資格制度」カテゴリーアーカイブ

第52期DTPエキスパート認証試験 新出題項目

2019年8月25日(日)に実施する第52期DTPエキスパート認証試験の新出題項目を、下記の通り発表します。

■新出題・修正項目

(1)印刷用紙の組成と印刷適性

(2)DTPアプリケーションの基本操作

(3)RGBワークフロー

(4)色差の表現方法

(5)レンダリングインテント

(6)オフセット印刷機の用紙搬送

(7)オフセット印刷の版材

(8)電子写真の仕組みとトナー

(9)校正・校閲と検版

(10)油性インキとUVインキ

(11)インクジェット印刷の仕組みと色材

(12)欧文組版

以上の項目がそのまま問題数と対応するわけではありません。項目によっては2つ以上の出題になる場合があります。
また、新出題にともなって従来問題の入れ替え、統合、削除や改訂を行ないます。その結果、新出題項目を中心として全体の10~20%程度の問題が入れ替わることになります。

※ご注意

この発表はあくまでも新項目であり、新問題の発表ではありません。
試験の公平性維持の観点から、詳細な情報提供は行いませんのでご承知下さい。

(JAGAT 資格制度事務局)

課題解決のための『クロスメディアエキスパート論述対策講座』東京-大阪ライブ

クロスメディアエキスパート認証試験は、デジタルメディアと印刷メディアの効果的展開により、マーケティングソリューションを推進する人材を育成するための試験制度です。 複合的なメディア活用による課題解決に向けた企画提案のありかたを学んでいただく試験として、知識を問うだけでなく、実践への展開の第一歩として、企画提案を行うための記述試験を行っています。

※28期試験より、記述試験の設問形式が変わります。本講座は、新形式設問に対応した内容となります。

本対策講座では、

企画提案に必須となる施策立案のポイント解説を行い、提案へどのように展開していくか

を一連のプロセスとともに学んでいただきます。

※大阪会場でライブ中継聴講が可能です。

【開催日時】 2019年7月5日(金) 10:00~17:30

【内容】

過去試験での出題与件をもとに、企画提案書の骨子を記述する演習を行います。 試験で求められるポイントを押さえたうえで、与件を基に、現状分析→ターゲット設定→メディア施策立案へと進める企画手順と提案書作成方法を習得し、提案としての完成度を高めます。

  • 記述試験出題与件サンプルの読解と設問解説
  • 設問ごとの解答ポイント解説
  • 立案のポイントと検証
  • 答案への落とし込み

【対象】 クロスメディアエキスパート認証試験受験予定者

【定員】 20名(最少催行人数5名)

【講師】 影山 史枝 株式会社スイッチ JAGATエキスパート資格講座講師 DTPスペシャリスト
東北芸術工科大学非常勤講師 PCメーカーにて教育事業を担当。その後人材派遣会社にて派遣社員の教育全般、 画像処理メーカーにて出力業務、マニュアル制作など営業サポート業務を担当。現在は、印刷会社のテクニカルアドバイザー、教育機関のDTP講師、DTPエキスパート認証試験対策指導を行う。講演、執筆実績多数。

受講料 (税込)

講座名 東京会場 大阪ライブ聴講会場
一般 優待 一般 優待
企画提案書記述講座―論述試験対策― 14,040円 9,720円 11,880円 8,640円

優待料金:JAGAT会員・大印工組合員またはDTPエキスパート有資格者

振込先

※開催日の2日前までに下記の口座へお振込みください。

みずほ銀行 中野支店 (普)202430 シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ

会場

アクセスマップ

●東京会場 公益社団法人日本印刷技術協会 セミナールーム
東京メトロ 丸の内線 中野富士見町駅下車 徒歩5分

●大阪会場※ライブ中継聴講講座 大阪印刷会館セミナールーム
大阪環状線桜ノ宮駅より 徒歩5分

申し込み方法

Webからのお申込み

東京会場Web申込フォームへ

大阪会場Web申込フォームへ

FAXによるお申込み

下記より申込書をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、JAGAT販売管理担当(03-3384-3216)までFAX送信してください。お申込み内容を確認後、参加証をお送りします。

東京会場FAX申込書(PDF)※近日掲載予定   ►大阪会場FAX申込書(PDF)

お問い合わせ

☞お申込みについて 販売管理 TEL(03)5385-7185
☞講座内容について CS部資格制度事務局 TEL(03)3384-3115
E-MAIL: cme@jagat.or.jp

