「AI×印刷ビジネス」の構想ができる人材の育成が重要

AI技術を活用したビジネスの構想とその可能性を判断し、技術者との橋渡しができる人材がAIビジネスを成功させる上で重要になる。

AIビジネスに求められる人材の能力と確保
AIをビジネスに活用する上で通るべきプロセスとして、①事業構想→②仮説検証→③開発→④運用の4段階がある。
技術が進展してもそれをビジネスにつなげられなければ市場は広がらない。AIの多くの失敗は、事業構想や活用アイデアの段階をおろそかにして、今ある技術から仮説検証を始めているケースが多い。AI技術を活用したビジネスの構想とその可能性を判断し、技術者との橋渡しができる人材(本稿ではアセスメント人材という)がAIビジネスを成功させる上で重要になる。
印刷会社におけるAI人材の方向性として、製造工程での効率化や、顧客へのマーケティングソリューションにおけるAIの活用方法を、AI開発事業者を交えて構想できるかどうかである。その第一歩が経営者による、従来発想とは違ったアセスメント人材の育成である。
印刷ビジネスや自社のソリューション領域を理解した上で、AIにできること、できないことを技術的な見地で見極める知識、AIを活用した業務プロセスを構想できる知識やリテラシーを学ぶことが重要だ。ただベースとなる技術人材として、仮説検証からプログラムを開発する能力、実際にプログラム運用する能力は高度な技術知識を要するため、専門教育を施さなければ育成することは難しい。
人材施策として、①コンサルタントやベンダーへの外注、②経験者・優秀者の採用、③社内育成の方法がある。①②に関しては、短期的な視点では成果を上げる可能性もあるが、高額なコストの観点から事業継続性が低い。また②に関しては、採用獲得競争が激しい。NECは研究職を対象に、2019年10月より新卒の年収が1000万円を超える可能性がある賃金制度の導入を発表した。従来のモデルから転換し、その時代の市場価値に応じて給与を決めていく。IoT、AI人材も市場の需要に対する人材が不足しているため、必然的に市場価値は高まり、それ相応の待遇で迎い入れる環境を整備することが重要になる。従って、今後、大企業を中心にこの流れは進むと考えられるので、中小印刷会社としてはこのモデルの選択は難しい。
③の育成は短期的な成果は見込めないが、コスト面、継続性を考えると現実的な選択肢となる。

印刷会社向けAIセミナーの報告
2019年8月、JAGATで「AI×印刷ビジネスアイディアソン~AI超入門ワークショップ~」を開催し、22名の参加者にAIの活用内容について事前アンケートを求めた。
AIの印刷ビジネスへの活用で多かったのが、「校正、検版、校閲の自動化および精度を高める」「デザインレイアウトの自動化、画像データの自動修正によるプリプレス作業の効率化とその精度を高める」との回答であった。ただ、クリエイティブへの応用には顧客やマーケットとの連携など現場の作業効率とは違った側面がある。予測系AIを活用した「販売予測による効果的なプロモーションツールと適正数量」の回答数も多い。顧客のさまざまなデータを基に、見込み顧客層と購買予測を立てることで、ターゲットに合わせた効果的なパンフレットやチラシのコンテンツと適正部数を提案することで、支援力を高めたいようだ。

事前アンケートでは、「経営者がAI についてよく言及するが、具体的なものとして見えてこない」「AIの活用に関して、印刷業界での事例についてあまり話が聞こえてこない」「AI 活用の人材育成について知りたい」との意見もあり、各社が模索の段階にあることもうかがえる。JAGAT は、多様な人材育成の機会を設け、印刷業界のAI リテラシーを醸成し、
新たな可能性を追求していきたい。

<page2020関連セミナー>
【S6】「AI×印刷」ビジネスアイディアソン
開催日:2020年2月6日(木)10:00~12:00
https://page.jagat.or.jp/session/detail_27.html

AIビジネス 超入門ワークショップ

~印刷ビジネスとの連携について考える~

■概要■ 

AIビジネスの市場が広がり、AIネイティブ化は大きく進展する。印刷業も、AIと関わる必然性が生まれる中で、「AI×印刷ビジネス」を構想し、AI活用の可能性を判断した上で、技術者との橋渡しができるアセスメント人材の育成が必要になる。本講座は、AIの基本知識を学びながら、印刷ビジネスとの連携の可能性について、演習を交えながら考えます。また、印刷会社としてのAI人材施策の方向性についても模索します。

