印刷技術」カテゴリーアーカイブ

間欠オフセットとはどういうことですか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:間欠オフセットとはどういうことですか。

A:特にオフ輪でおこなわれることで、間欠印刷といわれるものです。
印刷機のシリンダーの円周は一定です。印刷する絵柄がその円周にぴったりの絵柄だとそのまま印刷できます。しかし、印刷機のシリンダーに対してどうしても絵柄が小さくなり、数センチ隙間があいてしまうことがあります。
 このときに印刷しながらこの隙間の部分を埋めるために用紙を戻しながら印刷することをいいます。つまり一回シリンダが回転したら隙間の分戻りながら印刷します。これはシールラベルの印刷でよく使われるものです。
 通常の印刷では、仕上がりサイズに合わせて印刷機のを選択します。しかし、シールラベル印刷の場合、仕上がりサイズが多岐にわたりますが、多様化したサイズ毎のシリンダーや印刷機は存在しません。
 したがって、シール印刷ではある一定のシリンダーの円周以下のサイズで印刷し、隙間のあいた部分は用紙をその分戻しながら印刷するということをしています。

 

(2001年11月19日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

BF印刷で天地寸法がミリの連続フォームがあるとききましたが、本当にあるのでしょうか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:BF印刷で天地寸法がミリの連続フォームがあるとききましたが、本当にあるのでしょうか?

A:通常ビジネスフォーム(BF)印刷はプリントアウトされるプリンターの規格にのっとって印刷されます。つまりプリンターの送りのピッチ幅が天地6分の1又は8分の1インチ、左右10分の1インチであり、その延長上に1セットのフォームの寸法がインチで設計されます。印刷するときは、任意に打ち出しの寸法を指定しておけば、それを基準に同じピッチ幅での印刷が連続して行うことができます。
また印刷用シリンダーも、決まった円周のシリンダーが揃えられており(通常は、10/11/12/14/16/18インチ)必ずしも自由に天地寸法が決められるわけではありません。 したがって、連続フォームの状態では原則として天地寸法がミリであることはないでしょう。
 しかし、印刷機のギアを変えて擬似的に天地寸法がミリのフォームを印刷することも可能です。
 例えば、A4寸法は210×297ミリですが、天地寸法を297ミリにした連続フォーム印刷は可能です。
297ミリ=約11.69インチです。これを印刷するときに、11と2/3インチのシリンダーを使用します。11と2/3インチというのは、11.66インチです。ここでシリンダーと現物と0.03インチという誤差が生じますので印刷機の中を流れる用紙を多く出すことによって無理やり規格寸法のA4にとして印刷します。ここでの寸法は正確な297ミリというわけではなく、若干の誤差はあるようです。

 

(2001年11月26日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

A:一般的には芳香インキを使っています。この印刷を香料印刷(マイクロセント)といっています。
芳香インキは、インキ組成中に直接香料を加え、浸透乾燥タイプとして凸版などで印刷するタイプと、マイクロカプセルに香料を封じこめたものをインキ化し、印刷物自体は芳香性はありませんが、印刷面を擦ると擦過作用でカプセルが破壊され、芳香効果が生ずるタイプのインキがあります。
前者のタイプは保香性の問題などがあり今では殆ど使われておらず、後者が使われています。
芳香インキは、まず香料メーカーが臭いをつくり、カプセルメーカーがインキに混ぜるための香料カプセルを作ります。このカプセルが通常のインキの顔料に替わるものなので、インキメーカーでカプセルとワニスを混ぜ合わせて香料インキを製造します。
通常インキメーカーでは数種類のカプセル(例えば、レモン、オレンジ、ラベンダー、等)を在庫しておりますが、印刷会社からの要望により独自の香りを作ることも可能です(もちろん限界はあります)。この場合、香料メーカーに特注しますので少し時間がかかります。
香料印刷は、平版、水無し平版、樹脂凸版、スルリーンで印刷されます。乾燥方式も光硬化型、酸化重合型、溶剤乾燥型、オフ輪の場合は熱乾燥型を使います。
スクリーン印刷が多く用いられています。これによるとインキの盛り発色がいいです。最近は平版や樹脂凸版での印刷も可能になっております。特に平版での印刷のメリットは大ロットの場合、コストを安くできるという点です。しかし、スクリーン印刷と比べインキの盛りが弱いという短所もあります。
芳香インキを使用できる印刷会社としては、商業印刷か出版印刷をやっているところでしたら、どこでも可能だと思います。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

