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第46期DTPエキスパート認証試験新出題項目

2016年8月21日(日)に実施する第46期DTPエキスパート認証試験の試験問題について、下記の通り新出題項目を発表いたします。(6月27日)

(1)デジタルマーケティングの普及とDM・デジタル印刷連動

(2)DTP・印刷の基本を再確認する
 ・組版・レイアウトの基礎
 ・印刷の基礎、主要アプリケーションの機能・操作

(3)印刷物制作の品質管理、ミス防止
 ・事故防止対策、検版ワークフロー
 ・データの保存(サーバー、クラウド)やバックアップ

(4)印刷物制作と制作指示書における留意事項

(5)色校正の現状と印刷物のカラートラブル対策
 ・カラーマネジメントの応用
 ・どのように信頼性を担保するか
 ・理想的なカラマネワークフロー(印刷、Web他を含めて)

(6)セキュリティ(偽造防止)技術の動向

以上の項目がそのまま問題数と対応するわけではありません。
項目によっては2つ以上の出題になる場合があります。
また、新出題にともなって従来問題の入れ替え、統合、削除などが発生しますし、それ以外の従来問題についてもアップグレードを行ないます。
結果的に、新出題項目を中心として全体の20%くらいの問題が入れ替わることになります。

ご注意:この発表はあくまでも新項目であり、新問題の発表ではありません。試験の公平性維持の意味においても、上記項目以上の情報提供はいたしかねますので予めご承知おき下さい。

エキスパート優待案内 2016年7月

エキスパート有資格者の皆様に提供させていただく各種優待制度のご案内です。
エキスパート受験予定者向け資格者ご本人優待や、現役エキスパート推薦による受験予定者に向けたご優待をご紹介しています。

  • 優待の申込は期間限定です。各ご優待の申込期限を必ずご確認のうえ、お申込ください。
  • 今後も優待制度のご案内はメールでお送りしてまいります。ぜひ基本台帳にメールアドレスをご登録ください。
  • 第45期DTPエキスパート試験合格者/第21期クロスメディアエキスパート試験合格者の方々につきまして、現在基本台帳登録のメンテナンス中です。登録が完了し次第ご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。

エキスパート優待制度

1.有資格者ご本人ご優待

ダブルライセンス取得推進優待

受験予定者入手必須の模擬試験問題を無料にて進呈いたします。
この機会に是非DTPエキスパート/クロスメディアエキスパート 2種の資格取得をご検討ください。

2.有資格者による第46期DTPエキスパート/第22期クロスメディアエキスパート受験予定者ご優待

メディアビジネスの牽引役となるべきより多くの人材に対し、本試験を受験しやすい環境を提供するため、現役エキスパートの方のご紹介により受験予定の方の 受験準備にご利用いただける優待特典をご案内いたします。

優待特典

模擬試験問題を無料送付
46期用模擬問題は、7月1日より配布開始です。

優待対象者

第46期DTPエキスパート/第22期クロスメディアエキスパート認証試験を受験予定で、今後「印刷メディア設計のスーパーバイザー」および「メディア戦略のコーディネーター」としてふさわしい能力があると思われる方、またはその可能性のある方。

  • 優待制度の趣旨に鑑み、推薦者ご本人やエキスパート有資格者、受験を予定していない方のご利用はお断りいたします。
  • お申込みには、ご紹介者となるエキスパート有資格者のエキスパートIDおよびお名前が必要となります。

申込方法

申込期間 2016年7月1日~2016年7月29日

エキスパートWeb基本台帳より優待制度申込書をダウンロードのうえ、お申込みください。
エキスパートWeb基本台帳 ログイン
ログインには、エキスパートIDおよびパスワードが必要です。
パスワードがお手元にない場合は、ログイン画面の「パスワード照会フォーム」より取得してください。

  • ご住所など登録情報に変更はございませんか?エキスパートWeb基本台帳でご登録情報をご確認ください。
  • 基本台帳はメンテナンスのため6月下旬より一時的にアクセスできなくなることがございますのでご注意ください。7月1日より再オープンいたします。
ご注意

第46期DTPエキスパート認証試験/第22期クロスメディアエキスパート認証試験の受験は、別途申請が必要です。
受験申請は、下記より行って下さい。
第46期DTPエキスパート認証試験 受験申請
第22クロスメディアエキスパート認証試験 受験申請

第1期クロスメディアエキスパート認証第2部試験「与件: 国際芸美社」

状況設定

わが社

都市圏の中堅商業印刷の会社で,印刷以外にもプロモーションビデオの受注や,Web制作などをしている。子会社にデザイン会社がある。

以前はプリプレス部門でDTP化推進に関わっていたが,今はWebを含めて制作管理の立場で,社内の現場や外注の制作へ仕事を分配して,進行管理をしている。営業担当者の相談相手にもなっている。場合によっては営業担当者とともに顧客のところへ説明に行くこともある。

