品で表現し、新たな価値を創造していくものだ。これまでの常識にとらわれない考え方や表現が芸術性を高め柔軟な発想が作品としてつくり上げられていく。アート思考と並びデザイン思考も話題になることがあるが、両者には違いがある。「アート」は、作家の自由な表現や創造を指し、アートの目的は人々に感動をもたらし、世の中に問題提起をしたりすることだが、大衆に受け入れられることを目的とはしていない。「デザイン」は、課題解決が目的となっている。例えば、ビジネスとしてデザインは、商品やサービスを使いやすく、顧客に好まれやすくすることを考え、最適な形に落とし込むことになる。つまり、アートは自己の価値が起点となり、デザインは社会の価値に合わせることにおいて大きな違いがある。

そこで、ポイントとなるのが「社会」だ。コロナ禍で変化する社会は、「VUCA(ブーカ)」とも呼ばれ益々混沌としている。VUCAは、1990年代後半にアメリカで使われるようになった軍事用語だが曖昧な社会を表している。社会が何であるか分からない中、さらに注目を集めているのが「芸術(アート)分野」である。物事を垂直に捉えるのではなく、自己が縦横、自由に発想することが求められる。企業の発展においても社員一人一人のアイデアが益々鍵を握りそうだ。

(CS部古谷芸文)

JAGATセミナー案内

Withコロナ、社員教育とコミュニケーションのオンライン化について

環境の変化にいち早く対応する

コンビニ大手では、おでん商戦が始まった。おでんと言えば寒い冬のイメージがあるが、9月この時期は「少し肌寒くなった」などと感じる季節の変わり目が商機となっている。急な体感温度の変化によって、消費者の手がおでんに伸びるのだという。朝日新聞デジタル(2020年8月26日)では、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、レジ横のおでん鍋に透明な仕切りを設置。外出の自粛や在宅勤務の広がりを踏まえ、電子レンジなどで温める冷蔵タイプにも力を入れている等の記事が紹介されている。いち早くコロナ禍を受け入れ、試行錯誤が続いている。コロナ禍では、生き残るためにいち早く順応することが肝心だ。

オンライン会議システムの普及とリカレント教育にみる機会の広がり

オンライン会議システムの普及は、コロナ禍に順応するために必要なコミュニケーション手段の時流のひとつだ。リアルでの面談が不可能になれば、遠隔での手段が必要になる。効果的に使いこなすことが肝心だ。サントリーHD社長の新浪剛史のインタビュー記事「日本よ、面白い若者をもっと経営に参画させよう」(ニュースウォッチ日刊工業新聞8月24日配信)米国の子会社であるビームサントリー社員との対話では、「コロナ禍でオンライン会議がコミュニケーションツールとして普及した。私も活用している。バーチャルではあるが、社内の多様な層と直接対話がしやすくなった。今までは(後略)」コミュニケーションにおいて、立場や時間、場所の制約が変わったことを取り上げている。更に、教育については、リカレント教育の重要性についても触れている。「(前略)今後、デジタル変革において、企業は、従業員のリカレント教育(社会人の学び直し)にも深く関わっていく必要がある。機械ができることは機械に任せ、人にしかできないことは人が突き詰めていくことになる。そこで、リカレント教育が注目されている(後略)」とある。経営者が教育に積極的に関与することの重要性を述べている。 リカレント教育は、現在、生涯学習の方法の一つとして知られている。提唱したのは、スウェーデンの経済学者ゴスタ・レーンで、「急速に変化していく現代社会に適応していくためには、生涯にわたって教育を受け続けることが重要であり、必要に応じて労働と教育を交互に行える状態が好ましい」と提唱している。生涯にわたって教育と就労のサイクルを繰り返す教育制度のことで、リカレント(recurrent)とは「反復、循環、回帰」を意味し、日本語では「回帰教育」「循環教育」などと表現する。仕事に就いてからも、必要と感じたタイミングで学び直すことで「学び直し教育」「社会人の学び直し」とも呼ばれている。新しい知識を身に付けることで、キャリアアップや転職時のアピールポイントになることも期待できる。特にコロナ禍では、学び方も多様化し、オンライン化での環境整備は益々進んでいくと考えられる。

