制作・デザイン系」カテゴリーアーカイブ

オンラインでのコミュニケーションと課題

新型コロナウイルス感染拡大防止の影響でオンラインによるコミュニケーション活動への対応が加速している。例えば、Web会議システムを利用すれば、遠隔での会議や打合せは簡単にできるし、他にも、顧客との面談やプレゼンテーション、講習会などへの対応も可能だ。しかし、コミュニケーションの質となるとツールやシステムを使うだけの話ではない。コンテンツが大切だ。受け手側の欲求は、文字や言葉によるものだけではない。音の響き、声のトーンや映像、顔の表情などの感性に響くところが大きい。

視聴者の関心度合いとメラビアンの法則

1971年にアメリカの心理学者アルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則では、話し手が聞き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成され、それぞれの情報の影響力は下記の割合になっている。「3Vの法則」や「7・38・55ルール」と呼ばれる事もある。

【言語情報】

言葉そのものの意味や、言葉で構成される話の内容

【聴覚情報】

話し手が発する声のトーンや大きさ、また、話し方(口調)や話すテンポなど

【視覚情報】

話し手の表情や目線、そして態度や仕草、また見た目など。

※身体言語(ボディーランゲージ)

•言語情報(Verbal)…7%

•聴覚情報(Vocal)…38%

•視覚情報(Visual)…55%

つまり、言語以外の行動である「非言語的コミュニケーション」による影響が大きいとされる。例えば、面談においては、身振りや手振り、表情、声の出し方や間の取り方などの言語情報以外の対応がより重要だということだ。これは、オンラインでも同様だ。新型コロナウイルス感染拡大防止の中、オフラインでの面談が難しくなり、電話やメールだけでは事足らずで、急速にWeb(動画)会議システムの利用が広がった。聴覚情報に加え視覚情報へのニーズが高いことが伺える。システムやツールを効果的に使うには、非言語的コミュニケーションを意識することが肝心だ。単にツールの機能を覚えるのではなく、感性に訴えるためにどう使いこなすかがポイントになる。

ただし、メラビアンの法則に触れると「話す内容より演出が大事」と誤った解釈をする場合がある。そもそも元となる言語情報がおろそかであれば信頼性が失われ、コンテンツが成り立たない。誤解のないように注意したい。

CS部 古谷芸文

JAGATのセミナー<オンライン化推進中>https://www.jagat.or.jp/cat3

デザインには必ず理由と目的がある

デザインをする時に何も考えずに進めると、顧客に正しいメッセージを伝えられないことがよくある。ポイントをしっかりおさえて作業を進めることが重要だ。

 

考え方にはいろいろな切り口がある

デザインする時にまず考えることとは何だろう。すぐに良いアイデアが浮かぶ時もあるが、なかなか浮かばないことのほうが多い。印刷物制作ではどういうデザインにするか考えるべきことはたくさんある。一般的には印刷物の対象は何か、どんなことを訴えるかというコンセプト、そのデザインの統一性を保つための手法であるトーン&マナーといったことは少なくとも欠かせない事項だ。

一貫性を持たせて軸をぶらさないことが大切

まずは対象をはっきり決めないといけない。これが決まっていれば、進める方向性のイメージが湧きやすくなる。例えば20代の女性を対象としたパンフレットを制作する場合、フォントは細いもので色味は明るいオレンジなどカラフルな色がいいとか、高齢者の場合は、大きめの文字を使用して色味は統一感のある方がいい、といったことがある。
方向性が決まったらコンセプトをはっきりさせる必要がある。これは「全体を貫く基本的な骨格」のことであり、制作者がその商品・作品に込めた意図・目的などを表すものだ。印刷物の制作では、デザイナーはもちろん、コピーライター、制作担当、営業などチームが一体となって作業を進めていかないといけない。
トーン&マナーは、広告表現の一貫性を保つための表現のスタイルや方法などのルールのことである。これをしっかり決めておくと、顧客に早く覚えてもらえたり、競合と差別化を図ることができることもある。また、関係者間で認識を共有することができればイメージのブレがなく、作業上の無駄の削減にもなる。