☞大阪ライブ中継聴講について 西部支社 TEL(06)6352-6845

第28期クロスメディアエキスパート認証試験実施要項

人材育成の早道~JAGATエキスパート資格試験 申請受付開始

本日(6/25)より8月25日(日)に実施する第52期DTPエキスパート認証試験及び第28期クロスメディアエキスパート認証試験の申請受付を開始した。
これからの時代は設備ではなく人材への投資が必須といわれる中、目的にかなった知識やスキルを効率よく学べる資格試験は、今求められる人材育成の手段として有効かつ早道であると言える。

JAGATはシンクタンクとして業界の将来を展望し、方向性を示唆し、その方向に沿った具体的な施策講ずるという使命を負っており、また教育機関としてそれらが定着すべく様々な手段を通じで人材育成に貢献していかなければならない。
その、一つのソリューションがJAGAT資格認証制度である。

DTPエキスパートは、25年以上にわたって日本のDTPの定着と標準化を促し、そのカリキュラムは印刷業界の教育のスタンダードとなったと自負している。カリキュラムは2年ごとに改訂し続けており、印刷技術の基礎知識、色や文字組版、画像の知識から現代のビジネスに欠かせない新しいテクノロジーやコミュニケーション関連の知識を網羅している。
したがって、印刷および関連業界に携わる人が基本的に身に着けるべき学びの集大成となっており、入社3年目くらいまでに取得を目指すことをお勧めしている。
印刷会社を顧客とするメーカー・ディーラーの人たちが、印刷業界の共通言語を学ぶべく取り組む例も多い。

クロスメディアエキスパートは、業界が新しい方向へ踏み出す道筋として、印刷の新たな付加価値生み出すとともに印刷メディアが置き換わっていく先のメディア戦略のコーディネーター育成を目指している。
例えば印刷をマーケティング情報と連携させ、デジタル技術との掛け合わせによって新たな印刷会社のビジネスを開発していく、つまり、JAGATが昨年来標榜する“デジタル×紙×マーケティング”を具現化できる人材を認証する制度である。

教育手段としての資格受験が、効率的で明確な学習効果をもたらす早道であると考えられる理由は、

1)カリキュラムにより学びの範囲、目標が明確になっている
資格試験であれば公開されているカリキュラムに試験範囲が明示され、どのような知識、スキルが求められているか理解できる。そしてカリキュラムはJAGATの研究調査活動を通じて、時代の変遷とともに業界にとって必要な人物像、求められる役割を集約したものである。

2)学習期間の設定が容易
年に2回の試験日が決まっているので、メリハリの効いた、あるいは集中的な学習が可能である。ダラダラと時間を無駄にすること無く効率的な学習機会が得られる。

3)さまざまな学習ツール、機会がある
受験対策用に各種参考書やセミナー、通信教育、模擬試験問題などが用意されているので、それぞれの理解度、進捗度に応じて学習方法を組み合わせることが可能。

4)試験により達成度、学習成果が明確化される
試験結果は評価の全てではないが、合格という明確な判定はやはり達成感と今後のモチベーションにもつながり、たとえ不合格であっても次のステップ(どうすべきか)が理解しやすいであろう。

両資格とも試験日まで約2か月ある。集中的に取り組むのであれば今からでも決して遅くないので、興味のある向きはJAGAのホームページから資料請求をしてみてはいかがだろうか。

(JAGAT資格制度事務局 橋本)

<関連情報>
第52期DTPエキスパート認証試験(8月25日) 申請受付開始 
 6月25日~8月5日(締切)
 
第28期クロスメディアエキスパート認証試験(8月25日) 申請受付開始 
 6月25日~8月5日(締切)


クロスメディアエキスパート認証試験 解答形式を改定

公益社団法人日本印刷技術協会(略称:JAGAT、東京都杉並区、会長:塚田司郎)は、2019年5月27日、同協会クロスメディアエキスパート認証制度の試験形式の改定内容を発表しました。

クロスメディアエキスパート 論述試験の解答形式を変更

クロスメディアエキスパート認証試験とは、「デジタル×紙×マーケティング」ビジネスを推進する「企画提案型人材の育成」を目的とした制度です。2006年以来、27回の試験を実施しており、延べ受験者数は約4,000人、合格者累計は1,323人となっています。