オンライン講座でのライブ配信とオンデマンドストリーミング配信

発展途上でもあるオンラインコミュニケーションのシステムは解決すべき課題もあるが、場所や時間、コストと利便性を考えると裾野が広がる可能は大きい。当JAGATでは、集合型セミナーの開催が難しい中、講座のオンライン化を進めている。オンラインセミナーでは、ライブ配信とオンデマンド配信の二つの方法がある。講座内容に合わせて使い分けをしている。

  • ライブ配信

ライブ配信は、文字通り生放送での受講です。Web会議システムを使うことによって双方向のコミュニケーションが可能で、質疑応答や演習、グループワーク等にも対応できる。受講者は、リアルに近い感覚で、気づきや学びのポイントを掴むことも重要になる。

  • オンデマンドストリーミング配信

ストリーミング配信は、動画やコンテンツをダウンロードしながら順次再生するしくみのこと。当講座では、事前に教育コンテンツを動画収録し、ストリーミングサーバに上げる。受講者は、場所や時間などを自由に選べ、反復して視聴することができる。自ら覚えることが基本になる。

教育環境が変化した今、集合セミナーのオンライン化は今や必須とされる。受講者に向けてコンテンツを最適化し配信システムを使いこなすかが当JAGATでもポイントとなっている。適時、講座の特性に合わせてライブ配信とオンデマンドストリーミング配信を組み合わせて効果的に開催している。

(CS部 古谷芸文)

中小企業人材オンラインスキルアップ支援事業

オンライン印刷経営幹部ゼミナール ~2020年10月開講! https://www.jagat.or.jp/archives/77384

オンライン印刷ビジネス開発実践講座   https://www.jagat.or.jp/archives/37407

JAGATのセミナー<オンライン化推進中>https://www.jagat.or.jp/cat3

オンラインセミナーの効果と手段を整理する

環境の変化で価値を提供する手段は変る

様々な企業で経営環境の変化対応が加速度的に求められている。例えば、外食産業、大手牛丼チェーンの吉野家ホールディングス(HD)は、7月28日発表にて2021年2月末までに牛丼チェーン「吉野家」など最大で国内外の計150店を閉店することを明らかにした。不採算店を閉め、閉店は全体の約5%に当たるという。一方、朝日新聞デジタル(2020年6月23日)によれば、調査会社の富士経済によると、飲食店から料理を取り寄せる「外食デリバリー」の市場規模は右肩上がりで、2020年は3068億円と予測する。サービス手段による明暗がハッキリと現れた。これは、飲食という製品のニーズが無くなったものではなく、単純に3密を避けたいという消費者心理によるものだ。提供するサービズ(価値)と届ける手段(利便性)を整理して考えれば価値を提供するヒントが生まれるかもしれない。

オンラインセミナーの使い分け

当JAGATの集合型セミナーも今後益々開催が難しくなることが予測される。オンライン化は有力な選択肢のひとつだ。オンライン講座を企画する上でも肝心なことは、教育効果を考え、ニーズに合わせたシステムの選択やツールを使いこなすことだ。視点の一つに、子供の教育現場で、しばしば耳にすることがある。「インプットよりアウトプットで子どもは伸びる」という話だ。子どものやる気がポイントとなっている。心理学者エドワード・L・デシのモチベーション理論での「内発的動機づけ」にあたるものだ。重要なことは、怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機を与えることだ。言い方を変えればやりたくなるきっかけをつくることとも言える。セミナーの役割も、動機づけのために心を掴むことが肝心な要素だ。知識だけなら書籍や通信教育等だけでも十分だからだ。講師には、受講者に問いかけ、引き出し、腹落ちさせる能力が求められ、それがセミナーの魅力となっている。感情にも訴えかけることがセミナーの落とせない要素だ。

オンラインセミナーでは2種類の方法がある。ライブ配信とオンデマンド配信だ。講座内容に合わせて選択してある。

  • ライブ配信

ライブ配信は、文字通り生放送だ。限りなく集合セミナーに近づけること。コンテンツとしては、ライブ感が重要。機能としては、双方向コミュニケーションが特徴。

  • オンデマンドストリーミング配信

事前に動画収録を行い、ストリーミングよって配信する。コンテンツとしては、知的情報の質が重要。機能としては、受講者が時間や場所を自由に選択できる。

集合ゼミナーのオンライン化は加速している。当JAGATでもライブ配信とオンデマンドストリーミング配信を組み合わせて効果的に開催している。

助成金制度を上手く活用しよう!