プロジェクト

この印刷会社の顧客に額縁などの製造販売を行う国際芸美社がある。台東区浅草橋に本社があり,工場や流通倉庫は地方や海外にもある。
わが社はカタログ・パンフ・説明書などを受注している。またポストカードや絵画の複製印刷物,個展や展覧会の図録の印刷なども国際芸美社を通じて受注している。同社のホームページの一部もわが社で手がけたことがある。
私は国際芸美社を担当している営業担当者から,近年のうちに木田社長が交代するので,それに向けて新たな方向性を出そうとしているという話を聞いて,何かこのクライアントを手伝えることはないかと相談を受けた。
そこで,国際芸美社のことを調べ直してみると,ポストカードとフォトフレームに関して新たな動きがあることがわかったので,営業と制作の何人かで提案プロジェクトを作り,私がリーダーを務める。

提案時期

社内のプロジェクトで国際芸美社についてまとめていた時点で,同業他社が国際芸美社のWebでの販促提案をしようとしているという情報が入った。そこで営業に様子を探らせた。
国際芸美社はWebでの販促を新規事業として意気込んでいる様子である。新規事業のプロモーションや受発注のシステム,またその委託先をどうするかを数社のコンペにより決めるようである。木田社長はこの件には意欲的で,来月半ばにはわが社の社長宛にプレゼンをするように要請するようだ。
このため,1週間以内に社内でラフな提案書を作成して,コンペに耐えられるよう一度揉んでおかなければならない。まずこのプロジェクトのリーダーである私が今日にも提案の骨子作り,社内に根回ししなければならない。

<社外秘>
KGプロジェクトメモ 2006.3.26 

国際芸美社 会社概要

<社名>
株式会社 国際芸美社
<設立>
創立1965年(昭和40年)10月21日
法人1974年(昭和49年)10月23日
<資本金>
2千万円
<売上>
13億5千万円(2004年)
<従業員>
65名(中国を除く)
<所在地>
本社 東京都台東区浅草橋6-1-3
大阪営業所 大阪市東区淡路町7-10-10
流通センター 千葉県市原市五井4-4-18
工場 国際藝美廠 広東省東莞市
工場 青島藝美有限公司 山東省青島市
<役員>
代表取締役 木田邦彦 専務取締役 若枝三郎 常務取締役 木田靖彦
<業務内容>
額縁/各種フレーム/絵画/木工製品/写真関連紙製品/各種包装資材
<売上>
卸:8億円,店舗:東京・大阪3億円,デパート外商:2億円
ネット販売:5千万円

<企業沿革>  
1965年 10月 東京都台東区浅草橋に額縁製造販売として創業する
1970年 3月 千葉県市原市五井に額縁製造工場を移転する
1974年 10月 資本金300万円 法人 株式会社国際芸美社とする
1976年 10月 大阪市東区淡路町に営業所を開設する
1978年 5月 資本金500万円に増資する
1983年 1月 中国東莞工場開設し 千葉県市原市は流通センターに
1988年 6月 資本金を1千万円に増資する
1994年 8月 フランス,アレコ社の日本総代理店となりインテリア商品を扱う
1995年 2月 資本金を2千万円に増資する
1997年 6月 中国青島工場開設
2000年 8月 銀座プランタン1Fにインテリアグッズの小売店として出店する
2002年 3月 通販事業部を開設し,ネットショップをオープン
2004年 12月 オーストリア,キレト社の代理店となりインテリア商品を扱う

歴史(沿革の補足説明)

株式会社国際芸美社は,上野で油絵のカンバス製作や美術館の額縁の修理をしていた木田工芸店を継いだかたちで木田邦彦が1965年に会社組織として創業した。
木田工芸店の時代から美術館などに出入りをしていたつながりで,当初から学校や画商など比較的顧客には恵まれていた。さらに,特定のニッチマーケットから抜け出て,企業や富裕層を対象にビジネスを広げたい,と考えたことが創業のきっかけであった。
1970~1980年代は事業が順調に推移する。いち早く中国に生産拠点を移して,国内は販売に徹することで企業としては大きく飛躍した。しかし国内の競争相手も同時に増加してバブル期を迎えた。

この時期まで業態としては「木工屋」の範疇で,よいものを安く大量に作ることに注力し,画材店やデパートの外商などへの卸が主流であった。現在でもその延長にあるが,バブル後は企業向けの絵画販売が滞ったこともあって在庫量の増加が経営を圧迫した。
そこで,画材店のような自社店舗をインテリアショップのように変えて,独自で顧客にアプローチする政策をとり,卸の比率を6割近くまで下げていった。
インテリアの需要の開拓のために,額縁の中に入れる複製絵画や彫刻などの美術工芸品の扱いを増やし,またヨーロッパのインテリアグッズのライセンス生産をする拠点として,中国青島工場を開設した。