 

■学べるスキル■

AIの基本的なビジネス会話ができるようになります
AIを印刷ビジネスにどう活用できるか思考できるようになります
AI人材施策のヒントを得られます。

 

■受講対象者■

・AI知識が0ベースの超初心者
・AI活用の勘所を知りたい方
・AIと印刷ビジネスの連携について考えたい方

 

■カリキュラム■

1)ビジネスに関する思考のフレームワーク
  ・市場を見よう!私たちのポジションは?
  ・ペルソナを決めよう!それって誰が嬉しいの?
  ・ビジネスモデルを作ろう!どこにあるお金を狙うの?
2)AIビジネスのための前提知識
  ・AIを作るために絶対必要!教師データとは?
  ・データを取得しよう!どうやってデータを集めるの?
  ・AIがあるorないの徹底比較!それってAIいらなくない?
3)AIビジネスアイディアプラン企画
  ・AIでできることを考える
  ・AIと事業やビジネスの連携を考える
  ・アイディアプラン作成及び発表
4)AI、データサイエンス人材戦略
  ・外注、コンサルに依頼する
  ・即戦力を採用する
  ・0から育成する

 

■講師■

一花 徳行
株式会社キカガク

【企業プロフィール】
株式会社キカガクは2017年1月に吉﨑亮介氏によって創立されました。主な業務としてAIや機械学習に関する教育事業を行っています。
メンバーは今年7月で13名。所在地は神田駅から徒歩3分。
創立まもなく日本マイクロソフト社公認のディープラーニングのトレーニング企業に選出。
オンラインオフライン含めると15000人以上の個人、企業が同社のトレーニングを受講しています。
【講師プロフィール】
キカガクでは短期セミナー、法人向け研修の講師を担当。もともと学習塾の運営を行っており教育には人一倍の熱意がある。「何もわからずおいてけぼりにされた」という事のないセミナーを目指しています。AIが当たり前になる世界を作りましょう!


永田 達哉
Navier株式会社 COO

【企業プロフィール】
Navier株式会社は2018年2月に創立されたAIスタートアップです。
独自の技術を活用した画像変換技術を、様々な産業において、実際のビジネスに応用できる形で提供しています。

【講師プロフィール】
NavierではCOOとして事業推進を主として担当。Navier参画以前は、外資系コンサルティング会社・M&Aアドバイザリー会社を経て、AIスタートアップに特化して投資を行うベンチャーキャピタルにて国内・海外のスタートアップ投資に従事。MBA(INSEAD)

 

■関連記事■

印刷業に必要なAIアセスメント人材

 

■日程■

2019年11月18日(月)11:00~18:00 

 

■受講料■

JAGAT会員 27,500円  一般:33,000円 (税込)

 

■定員■

 20名(最少催行人数5名)

 

■持参物■

1)ノートPC(外部ネットワークに接続可能なもの)

2)Microsoftアカウントを事前に取得

※望ましいスペック
・OS:Windows10 macOS
・CPU:core i 5 以上
・メモリ:4G 以上

 

■会場■

公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)セミナールーム
〒166-8539 東京都杉並区和田1-29-11
地下鉄丸の内線 中野富士見町駅 徒歩5分 (地図

 

■お申込み■

●Webからのお申込み

Web申込フォームに必要事項をご記入のうえ、お申込みください。

●FAXでのお申込み

 

お申込書に必要事項をご記入のうえ、
03-3384-3216までFAXにてお送りください。

参加費振込先
参加費は、下記口座に開催日の2日前までに振り込み願います。
なお、お申し込み後の取り消しはお受けできません。代理の方のご出席をお願いします。

口座名:シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ
口座番号:みずほ銀行中野支店(普)202430

内容に関して問い合わせ先
内容に関するお問い合わせはお気軽に下記までお寄せください。
CS部 セミナー担当 電話:03-3384-3411

お申し込み及びお支払に関して
管理部(販売管理担当)   電話:03-5385-7185(直通)

公益社団法人 日本印刷技術協会

2019/11/18 AIビジネス 超入門ワークショップ お申込み

セミナー名:AIビジネス 超入門ワークショップ
開催日:2019年11月18日(月)11:00~18:00
参加費:JAGAT会員:27,500円 一般:33,000円(税込)
詳細案内ページ