この試験は、「マーケティング」「メディアとコンテンツ」「デジタルメディア知識」を問う択一式の学科試験と、顧客企業のヒアリング報告書を読み、コミュニケーション戦略の企画提案書を作成する論述試験の2部構成となっています。

受験を通じて、クロスメディアビジネスに求められる知識と企画提案力を習得することができます。

第2部の論述試験は、従来、提案書全体をフリーフォーマットで記述する方式でした。新たに提案書の要素を個別に記述する固定フォーマット方式に変更します。

この変更によって、設問に対してより適切な解答を記入しやすくなり、結果的に実践的で質の高い企画提案を記述することが期待されています。新解答フォーマットの詳細は、同協会のWebページにて公開しています。

論述試験形式の変更は、2019年8月に実施する第28期試験より適用されます。

クロスメディアエキスパート論述試験 新解答形式サンプル

次回クロスメディアエキスパート認証試験の実施予定

【 試験日 】   2019年8月25日(日)
【受験申請期間】 2019年 6月25日(火)~8月5日(月)

エキスパート優待案内 2019年夏

エキスパート有資格者の皆様に提供させていただく各種優待制度のご案内です。
エキスパート受験予定者向け資格者ご本人優待や、現役エキスパート推薦による受験予定者に向けたご優待をご紹介しています。

  • 優待の申込は期間限定です。各ご優待の申込期限を必ずご確認のうえ、お申込ください。
  • 今後も優待制度のご案内はメールでお送りしてまいります。ぜひ基本台帳にメールアドレスをご登録ください。

    エキスパート優待制度

    1.有資格者ご本人ご優待

    ダブルライセンス取得推進優待

    受験予定者入手必須の模擬試験問題を無料にて進呈いたします。
    この機会に是非DTPエキスパート/クロスメディアエキスパート 2種の資格取得をご検討ください。

    2.第52期DTPエキスパート/第28期クロスメディアエキスパート受験予定者ご優待

    メディアビジネスの牽引役となるべきより多くの人材に対し、本試験を受験しやすい環境を提供するため、現役エキスパートの方のご紹介により受験予定の方の 受験準備にご利用いただける優待特典をご案内いたします。

    優待特典

    模擬試験問題を無料送付

    優待対象者

    第52期DTPエキスパート/第28期クロスメディアエキスパート認証試験を受験予定で、今後印刷メディア設計およびコミュニケーション戦略の企画提案展開等に臨む可能性のある方。

    • 優待制度の趣旨に鑑み、受験を予定していない方のご利用はお断りいたします。
    • お申込みには、ご紹介者となるエキスパート有資格者のエキスパートIDおよびお名前が必要となります。

    申込方法

    申込期間 2019年6月25日~2019年8月5日

    エキスパートWeb基本台帳より優待特典利用申込書をダウンロードのうえ、各優待の申込期間内にお申込みください。
    エキスパートWeb基本台帳 ログイン

    ログインには、エキスパートIDおよびパスワードが必要です。
    パスワードがお手元にない場合は、ログイン画面の「パスワード照会フォーム」より取得してください。

    ログイン後画面
    エキスパートWeb基本台帳優待案内リンク表示
    • ご住所など登録情報に変更はございませんか?エキスパートWeb基本台帳でご登録情報をご確認ください。
    • 基本台帳はメンテナンスのため6月下旬より一時的にアクセスできなくなることがございますのでご注意ください。
    ご注意

    第52期DTPエキスパート認証試験/第28期クロスメディアエキスパート認証試験の受験は、別途申請が必要です。
    受験申請は、下記より行って下さい。
    第52期DTPエキスパート認証試験 受験申請
    第28クロスメディアエキスパート認証試験 受験申請

    対策セミナー優待価格受講

    試験対策セミナーをお得な優待価格でご受講いただけます。
    ※有資格者ご本人がもう一方の資格の取得のためにセミナー受講される場合も優待価格で受講いただけます。【有資格者ID】欄に、既に取得している資格のエキスパートIDをご記入ください。
    お申込み方法等詳しくは、各対策セミナー案内ページよりご覧ください。

    【2019/6/27 大阪開催】DTPエキスパート受験対策講座

    一般:9,720円(税込)
    ⇒ 優待(JAGAT会員・大印工組合員・DTP有資格者紹介優待):7,560円(税込)