新型コロナウイルス感染症の影響により、休業や在宅勤務が続く中、こうした機会を有効に活用し、従業員の方々が自宅でスキルアップする機会を提供することは、将来を担う企業の人材を育成する上で国や自治体では、多くの助成金制度を設けている。

例えば、東京都の「中小企業人材オンラインスキルアップ支援事業」では、中小企業が従業員に対して行うeラーニングの経費を助成するものだ。民間の教育機関等が提供する多様なeラーニングに対して、助成率5分の4を行う。(※1社あたり最大32万円まで)助成対象期間は令和2年12月31日までとなっていて手厚い。

中小企業人材オンラインスキルアップ支援事業

(CS部 古谷芸文)

オンライン印刷経営幹部ゼミナール ~2020年10月開講! https://www.jagat.or.jp/archives/77384

オンライン印刷ビジネス開発実践講座   https://www.jagat.or.jp/archives/37407

JAGATのセミナー<オンライン化推進中>https://www.jagat.or.jp/cat3

オンラインでのコミュニケーションと課題

新型コロナウイルス感染拡大防止の影響でオンラインによるコミュニケーション活動への対応が加速している。例えば、Web会議システムを利用すれば、遠隔での会議や打合せは簡単にできるし、他にも、顧客との面談やプレゼンテーション、講習会などへの対応も可能だ。しかし、コミュニケーションの質となるとツールやシステムを使うだけの話ではない。コンテンツが大切だ。受け手側の欲求は、文字や言葉によるものだけではない。音の響き、声のトーンや映像、顔の表情などの感性に響くところが大きい。

視聴者の関心度合いとメラビアンの法則

1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則では、話し手が聞き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの情報の影響力は下記の割合になっている。「3Vの法則」や「7・38・55ルール」と呼ばれる事もある。

【言語情報】

言葉そのものの意味や、言葉で構成される話の内容

【聴覚情報】

話し手が発する声のトーンや大きさ、また、話し方(口調)や話すテンポなど

【視覚情報】

話し手の表情や目線、そして態度や仕草、また見た目など。

※身体言語(ボディーランゲージ)

•言語情報(Verbal)…7%

•聴覚情報(Vocal)…38%

•視覚情報(Visual)…55%

つまり、言語以外の行動である「非言語的コミュニケーション」による影響が大きいとされる。例えば、面談においては、身振りや手振り、表情、声の出し方や間の取り方などの言語情報以外の対応がより重要だということだ。これは、オンラインでも同様だ。新型コロナウイルス感染拡大防止の中、オフラインでの面談が難しくなり、電話やメールだけでは事足らずで、急速にWeb(動画)会議システムの利用が広がった。聴覚情報に加え視覚情報へのニーズが高いことが伺える。システムやツールを効果的に使うには、非言語的コミュニケーションを意識することが肝心だ。単にツールの機能を覚えるのではなく、感性に訴えるためにどう使いこなすかがポイントになる。

ただし、メラビアンの法則に触れると「話す内容より演出が大事」と誤った解釈をする場合がある。そもそも元となる言語情報がおろそかであれば信頼性が失われ、コンテンツが成り立たない。誤解のないように注意したい。

CS部 古谷芸文

JAGATのセミナー<オンライン化推進中>https://www.jagat.or.jp/cat3

デザインには必ず理由と目的がある

デザインをする時に何も考えずに進めると、顧客に正しいメッセージを伝えられないことがよくある。ポイントをしっかりおさえて作業を進めることが重要だ。

 

考え方にはいろいろな切り口がある

デザインする時にまず考えることとは何だろう。すぐに良いアイデアが浮かぶ時もあるが、なかなか浮かばないことのほうが多い。印刷物制作ではどういうデザインにするか考えるべきことはたくさんある。一般的には印刷物の対象は何か、どんなことを訴えるかというコンセプト、そのデザインの統一性を保つための手法であるトーン&マナーといったことは少なくとも欠かせない事項だ。