・申込みは、下記のフォームに必要事項をご記入のうえ、送信ボタンを押してください。
・申込フォームにメールアドレスを入力した後「Enter」ボタンを押すと、フォームの内容が送信されてしまいます。恐れ入りますが、「Tab」ボタンを使う、マウスを使うなどの方法で移動お願いします。
※ご注意ください※
本 メールにご登録いただくと、申込完了メールが送信されます。登録後、数分経ってもメールが受領できない場合は、迷惑メールフィルタ等の要因が考えられま す。その場合は、お手数ですが、メール()またはTEL(03-3384-3411)までお問合せください。

0.参加費用

JAGAT会員(27,500円)一般(33,000円)

■参加人数

1.会社の情報

■社名(例:公益社団法人日本印刷技術協会) ※必須

■シャメイ(例:ニホンインサツギジュツキョウカイ)

郵便番号(例:166-8539)

■住所1(例:東京都杉並区和田1-29-11)

■住所2(例:印刷技術協会ビル3F)

2.お申込み担当者情報

お申込みされる方と参加される方が異なる場合は、請求書をお送りする方の情報をご登録ください。

■部署名(例:総務部)

■役職名(例:課長)

■お名前(例:印刷 太郎) ※必須

申込者は参加しない

■メールアドレス(例:taro_insatsu@jagat.or.jp) ※必須

このメールアドレスに登録完了メールが送られます。

■FAX(例:03-3384-3168)

FAX受講証をご希望の場合は、この番号に受講証が送られます。

3.お申込担当者以外の参加者情報

お申込みされる方と参加される方が一緒の場合は、本欄は入力不要です。

【参加者1】

■部署名(例:企画営業部)

■役職名(例:主任)

■お名前(例:印刷 花子)

■メールアドレス(例:hana_insatsu@jagat.or.jp) 

■持参物について ※必須(確認のため☑をお願いします)
  ノートPCを持参する持参しない 

【参加者2】

■部署名(例:企画営業部)

■役職名(例:主任)

■お名前(例:印刷 次郎)

■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)

■持参物について ※必須(確認のため☑をお願いします)
  ノートPCを持参する持参しない 

【参加者3】

■部署名(例:企画営業部)

■役職名(例:主任)

■お名前(例:印刷 次郎)

■メールアドレス(例:jiro_insatsu@jagat.or.jp)

■持参物について ※必須(確認のため☑をお願いします)
  ノートPCを持参する持参しない 

■その他備考

4.受講証の受け取り

受講証について、ご希望の受け取り方法をお選びください。
※複数名でお申込みの場合:「FAXで受け取る」を選択すると、参加者ごとに参加証を受け取れます。
メールで受け取る(受領メールを印刷する)FAXで受け取る

5.JAGATからのご案内について

よろしければJAGATからセミナー開催案内や関連のご案内を送付させていただきます。
不要の方はチェックを入れてください。
JAGATからの案内を希望しない


お申込みありがとうございます。登録完了メールをお送りいたしました。
しばらくしてもメールが届かない場合は、お手数ですが再度ご登録いただくか、
webmaster@jagat.or.jpまでお問合せください。

印刷製品開発、マーケットインとプロダクトアウト

印刷製品は多種多様だ。市場規模の縮小傾向の中、新しい印刷製品やビジネスチャンスをつくり出すことは大きな課題である。現在、JAGATのセミナーでも「印刷製品のアイデア道場」を企画している。印刷加工製品の価値を広げるためのセミナーだ。製品の価値やビジネスチャンスを広げる上では、マーケティングが重要だ。捉え方としては、サービス(商品)としてのマーケティングと経営戦略での自社のマーケティングでの二つの視点を意識する必要がある。。
周知のとおり、サービス商品としては、顧客のプロモーションやマーケティング支援などが上げられる。一方、自社のマーケティングは、自社の経営理念、自社の強み、市場ドメインなどを確立し、組織的にビジネスに取り組むである。印刷会社のビジネス展開では、その業態も様々である。