ショップが商業店舗向け営業拠点の浅草橋にあることが利点となり,インテリア用品が店舗設計のコンサルタントの目にとまった。これにより,額縁の売上の落ち込みをかなり補うことができた。しかし一般顧客向けには銀座に近いほうがよいと判断し,銀座のデパートにアンテナショップを出店した。
このアンテナショップによって,比較的高額な卓上のフォトフレームが,それなりに売れることがわかった。これは創業者の子息である常務取締役の木田靖彦がヨーロッパ留学していた折に,オーストリアのある小さな工房が百数十年前と同じものを延々と作り続けてきたことを知る機会があり,その工房から年2回くらい仕入れているものである。
フォトフレーム自体は100円ショップでいくらでも売られている時代なので,それまではビジネスとしては重視していなかった。しかし,ヨーロッパの伝統的で重厚なフォトフレームは,他ではほとんど扱っていない商品なので,これをネット販売してみようという話が持ち上がり,ネットショップを立ち上げた。ただしネット上では全商品を販売している。

事業上の課題

インテリア商品は額縁も含めて嗜好が多様化しており,しかも全般的には価格も下落傾向にあり,在庫管理に頭を痛めている。今までの総花的,デパート的なやり方は非効率になる。企業としてもポリシーを決めて特徴を出さなければならなくなっている。

インテリア商品は頻繁に購入するものではないが,気に入ってもらえれば,自宅に訪問した来客などに口コミで伝わる。うんちく話も効果があって「年に何個しか同じ物は作っていない」という話も一人歩きする。そうして知った人がネットで購入することがある。しかし口コミ頼みの受身から脱却しなければならない。

従来の顧客が油絵中心であったために,インテリア商品の選択もヨーロッパ中心にしないと顧客の反感を買う。そのために今日どこでも見られるような,動物や風景写真などの癒し系,カワイイ系キャラクタなどの商品は扱っていない。国際芸美社のポリシーとしても使い捨てのグラフィックには関与せずに,永く鑑賞に堪えられるものを中心にしようという考えがある。このポリシーによって自ら市場を狭めてしまわないように配慮している。

ネットショップではギフト商品がよく売れるが,額縁やフォトフレームという「容器」だけではギフトにならないので,コンテンツも品揃えとして必要になる。しかしそこにあまりコストをかけることはできない。またコンテンツがよくても,ありきたりではギフトとして選択されない。そこで資料Cや資料Dのようなコンテンツ販売をしていることころから仕入れている。これらコンテンツの販売サイトとの連携で,フレームの販売もしてもらえるような仕組みを模索している。

ネットでのギフトの選択は,購入者の信用をどのように得られるかで,売上金額が決まる。今のところ信用は口コミと購入者しかなく,社名のブランド力はない。またヨーロッパのライセンス元も日本では無名である。購入者のリピートや口コミ力を高めたい。リピート顧客であっても,以前と種類の違う商品を購入する場合が多く,ネットショップでの品揃えは必要である。しかし在庫は持ちたくない。

数年以内に今の社長が退き,常務が社長を継ぐとみられる。創業者が「木工屋」であったのと違って,常務は自らの滞欧経験からアートに貢献したいという思いをもっていて,資料Cや資料Dのようなコンテンツとの交渉も自ら行っている。常務の力で複製画や写真の売上は伸ばしてきた。これからの国際芸美社の方向性も常務の発言力が強く反映すると考えられる。営業担当者にも見る目を養わせようと,美術館や画廊に通わせている。

ご注意

本試験時点では、上記文書のほか、「財務諸表」、「参考資料(Webページの抜粋)」などが配布されます。

第2期クロスメディアエキスパート認証第2部試験「与件: 八八食品」

状況設定

わが社

都市圏の中堅商業印刷の会社で,印刷以外にもプロモーションビデオの受注や,Web制作などをしている。子会社にデザイン会社がある。

以前はプリプレス部門でDTP化推進に関わっていたが,今はWebを含めて制作管理の立場で,社内の現場や外注の制作へ仕事を分配して,進行管理をしている。営業担当者の相談相手にもなっている。場合によっては営業担当者とともに顧客のところへ説明に行くこともある。