一貫性を持たせて軸をぶらさないことが大切

まずは対象をはっきり決めないといけない。これが決まっていれば、進める方向性のイメージが湧きやすくなる。例えば20代の女性を対象としたパンフレットを制作する場合、フォントは細いもので色味は明るいオレンジなどカラフルな色がいいとか、高齢者の場合は、大きめの文字を使用して色味は統一感のある方がいい、といったことがある。
方向性が決まったらコンセプトをはっきりさせる必要がある。これは「全体を貫く基本的な骨格」のことであり、制作者がその商品・作品に込めた意図・目的などを表すものだ。印刷物の制作では、デザイナーはもちろん、コピーライター、制作担当、営業などチームが一体となって作業を進めていかないといけない。
トーン&マナーは、広告表現の一貫性を保つための表現のスタイルや方法などのルールのことである。これをしっかり決めておくと、顧客に早く覚えてもらえたり、競合と差別化を図ることができることもある。また、関係者間で認識を共有することができればイメージのブレがなく、作業上の無駄の削減にもなる。

対象を定めることによりイメージができ、コンセプトをもつことによりそのイメージがどうあるべきかが決まる。そして、トーン&マナーを決めることにより具体的なイメージを作り、こうしたポイントをおさえておけばイメージをさらに発展させる可能性もでてくる。
デザインで大切なことは一貫性を持たせて軸をぶらさず、説得力を持たせることだ。そのためにもデザインの基本をしっかりふまえてポイントとなる事項を考えることが重要だ。

JAGATでは若手向けのデザインセミナー「デザイン・レイアウトの基本のキ」を開催する。このセミナーではデザインの基礎を解説することにより、新しい発想を創出するヒントを学ぶことができる。セミナーの後半では参加者にラフスケッチを作成していただき、講義の内容を再度確認しより深い理解を得られる。若手のデザイナーはもちろん、営業や制作担当の方にとっても知っておいたほうがいい基本事項なので、この機会に是非ご活用いただきたい。

(CS部 伊藤禎昭)

「デザイン・レイアウトの基本のキ」
2020年6月22日(月)  14:00~17:00
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
   166-8539 東京都杉並区和田1-29-11

「DTPデザイナー基本講座」【大阪開催】
2020年6月19日(金)・20日(土)
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 西部支社
   

新型コロナ感染拡大を背景にオンラインセミナーに必要な動機づけ

新型コロナウィルスの感染拡大を背景に印刷業界にも多大な影響を与え、ビジネス環境も大きく変化している。例えば、営業活動は、在宅勤務や顧客との直接的な接点が難しい中、Web等を利用した非接触型のコミュニケーション活動への対応に迫られている。社員教育の在り方も同様だ。東京商工会議所2020年4月8日発表した会員企業に対するアンケート調査によれば、「新型コロナウィルス感染症への対応について」は、テレワークを実施している企業は全体で26%。そのうち従業員数300人以上では57.1%と実施率が高い反面、従業員数50人未満では実施率は14.4%と全体平均を大きく下回る結果となっている。緊急に対応すべき課題のひとつだ。政府(国)や自治体では、テレワークを新規で導入する中小企業に対して、助成金制度や補助金制度によるサポートをおこなっている。積極的に活用すべきだ。

主な3つ課題は、

①社内体制の整備(仕事の管理、労務管理・評価など)

②パソコンやスマホ等の機器やネットワーク環境(LAN等)の設備

③セキュリティ上の不安

一方、新入社員を受け入れた印刷会社の研修においては、新しい教育手段へのニーズが高まっている。2020年度JAGAT新入社員研修(セミナー)は、4月開催分はすべて6月開催へシフトし、遠隔での受講システムの運用も試みている。通信教育での受講者が増える一方でセミナーの遠隔受講についての問い合わせもあったからだ。

<オンラインセミナーでも欠かせない動機づけ>

セミナーに求められる重要な要素に気づきや動機づけが上げれる。心理学者エドワード・L・デシのモチベーション理論で「内発的動機づけ」の研究では、動機付けには、内発的動機づけと外発的動機づけがあるという。人材育成においては、内発的な動機付けが重要な鍵を握る。

<内発的動機づけとは>

怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機。例えば、一銭の得にもならない趣味の活動も含まれる。

