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2016年9月実施更新試験専用サイトへのログイン情報配信予定

9月1日より開始します第46期DTPエキスパート/第22期クロスメディアエキスパート認証更新試験につきまして、更新試験専用サイト(CBTサイト)へのログイン情報は、

8月29日(月)に配信

予定です。

基本台帳上のご自宅メールアドレス欄にご登録のメールアドレスあてに配信いたします。
(配信が完了しましたら、あらためて本お知らせ欄に掲載いたします。)

ご案内まで今しばらくお待ちください。

【クロスメディアキーワード】プロジェクトとPMBOK

クロスメディアキーワード【第3回】

プロジェクトは、主に組織の戦略計画を達成する手段として実施され、管理手法としてPMBOKが活用される。

組織とプロジェクト

組織において定常業務が継続的・反復的であるのに対し、プロジェクトは独自の製品やサービスを創造するために実施される有期的な業務である。

多くの組織にとってプロジェクトは、その組織における通常の業務範囲内では対処できない要求に応えるための手段である。プロジェクトは組織のあらゆる階層 で実施され、1人から数千人規模の場合もある。アライアンスやジョイント・ベンチャーなどでみられるように、組織の境界を超える場合もある。

プロジェクトの特性

プロジェクトの特性の1つである「有期性」とは、どのプロジェクトにも明確な始まりと終わりがあることを意味している。プロジェクトと定常業務の目的は本 質的に異なり、プロジェクトの目的は、その目標を達成して終結することである。継続的な非プロジェクト型定常業務では、ビジネスを持続させることにあるの が普通である。

さらに、プロジェクトの特性の1つとして、「段階的詳細化」がある。段階的とは、「ステップを追って進め、継続して着実に 内容を追加すること」を、詳細化は、「注意深く詳細に練り上げ、完全に作り込むこと」を意味している。製品やサービスの特性は、プロジェクトの初期段階で 大まかに定義され、プロジェクトチームが成果物をより良く、かつ、より完全に理解することに従い、明確で詳細なものとなる。

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)

PMBOKは、プロジェクト活動を管理するための基本的な考え方、手法をまとめたガイドであることから、ガイドに従うだけでは、様々なビジネスに使用できる具体性はないが、概要を理解することで、プロジェクト管理手法として礎として活用できる。

PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに関する知識体系である。アメリカにあるプロジェクトマネジメント関する技法を研究している団体である PMI(Project Management Institute)がまとめている。現在は、PMBOKに従いプロジェクトマネジメントを実施することが、国際標準となっている。PMBOKの内容は、 4年に1回改訂が行われており、2012年に英語版である第5版が公開された。

管理体系の分類とプロセス

PMBOKは、プロジェクト管理体系に関する知識を9つに分類し、さらに、プロジェクトのフローを「立ち上げ」「計画」「実行」「管理」「終結」といった、5つのプロセスに区切り、9×5の中にどのプロセスで何を作成・管理すべきかを定義している。

9つの知識エリアは、日本の製造業において従来から使われてきた3つの管理項目である「品質管理」や「コスト管理」、「納期管理」に対し、「スコープ管 理」、「人的資源管理」、「コミュニケーション管理」、「リスク管理」、「調達管理」といった5つの分類を加え、それらをトータルに管理する「統合管理」 を含めたものである。プロジェクトの請負範囲や成果物が何であるかを定義・計画する分類は、スコープ管理にあたる。

個別の知識エリアにお いて、「コスト管理」では「コスト見積書」、「人的資源管理」では「プロジェクト体制図」や「リソースヒストグラム」といった、計画のアウトプットが作成 される。これらは相互に関連し、統合管理で各計画の整合性を保つ。「プロジェクト計画書」は、他エリアの計画プロセスで作成する計画ドキュメントと重複し ないように配慮する。