対象を定めることによりイメージができ、コンセプトをもつことによりそのイメージがどうあるべきかが決まる。そして、トーン&マナーを決めることにより具体的なイメージを作り、こうしたポイントをおさえておけばイメージをさらに発展させる可能性もでてくる。
デザインで大切なことは一貫性を持たせて軸をぶらさず、説得力を持たせることだ。そのためにもデザインの基本をしっかりふまえてポイントとなる事項を考えることが重要だ。

JAGATでは若手向けのデザインセミナー「デザイン・レイアウトの基本のキ」を開催する。このセミナーではデザインの基礎を解説することにより、新しい発想を創出するヒントを学ぶことができる。セミナーの後半では参加者にラフスケッチを作成していただき、講義の内容を再度確認しより深い理解を得られる。若手のデザイナーはもちろん、営業や制作担当の方にとっても知っておいたほうがいい基本事項なので、この機会に是非ご活用いただきたい。

(CS部 伊藤禎昭)

「デザイン・レイアウトの基本のキ」
2020年6月22日(月)  14:00~17:00
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
   166-8539 東京都杉並区和田1-29-11

「DTPデザイナー基本講座」【大阪開催】
2020年6月19日(金)・20日(土)
会場:公益社団法人日本印刷技術協会 西部支社
   

新型コロナ感染拡大を背景にオンラインセミナーに必要な動機づけ

新型コロナウィルスの感染拡大を背景に印刷業界にも多大な影響を与え、ビジネス環境も大きく変化している。例えば、営業活動は、在宅勤務や顧客との直接的な接点が難しい中、Web等を利用した非接触型のコミュニケーション活動への対応に迫られている。社員教育の在り方も同様だ。東京商工会議所2020年4月8日発表した会員企業に対するアンケート調査によれば、「新型コロナウィルス感染症への対応について」は、テレワークを実施している企業は全体で26%。そのうち従業員数300人以上では57.1%と実施率が高い反面、従業員数50人未満では実施率は14.4%と全体平均を大きく下回る結果となっている。緊急に対応すべき課題のひとつだ。政府(国)や自治体では、テレワークを新規で導入する中小企業に対して、助成金制度や補助金制度によるサポートをおこなっている。積極的に活用すべきだ。

主な3つ課題は、

①社内体制の整備(仕事の管理、労務管理・評価など)

②パソコンやスマホ等の機器やネットワーク環境(LAN等)の設備

③セキュリティ上の不安

一方、新入社員を受け入れた印刷会社の研修においては、新しい教育手段へのニーズが高まっている。2020年度JAGAT新入社員研修(セミナー)は、4月開催分はすべて6月開催へシフトし、遠隔での受講システムの運用も試みている。通信教育での受講者が増える一方でセミナーの遠隔受講についての問い合わせもあったからだ。

<オンラインセミナーでも欠かせない動機づけ>

セミナーに求められる重要な要素に気づきや動機づけが上げれる。心理学者エドワード・L・デシのモチベーション理論で「内発的動機づけ」の研究では、動機付けには、内発的動機づけと外発的動機づけがあるという。人材育成においては、内発的な動機付けが重要な鍵を握る。

<内発的動機づけとは>

怒られないためでもない、その活動がしたいからするという動機。例えば、一銭の得にもならない趣味の活動も含まれる。

<外発的動機づけとは>

活動それ自体を楽しむのではなく、何かのために活動する動機。組織のためや上司の顔色をうかがうなど。

内発的動機づけは、ご褒美を得るためのものでもなく、罰を避けるためのものでもない。自主性が重要で、有能感や関係性が大切な要素になる。セミナーの役割は、内発的動機づけのために心を掴むことが肝心だ。知識だけなら書籍や通信教育等だけでも十分だからだ。講師には、受講者に問いかけ、引き出し、腹落ちさせる能力が求められ、 感情にも訴えかけることでセミナーの魅力となる。オンラインセミナーでも欠かせない要素だ。ライブ感を大切に、感情に訴え、動機づけすることで学びの習慣をつくることがセミナー受講の大きな価値になるからだ。