    *最新模試験問題含む

    【2019/7/5】課題解決のための『クロスメディアエキスパート論述対策講座』東京-大阪ライブ

    ●東京会場

    一般:14,040円(税込)
    ⇒ 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者):9,720円(税込)

    ●大阪ライブ中継会場

    一般:11,880円(税込)
    ⇒ 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者):8,640円(税込)

    【2019/7/20 東京開催】第52期DTPエキスパート対策講座―試験問題ポイント解説―

    ●模擬試験およびポイント解説講座(全日受講)

    一般価格:16,200円(税込)
    ⇒ 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者紹介優待):9,720円(税込)

    ●ポイント解説講座のみ(午後受講)

    一般価格:14,040円(税込)
    ⇒ 優待(JAGAT会員またはDTPエキスパート有資格者紹介優待):8,640円(税込)

*最新模試験問題含む

【資格者インタビュー】印刷を知ることで デザインの可能性を広げたい

レンゴーグループの朋和産業株式会社は、軟包装を軸にパッケージング・ソリューション・カンパニーとしてデザインの提案から製品の製造まで一貫生産体制でサービスを提供する。桑原 麻理子氏は入社7年目で、現在は軟包装パッケージの製作業務を中心に活躍中である。

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桑原 麻理子氏

朋和産業株式会社 営業部門 開発本部マーケティング部一課

現在はどのようなお仕事を担当しているのですか。

デザイン系の学校を卒業後、新卒で入社しました。軟包装パッケージを中心に印刷用版下データの制作、印刷会社へ のデータ入稿、文字校正、色校正など後工程のスケ ジュール管理といった業務を担当しています。

DTPエキスパート資格を取得したきっかけは何ですか。

入社時は、特に印刷の知識はありませんでした。もちろん、グラビア印刷の仕組みなどの研修はありましたが、デザイン職として実際の業務を始めると、印刷 しにくい色やデザインを避けてほしいと言われても、なぜそれがダメなのかが納得できませんでした。疑問に思って製版、製造部署の人に聞いても、「トーンジャンプが起こる」とか、「印刷のときつぶれる」などと専門用語が出てくると、どのような意味で言っているのか、なぜそうなるのかが分かりませんでした。そこで、まずは印刷の仕組みや用語を知らないと、なぜそのデザインがダメなのか製版部へ問い合わせることができないと思い、広く印刷の勉強をしようと考えました。そうした内容の勉強方法を探した際に、DTPエキスパート認証試験を見つけ、適切と思い取得することにしました。

お客様から見たら、印刷会社が提案してくるデザインは正しく印刷できるものと思っていただいているわけで、そうでなければ信頼を失います。そういった自分の立ち位置を認識し、しっかりと印刷を理解したうえでデザインを作りたいと思うようになりました。印刷の難しさを考慮することで表現の幅を狭くしてしまう可能性もありますが、印刷を理解していれば、逆にこういう表現は可能か、どういう対策をしたら可能になるかを製造現場の人と相談しながら、新しい表現にチャレンジできるのではないでしょうか。

DTPエキスパート認証試験はオフセット印刷関連の知識が中心となっているため、グラビア印刷と重ならない部分もあるのですが、広く印刷の知識を身に付け各印刷方式の違いを知ることにより、グラビア印刷の利点を理解して現在の業務にも生かしたいと思っています。

資格取得のために勉強してみて、仕事に生きている部分はありますか。

最も有効だと思うのは、色に関する点です。色の見え方の仕組みなどを理解できたことは大いに役立って います。よく「色が合わない」と言われますが、ちょっとした環境が変わるだけでも色は安定しないということ、だからカラーマネジメントが大切だということを実感しています。出向先での業務では、フィルム包装だけでなく、紙のパッケージやシリーズ商品の印刷など、印刷物ごとに別々の印刷会社にデータ入稿することがあります。そうなると、各社印刷方式や印刷環境が異なりますから、基準の色に統一していくことには非常に気を使いますし、難しい部分です。

また、情報デザインの内容も勉強になりました。デザインはなんとなく見た目良く作れてしまうところがあり、最初はそこに疑問を持っていませんでした。2年、3年と経験を積むうちに、自分の中で、何を根拠にこれを作っているのだろう、何を根拠にこのデザインをお客様に提案しているのだろうと思うことが出てきました。なぜそのようなデザインをしているのかを自分の中で消化したうえで表現しなければ、説得力のあるデザインはできないと考えています。理論や知識の裏付けがあることで自信を持ってデザインできるようになったという点は、現在の仕事に生きていると思います。