また、プロジェクト体制の構築、プロジェクトメンバーの確保、プロジェクトメンバーの育成を行う知識エリアは、「人的資源管理」である。ただし、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーといった中心人物の選任については、スコープ管理の「立ち上げプロセス」の 範疇になっている。

「人的資源管理」のアウトプットは、プロジェクトスタート時に速やかに作成し、受注業務においては、受注側だけでなく、発注側の体制についても明記する。

スコープ定義とWBS(Work Breakdown Structure)

スコープ定義(Scope Definition)とは、プロジェクトの主要な要素成果物を小さなマネジメントしやすい構成要素に分解することである。その目的は、①コスト、所要期 間、資源の見積りの精度を高める、②実績を測定し、コントロールするベースラインを決める、③明確な責任分担を促進する、が挙げられる。適切なスコープ定義は、プロジェクトを成功に導くために極めて重要である。

PMBOKでは、要素成果物によりプロジェクトの構成要素をグループとし、プロ ジェクト全体のスコープを系統立ててまとめあげ、定義したものをWBSという。の各項目には一般に固有の識別子が付けられる。これらの識別子により、コス トや資源を階層により集計する仕組みを表す。特にアーンド・バリュー・マネジメント方式を採用している組織では、WBSの最下位レベルの項目を「ワーク パッケージ」と呼ぶ。この「ワークパッケージ」は、下位のサブプロジェクトにおけるWBSとして、さらに分解されることもある。

リスク識別

リスク識別(Risk Identification)とは、どのようなリスクがプロジェクトに影響を及ぼすかを見定め、その特性を文書化することである。リスク識別はプロジェ クトの全期間で定期的に実施する。またリスクを識別するために、「リスクそのもの」と「トリガー」、「他のプロセスへのインプット」の3つがアウトプット となる。トリガーは、リスクの兆候(リスクの警鐘)とも呼ばれ、リスクが発生した、あるいは発生しようとしていることを示すものである。例として、中間の マイルストーンに遅れることはスケジュールの遅れが差し迫っているということが早期警報である。また、他のプロセスへのインプットで、リスク識別により他 の知識エリアでさらに対策を講じる必要性が明確になる。スケジュールが不完全、論理的でないなどが例として挙げられる。

コンティンジェンシー計画(Contingency Plan)は事前に、プロジェクト計画中に識別したリスクが発生した場合に適用する。前もって計画を立てておくと、リスクが起こったときの対応コストを大きく減らすことができる。

例題

PMBOKにおけるプロジェクトの定義に関する記述として最も不適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア プロジェクトとは、以前に同等のものが実施されたことがなく、新しく行う独自の活動である。
イ プロジェクトチームは、プロジェクトの目的を遂行するために編成され、プロジェクトが終結した時点で解散する。
ウ 1人で実行されるのは業務であり、プロジェクトではない。
エ プロジェクトでは、進行と共に具体性が増すため、初期段階では製品やサービスの仕様は、大まかに定義される。

[解答群]
 ①ア ②イ ③ウ ④エ

[解答]
 ③ウ

※本ページの内容は掲載当時(2013年10月15日)のものです。

JAGAT夏季休暇のお知らせ 8月11日(木)~8月15日(月)

8月11日(木)~8月15日(月)までJAGATは夏季休業いたします。
16日から通常営業いたします。

8月21日(日)開催エキスパート認証試験の受験票が未着の場合は、下記資格制度事務局メールアドレスあてにメールにてご連絡ください。
休業明け速やかに対応いたします。

JAGAT資格制度事務局
e-mail: expert@jagat.or.jp

【クロスメディアキーワード】ブログ

クロスメディアキーワード【第14回】

個人の情報発信スタイルを支えるブログは、独自のジャーナリズムを可能にし、メディアとして価値を高めている。場所を問わず情報発信が行えるリアルタイム性の強いマイクロブログも登場し、生活者の情報接触時間に大きな影響を与えている。