(CS部 古谷芸文)

2020年度 JAGAT新入社員研修

デザイン・レイアウトの基本のキ  【オンライン同時開催】

「新入社員向け 基本を身につけて仕事の幅を広げよう!」
“ゼロ”から学ぶシリーズ ~デザインには理論と法則がある~

 

人を説得し届けたい情報を伝えるデザインには理論や法則があります。
デザインはなんとなく作られるものではなく、必ず理由と目的があるのでそれを上手く説明できないといけません。
なぜいいと感じたのかを自分の言葉で説明できれば、自分でデザインをするときはもちろん、他の人が作ったものの良し悪しを判断し、さらに突っ込んだ話もできます。

このセミナーでは若手の社員を対象にデザインの基礎を解説することにより、新しい発想を創出するヒントを学んでもらいます。

セミナーの最後のほうでは参加者に実際にラフスケッチを作成していだき、講義の内容を再度確認してもらいます。デザインに従事している方だけでなく、営業やDTP・ウェブデザインをしている方、マーケティングや企画、編集を担当される方にお勧めです。是非ご参加ください。

 

カリキュラム

〇デザインを行う前に
・レイアウトをデザインするとは? 
(多くの情報をまとめられる、読みやすさ・わかりやすさの向上
・いろいろなデザインの種類
〇デザインの基礎知識
・ワークフロー ・本の各部名称 
・トンボ/裁ち落とし ・レイアウト要素の名称と役割
〇レイアウト
・グリッドシステムの解説
・文字(フォントのサイズ・選び方、組版)
・図版(図版の種類、画像の形式、写真のトリミングと補正、罫線/矢印、図解、グラフ
・ラフスケッチ作成演習
・配色(色の基礎知識、配色の基本、配色の決め方)

 

 

開催日

2020年6月22日(月)  14:00~17:00
※オンライン同時開催

 

定員

20名(最少催行人数 8名)

 

講師

樋口 泰行(有限会社樋口デザイン事務所)

 

会場

公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
東京都杉並区和田1-29-11
東京メトロ 丸の内線 徒歩5分

 

参加費(税込)

JAGAT会員 12,100円/ 一 般  15,400円 

 


【オンライン受講の方へのご案内】 

下記事項を必ずご確認ください。
●ビデオ会議ツール「Zoom」を利用して受講いただきます。
ご受講には、
-インターネットに接続されたPC
-スピーカー、マイク、ウェブカメラ
が必要です。
「Zoom」利用環境について詳しくは、Zoom.usサイト(https://support.zoom.us/hc/ja)よりお確かめください。
●オンライン受講の際は、当日ご利用になるデバイスに「Zoom」アプリをインストールしていただきます。
事前に下記より接続が可能なことをお確かめください。
「Zoom」接続テストページ (http://zoom.us/test)
●回線速度の確認
当日スムーズに受講いただけるよう、事前にインターネット回線の速度テストサイト等で速度を確認しておくと安心です。
●セミナー前日までに、オンライン受講者様メールアドレスあてに、セミナー招待メールをご案内いたします。


 

新入社員研修関連講座

●6/9(火)10:00~12:00
「新入社員養成講座~印刷概論~」
●6/9(火)13:00~17:00
「印刷業界で成果を出すための働き方」
●6/10(水)~12(金)
「印刷製作入門総合講座」
●6/23(火)13:00~16:00
「仕事に役立つマーケティングの基本のキ」

 

 

お申込み

Webからのお申込み

Web申込フォーム に必要事項をご記入のうえ、お申込みください。

FAXでのお申込み


お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216
までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411 

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会

働き方改革と生産性向上における印刷工場の課題

働き方改革という言葉が定着してきた昨今だが、印刷工場での働き方改革への対応には頭を痛めている経営者やマネージャーも多いようだ。2019年4月から『働き方改革関連法案』が実施され、企業は対応することが義務付けられている。その関連法案で注視しなければならない規定が、労働基準法とパート有限雇用法になる。