情報システムカテゴリーで学ぶコンピューターの仕組みなどは、普段何気なく扱っているデータのつくりなど知らないことが多かったので、興味深く勉強できました。

パッケージならではの難しさはありますか。

一般消費者向け製品のパッケージに携わっているので、いかにして店頭で商品を手に取ってもらえるかという点において、パッケージは重要な役割を果たしていると思います。パッケージは商品の顔であり、ひいてはブランドオーナーの顔でもありますから、デザイン面、品質面ともに、お客様の要望に応えていけるように心掛けています。それでも商品企画が二転三転したり、いざ市場に出してみると思ったような反響が得 られずパッケージ変更となってしまったり、ということもあり、難しさを感じています。

今後、こんな仕事をしてみたいということはありますか。

自分の手掛けた商品がス―パーなどの店頭に並ぶと、やはり達成感、やりがいを感じます。今はフィルム包装の仕事が主ですが、もっと広く紙を含めたページものや広告デザイン、セールスプロモーションなどさまざまなデザインに携わってみたいという希望もあります。それぞれの領域で求められる決まりごとや業務知識もあると思うので、勉強する意識は持ち続けていきたいと思っています。

そういう意味では、先日初めて受けたDTPエキスパートの更新試験は、新しい分野の問題もあり、答えるためにいろいろと調べなければならず、良い勉強の機会になりました。

取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
-JAGAT info 2019年2月号より転載(一部改訂)-

2019年3月本試験・4月更新試験結果通知発送

本日下記試験の結果通知を発送いたしました。

第51期DTPエキスパート認証試験
第27期クロスメディアエキスパート認証試験

第51期DTPエキスパート認証更新試験
第27期クロスメディアエキスパート認証更新試験

JAGAT資格制度事務局

【資格者インタビュー】未来を見据えた 自発的なスキルの形成

広研印刷株式会社 メディア情報本部に勤務する三枝 祐介氏は、2010年よりDTPオペレーターとしてのキャリアを始め、広研印刷株式会社に入社して5年目となる。「会社の業務の方向性の中で自身に求められるものは何か」「未来を見据え自ら習得すべきスキルは何か」に対し意識的に取り組む三枝氏の活躍についてお話を伺った。

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三枝 祐介 氏

広研印刷株式会社 メディア情報本部メディア制作部

 

会社ではどのような業務を担当していますか。

DTP 制作を行うメディア制作部において、InDesign、Illustrator などのDTP オペレーションを主に行っています。場合によっては面付けやDDCP 出力などの製版業務も行います。その上で、品質担保のための確認作業の効率化(事故防止のためのデータチェック)と、制作作業の効率化(時短・作業精度向上)といった部分で、それらを自動化するスクリプトを管理開発、保守運用する業務も行っています。

私のチームには現在、私を含め6 人の社員がいますが、そのリーダーとしてチームマネジメントをしながら、これらの実作業も行っているという立場です。

DTP 関連のスクリプト開発運用については、どのように習得したのですか?

当社では多能工化が推進されており、さまざまなスキルを身に付けることに対する会社のサポートもあります。そうした中で、制作部としてどのようなスキルがあると会社に貢献できるかという点を上司に相談したところ、「スクリプトに興味があるならやってみるといいよ」といった示唆がありました。スクリプトを書ける先輩がいたこともあり、また自らやってみようという気持ちがあって手を挙げ、勉強を始めました。先輩にアドバイスをいただきながら、途中からはほぼ独学で幅を広げていき、面白くてどんどん詳しくなっていきました。現在では、他部員からのスクリプト制作依頼やクレーム対応時にスクリプトでカバーできる部分がないかなど相談の窓口となり、スクリプトの知識のある同僚も交えて検討しながら橋渡しをしつつ対応しています。

エキスパートを取得しようと思った動機は何ですか?