プロジェクト

この印刷会社の顧客に、うどんチェーン店の「讃岐うどん 八八麺所」(略称はちはちめん)を展開する八八食品株式会社がある。東京都中央区に本社があり、流通センターや業務委託先が地方にもある。
わが社は新規開店に必要な販促物を本部から受注している。また同社のホームページの一部もわが社で手がけたことがある。
「はちはちめん」を担当している営業マンから、今までとは違う新たな方向性を出そうとしているという話を聞いて、何かこのクライアントを手伝えることはないかと相談を受けた。
そこで、八八食品のことを調べ直してみると、ビジネスの根本的な見直しがあることがわかったので、営業と制作の何人かで提案プロジェクトを作り、私がリーダーを務める。

提案時期

社内のプロジェクトで八八食品についてまとめていた時点で、わが社のライバルがWebやケータイ販促での提案をしようとしているという情報が入った。そこで営業に様子を探らせた。
八八食品は真剣に事業見直しをすることで全社的に意気込んでいて、社外からも優れたアイディアを多く得たいと考え、数社でコンペをして事業のプロモーションや業務改善、タイアップなど、かなり柔軟に検討したいようだという。松岡社長はこの件には意欲的で、来月半ばには社長宛にプレゼンをするように要請するようだ。
ということで、社内において1週間のうちにラフな提案書を作成して、コンペに耐えられるよう一度揉んでおかなければならない。まずこのプロジェクトのリーダーをしてきた私が、プレゼンテーション(PowerPointを予定)のための提案の骨格を作成して、社内各所で検討してもらい、ふくらませていかなければならない。

<社外秘>
88プロジェクトメモ 2006.8.27 

八八食品 会社概要

<社名>
八八食品株式会社
<設立>
1997年(平成9年)8月27日
<資本金>
8千万円
<売上>
56億5千万円(2005年)
<従業員>
65名(FC店、アルバイトを除く)
<所在地>
本社 東京都中央区銀座8-14-13
流通センター 香川県高松市浜の町4-18
<役員>
代表取締役 松岡由則 専務取締役 若枝三郎 常務取締役 松岡和江
<業種>
小売業(飲食業)
<事業内容>
うどん店直営/うどん店FC指導/冷凍食品/乾麺販売/ギフト販売
<売上内訳>
店舗:60店 56億円  ネット販売:5千万円

<企業沿革> 1997年 8月 新橋、新宿、池袋に直営店開設
2000年 8月 香川県の製麺所と特約契約 店舗数30店
2002年 3月 ファミリーレストラン実験店舗開設 店舗数45店
2004年 12月 ネット通販に向けて香川県に流通センター設立 店舗数53店
2005年 2月 食品加工センターを埼玉県新座市に設立 店舗数56店
2006年 4月 FC 1号店 + 直営店60店

88プロジェクトメモ

創業者であり代表取締役社長の松岡由則は、東京で大学を卒業後に商社に就職し、農産物・食品を扱う。日本人のグルメ志向は、本物、健康や低カロリーという流れにあると感じた。折しも自分の出身地である香川県の讃岐うどんが話題になり、関東の蕎麦圏においてもうどん店が増えてきたので、本場の味を知っている自分ならもっとうまくできると考えた。そこで勤務していた商社や、取引で知り合った食品材料問屋や調理器具メーカーから出資を集めて脱サラ独立し、全国チェーン展開を目指して八八食品株式会社を設立した。

このチェーン店の特徴として、香川県の地元の小さなうどんの店のそれぞれの味の工夫を取り込むことで、わざわざ香川県に行って本場のうどん店の食べ歩きを四国八十八札所のお遍路のようにしなくてもよい、というコンセプトで「讃岐うどん 八八麺所」(略称:はちはちめん)と名づけた。讃岐では一般的なセルフ方式(カフェテリア)にして、少人数で運営できるスタイルである。

マスコミで讃岐うどんが採り上げられることが多くなるにしたがって、チェーン展開も順調に拡張していった。最初は香川県からうどんを仕入れていたが、他の讃岐うどんのチェーンは自家製麺所を持っているので、品質・コストの面で負けないために、株主の調理器具メーカーのつてで特別契約できる香川県の製麺所を紹介してもらい、共同で麺の開発に取り組んでいった。

讃岐うどん本格派へのこだわりを掲げて、東京のうどんとの差が歴然と判るように努力したので、それなりに話題になり、高い評価は得られたが、なにしろ商品単価が安く、経営上は苦しかった。同業のチェーン店も増え始めたので、ともかくブランドの確立を優先に考えて、少し高級な方向を目指し、うどんのファミリーレストラン形式の出店も行った。しかし家族連れで訪れる客は、家族全員がうどん好きとも限らず、メニューが多彩化しすぎて、かえって専門性を低くしてしまった。またコストもかかり、レストラン化は先延ばしにした。