労働基準法とパート有限雇用法

労働基準法の改定では、

  • 5日間以上の年次有給休暇の取得義務化
  • 時間外労働の上限規制導入
  • 月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の猶予措置、(50%→25%)の廃止

パート有期雇用法(パート労働法)では、

  • 均等待遇について、個々の待遇ごとに不合理性を判断することを 明確化
  • 有期契約労働者に係る均等待遇規定の創設
  • 待遇差の理由等に関する説明の義務化

時間外労働の上限規制と同一労働同一賃金

労働基準法改定では、5日以上の年次休暇取得義務については、昨年2019年4月より施行された。週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の上限を原則として「月45時間」かつ「年360 時間」とする規定については、繁忙期でも単月100時間未満、複数月(2~6か月)平均80時間(休日労働含む)に抑えという上限が加わった。法案の発表当時の2017年3月の日経ビズネスオンラインの記事よれば、経営者側と従業者側では受け方が違うようだ。従業者側では、「100時間迫る時間外労働を許すのか」や「過労死に繋がる」という時間外労働を促進するような見受け方もあったようだ。page2020セミナー「印刷工場の生産性向上実践 ~多能工化編~」講師で中小企業診断士の寶積氏(株式会社GIMS代表取締役)によれば、上限が無かったものに上限が付いたことが大きいという。経営者にとっては難しい対応が迫られ、業績への影響も心配される。一方、社会保険労務士側では、やらない会社は淘汰されるという見方もある。政策が掲げる指標は労働生産性だ。単に仕事を増やして従業員の賃上げを目指すものではない。生産効率、付加価値率を高めることで少ない従業員で大きな成果を上げる企業体質を目指すものだ。旨くいけば中小企業には追い風のようにも思える。しかし、取り組む課題は簡単ではない。

経営資源に限りがある中小の印刷業においては、特に、業績アップのための施策と働き方改革は同じ土俵で進めるべきだ。印刷工場では、生産効率を高めるための改善活動やマネジメントを促進し、生産性を高くする体質改善する仕組みづくりが重要になる。小手先の対処療法では、課題は解決されない。特に印刷業の多くは、受注型で多品種少量の傾向にある中、計画的な生産管理は難しい。全社を上げて改善活動を推進し、具体的に見える化や多能工化へ取り組むことが益々重要になってくる。活動を推進する上で欠かせないのがリーダーの存在だ。印刷工場でのマネージャー育成は益々急務なってくる。

(CS部 古谷芸文)

第6期 工場マネージャー養成講座

紙加工製品の商品開発に欠かせない、デザインとブランディング

経営者が自ら取り組む商品開発とデザインへの取り組み

 印刷業を取り巻くビジネス環境では、デザインの重度が増している。販売促進ツールをはじめとするBtoBや生活者を豊かにするBtoCの商品開発を手掛ける印刷、紙加工業の事例も増えてきている。商品開発に欠かせないのが、アイデアとそれを形にするデザインだ。   

page2020セミナー「アイデアを形にする紙加工の製品開発」では、紙加工製品の商品開発に取り組む2社に実践でのプロセスとブランド展開について解説する。

 加藤製本株式会社では、ブランド「クルーシャル」を立ち上げている。クルーシャルは、文具、朱印帳などの紙加工商品を開発し、提供する会社だ。プロダクトデザイナー、グラフィックデザイナー、CADエンジニア、一級技能士の資格を持つ社員によりものづくりに取り組む。社員がアイデアを出すこととデザイナーを採用や育成することに力を入れている。同時に、大手文具量販店や文具店、女子博、販促アイデアグランプリ展など業界の枠を超えた販路開拓にも力を入れている。マーケティングとアイデアとそれを形にするデザインの相乗効果で成果を上げている。紙加工技術、レーザーダイカットシステムを活かした微細な細工の朱印帳やマカロン(付箋)などは記事や話題として取り上げられことも多い。