<プロダクトアウトが古いわけではない>

少し前までは、印刷会社は自社の設備に合わせたプロダクトアウトではダメで、顧客志向のマーケットインの発想が重要との議論もあった。そもそも二元論が無意味ということもある。両方の視点を持つことが大切だ。例えば、「ロボット掃除機」「iPhone」「ウォークマン」「電子レンジ」などの革新的な商品は、プロダクトアウトで開発されたものだ。印刷業でも自社の設備を活かした商品開発でのプロモーションツールや建材、文具などの様々事例がある。
・マーケットイン:「ニーズ志向」
※顧客に価値を合わせる
・プロダクトアウト:「シーズ志向」
※顧客に価値を気づかせる
モノづくりに強み持つ印刷業では、マーケットインとプロダクトアウトの両方を取り入れた発想も重要だ。

<商品開発の決め手はアイデア>

決め手は、アイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要になる。一方、自社の強みを理解し、新鮮なアイデアは簡単に出せるものでもない。指示や命令だけで良いアイデアを出すことは難しい。教育や訓練が必要だ。知識のバリエーションを「型」として学びつつ、実際にアイデアを生むために取り組むべきことは何かを知る必要がある。近々にセミナー「印刷製品のアイデア道場」として開講する。

(CS部 古谷芸文)

変わる新卒採用トレンド「通年採用」がもたらす影響

経団連が2018年10月に表明した「就活ルール撤廃」により日本の新卒採用状況は転換期を迎え、経団連と大学の合意により2022年新卒から通年採用へ移行する方向だ。

日本の採用方法は新卒一括採用が主流であり、企業が横並びで採用活動を始め、4月1日に一斉に入社するのが一般的だ。一方、その対極に位置するのが通年採用であり、企業が年間を通して必要性に応じて、欲しい人材を自由に採用することである。採用が自由化になることで、優秀な学生に対して早期にアプローチができることや、卒業時期の違う海外の大学生、第二新卒人材等、採用できる人材の範囲が増える等のメリットが生じる。採用難による優秀な人材の獲得が困難を極めるなかで、その選択肢が増えることはプラスに働く。また、学生にとっては、年間あるいは大学1年生から、就職活動の一環として、多くの企業をゆっくり見極めることができるため、メリットとして捉えることができる。

一方、これらのメリットを裏返せば、通年採用により人材獲得競争がさらに熾烈化する可能性があり、特に中小企業にとっては厳しい競争を強いられる。例えば、早期に学生へアプローチができることで、優秀な人材を早い段階で確保することができるが、そこは知名度の高い企業や安定力の高い大企業が優位に働く。また、学生にとっては通年採用により就職活動ができる機会が増えるため、他企業の内定を獲得できる可能性は継続的に生まれる。中小企業が人材を確保したとしても、内定辞退を受ける確率が高まり再度募集をかける必要がある。また、新卒一括採用と違い通年採用は採用時期の明確な区切りが無いため、採用活動期間が長期化することでコストが増える懸念も生じる。

通年採用により新卒募集のプロモーション方法も変化する。一括採用とは違い採用期間に明確な区切りがないため、常に採用に関する情報発信を行う必要がある。そのためには、求職メディアへの広告出稿だけではなく、自社の採用Webページの充実が不可欠である。特に中小企業の場合は、「企業風土」「理念や経営者の想い」「仕事内容」「やりがい」「職場環境」など、学生が重視する価値観に焦点を当てることで、給料や安定性だけではなく、自社の仕事環境に興味を抱いてもらうことが重要だ。 印刷会社には様々な業務がある。印刷業務は学生でも容易に想像できるだろうが、企画からデザイン加工まで一貫して携わることで世界に一つだけのモノを作ったり、デジタル施策と融合したプロモーション支援をしたりなど、印刷会社には印刷「プラスα」の魅力がある。こうした業務の広がりや、仕事の社会的意義を学生に伝え、さらに実際に働いている「人」を織り交ぜながら訴求していくと説得力が増す。そうした情報を、採用Webページを起点に、学生が接触するインスタグラム、Twitter、Facebook等のSNSやユーチューブ等の動画で能動的に発信することで、通年で訴求していくことは効果的である。

中小企業にとって、通年採用は厳しい競争下に直面するが、2022年以降は避けては通れないテーマとなる。印刷業界向けに通年採用に関する対策セミナーを企画し最新情報と対策について考察していきたい。

CS部 塚本 直樹

<関連講座>
●内定者教育に最適な通信教育「新入社員コース

秋の新入社員フォローアップセミナー

第3期 見える化実践塾

2020年4月スタート予定(期間は1年全5回)
限定5社!