ブログの登場

ブログが普及する以前、個人がWebコンテンツを公開する場合には、パソコンにインストールされているテキストエディターや、専用アプリケーションを使用 し容易されていた。インターネット上のアプリケーションサービスとして提供されるブログの登場で、個人が、容易に占有的なコンテンツ展開を行えるように なった。

情報発信が容易となることで、文章表現能力やコンテンツ制作能力に優れたブロガーが商業的なメディアと同等の情報発信を行うこと が可能となり、新聞や雑誌の購読率にも影響を与えるようになっている。ポータルサイトやコミュニティーサイトを運営する法人が、メディアとして価値のある ブログを集め、ブログ総合サイトとして運営することにより、ブログジャーナリズムの発展を後押しした。

ブログサービスの種類

ブログサービスには、ブログ専用の有料サービスのほか、独自ドメインがないポータルサイトの無料サービス、レンタルサーバーにアプリケーションをインストールして使用するものなどがある。
アプリケーションサービスとして提供されるブログの利用は、システムに関する特別な知識や技術を求められない。コンテンツ作成については、利用できるデ ザインや機能は限定されるが、ワープロによる文書データ作成と同様で、テンプレートに従い、文章や画像を配置することで、完成させることが可能であり、多 くの人々に利用されている。
一方、レンタルサーバーにインストールし利用するブログは、カスタマイズにより、レイアウトやデザインの変更のほか、様々な機能を追加することができる が、デザインやプログラミング、システムに関する知識が求められる。CMS(Contents Management System)で構築されたWebサイトと遜色ないサイト構築が可能であり、法人が事業活動における情報の受発信手段として、利用することが多くなってい る。

ブログの機能

「トラックバック」は、ブログの代表的な機能の1つである。トラックバックとは、別のブログにリンク を設置した際に、リンク先のブログ運営者に通知を行う仕組みである。発信している情報と関係のある他のブログと、連携や交流が可能になる。また、ブログで 公開されている記事に対し、閲覧者が意見や感想を入力できる「コメント機能」も代表的である。「コメント機能」により、ブログは双方向性のあるコミュニ ケーションメディアとなる。コメント入力者の名前欄に、自身のブログURLやメールアドレスの掲載が可能であり、「誘導」や「情報収集」などが可能である といった、コメント入力者のメリットもある。

有名なブログアプリケーションには、プラグインとして様々な機能がサードパーティーとなる法人や個人から提供されており、短時間かつローコストで、多機能なシステムを立ち上げることができる。

マイクロブログ

Twitterのような文字数に制限があるマイクロブログの登場により、個人の「気付き」や「感想」、「事象」などについて、即時的な情報発信が可能と なった。また、ケータイやスマートフォンなどのモバイル端末の普及や通信環境の充実などにより、場所や時間を問わずに情報の受発信を行える状況を生み、マ イクロブログの普及に貢献した。

高度情報化社会の生活者は、様々な情報への接触時間が長くなる傾向があり、情報の受発信源であるマイクロ ブログは、メディアとしての価値が認められている。マイクロブログからコーポレートサイトやSNS(Social Networking Service)への連携や誘導が可能であることから、話題性の高い情報がマイクロブログに投稿される傾向がある。放送局や新聞社、出版社などといったマ スメディアを運営する組織が、マイクロブログのアカウントを取得し、速報性のある情報配信を行っている。

ブログの問題点

ブログの活用は、「情報発信が容易である」「更新が容易である」「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策も行える」など、様々なメリットがある。

また、様々なデメリットも存在する。ブログにより記事を日々公開すると、トップページの最新記事は、数件が掲載されるが、古い記事は掲載されない。した がって、閲覧者が過去の記事を読む可能性が徐々に低くなる傾向がある。過去の記事が「価値のある情報」であっても、専門的なカスタマイズを行わない限り、 PV(Page View)数は伸びない。