制作・製版部門であるメディア情報本部では、全員がDTP エキスパート取得を義務付けられています。また、営業部などでも取得が推奨されています。DTP エキスパート取得以前は製版の知識が印刷の知識に結び付かないまま制作を行っていましたが、この資格を取得することにより、印刷の全体工程にわたる知識を習得し理解したうえで業務に取り組めるという足元固めとなりました。

クロスメディアエキスパートについては、何か自身のスキルアップのために資格を取得しようと思い検討し、日常業務に直結するわけではないものの、デジタル関連技術の部分では関連する内容も含まれるクロスメディアエキスパートを取得したいと思うようになりました。資格取得について会社に相談したところ、教材やセミナーの費用は全て負担してもらえました。

クロスメディアエキスパートへのチャレンジは、最初はDTP とはまるで違う山を登っているように感じました。DTP エキスパートはどの分野も直接的に自分の業務につながっているイメージがありましたが、クロスメディアエキスパートでは、予算や工期、マーケティング、環境、経営といった内容が含まれ、どこから手を付けていいか分からないほど未知の分野でした。人に聞いたりインターネットで調べたりしているうちに、少しずつどのような情報ソースに当たればよいかが分かるようになりました。

この資格に取り組んだおかげで現状の社内業務では触れることのなかった領域を知ることができ、新たな視点を得られたところが良かったと思います。ただ、知識という部分ではDTP 業務と関連するところはあると思います。当初まったく勉強せずに問題を解いたときは、6 割ぐらいしか分からなかったのですが、その中でも技術的な問題はほぼ解けました。普段DTP 業務の関連でスクリプトを扱っているので、ネットワーク関連や言語に関するところなどでは日常業務の考え方を生かせたと思います。自分にとっては、マーケティング関連の問題が難しかったですね。逆にそれを詰めていけばいけるかもしれないな、というのが最初の感触でした。

クロスメディアエキスパート取得後、業務に生かされている部分はありますか?

普段制作部の人間は、業務全体の中のごく限られた部分にしか関わっていないため、その部分しか見えていない面があると思います。DTP エキスパートと合わせてクロスメディアエキスパートを取得したことで、page やIGAS などの印刷関連イベントに出向いた際に、印刷という仕事に対するアプローチについて川の上流から下流までの全体を大きく見渡せるようになっていると実感しました。マーケティング、経営などもっと大きな視野で流れを見ることができるようになったと思います。例えば見積もりを出すにしても、自分たち制作の人間は、制作に関する部分しか費用面の知識がなく、企画や開発などにどれだけの費用がかかるといったことを知らずにいました。クロスメディアエキスパートではこうした費用感を学ぶ必要もあるので、業務全体を知るのに役立ちます。自分の関わる仕事に対して、業務全体の中の制作業務の位置付けを感じながら、見通しを持って向き合えるようになりました。

また、営業担当者との会話の中でも、話題に出てくることの意味に察しがつくようになり、今の話題が業務全体のどの段階の話なのかといったことを推し量れるようになるなど、コミュニケーションが図りやすくなったように感じています。

さらに、マーケティングの知識が身に付いたことで、顧客の関心の度合いなどを踏まえてサービスに落とし込んでいくといった考え方ができるようになりました。こうした点は、社内において自らサービスを作りたいと思った時にも役立ちます。現在の自分の業務で言えば、スクリプトを開発運用するにあたっても、社内のニーズを拾って形にして運用フローにのせる、という捉え方は、マーケティング思考が採り入れられたことで良い方向に働いていると思います。現在の業務の課題として会社から言われているのは、「数字を上げることと品質を上げること」です。その課題を解決するためもありスクリプトを使っているわけですが、そうした対策を有効にするには、自分の目の前の業務だけでなく、その前後の工程も把握して全体で捉えなければなりません。全体最適を念頭に置いたものの見方ができるようになった意味は大きいと思います。

社内では、自らの意思でのスキルアップを応援してもらえる空気がありますか。

会社からは「勉強しろ」とはよく言われていますが、強制はされません。自分は、自らやってみたいと思うことに積極的に取り組む性質なのですが、そんなときも社内のさまざまな業務の実務に精通している方々にアドバイスをもらうこともできます。学んでみたいことを自ら提示すると、意思を尊重してサポートしてくれる職場だと思います。

費用面では、参考書籍を購入したり社外のセミナーに参加したりする際は、ほぼサポートしていただいています。自分から勉強したいと思う人には、恵まれた環境だと思います。

その他自身のスキルアップのために取り組まれていることはありますか?