短期間での「見える化」を実現!
”やり切る”サポートと取り組む企業の相互交流と
自己研鑚の場をつくります。

「見える化」という言葉は印刷業界にかなり浸透していますが、実践できている会社はまだ多くはありません。

その原因、ハードルとしては、

  1. 徹底できない(リーダーシップ不足)
  2. システムがうまく活用できない
  3. どこから手をつけてよいかわからない
  4. 社内原価(時間コスト)の調べ方がわからない

などが挙げられます。

本研究会では、座学と見学会、実践と発表を繰り返し、「見える化」のつまずきポイントを洗い出し、課題解決に向けて後押しします。

概要
日時 2020年5月スタート(1年間)。全5回(8日間)
受講対象 JAGAT会員企業様限定
従業員数 20名から200名程度
MISをすでに導入していること (自社開発でもパッケージソフトでもかまいません)
定員限定5社。1社4名まで参加可能
受講料1社 800,000円
※料金は税別、宿泊費、交通費、懇親会費別。
※社内での実践を推進するために1社4名様まで参加できます。
※4名を超える場合は、1名増えるごとに5万円をいただきます。
会場大東印刷工業株式会社(東京)
株式会社アサプリホールディングス(三重)
作道印刷株式会社(大阪)
公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム

本研究会では、寄り添うトレーナーの役割をJAGATが、そして、時には厳しい叱咤激励を行うご意見番として先進企業3社の社長が担当します。

成果発表日を最初に設定
実現の期限を決めて必ずやり切る

というスタイルをとります。
座学と見学会、実践と発表を繰り返しながら 「見える化」のつまずきポイントを洗い出し、「できない理由」ではなく「どうしたらできるか」をとことん追求していきます。

パンフレット(カリキュラムつき)はこちらから
まずはお問い合わせください。
研究調査部 花房(はなふさ) TEL:03-3384-3113、Email:pri「@」jagat.or.jp

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「見える化」による収益改善プロセス

印刷製品開発、マーケットインとプロダクトアウト

印刷製品は多種多様だ。市場規模の縮小傾向の中、新しい印刷製品やビジネスチャンスをつくり出すことは、課題のひとつだ。現在、JAGATのセミナーでも「印刷製品のアイデア道場」を企画している。ビジネスチャンスを広げる上では、マーケティングが重要だ。捉え方としては、サービス(商品)としてのマーケティングと経営戦略での自社のマーケティングがある。
周知のとおり、サービス商品としては、顧客のプロモーションやマーケティング支援などが上げられる。一方、自社のマーケティングは、自社の経営理念、自社の強み、市場ドメインなどを確立し、組織的にビジネスに取り組むである。印刷会社のビジネス展開では、その業態も様々である。

<プロダクトアウトが古いわけではない>

少し前までは、印刷会社は自社の設備に合わせたプロダクトアウトではダメで、顧客志向のマーケットインの発想が重要との議論もあった。そもそも二元論が無意味ということもある。両方の視点を持つことが大切だ。例えば、「ロボット掃除機」「iPhone」「ウォークマン」「電子レンジ」などの革新的な商品は、プロダクトアウトで開発されたものだ。印刷業でも自社の設備を活かした商品開発でのプロモーションツールや建材、文具などの様々事例がある。
・マーケットイン:「ニーズ志向」
※顧客に価値を合わせる
・プロダクトアウト:「シーズ志向」
※顧客に価値を気づかせる
モノづくりに強み持つ印刷業では、マーケットインとプロダクトアウトの両方を取り入れた発想も重要だ。

<商品開発の決め手はアイデア>

決め手は、アイデアだ。モノや情報が溢れた時代では、ユーザーの想定を超えた製品やサービスが必要になる。一方、自社の強みを理解し、新鮮なアイデアは簡単に出せるものでもない。指示や命令だけで良いアイデアを出すことは難しい。教育や訓練が必要だ。知識のバリエーションを「型」として学びつつ、実際にアイデアを生むために取り組むべきことは何かを知る必要がある。近々にセミナー「印刷製品のアイデア道場」として開講する。

(CS部 古谷芸文)J

デザイン設計の基本セオリー ~受講者の声~

●前回開催時の受講者アンケートより●

 

Q.1本講座で最も印象に残った講義内容や言葉は何ですか?