ブログによる情報氾濫

ブログの登場により情報発信が容易になったが、「価値のある情報」が常に発信できるとは限らない。安易な情報発信は、信憑性や公平性を欠く可能性を秘めており、ブランドを傷つける恐れもある。

誹謗中傷ともとれる情報発信を行っていしまった場合、閲覧者の反感を高め、企業が謝罪する事例があった。また、株の取引市場に大きな影響を与え、株価が暴 落する事例もある。さらに、著名人であると偽り、情報発信を行う事例も後を絶たない。検索サイトの検索結果表示では、探している情報が見つけにくくなると いった問題も起きている。

適切な情報発信に向けて

法人が事業活動の一環でブログを活用するのであれば、自己満足的ともいえる安易な情報発信を避ける考えも必要である。

コンテンツとして表現されている事が、全てであると解釈する閲覧者を生むことも考えられ、個人や法人を問わず、意図しない「印象」をブログにより与えてし まう可能性もある。「ブログ」で表現するコンテンツは、全ての情報の中で、インターネット上にあるごく一部であり、表現する内容については、十分な検討を したうえで、公開することが望まれる。

例題

次の文中の空欄[A]~[D]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

新聞や雑誌、ポータルサイトなど、商業的なメディアへの執筆経験者が、ブログを活用し情報発信を行うことから、新聞や雑誌に匹敵するブログジャーナリズムが生まれた。ブログの著者は[A]と呼ばれることがある。

ブログツールは、HTMLコーディングを行い、FTPによりサーバーへファイルをアップロードするWebサイト構築と比べた場合、コンテンツ更新の容易さ や、複数ので編集が可能であるという点で[B]としての側面がある。利用者の多いブログツールは、様々な拡張機能(プラグイン)がサードパーティーから提 供され、HTMLコーディングを行った場合に対し、比較的に短期間、ローコストでWebサイトを構築することができる。内容的に関連した記事コンテンツに 対し、自身の記事コンテンツへリンクを掲載する[C]機能や、RSSデータを自動生成し、訪問者のRSSリーダーに[D]を自動的に通知する機能を備えた ものもある。

[解答群]
①A:ブロガー B:CMS C:トラックバック D:更新
②A:コメンテーター B:CMS C:トラックバック D:削除
③A:ブロガー B:EDI C:トラックバック D:更新
④A:コメンテーター B:EDI C:トラックバック D:削除

[解答]
①A:ブロガー B:CMS C:トラックバック D:更新

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月9日)のものです。

【クロスメディアキーワード】メディアの複合利用

クロスメディアキーワード【第7回】

クロスメディアとは、ある情報について文字や音響、映像などの様々な素材と、ペーパーメディアやデジタルメディアといった複数のメディアを用い、効果的な情報伝達を行う手法である。

複数メディアの利用については、生活者のメディア導線を予測したシナリオにより、メディア毎に適したコンテンツを用意し情報発信を行う。メディア利用の概 念については、「ワンソースマルチユース」や「マルチメディア」、「メディアミックス」など、「クロスメディア」と似た様々なものがある。

ワンソースマルチユース

ワンソースマルチユースとは、基となる印刷用データやWebサイト用データなどから、異なるメディアへコンテンツ展開を行う概念である。「マルチ (multi:複数の)」の意味としては、利用するメディアの数や、コンテンツの再利用回数といった解釈も可能であり、ワンソースマルチユースにより、コ ンテンツの制作効率を高めるといった意味を持ち合わせている。

印刷用に加工されたデータ利用し、他のメディアへ展開を行うには、データの 再加工が必要となる。ワンソースマルチユースを実現するために、印刷用データに含まれる寸法や書体指定のような情報は付加せず、他のペーパーメディアや Webメディア向けといった複数の出力を想定したデータ作成が求められる。