そうこうしているうちに、低価格を武器に同業者の「は×○うどんチェーン」が全国に160店舗と躍進し、大きく差をつけられてしまった。株主とも話し合った結果、事業の目指すところはチェーン展開にあり、そのきっかけに「讃岐うどん」があるのであって、うどん屋同士で競っている場合ではなく、ラーメンも他のファーストフードも視野に入れた競争戦略を打ち立てなければならなくなった。ラーメンのグルメ店と同じようなことになってはいけないというのが株主の意見であった。

そこでもう一度白紙から外食産業の中での自社のポジショニングを考えた。ヒヤリング調査をしたところ、なかなか外食では家庭的なあっさりしたおかずがなく、後味がかなり記憶に残ることが再来店までの期間を長くしているという報告をヒントに、日常生活の中に溶け込んだカジュアルさを麺で代表し、飽きがこない心地よさの残る和風軽食として、麺にあう和風惣菜を特徴とすることで、単価を少し高くできると考えた。

和風惣菜は非常にバリエーションがあるので、試行しながらユニークな外食サービスを探り当てようということに社員も意欲をみせてくれた。そこで屋号の「讃岐うどん 八八麺所」から「讃岐うどん」を外した店も作り、あえて讃岐ののれんにこだわらないでメニュー開発に力を注ぐことにした。

一店あたりの集客は限られるので、ある程度の規模までチェーン展開しないとブランドが定着しないが、出店の経費は抑えたい。そのために駅周辺の再開発に取り残された商店街の喫茶店からの転業を主眼とし、規模は小さいが主要駅のそばに展開しようと考え、FC化ができるようにした。また商店街というロケーションを活かして、和風惣菜のテイクアウトも試行し始めた。そのために食品加工センター(業務委託)を設立している。

商店街はすでに弁当屋や寿司などいろいろなファーストフード店が並んでいるので,調度は民芸調にして落ち着きをもたせ、店内は蕎麦屋より明るく照明するなど、新展開のためのガイドを整えつつある。古い喫茶店から低コストで作り変えたFC1号店も開店し、FCノウハウも確立してきたので、現在の60店舗から毎月1店舗ずつくらいのペースで増やして行きたいようである。

一方、同業他社はWebやケータイでのプロモーションや、食材の販売を始めている。実はこの間に得られた「はちはちめん」の評価は、もっぱらお客さんのネットでの口コミに多くを負っている。そこで2004年に通販と配送の拠点を製麺所のある香川県に設立し、地元食材も含めたネット販売を始め、あわせて開店情報や新メニューの告知をし、お客さんのBlogなどからリンクしてもらうためにWebサイトを立ち上げた。

ネット販売はまだ1日あたり10~20万円の売上で1店舗と同程度だが、店舗数が増えてブランド力が出てくるのに沿って、Webやケータイのアクセス数を増やしていって、2006年度は売上を倍増したい。ネットに人をひきつけることができたならば、さらにその先の挑戦として、なんとかお中元お歳暮といったギフトとして売れないかと考えている。ここ1年くらいは実験的な取り組みをしてみたい。

これから充実させなければならないと考えているのは、店舗増加とともにFC化が進むことで品質のバラつきが出ないようにすること、FCの本部として広報機能を充実させなければならないことである。特に競合チェーンは、「は×○うどん」に吉□家の資本が入り、「○りけんや」にはJRの資本が入るなどして、駅前や駅内に出店しているのに対し、「はちはちめん」は場末に近いので、集客の仕掛けは重要である。

現在は開店の際はチラシのポスティングやクーポン雑誌広告掲載ぐらいである。なんとかプロモーションの定型を作って効率化したい。日常のプロモーションは店頭POPのみで、店内ではアンケートと引き換えに割引券(惣菜の1品プレゼント)を渡して、リピートを増やそうとしている。またケータイ向けのメルマガを薦めに来る業者が多いが、もはや通り一遍のメルマガでは注目されないのではないか、訴求力を強めるにはどうするべきかと思い悩んでいる。

FC本部としてはマスコミ対策も必要である。訴求点は、うどんの誤解を解くことにあり、炭水化物で太ると思う人が多いが低カロリーなので健康にはよく、習慣化しても問題ないことを、スマートに表現したい。

ご注意

本試験時点では、上記文書のほか、「財務諸表」、「参考資料(Webページの抜粋)」、「ニュース記事」などが配布されます。

設問サンプル

問1 A社の顧客コミュニケーションにおける課題を3つ記述しなさい。

・課題1:
・課題2:
・課題3:

問2 問1の課題解決に向け、A社へ提出する提案書に記載する施策について記述しなさい。

・施策の想定ターゲット顧客
・コンテンツやコミュニケーションに関する施策
・施策で使用するメディアと選定理由

問3 A社に提出する提案書のタイトル、提案の主旨(特徴)を記述しなさい。

・提案書のタイトル
・提案の主旨(特徴)