 福永紙工株式会社では、この2020年1月29日までの期間で昨年11月にオープンした渋谷スクランブルスクエア10Fの東急ハンズが運営する「208HANDS」で販売会を実施している。ブランディングへの取り組みだ。クリエイターと共にこの12年間でつくりあげた紙製品の22日間限定販売会だ。同社は、印刷から加工までのパッケージの印刷加工会社として1963年に創設された。転機は、アパレル商社勤務経験とノウハウを持つ現在の山田社長を中心とした2006年の「かみの工作所」プロジェクトスタートだった。多くのクリエイターと恊働して工場の技術を活かしたオリジナル製品の企画、開発、製造、販売への挑戦をはじめたことだ。第一線のクリエイターとの人脈も広い。他にも1/100スケールの模型ブランド「テラダモケイ」の製造販売など、新たな紙の価値を模索する取り組みを様々な形で行っている。海外の美術館でも取り上げられるような「空気の器」「MABATAKI NOTE」などの製品は、ブランド価値をさらに高めている。

デザインがビジネスチャンスへ

 印刷会社がマーケティングや製品においてデザイン能力を重要視しているように顧客側の企業もデザインノウハウを重要視している。印刷業でもビジネスチャンスとして捉えるべきだ。また、消費者ニーズが複雑化し課題がわかりにくい市場においては、デザイン的な発想やデザイナーが重要になってきている。商品開発の決め手はアイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要なる。〝今までにない”紙製品を創り〟で販路開拓し、ブランディングを展開するポイントを紹介する。また、アイデアやデザイン的な発想は、簡単に出せるものではない。アイデアを生み出すために取り組むべきことは何か、そのためのポイントも解説する。

CS部 古谷芸文

関連情報 page2020セミナーhttps://page.jagat.or.jp/sessionList/seminar.html

【S9】アイデアを形にする紙加工の製品開発

 

デザインの重度が増す印刷ビジネスと求められるアイデア

 印刷業を取り巻くビジネス環境では、デザインの重度が増している。ニーズが複雑化し課題がわかりにくい今日においては、課題探索・発掘、コンセプト設計においてのデザイナーの発想に期待が大きいようだ。印刷会社がマーケティングや製品においてデザイン能力を重要視しているように顧客側の企業もデザインノウハウを重要視している。経済産業省の「デザインの活用によるイノベーション創出環境整備に向けたデザイン業の実態調査研究によれば、デザインが事業運営や売上計上に貢献しているとの回答は8割超となっている。アンケート調査の主な内容としては、「デザインが事業そのものに直結しており売上げと緊密な相関がある」、 「デザインが事業の柱として技術やその他の要素をバランスよくまとめ、売上げに貢献している」及び「デザインは事業の一要素として、企業の総合力の一部として売上げに貢献している」との回答を合わせたものになっている。産業界全体としてもデザインが重要な課題となっている。企業がデザインに期待する役割は多岐にわたる。例えば、経営においてデザインに期待する事項としては、ブランドの構築、外観での付加価値の向上、オリジナリティの表現等が多く挙げられている。これらに続いて品質や技術力の表現やコンセプトの提案等への期待が高まっている。このことは、印刷業でもビジネスチャンスとして捉えるべきであろう。

 デザイン思考(デザインシンキング)とは、デザイナーがデザインを行う上で行っている思考方法のことである。「デザイン」とは、例えば、建築や服飾、美術、広告などの様々な分野で、設計や表現するクリエイティブな行為の事を示すが、一方、デザインのプロセスや考え方をビジネスに転用したものがデザイン思考とも言える。商品・サービス開発においてのポイントは、「ユーザー目線で物事を考える」ことがビジネスパーソンに求められる。デザイン思考のプロセスは、前例のない問題などに対して新たな解決策を見出す際に役立つと言われている。