マルチユースは「データベースパブリッシング」の考え方と接な 関係がある。データベースパブリッシングは、リレーショナルデータベースを用い、条件に応じて自動レイアウトを行うシステムである。フォーマットがある程 度定型化されている大型のカタログやパンフレットなどの制作には欠かせないものであり、データベースに蓄積されたデータの活用は、当初のメディアに対する コンテンツ制作や再利用だけに止まるものではない。リーフレットやWeb、デジタルサイネージなど、様々なメディアへのコンテンツ展開を可能にする。

出力メディアを構成するコンテンツに関する情報をデータベース化し、メディアに合わせた検索を行い、データ抽出後に自動レイアウトする手法が普及している。

文書の型を定義付けられるXML(Extensible Markup Language)を利用したデータベースをシステムの中核にし、各々のメディアに合わせたスタイルシートを用意することで、フレキシブルなコンテンツ展 開も実現できる。XMLに対応したDTPアプリケーションを合わせて利用することで、変更や修正を行った箇所をデータベース内のデータに対し同期させるさ せることが可能である。データベースにより派生する、他のメディアのコンテンツに、自動的に反映することができる。このコンテンツ管理手法が「ワンソース マルチユース」といった概念であり、データベースパブリッシングは効率良く実現するための手段である。

クロスメディア

共通データのデータベース化は、情報のクロスメディア展開の際においても有効な資源となる。クロスメディアの概念では、必ずしも「基となるデータ」が1つ である必要はない。情報発信の効果を最大限にするため、「基となるデータ」に対しメディア特性を考慮した加工を施すことや、新たな「データ」を追加するこ とが求められる。

現代の生活者は、製品やサービスを購入する際に関連の詳細情報を求める傾向があり、得た情報の結果に満足しないと購買活 動へと至らないことがある。製品の機能を紹介する場合、プリントメディアでは文字や写真、図表での表現となるが、映像や音響の利用により製品の動きや音の 表現が可能となり、機能の理解度が飛躍的に高まることが期待できる。映像や音響といった「データ」を追加することで、Webコンテンツにより効果的な製品 の機能紹介を実現できる。また、モバイル端末向けWebサイトを併設する場合、端末の動作を考慮し、コンテンツのデータ量を削減する取り組みも求められる ことがある。

映像や音響を扱うテレビ放送であっても、製品の詳細機能を訴求するメディアとしての活用が難しい点がある。テレビ放送は、インタラクティブ性や検索性に欠ける部分があり、生活者が情報を得る際、目的の情報を見付け難いことがある。

クロスメディアを実現するためには、メディア特性を熟慮する必要がある。クロスメディアは「基となるデータ」を効率良く展開することではない。情報の発信 者が想定するシナリオを前提に、情報の受信者である生活者が行動することを促すために、様々メディアの持つ特性を理解しメリットを最大限に発揮させること が重要である。

コンテンツを構成する情報による相互作用や相乗効果を高めるために、クロスメディアの概念が活用される。また、クロスメ ディアでは、QRコードによるWebサイトへの誘導、ICカードを活用した本人認証や決済機能など、各メディアの連携を実現する「橋渡しの仕組み」も不可 欠である。クロスメディアは、制作効率の向上が目的ではなく、情報発信の目的を達成するためのメディア活用手法である。

メディアミックス

メディアミックスは、メディアを組み合わせて情報の到達を最大限にする、クロスメディアと近い概念である。異なるメディアを組み合わせ、活用することにより、各メディアの弱点を補う手法といった原義がある。

コンテンツは、映像でなければ伝えられない情報や、熟読しないと伝えられない情報など複合的に存在するため、必然的に使用するメディアも複合的になる。映 像での情報と紙面(誌面)での情報を連動させ、生活者のコンテンツに対する理解を強化するために、統一したビジュアル表現を採用することもある。個別のメ ディアにおいても、原則的には個別にコンテンツとして完結することを前提にしている。

現在では、特定の娯楽作品が一定の経済効果を持った時、その作品の副次的作品を数種類のメディアを利用を前提に多数製作することで、ファンサービスと販売促進を拡充する手法を指すことが多い。