問4 A社へ提出する提案書をクロスメディアエキスパートとして記述しなさい。【記述形式:A4・横書き・3枚】

 

【第15期:美容室】クロスメディアエキスパート認証 第2部試験

状況設定について

あなたは、首都圏にある中堅総合印刷会社のX社に勤務するクロスメディアエキスパートである。X社は、商業印刷物やDVD-ROMの制作、Webサイトの構築・運用などのサービスを顧客企業に提供している。X社にはデザイン専門の系列子会社があり、グループ総従業員数は100名である。

A社提案プロジェクトについて

美容室を運営するA社は、X社が過去に取引を行った顧客企業である。X社は、同社Webサイトの一部を手がけた実績もある。営業担当者より、「A社は、顧客との新しいコミュニケーション戦略の検討をしている。」との報告があった。

X社は、営業部門や企画部門、制作部門に所属する数名で、A社提案プロジェクトを立ち上げた。

クロスメディアエキスパートであるあなたは、本プロジェクトのリーダーに任命された。  X社は、本プロジェクトにて提案書を作成し、20××年○月○日にA社へ提出する予定である。

面談ヒアリングについて

A社について調査をすすめていった結果、X社の競合企業がインターネットやモバイル端末を活用した提案を行う準備をしているとの情報が入った。X社は、営業担当者が中心となり、社長と販促担当者に面談ヒアリング(※面談ヒアリング報告書参照)を実施した。A社は、コミュニケーション戦略を立案するにあたり、社外からの優れた提案を取り入れ、実施を検討する方針である。

A社面談ヒアリング報告書

20××年〇月×日
X社 営業部 第一課 黒須目 太郎

概要:A社からの提案依頼に伴う、ヒアリング調査
日時:20××年○月○日 10時~12時
対応者:山野社長、川野専務取締役

1.提案に向けて

A社は美容サービス業を営み、神奈川県内の郊外を中心に展開している。事業所は、本店の他に支店を4店舗、運営している。

創業当時から、髪の健康を重視する姿勢が主婦層の顧客から支持され、業績は順調に推移していた。しかしながら創業10年を過ぎた頃、店舗の近隣に低価格の美容室が進出してきた。
その頃から、主要顧客層が他店に流出する事象が多くなり、業績が悪化する傾向となった。

A社は業績悪化を受け、サービス内容の見直しや様々な取り組みを行い、顧客に主要店舗である本店と支店を相互に利用してもらう活動を実施している。

A社と同様の理念を持つ酵母温泉を経営する事業者と連携し、「健康と美容」をコンセプトとした各店舗を「地域住民の交流の場」として位置づけ、他社と差別化を図るアプローチ方法を検討している。

A社は顧客とのコミュニケーション手法を確立し、それに伴うコンテンツやメディア展開案を求めており、顧客との関係性を重視したプロモーションの実現を模索している。

2.施策の運営と実施効果測定

  • 週単位でメディア展開の実績を確認したい
  • 可能な範囲でメディア利用者のレスポンスを管理したい
  • A社の担当者は、他業務と兼任で2名を予定

3.施策の実施期間

  • 4月1日に施策開始、来年3月31日までを第1フェーズとして予定している
  • 11月から1月下旬までが運営業務のピークを迎えるため、コミュニケーション施策は、業務のピークを考慮したものとしたい

4.創業時について

  • 山野社長が美容業界に入った動機は「人を美しくしながら、自分も綺麗にすることができる」であった
  • 美容学校卒業後に、大手美容室で8年間勤務した
  • 髪や顔を表面的に美しくするだけではなく、心も体も健康であることで、本当の美しさが実現できると思い始めていた
  • 理想を実現するために独立した

5.業績の変化について

  • 郊外にある私鉄の駅前商店街に本店を開業した
  • 居住者の入れ替わりは少なく、人口は安定していた
  • 競合する事業者もなく、業績は安定していた
  • 価格設定は高額であったが、主要顧客となる40~50代の主婦層に「口コミ」で受け入れられた
  • 健康に配慮したマッサージやトリートメントなどの薬剤が評判であった
  • 薬剤は、健康に配慮する化粧品メーカーから仕入れていた
  • マッサージやパーマの施術に関する技術や、薬剤の髪への浸透方法は、独特のノウハウであった
  • 開業10年後には、住宅地が開発され、私鉄と連絡する地下鉄が開通した
  • 駅前商店街を通る通勤、通学客が増加した
  • 低価格設定の美容室を展開するB社が駅前商店街の近隣に進出してきた
  • B社は有名人をカットモデルとして広告塔にすることで、集客を図っていた
  • 華やかさとカジュアルさを訴求することで新規居住者である若い女性を中心に、B社は顧客を獲得した
  • B社が進出により、A社の新規顧客の来店数が減少してきた
  • 新規顧客を獲得するため、A社も低価格の支店を地下鉄の駅前に開業した
  • 「健康と美容を手ごろな価格で」をテーマとしてチラシを中心に訴求した
  • 若い女性を中心とした新規顧客は、短期的には増加した
  • A社の主要顧客である40~50代の主婦層は、他店に流出することが多くなった
  • 来店頻度や客単価が低下したことで、利益率が低くなり、業績が悪化した
  • A社はこれを機に改革に乗り出すことになる
  • 現在では、5店舗を郊外に展開している