フロッキー印刷とはどんな印刷ですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:フロッキー印刷とはどんな印刷ですか?

A:植毛(フロッキー)とは、手で触ると絨毯の感触が得られる静電植毛技術の応用です。
0.5mm~2.0mmくらいの短い繊維を静電気を利用して全体または部分に植え込み、触ると絨毯を敷き詰めたような手にやさしい感触を与えることができます。金・銀を除く殆どの色が使えます。紙、プラスチック、木材、ガラス、金属のも応用可能です。
工業用では、自動車の内装に使われることもあります。出版関係では、動物の絵本や芝生の部分に用いると効果がありそうです。
製造方法
紙への植毛は、絵柄をオフセットで印刷し、植毛したい部分にスクリーンで「のり」を印刷してから、その「のり」の部分に短い繊維を静電気で付着させて植毛します。
立体物の場合は、植毛した部分のマスクを作り、「のり」をスプレーガンで吹き付け、その後短い繊維を静電気で付着して植毛します。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

3Dホログラムについて教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:3Dホログラムについて教えてください。

A:3Dホログラムとは、平面画像と立体画像をまぜ、角度を変えると、虹色に変化するレインボータイプのホログラムで、平面上の画像と立体感を感じさせるバックの画像を組み合わせたものです。
ホログラムは転写箔とステッカーの2種類のタイプがあります。
例えば、その製造方法は、4倍の線画版下で入稿し、レーザー光を使って高解像力乾板に記録します。その後、メッキ方式で表面の微細な凹凸を金型原盤に再現します。ポリエステルフィルムの表面に金型原盤を用いて熱と圧力を加えてプレスした後、アルミ蒸着を施し、接着剤をコーティングすることによって転写箔またはシールを製造します。
なお、この場合の色は虹色のような分光であり、印刷方式ではないので、色指定や色の直し指示はできません。最大サイズは150×150mm。納期は2~3ヶ月かかるので余裕をもって発注したほうが良いでしょう。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

感熱印刷とはどういうものですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:感熱印刷とはどういうものですか?

A:感熱印刷とは、暖めたり冷やしたりすると、はじめの色が変わったり無くなったり、無色のところに色が現れたりする印刷物です。
陶器のマグカップや、ガラスコップの外側に刷ったり、ラベルを貼っておけば、お湯を入れた時に絵の色が変わるようになります。
製造方法は、オフセット印刷後、スクリーン印刷またはグラビア印刷で部分的に感熱専用のインキを使用して絵柄、文字、マーク等を印刷します。
被印刷物としては、紙、プラスチック、布などがあります。
耐熱、耐圧、耐光性が一般インキより低いので長期に使用するものには使えません。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

球体へ多色印刷するときのポイントは?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:球体へ多色印刷するときのポイントは?