例題

次の文[ア][イ][ウ]と用語群[A][B][C]の組み合わせとして、最も適切なものはどれか[解答群]から選べ。

ア 一つの素材を複数の媒体で利用することであり、複数の範囲には利用媒体の数の他、再利用等の利用回数も含まれ、効率性を重視している。

イ 文字、音声、映像など多様な形態の情報を組み込んだメディアのことである。

ウ 情報資源を複数の適切なメディアに展開することで、目的達成のためにシナジー効果をもたらす手法である。

[用語群]
 A:クロスメディア B:マルチメディア C:ワンソースマルチユース

[解答群]
 ①アとC イとA ウとB
 ②アとA イとB ウとC
 ③アとC イとB ウとA
 ④アとA イとC ウとB

[解答]
 ③アとC イとB ウとA

 

※本ページの内容は掲載当時(2013年)のものです。

【クロスメディアキーワード】ソーシャルメディア

クロスメディアキーワード【第16回】

SNS(Social Networking Service)は、インターネット上のコミュニケーションツールとして普及し、非常に多くの会員(利用者)を有している。情報の伝達力は、マスメディア に匹敵するほどのメディアとなり、媒体価値を高く評価されるようになり、様々な事業を考える上で欠かせないツールとなった。

SNSの歴史

利用者を限定したコミュニティー型情報サービスは、1980年代のニューメディアといった言葉が使われていた頃から存在していたが、 IT(Infomation Technology)の発展により、パソコン通信からインターネット上へと移行した。日本では、ケータイの普及に伴い、ケータイSNSも発展した。

パソコン通信により利用されていた掲示板(BBS:Bulletin Board System)のようなオープンサービスでは、情報発信者の意図とは別に非難や批判が殺到する「炎上」につながる事象もあり、継続的に発展するコミュニ ケーションの妨げとなることも多かった。その後、情報発信者が、他者によるレスポンス情報の公開をコントロールできる「ブログアプリケーション」のような 機能を実現することで、コンテンツの質もコントロールできるようになった。

当初のブログは、専門知識を有する人物の情報発信を中心に、アメリカで使用されていた。しかしながら日本では、個人的な日記を公開するために使用され始め、関係者同士のコミュニケーションツールとして急速に発達した。

ブログの目的は、インタラクティブコミュニケーションではなかったことから、閲覧者の管理もコントロールできるツールとして、SNSは登場した。

利用方法の変化

このような背景の中、Facebookは実名登録を原則とし、登録者からの招待がない限り、利用することができなかった。Facebookは大学内の利用 から始まり、パーティーに参加することで、面識のない人物との出会いや、友人の紹介など、個人から集団へ向けた利用に関する機能を拡張することで、若者の 間から定着した。

日本のmixiでは、大学のゼミやサークルなどで、交流のために多く利用された。その後、多くのSNSは登録制となり、次第に招待が無い場合でも登録可能なサービスとなった。

登録制になってからもSNSの特徴は保たれ、発信した情報に対し誹謗中傷をされにくく、不快感や不安感の少ないコミュニケーションツールとして普及してい る。匿名でのレスポンス情報発信が可能であった掲示板とは異なり、SNSは安心と信頼ができる要素が向上したコミュニケーションツールであると考えられ る。

SNSとマーケティング

Webクローリング技術を活用することで、ソーシャルメディア上で人々が日常的に交わして いる情報や行動に関するデータを収集し、調査や分析を行うことで業界動向把握やトレンド予測、組織、ブランド、製品またはサービスなどに関する評価や評判 の理解を深め改善に活かす「ソーシャルリスニング」活動も行われており、重要視される傾向がある。