<商品開発の決め手はアイデア>

 印刷ビジネスにおいても商品開発の決め手は、アイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要になる。過去のパターンに捕らわれた単なるモノを作ることではない。例えば、デザイン思考的な見方をすれば、人々が気づいていないニーズを明らかにすることで「洞察」「観察」「共感」という三つの要素の相乗効果によって製品やサービスを生み出すことのようだ。プロセスは、マーケティングも含めたしくみづくりにも及ぶ。page2020でも、加藤隆之氏(加藤製本株式会社/代表取締役)と山田明良氏(福永紙工株式会社/代表取締役 かみの工作所/代表)を講師に「アイデアを形にする紙加工の製品開発」をテーマにセミナーを開催する。紙加工のノウハウをコアに〝今までにない”紙製品を創り〟で販路開拓し、ブランディングを展開している。従来の受注型ビジネスから市場提案型ビジネスへ舵を切った事例だ。ビジネスの原動力は、アイデアを生み出すしくみとデザイン的な発想だ。アイデアやデザイン的な発想は、簡単に出せるものではない。指示や命令だけで良いアイデアを出すことは難しい。経営判断で、実際にアイデアを生み出すために取り組むべきことは何かを知ることから始めることが求められる。

CS部 古谷芸文

関連情報 page2020セミナーhttps://page.jagat.or.jp/sessionList/seminar.html

【S9】アイディアを形にする 紙加工の製品開発 イディアを形にすhttps://page.jagat.or.jp/session/detail_30.html

【S12】デザイン設計の基本セオリー https://page.jagat.or.jp/session/detail_33.html

【S13】効果の高いパーソナライズDMの実際 ~データ分析からプロモーション戦略、メディアプランニングの手法を学ぶ~ https://page.jagat.or.jp/session/detail_34.html

【S15】デジタルと紙メディアで表現するブランディング実践 ~印刷物、Web、CG、VR、AR、動画、リアルを組み合わせる~ https://page.jagat.or.jp/session/detail_36.html

【仙台開催】顧客のニーズを満たす幅広い表現と技術 デジタル印刷・加飾技術の基本知識とビジネスのツボ

<デジタル印刷ビジネスに特化したコンサルタントによるソリューションセミナー>

お客様に気づかせる印刷物の“価値”の提案!
デジタル印刷ビジネスで成果を上げるには、顧客ニーズに応えるという視点が重要です。デジタル印刷の基礎知識や長所・弱点を知ることで、デジタル印刷ならではのソリューション提案が可能になります。
本講座ではデジタル印刷・加飾・加工技術の開発が勢いを増す中、多様な技術を整理し、その特徴とポイントを学ぶと共に、実践事例を交え顧客のビジネスに合った技術をコーディネーションする視点を養います。

主な講義内容

1.デジタル印刷の基礎知識編
・デジタル印刷機の方式と機能・特徴
・デジタル印刷の長所と弱点を知る

2.デジタル印刷・加飾・加工の動向
・デジタル印刷機の二つの方向性
・大型機と小型機(POD)の動向
・加飾・加工・資材(特種紙)の動向

3.デジタル印刷ビジネスと課題 
・印刷ビジネスの現況とスマイルカーブ
・顧客が期待するビジネスの姿
・IoT/AIのもたらす価値と動向
・デジタル印刷を加えた総合的な印刷ビジネス

 

開催日程・開催時間

2020年2月21日(金)  16:00~18:00

【こんな方に】 ~ビジネスに応じたデジタル印刷を理解する~
・デジタル印刷でどんなサービスが提供できるのか知りたい
・デジタル印刷、加工、加飾技術の現況や特徴を知りたい
・デジタルと従来の印刷の使い分けを知りたい
・付加価値の高いデジタル加飾の可能性を知りたい

定員

40名(最少催行人数10名)
※開催1週間前で申込が10名に満たない場合は、中止とさせていただく場合がございます。

講師

宮本 泰夫  (株)バリューマシーンインターナショナル 取締役副社長

1993 年より東洋インキ製造(株)、HP Indigo 社製デジタルオンデマンド印刷機の技術、アプリケーション開発、ならびにデジタルフロントエンドの企画、開発を担当。2001 年より印刷系ITベンチャーにてシステム開発、ソリューション開発責任者としてオンデマンド印刷のアプリケーション開発に従事。2003 年同社退職、(株)バリューマシーンインターナショナルを設立し、現在に至る。デジタル印刷ならびにバリアブル印刷・Web-to-Print を中心とした周辺技術を絡めたビジネスコンサルティングを数多く手掛ける。情報工学修士。