InDesignなど社内に詳しい人がいることについては社内で教えてもらいますが、それ以外の場合はインターネットで調べたり、Twitter で人に教えてもらったりしています。まず関心のあるテーマについて詳しい方に対して自らアクションをとって教えてもらうようにしていますね。参加したセミナーの出席者に自らアプローチし人脈を広げて学ぶこともあります。その分野に詳しい人が一人いれば、そこからたくさんの情報が得られることが多いのです。

各種勉強会などに参加して人脈を広げ、時には自分が講師となって人に教えることもあります。社外で学びの場を持つことでかえって自社の強みが見えるところもあり、また外部からの刺激を受けることもあるなど、よい循環となっていると思います。

今後のご自身の仕事の展開について、どのような展望をお持ちですか。

今後はウェブの開発などを絡めて仕事の範囲を広げていきたいと思い、今勉強しているところです。例えばPDF 入稿によるWeb to print のワークフロー開発などは営業担当者との雑談で話題に出たりもします。こうしたビジネスモデルはDTP オペレーターが介在しない業務を想定することになりますが、時代の要請にも応えながら業務を捉えなければなりません。そのためには、なるべく幅広く勉強して先手を打ち、仕事の範囲を広げる必要があると思っています。会社の業務が広がり存続していかないことには、個々の仕事も続きませんので、会社が変化すれば、自分たちも変わっていかなければならないと思っています。

取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
-JAGAT info 2019年2月号より転載-

【資格採用企業インタビュー】経営陣自ら資格を取得し 社員の意欲を引き出す

新宿区西早稲田に本社を置くタクトシステム株式会社は、カタログ制作を中心に業務を展開するコンテンツ制作会社である。現在では、カタログ制作の業務改善提案や、エンドユーザーへの訴求効果を高める手段の提案など、マーケティング業務も視野に事業を展開している。
取締役の大熊 努氏は、2017年8月のクロスメディアエキスパート資格取得に続き、2018年8月にDTPエキスパート資格も取得した。経営陣自ら両資格に取り組まれた背景を含め、タクトシステムの人材育成方針等についてお話を伺った。

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大熊 努 氏
タクトシステム株式会社 取締役/経営管理本部長

貴社の事業と最近の傾向についてご紹介ください。

10 年ほど前、通信系の上場会社であるフォーバルテレコム株式会社が、当社を100%子会社化しました。私自身もフォーバルテレコムグループ出身のため、印刷業界は経験ゼロというところから始めています。もともとフォーバルグループは通信系の会社が中心であるため、グループ内での当社の位置付けは異質に感じられるかもしれませんが、顧客基盤の共通化による異業種シナジー効果を期待していました。

当社はカタログ制作が売り上げの7~8 割を占めています。ただし、カタログによる訴求効果が薄れてきている面もあり、お客様からは従来通りのカタログだけでなくさまざまな手段を提案してもらえないかという要望があります。こうした現況を踏まえ、マーケティング視点を持ったエンドユーザーとのコミュニケーションを念頭に置いた提案や、カタログ制作での業務効率改善の提案なども行っており、現在はそうした業務の比重が高まってきています。

従来事業に加え新規事業も増えていく中で、貴社では人材にどのようなことを求めていますか。

人材育成については、OJT だけでは欠落してしまうところがありますので、資格を取得して知識の欠損を埋めることを推進しています。フォーバルグループの会長(大久保 秀夫 会長)は自らも国家資格を取得するなど、グループ全体で前向きに資格取得に取り組むことを推奨してきました。

10年前の子会社化の際、フォーバルテレコムの上層部は当社でも資格取得に取り組もうと話したのですが、当時社員には資格取得に対して懐疑的な空気がありました。3年ほど前にフォーバルテレコムから現社長(梅林 保典 社長)が社長に就任後、あらためて資格取得を推進していこうという機運が本格化しました。梅林自身も資格取得については非常に積極的に取り組んでいます。

トップダウンで資格取得を推進するのは難しい側面があると思いますが、資格取得の機運が高まった要因は何ですか。

グループ内の会社で積極的に取り組んでいるため、当社でもやらざるを得ないという雰囲気になってきました。外圧の影響というのでしょうか。当初社員は嫌々取り組んでいる感もありましたが、そのうち積極的に取り組む人間が出てきました。会社の推奨資格は幾つかあるのですが、その中で比較的やさしい資格から取り掛かっていき、最終的には当社の核であるDTP 制作に最も近い資格であるDTP エキスパートを筆頭に取得してほしいという方針を掲げ、3年近くが経過したところです。現在では、資格取得を盛り上げていこうという声が社員の中から立ち上がってくるようになりま した。