また、SNSは同様な嗜好を持つ人々の 集団と捉えることが可能であり、マーケティングの観点から、「口コミ」効果を期待したマーケティング戦略ツールとしての利用が盛んになっている。そのた め、SNSを利用する人々の相関関係をマーケティングデータとして活用するために、「ソーシャルグラフ」といった概念が生まれた。

「ソー シャルグラフ」へのアプローチは、生活者の嗜好が多様化し、大きなセグメントに対する傾向分析では、需要の発見や対応が難しくなってきた社会環境によると ころが大きい。経済が成熟した環境では、消費者行動は多様化する傾向がある。マスメディアによる品質や価格の訴求だけでは購買意欲の刺激が難しくなってい る現状も、「ソーシャルグラフ」に寄せられる期待感を後押ししている。

「ソーシャルグラフ」での話題は、消費行動に影響を与える可能性が 高い。知人からの「口コミ」情報は、マスメディアからの情報と比較した場合、倍近く信頼するといった発表もあった。小さなセグメントを対象とするマーケ ティング戦略には、「ソーシャルグラフ」の活用が重要視される傾向があり、緻密な生活者に対するマーケティング施策の重要性は、高まっていくと考えられ る。

企業によるマーケティング活動では、「多くの生活者から共感を得るようなメッセージやコンテンツ」だけではなく、「少数の嗜好を共にする集団で話題となるメッセージやコンテンツ」といった情報発信の重要性が増している。

SNSのビジネスモデル

 一般的に大規模SNSは、広告収入で運用することで、生活者に無料でサービス提供されることが多い。利用目的を特定した、会費制SNSも存在するが、大規 模であっても利用者の格付けを行い、SNS上でバーチャルグッズ売買が可能なプレミアム会員を有料とした、収益モデルの確立も行われている。

利用者にとって、安全性の高いSNSでは、ゲームやアプリケーション、写真などの共有について、信頼性を担保しつつ実現できるため、SNS内での課金サービスについても利用者は増えている。

例題

次の文中の空欄[A]~[C]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

現代社会において、SNS(Social Networking Service)は、社会的なネットワークを構築できるWebサイトを指すことが多い。初期のSNSは利用者が参加する仕組みとして、招待制のシステムを 採用する事業者が比較的多かったが、昨今では[A]が多くなった。その理由として、招待されずにSNSに参加した場合においても友人や知人を見つけやすく なったことや、招待制SNSの参加者数増加の[B]などが挙げられている。

サービスが登場した当初は、友人や知人との間で利用され、趣味や嗜好などの共通事項で関係する余暇の要素が大きかった。現在は、組織内の構成員による[C]を活性化させ、業務を円滑に遂行させるためのツールとしても活用されている。

[解答群]
①A:登録制 B:抑制 C:コンフリクト
②A:指名制 B:限界 C:コンフリクト
③A:登録制 B:限界 C:コミュニケーション
④A:指名制 B:抑制 C:コミュニケーション

[解答]
③A:登録制 B:限界 C:コミュニケーション

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月26日)のものです。

8月21日(日)開催エキスパート認証試験 受験票発送

8月21日(日)開催のエキスパート認証試験につきまして、受験票を本日(8/5)発送いたしました。(受験申請時にご指定の連絡先あて普通郵便発送)
万が一数日経過しても届かない場合は、JAGAT資格制度事務局までご一報ください。

(公社)日本印刷技術協会(JAGAT)資格制度事務局

e-mail: expert@jagat.or.jp
TEL(03)3384-3115

尚、(公社)日本印刷技術協会は、下記日程にて一斉夏季休暇となります。
夏季休暇期間中はお電話等つながりませんので、ご連絡はメールにてお願いいたします。
休暇明けにご返答いたします。

JAGAT夏季休暇: 8/12(金)~8/15(月)

【クロスメディアキーワード】シングルサインオン

クロスメディアキーワード【第18回】

シングルサインオン(SSO)は、認証を実現する技術の一つであり、EC(Electronic Commerce)サイトやポータルサイトで、閲覧者のアクセスコントロールを目的に利用されている。