6.サービスについて

  • 営業時間は、10時から21時迄である
  • 健康と環境を重視したサービスを貫いている
  • 一人一人に適したサービスと商品を提供している
  • 本店は完全予約制で高額である
  • 個室での美容相談やカウンセリングなどが中心である
  • カウンセリングは、特殊な顔面洗浄や、縮れ毛修正などといった難易度の高い技術に関する内容である
  • カウンセリンリングに対する顧客の評価は高い
  • 本店は支店を利用してもらうためのアンテナショップ的な位置付けでもある
  • 支店では、カットやパーマ、スタイリングなどの施術サービスを提供している
  • 支店で行う施術サービスは、特定のスタイリスト(従業員)に集中している
  • 売上の8%程度を占めるケア商品の購入割合は本店の利用顧客が80%である
  • 売上原価の60%は、スタイリストの人件費である

7.健康への取り組みについて

  • 髪の健康を配慮したヘッドスパ(頭皮洗浄)に力を入れている
  • 頭皮を清潔な状態することで健康的な美しさを実現できる
  • 頭皮洗浄のための高額なヘマチン(髪の補修成分のこと)を配合したシャンプーとトリートメントを安価に提供している
  • 「顔のマッサージサービス」は、血行とリンパの流れに効果があり、老廃物を出して顔のむくみを軽減する
  • 「システムパーマ」は、髪の栄養を補いながら行うため、髪の損傷を抑制できる
  • 常連顧客以外は、健康への取り組みに関する認知度が低い

8.環境問題への取り組みについて

  • 全国に約22万ある美容室は、パーマやカラー剤などの化学物質を、原液に近い状態で川や海に排水している
  • その結果、地球環境や人体の健康に影響を及ぼしている
  • 社長は、化学物質を排水することに罪悪感を持っていた
  • 天然水を使ったシステムにより、排水する薬剤の量を半減させている
  • さらに「薬剤1/4化プロジェクト」立ち上げ、取り組みを行っている
  • パーマ液をトリートメントと水に分解する環境を配慮したオゾン発生器を使用している
  • 使用するドライヤーは、一般的にマイナスイオンが多い滝つぼでの発生量より100倍も多いのが特徴である
  • Webサイトで環境へ対する取り組みについて情報を発信しているが、アクセス数がほとんどない

9.サービス向上へ向けた取り組みについて

  • 従業員の8割が下記2つの資格を持っている
  • 「ヘアケアマイスター」は、毛髪診断の的確な助言するための資格である
  • 「カラーアナリスト」は、最良の色や似合う色を提案するための資格である
  • 業界団体主催の施術や接客技術を競い合う全国レベルでのコンテストが定期的にある
  • A社はコンテストで団体の部と、個人の部で受賞している
  • トリートメントをはじめ、髪に薬剤が定着するには温度、湿度、水分量、薬をつける順番などが重要である
  • プロセスや条件を重視した独特のノウハウがある
  • 施術後は顧客自身でもヘアセットが簡単にできる効果がある
  • 顧客向けの勉強会では、薬剤の成分に関する情報を中心に説明している
  • 常連顧客以外は、サービス向上に関する取り組みの認知度が低い

10.販促活動について

  • 主要顧客は、40~60代の女性である
  • 他社と比較しても価格は高めである
  • Webサイトでは、会社案内、サービスメニュー、A社の特徴を発信している
  • アンケートを定期的に行い、以下のような意見がある
  • スタイリストの話題が豊富で会話が楽しい
  • カラーリングが優れている
  • 顧客の意見を商品やサービスに反映する方針を明示している
  • 顧客の価値観の差が、来店頻度に大きな影響を与えている

11.市場動向について

  • 美容の市場規模は、近年縮小傾向にある
  • 今後も価格競争が激化する予測がある
  • 消費者は、技術だけでなく、安全や安心、癒しなどを求めている
  • 低価格店は、短時間で施術し、効率性を重視している
  • 高価格店は、ビューティープラン提案をはじめとした、付加価値の提供を重視している
  • その結果、高価格店と低価格店の2極化が生じている