貴社のウェブサイトには、取得資格の一覧など詳しく掲載されていますね。

ウェブサイトで掲載もしていますが、さらに資格取得を推進する中で、毎月一回資格取得者を掲載した社内通達を出し、全社員に対し閲覧を必須としています。会社推奨資格のうち、新たに資格に合格した社員の情報と、これまでの取得者、累計合格者の一覧をまとめたものです。当社の推奨資格には3 段階あり、推奨資格、昇格要件資格、一時金支給対象資格、というものがあります。エキスパート認証資格はその全ての対象となる資格に位置付けています。これを定期的に社員の目に触れるようにし、各自の取り組み意欲を刺激しようというのが目的です。

費用面の会社からのサポートとしては、全ての推奨資格について、合格の場合受験料を負担し、また一時金対象資格については、資格ごとに規定を決めて一時金を支給しています。

資格取得に対して社内を盛り上げる雰囲気づくりでご苦労された点、工夫された点はありますか。

今、中心的に取り組んでいるのは若い層なのですが、マネージャー層にはまだ資格取得に対するアレルギーがあるようです。これを解消するには、まずは経営陣である私自身が会社推奨資格をすべて取得したうえで、こういうメリットがあるということを話していこうと思い、今回もDTPエキスパートに取り組みました。

実際に取得してみると、この資格の必要性を実感しました。オペレーターや制作業務者向けに最適といわれている資格かもしれませんが、私が取り組んでみて感じたのは、営業部門や生産管理部門などが取得するとむしろ良いのではないかという点です。体系的な知識が身に付くため、トラブルがあったときなどの知識の拠りどころになります。今後そういう方向で勧めていこうと思っているところです。

資格を推進することで、社外からの反響はありますか。

弊社CMB(クロスメディアビジネス)事業部門に、クロスメディアエキスパートを取得した者がいるのですが、その者が中心となり営業とタッグを組んで、資格で得た知識をベースにして弊社のマーケティングを積極的に行っています。クロスメディアからスタートしまして、GAIQ(Google アナリティクス個人認定資格)で得たスキルなども含めて弊社のマーケティングを行ったところ、その成果が表れてきているのです。今まで新規開拓が思うように進まなかったのですが、ウェブやマーケティングオートメーションなども絡めて取り組んだところ、今まで弊社が相手にしていただけなかったお客様からお問い合わせが来るようになりました。資格取得推進が営業面、顧客開拓に結び付いたという実感があります。

会社として資格に取り組むメリットはどのような点ですか。

資格で得た知識が業務に直接生かせるという点が最も大きいと思います。

私は、学生の頃に公認会計士の勉強をしたことがありました。資格に向けた勉強の中で得た知識が30年たった今の業務に非常に有効に生きていると感じています。ですから、この業界での大型資格と言えるDTPエキスパートを勉強することで得た知識やツールの使い方などのスキルは、業務に大きく生かされてくると思います。そうした勉強とは確実に身になるものなのだ、ということを社内で伝えて啓蒙していき、社員をやる気にさせていきたいと思っています。

人材の成長を促すプロセスとして、資格以外に取り組まれていることはありますか。

基本的に外部のさまざまな研修を受けさせています。DTP に関するものはもちろん、またDTP の周辺領域として、最近ではRPA など、印刷だけではなく他の領域との接点に関わる研修にはよく参加させています。その他展示会なども含め、業務に役立つものであれば、部門長の判断もありますが、行けるときにはできるだけ参加し、成長してもらいたいと思っています。

今後、社員にはどのような人材に成長してもらいたいとお考えですか。

本来の業務に関する知識はエキスパート資格により補完するよう取得を促進していくとともに、簿記検定などにも取り組み、会社の数字も分かる社員、経営者の視点を持つ社員に育ってほしいと思っています。自分たちの業務がどれだけ会社としての成果につながっているのかという点を客観的に数字で捉えることは重要です。制作業務など目の前の作業のみを中心に行っていると数字意識を持たなくなりがちですが、会社組織ですから、会社の目線でも考えられる視点は持ちつつ成長してもらいたいと思います。

取材・まとめ JAGAT CS部 丹羽 朋子
-JAGAT info 2019年2月号より転載-