<外発的動機づけとは>

活動それ自体を楽しむのではなく、何かのために活動する動機。組織のためや上司の顔色をうかがうなど。

内発的動機づけは、ご褒美を得るためのものでもなく、罰を避けるためのものでもない。自主性が重要で、有能感や関係性が大切な要素になる。セミナーの役割は、内発的動機づけのために心を掴むことが肝心だ。知識だけなら書籍や通信教育等だけでも十分だからだ。講師には、受講者に問いかけ、引き出し、腹落ちさせる能力が求められ、 感情にも訴えかけることでセミナーの魅力となる。オンラインセミナーでも欠かせない要素だ。ライブ感を大切に、感情に訴え、動機づけすることで学びの習慣をつくることがセミナー受講の大きな価値になるからだ。

(CS部 古谷芸文)

2020年度 JAGAT新入社員研修

デザイン・レイアウトの基本のキ  【オンライン同時開催】

「新入社員向け 基本を身につけて仕事の幅を広げよう!」
“ゼロ”から学ぶシリーズ ~デザインには理論と法則がある~

 

人を説得し届けたい情報を伝えるデザインには理論や法則があります。
デザインはなんとなく作られるものではなく、必ず理由と目的があるのでそれを上手く説明できないといけません。
なぜいいと感じたのかを自分の言葉で説明できれば、自分でデザインをするときはもちろん、他の人が作ったものの良し悪しを判断し、さらに突っ込んだ話もできます。

このセミナーでは若手の社員を対象にデザインの基礎を解説することにより、新しい発想を創出するヒントを学んでもらいます。

セミナーの最後のほうでは参加者に実際にラフスケッチを作成していだき、講義の内容を再度確認してもらいます。デザインに従事している方だけでなく、営業やDTP・ウェブデザインをしている方、マーケティングや企画、編集を担当される方にお勧めです。是非ご参加ください。

 

カリキュラム

〇デザインを行う前に
・レイアウトをデザインするとは? 
(多くの情報をまとめられる、読みやすさ・わかりやすさの向上
・いろいろなデザインの種類
〇デザインの基礎知識
・ワークフロー ・本の各部名称 
・トンボ/裁ち落とし ・レイアウト要素の名称と役割
〇レイアウト
・グリッドシステムの解説
・文字(フォントのサイズ・選び方、組版)
・図版(図版の種類、画像の形式、写真のトリミングと補正、罫線/矢印、図解、グラフ
・ラフスケッチ作成演習
・配色(色の基礎知識、配色の基本、配色の決め方)

 

 

開催日

2020年6月22日(月)  14:00~17:00
※オンライン同時開催

 

定員

20名(最少催行人数 8名)

 

講師

樋口 泰行(有限会社樋口デザイン事務所)

 

会場

公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
東京都杉並区和田1-29-11
東京メトロ 丸の内線 徒歩5分

 

参加費(税込)

JAGAT会員 12,100円/ 一 般  15,400円 

 


【オンライン受講の方へのご案内】 

下記事項を必ずご確認ください。
●ビデオ会議ツール「Zoom」を利用して受講いただきます。
ご受講には、
-インターネットに接続されたPC
-スピーカー、マイク、ウェブカメラ
が必要です。
「Zoom」利用環境について詳しくは、Zoom.usサイト(https://support.zoom.us/hc/ja)よりお確かめください。
●オンライン受講の際は、当日ご利用になるデバイスに「Zoom」アプリをインストールしていただきます。
事前に下記より接続が可能なことをお確かめください。
「Zoom」接続テストページ (http://zoom.us/test)
●回線速度の確認
当日スムーズに受講いただけるよう、事前にインターネット回線の速度テストサイト等で速度を確認しておくと安心です。
●セミナー前日までに、オンライン受講者様メールアドレスあてに、セミナー招待メールをご案内いたします。


 

新入社員研修関連講座

●6/9(火)10:00~12:00
「新入社員養成講座~印刷概論~」
●6/9(火)13:00~17:00
「印刷業界で成果を出すための働き方」
●6/10(水)~12(金)
「印刷製作入門総合講座」
●6/23(火)13:00~16:00
「仕事に役立つマーケティングの基本のキ」

 

 

お申込み

Webからのお申込み

Web申込フォーム に必要事項をご記入のうえ、お申込みください。

FAXでのお申込み


お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411 

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会