●「伸び悩むデザイナーは向こう側(クライアント以外にもエンドユーザーなどそのデザインを受け取る相手)が見えていない」
●ラフスケッチの重要性。元々ラフスケッチは書いていたので間違っていなかったと再認識できた
●タングラム「見方によって見える。考えすぎる人はできない(難しい)」
●デザイン要素の扱い方が特に、演習も楽しかった

Q.2 講座内容、講師について感想、ご意見・ご要望

●話が実践に即していたので興味深かった。テキストの内容も仕事で悩んでいたことを助けてくれるものだった
●現在デザイナーとしてどのようにスキルアップすれば良いか悩んでおり、本セミナーはそれに対する明確な答えをくれる内容であった
●広い範囲の知識がバランス良く吸収できた。特に割り付けの話は面白かった
●デザインに関する考え方を学ぶ事が出来た。先生の話も面白く楽しく学ぶ事ができた
●後半少し時間が余ったような印象だったのでグループワークなどもあると面白いと思った。講義中に質問もできると嬉しい

 

 

新入社員の意欲を引き出すミドルマネージャーの育成が急務

文部科学省と厚生労働省によると、2019年春に卒業した大学生の就職率は97.6%だった(4月1日時点)。1997年の調査開始以来2番目の高水準となった。景気拡大と企業の採用意欲を背景に売り手市場が続いており、2020年春卒の就職戦線も学生優位で進んでいるようだ。人材確保が難しい環境の中で、印刷業界を志望してきた新入社員はどのようなことを考えて入社したのだろうか。

 

■出世欲が少ない新入社員
「伸ばしたい能力・スキルは何か」の問いには「コミュニケーション能力」が31%でダントツであった。次に「技術力」「企画力・発想力」がそれぞれ19%となった。しかし、「リーダーシップ」と答えた人がわずか5%ということだ。これと関連した問いで「将来、経営幹部、管理職へ昇進したいか」では62%の人が「いいえ」と答えている。その理由は「昇進に関心がない」「責任ある立場を望まない」「専門分野のエキスパートを目指す」という回答だった。
印刷会社に第一志望で入社し、学生時代に身に付けた知識を生かし、残業も会社の命令であれば受け入れ、長く勤めたいという真面目な人が多いが、入社後は責任を持って周りと協調して仕事をしても、先頭に立って組織を引っ張っていこうという意欲を持つ人が少ないという実態が調査から浮かんでくる。

■企業は優秀な幹部及びミドル層の育成が急務
一方、リクルートマネジメントソリューションズの人材マネジメント実態調査によると、組織・人材マネジメントの問題として、「次世代の経営を担う人材が育っていない(82.7%)」が8割を超えた。次いで「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている(78.4%)」が続き、若手人材の早期戦力化によるミドルマネジメントの負担減とミドルマネージャーを経営幹部へ育成することが課題となる。

つまり、企業は経営幹部、ミドルマネージャーの育成が急務の課題であるが、若手社員がマネジメント層への昇進意欲が低い乖離が生じている。会社として採用した新入社員が真面目に協調性を持って長く働いてもらうことはもちろんだが、そのなかで将来組織を背負って立てる人材を育成しなければ将来は無い。そのためには、マネジメント層へ進むことの意義や面白さ憧れを見せていく必要があり、マネジメント層と一般の待遇面の差はもちろん、仕事の範囲、権限があることでできる、新たな挑戦やイノベーションによる遣り甲斐を、マネジメント層自らが感じて部下や後輩へ伝えていく必要がある。

働き方改革の名の元、企業は残業削減、ワークライフバランスを推進していく必要があり、マネジメント層の負荷は益々高まる。その一方、マネジメント層の役割は益々高まり、企業内における重要度は高まる。企業は経営幹部、ミドルマネージャーの育成し、やりがいを与えることでモチベーションを高めることが急務である。結果として、その背中を見た若手社員が成長意欲を持つことで、「将来、経営幹部、管理職へ昇進したいか」では62%の人が「いいえ」と答えたアンケートを「はい」に変わる時代になれば良い。

CS部 塚本 直樹

●JAGATは次世代の印刷経営幹部の育成機会として、ミドルマネージャーを対象にした経営幹部ゼミナールを9月にリニューアル開講
第36期印刷経営幹部ゼミナール