関連する規格もあり、セキュリティーの確保を前提としたWebサイトを活用するクロスメディア展開では、必須の知識である。

クラウドコンピューティング

シングルサインオンはと関連する技術の一つとして、クラウドコンピューティングをあげることができる。

クラウドコンピューティングとは、特にインターネット経由でアプリケーションやストレージといったサービスを利用する形態を指す。

このようなサービスでは、個人に紐付くさまざまなデータがインターネット上に保存されるため、サービスを利用する際には、ユーザーIDやパスワードが必要不可欠となる。

ユーザーID(IDentification)とパスワードにより認証を行い、ログインすることでサービスを利用できる仕組みが一般的であったが、複数のサービスを利用する場合、複数のユーザーIDとパスワードを管理する必要がある。

さらにセキュリティーを考慮すると、定期的なパスワードの変更が必要な場合もあり、利用者の負担が高かった。

シングルサインオンの普及

シングルサインオンとは、従来、個別のユーザーIDとパスワードで管理されていたサービスを統合し、ユーザーIDとパスワードを一度入力することで、さまざまなサービスを横断的に使用できる機能である。

シングルサインオンにより、利用者の負担は軽減され、安全性を保つ認証が実現される。

Yahoo!や楽天などにより提供されるECサイトの認証で採用されているほか、一部のOS(Operating System)でも採用されている。

昨今は、インターネット上の複数サービスを利用する生活者が増えてきたことから、シングルサインオンが普及している。

シングルサインオンを実現するサービスは、様々なものが有償または無償で提供されている。

OpenID

シングルサインオンを実現するサービスの中で、日本国内で標準規格として普及してきているものとして「OpenID」をあげることができる。

「OpenID」は、米国のOIDF(OpenID Foundation)を代表とする団体により普及促進が図られている規格であり、利用者を問わずインターネット上で活用することができる。

発行される「OpenID」は、URL(Uniform Resource Locator)形式により構成される。

そのため、スパムメールや不正アクセスなどのリスクが少なく、認証することができる。

URL形式の「OpenID」は、専用のサーバーで管理されおり、1つの「OpenID」により、対応する全てのインターネット上のサービスで認証を受けることができる。

例題

次の文中の空欄[A]~[C]に入る最も適切な語句の組み合わせを下記の[解答群]から選べ。

インターネット上で利用者に個別のサービスを提供するために、WebサイトごとにユーザーIDとパスワードが発行されるが、利用者の管理上の不便さからサ イト利用率の低下を招くことがある。この管理から利用者を解放するシングルサインオンの方法として、一部のベンダーによりサービスが提供されたが、ユー ザーIDの認証や情報をそのベンダーのみが管理することで、他のベンダーによるサービスが取り入れられない制約があった。

その後、サイト 間での相互のシングルサインオンを実現するものとして[A]が登場した。国内においても大手ベンダーが[A]を発行し、複数のベンダーが[B]サイトを提 供している。初期の段階から複数の大手ベンダーが推進団体に加盟しており、世界で1万以上のサイトが対応している。

利用者は、[A]対応サイトを利用することで、新たにユーザーIDとパスワードを取得する必要がなくなる。
この認証技術は、対応サイトで共通して利用できるユーザーIDを持ち、[C]形式で表す。[C]形式に定められた長所の一つは、よく使われるメールアドレスの場合、アドレスの不正利用や、「盗聴」によるスパムメールが増加の心配がないとされている。

[解答群]
 ①A:OpenID B:ログイン対応 C:URL
 ②A:CommonID B:ログイン対応 C:アカウント
 ③A:CommonID B:セッション対応 C:URL
 ④A:OpenID B:セッション対応 C:アカウント

[解答]
 ①A:OpenID B:ログイン対応 C:URL

※本ページの内容は掲載当時(2014年5月28日)のものです。