A:ゴルフボールなどにカラー写真が印刷されている場合があります。これは、凹版オフセット印刷機によって印刷されます。
 通常、商印・出版などで多色印刷する場合、必ずトンボというものがあり印刷機の色見台のところでオペレータが各版のトンボを合わせて見当合わせをして印刷します。
 しかし、球体上ではトンボをつけて見当合わせをしてあとから截ちをする事が不可能なため、トンボによる見当合わせはできません。
 一例ですがご紹介します。球体へ多色印刷する場合、まず写真原稿を4色に色分解し、その分解データを(ポジ画像)パソコン上で横並びにBk/C/M/Yと並べます。分解データを並べるときに各色の絵柄間のピッチ幅を正確に決めておく必要があります。ここでレイアウトをしているわけです。ピッチ幅をどうやってどのように決めるかは各会社が独自にプログラミングしているノウハウでしょう。
 次に、このデータをイメージセッタでエマルジョンダウンの状態でポジ出力します。そして、金属版にエッチングを施し刷版します。ここで、正確にピッチ幅を決められた横並びのBk/C/M/Y版が完成します。
 この版を、タンポ印刷機に取り付けます。もちろん、各色ごとのシリコンゴムのタンポ転写体が版の絵柄のピッチ幅に合わせて横並びにセットされます。
ゴルフボールは、受治具というタンポ印刷特有の被印刷体固定器具に固定され、横並びになっている版のピッチ幅に合わせて順番に移動して印刷されます。ここで見当精度を出しています。
 受治具は、被印刷体によって木材などで簡易につくられる場合もあり様々ですが、球体の場合はゴムを素材にして球状の受治具を作成します。ゴムだと球体をはめ込むと、圧力をかけて印刷しても動くことがないからです。

タンポ印刷専門
 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

A:今、携帯電話を多くの人がもつようになりましたし、その種類の多さにも驚かされます。携帯電話のフレームにあるメーカーのロゴや文字表示、ボタンの部分の数字や文字やイラストは印刷されています。
 フレームへ印刷されているロゴや文字は、フレームが平面であるケースが少ないため、曲面用の凹版オフセット印刷されます。
 このとき、フレームにはプラスチックが多く用いられますが、その材質や塗装の種類やもいろいろあるようです。素材によってインキも選択されます。
我々が日常持ち歩くものですから、印刷した絵柄が剥げ落ちないようにしように、飲み物がこぼれても消えないように、等の実験を繰り返してインキが選択されているようです。
 ボタンの部分については、表面に通常の凹版オフセット印刷が施されています。
しかし、最近の機種は、よくみると透明なボタンでボタンの奥に数字などが印刷されているものが多いです。
 最近多いのが上記のタイプの印刷方法で、透明なアクリル樹脂のボタンの奥に文字が白、バックが黒で印刷されています。携帯電話は、暗い場所で使用するときに液晶画面とボタンの文字部分から光が透過します。透明なボタンの裏に白インキでスクリーン印刷やタンポ印刷が施されます。まず文字を逆文字で白や黒などで印刷したあとに(多くのスクリーン白インクは透過しにくい性質を持っています。)文字の上にホットスタンプを施したり、墨インキで印刷します。
 墨インキで印刷する場合、文字部分を抜いて光を透過できるようにしておく方法と、透過性のある墨インキで印刷する方法と、全面墨インキで印刷したあとにレーザーで文字部分を抜く方法などがあります。白インクと墨インクの光の透過性を考えながらさまざまな仕様を決定しているようです。
 以上のように、さまざまな機種の携帯電話が世に数ヶ月ごとに新発売されますが、世の中の人があまり意識していないであろう表示の印刷には、多くの手間がかかっていることを意識していただいて、大切に使いましょう。

 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

パソコンのキーボードへはどのように印刷しているのか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:パソコンのキーボードへはどのように印刷しているのか? 