会場

宮城県印刷会館 (仙台市宮城野区扇町3-9-12 TEL:022-284-7586)

参加費(税込)

JAGAT会員・東北地区印刷協議会傘下組合員 7,700円 / 一般 11,000円

お申込み

お申込書に必要事項をご記入のうえ、 (022)232-9249までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の前日までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
七十七銀行 東卸町支店(当座) No.5013968 ミヤギケンインサツコウギョウクミアイ

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3112

お申し込み及びお支払に関して
宮城県印刷工業組合 電話:(022)284-7586

主催:公益社団法人 日本印刷技術協会 協力:東北地区印刷協議会

【仙台開催】印刷・製本・加工を起点としたアイデアとその発想法 ~新たな価値、ビジネスモデルで顧客満足を超える~


受講者のブレークスルーへとつながる実践的内容!
いまや、印刷・製本・加工において顧客要求を満足させることは当たり前のことであり、顧客満足の先を行くことが課題となっています。そのために、これまでとは異なるアプローチで新たな価値を提供することが求められており、そこで必要となるのはアイデアです。
本講座ではアイデアを中心として、印刷・製本・加工が顧客に与える新たな価値とそれに続く数々のビジネスモデルを紹介します。過去の成功事例を紹介するだけのありがちな講座と異なり、未来志向で、受講者自身が考え、創造し、ブレークスルーへ至る道をナビゲートします。

 

主な講義内容

●顧客に与える価値とは
 ・価値なくしてビジネスなし
 ・神様の問いかけ
 ・4つの価値をベースに

アイデアについて知る
 ・アイデアをだすのが下手な日本人
 ・才能は二の次
 ・ひらめきの正体
 ・アイデア脳をつくる
ビジネスモデルを知る
 ・多様なビジネスモデルの存在
 ・自社との相性を考える
 ・ビジネスモデルのケーススタディ

アイデアを生み出す
 ・アイデアのケーススタディ
 ・アイデア出しの方法
 ・組み合わせは重要
 ・ドラえもん思考で取り組む

 

開催日程・開催時間

2020年2月21日(金)  13:00~15:00

対象

経営者、各部門管理者、企画・営業部門リーダー・担当者、
デザイン・制作部門リーダー・担当者 など

定員

40名(最少催行人数10名)
※開催1週間前で申込が10名に満たない場合は、中止とさせていただく場合がございます。

講師

加藤 隆之 (加藤製本(株) 代表取締役)

早大卒業後に産経新聞入社し支局にてオウム真理教などを取材した後、本社で紙面編集を担当、その際に新聞組版をDTPオペレータの後ろで見て覚えてしまう。その後、社会部に移り、大学で心理学を専攻した経験から人々の消費行動に焦点を当てた取材を精力的に行う。平成10年に加藤製本入社、17年にPUR製本で世界初の無線綴丸背上製本の開発に成功したのを皮切りに製本・加工分野で新たな取組みを行い、数々の特許や実用新案を取得。29年にはステーショナリーを中心としたライフスタイルブランド「CRU-CIAL」を設立する。日本文学振興会理事など外部の役職も務める。

会場

宮城県印刷会館 (仙台市宮城野区扇町3-9-12 TEL:022-284-7586)

参加費(税込)

JAGAT会員・東北地区印刷協議会傘下組合員 7,700円 / 一般 11,000円

お申込み

お申込書に必要事項をご記入のうえ、 (022)232-9249までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の前日までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。
七十七銀行 東卸町支店(当座) No.5013968 ミヤギケンインサツコウギョウクミアイ

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3112

お申し込み及びお支払に関して
宮城県印刷工業組合 電話:(022)284-7586

主催:公益社団法人 日本印刷技術協会 協力:東北地区印刷協議会