12.競合店舗について

  • 大手B社の低価格美容室がある
  • 全国で、30店舗を展開している
  • 顧客は、20~30代が75%を占めている
  • 大量メール配信システムを導入し、メールマガジンを発行している
  • 大手化粧品メーカーのヘアケア商品やスキンケア商品を販売している
  • C社は、ファッション性や優雅さを重視した美容室がある
  • 顧客は、中高所得者が大半を占めている
  • 優雅なひと時を過ごせるように、完全予約制である

13.今後の展開について

  • 価格競争回避のため、新たな取り組みを検討している
  • A社の健康と美容の取り組みを顧客に訴求することで、新規顧客を獲得したい
  • 商店街の一角にある「健康と美容」を追求した酵母温泉と連携し、「地域住民の交流の場」として活用できるよう、関係者との調整を行っている
以上

A株式会社の概要

法人名 A 株式会社
創業 平成4年(1992年)
設立 平成14年(2002年)
従業員 70名(パート、アルバイト含む)
資本金 100百万円
売上 980百万円(20×〇年)
所在地  本店 神奈川県川崎市 支店 川崎、町田、相模原
役員  代表取締役 山野 美和子  専務取締役 川野 健
事業内容  美容に関する施術サービス  美容商品の販売

沿革

1992年 1号店(本店)を開業(客席数は5席)  
1995年 化粧品メーカーと業務提携、商品の共同開発を開始  
1997年 1号店を増改築(客席数を10席に増加)  
2002年 2号店を新規オープン  
2004年 3号店を新規オープン  
2006年 4号店を新規オープン  
2008年 5号店を新規オープン

A社経営理念

私たちは、常にお客様へ対する感謝と、ともに成長することを第一と考え、日頃から健康と美を追求し、お客様に豊かな生活を提供します。

A社社長プロフィール

山野 美和子(やまの みわこ)

19●●年●●美容学校卒業後、大手美容室に入社、スタイリストとして様々な施術技術を経験する。退職後、A社を創業。趣味は、バードウォッチングと読書。

A社損益計算書

単位:千円
  2010年度 2011年度
売上高
売上原価
1,000,000
865,000
980,000
833,000
売上総利益 135,000 147,000
販売費・一般管理費 115,000 107,800
営業利益 20,000 39,200
営業外収入
営業外費用
1,000
3,000
1,000
4,000
経常利益 18,000 36,200

設問

問1 A社の顧客コミュニケーションにおける課題を3つ記述しなさい。

・課題1:
・課題2:
・課題3:

問2 問1の課題解決に向けて、A社へ提出する提案書に記載する施策について記述しなさい。

・施策の想定ターゲット顧客
・コンテンツやコミュニケーション施策
・施策で使用するメディアと選定理由

問3 A社へ提出する提案書のタイトル、提案の主旨(特徴)を記述しなさい。

・提案書のタイトル
・提案の主旨(特徴)

問4 A社へ提出する提案書をクロスメディアエキスパートとして記述しなさい。

・【記述形式:A4・横書き・3枚】

第46期DTPエキスパート模擬試験+解説講座

第46期DTPエキスパート認証試験に向けて、学科模擬試験と問題解説および実技試験のポイントを解説する対策講座を開催します。
本試験問題の約半数の問題に取り組み、本番試験に向けて不得意分野の分析と対策をして備えましょう。

日時

2016年7月2日(土)9:00~16:10

内容

・試験ガイダンス
・第46期模擬試験問題(約2時間)
・自己採点
・学科解説と実技課題制作試験のポイント(約3時間)

会場

東京会場 (公社)日本印刷技術協会 セミナールーム 杉並区和田1-29-11
大阪会場  大阪印刷会館 4Fセミナールーム 大阪府大阪市都島区中野町4-4-2
各会場へのアクセス

定員

 
東京会場:80名 大阪会場:40名

受講料

9,720円(税込)
開催日の2日前までに下記の口座へお振込みください。
振込先:三菱東京UFJ銀行中野支店 (普)4592772 
シャ)ニホンインサツギジュツキョウカイ

申込方法

►Web申込

►FAX申込

FAX申込み書(PDF)をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、JAGAT販売管理担当(03-3384-3216)までFAX送信してください。お申込み内容を確認後、参加証をお送りします。

お問い合わせ

☞お申込みについて 販売管理 TEL(03)5385-7185
☞講座内容について 資格制度事務局 TEL(03)3384-3115 E-MAIL: expert@jagat.or.jp
※大阪会場ご参加の方の当日連絡先 (公社)日本印刷技術協会 西部支社 TEL(06)6352-6845