A:やり方としては、レーザーを照射して印字する方法とタンポ印刷による方法があります。
いずれの場合でも、キーをセットした基盤を作成し、そのキーの配列に合わせてレーザー装置をセットしたり印刷機の見当をあわせます。 
 レーザーを掃射して印字する方法としては、レーザーで照射すると、キーの照射された部分が焦げ付くような状態にするやり方と、キーそのものが製造されるときにレーザーをあてると発色する材料を混合させておいて素材を作成するケースもあります。
 タンポ印刷する方法では、それぞれの各キーに対応したシリコンゴムをセットして印刷します。その後に印刷部分を保護するために、クリアー(透明インキ)で印刷します。
 デスクトップのパソコンのキーボードは、レーザーで処理され、ノート型パソコンは、パッド印刷される場合が多いようです。
なぜなら、デスクトップパソコンのキーボードはある程度キーの数を揃えられる結果、各キーの役割は限られていますので、使用する人間の作業性に影響をあたえることは少なく、表示は1色ですみます。しかし、ノート型パソコンのキーボードは限られた範囲のなかで一つのキーを多種類もの機能のために併用しなければならず、そのためには一つのキーに2色以上で表示しておくと使い易いわけです。
 2色印刷するには、レーザーでは無理で印刷にならざるをえません。また、印字品質がタンポ印刷の方がレーザーで印字したものと比べ良いため、高額なノートパソコンに使用されているのもその要因の1つです。
 あと、レーザー印刷加工が多くなっている理由としては、インクを使用しないので作業性が良いことと、近年ヨーロッパから盛んになったリサイクル化で、プラスチックに不純物であるインクをなくしリサイクル可能な状態に保つことが挙げられます。

 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

商業印刷に使われる盛り上げ印刷の種類と手法について教えて下さい。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:商業印刷に使われる盛り上げ印刷の種類と手法について教えて下さい。

A:通常、盛り上げ印刷には 
Ⅰ盛り上げ印刷は樹脂を熱で溶かして盛り上げるバーコ印刷と、
Ⅱワニスをスクリーン印刷しUV照射器でインクを固めて盛り上げる(デコレート印刷)という2つの方式があります。
 前者は、CMYK4色の原版フィルムと隆起させたい部分の原版フィルム1枚を作成して刷版します。印刷はプロセスカラーで樹脂版又は平版オフセット印刷した後、隆起させたい部分に多少粘着性のあるインキをPS版又は樹脂版で追刷りします。そして、バーコ印刷用の樹脂を全面に散布し、その後バキュームしてバーコ印刷用の樹脂を吸い取ります。そうすると、粘着性のあるインキは接着剤の役割を果たしていますのでその部分にのみバーコ印刷用の樹脂が残ります。この状態で高温で加熱し樹脂を溶かして隆起させ、冷却します。
 後者は、平版印刷されたものに隆起させたい部分に隆起インキ(ワニス)をスクリーン印刷し、UV照射してインキを堅めることにより隆起させるもので、UVデコレートや厚盛り印刷と呼ばれています。
 両者の区別の仕方は、バーコ印刷は表面が単純に盛りあがっていますが、UVデコレートは表面が平滑でエッジが中央より盛り上がり輪郭が強調されているところから区別できます。
 バーコ印刷の際の諸注意点があります。まず用紙適正については、上質系・マット系の紙が加工には向いています。アート系、グロスのコート系の両面印刷してあるものは加熱した際に紙がバーストしてしまう傾向があります。(裏が上質のコート紙 ミラーコートゴールドやエスプリコートは問題ありません)また、ユポなどの合成紙には印刷できません。
 紙厚は、4/6判90kg以上から紙厚で0.30mm位まで加工できます。いずれにせよ、製作する前の段階で用紙を慎重に選択すべきでしょう。
 次にバーコ印刷の際表面加工については、基本的にOPニスは問題ありません(水性より油性の方が適しています)。PP貼りは、熱を通した際にビニールがはがれてしまうので加工できません。プレスコートは問題ありません。
 バーコ印刷の際の後工程については、断裁の場合は、盛り上がったところに圧力がかかりやすいので、通常の断裁同様に一遍に断裁するとバーコ面が潰れてしまう恐れがあります。断裁の際は25枚~50枚ずつ慎重に断裁して頂く場合が多いようです。一番無難な方法は型を作成し、型抜きでやることです。
  バーコ・ダイワ株式会社 Tel 03-3967-7641 

 

(2002年3月25日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)