印刷技術」カテゴリーアーカイブ

香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:香りつきの広告はどのように印刷しているのですか?

A:一般的には芳香インキを使っています。この印刷を香料印刷(マイクロセント)といっています。
芳香インキは、インキ組成中に直接香料を加え、浸透乾燥タイプとして凸版などで印刷するタイプと、マイクロカプセルに香料を封じこめたものをインキ化し、印刷物自体は芳香性はありませんが、印刷面を擦ると擦過作用でカプセルが破壊され、芳香効果が生ずるタイプのインキがあります。
前者のタイプは保香性の問題などがあり今では殆ど使われておらず、後者が使われています。
芳香インキは、まず香料メーカーが臭いをつくり、カプセルメーカーがインキに混ぜるための香料カプセルを作ります。このカプセルが通常のインキの顔料に替わるものなので、インキメーカーでカプセルとワニスを混ぜ合わせて香料インキを製造します。
通常インキメーカーでは数種類のカプセル(例えば、レモン、オレンジ、ラベンダー、等)を在庫しておりますが、印刷会社からの要望により独自の香りを作ることも可能です(もちろん限界はあります)。この場合、香料メーカーに特注しますので少し時間がかかります。
香料印刷は、平版、水無し平版、樹脂凸版、スルリーンで印刷されます。乾燥方式も光硬化型、酸化重合型、溶剤乾燥型、オフ輪の場合は熱乾燥型を使います。
スクリーン印刷が多く用いられています。これによるとインキの盛り発色がいいです。最近は平版や樹脂凸版での印刷も可能になっております。特に平版での印刷のメリットは大ロットの場合、コストを安くできるという点です。しかし、スクリーン印刷と比べインキの盛りが弱いという短所もあります。
芳香インキを使用できる印刷会社としては、商業印刷か出版印刷をやっているところでしたら、どこでも可能だと思います。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

フロッキー印刷とはどんな印刷ですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:フロッキー印刷とはどんな印刷ですか?

A:植毛(フロッキー)とは、手で触ると絨毯の感触が得られる静電植毛技術の応用です。
0.5mm~2.0mmくらいの短い繊維を静電気を利用して全体または部分に植え込み、触ると絨毯を敷き詰めたような手にやさしい感触を与えることができます。金・銀を除く殆どの色が使えます。紙、プラスチック、木材、ガラス、金属のも応用可能です。
工業用では、自動車の内装に使われることもあります。出版関係では、動物の絵本や芝生の部分に用いると効果がありそうです。
製造方法
紙への植毛は、絵柄をオフセットで印刷し、植毛したい部分にスクリーンで「のり」を印刷してから、その「のり」の部分に短い繊維を静電気で付着させて植毛します。
立体物の場合は、植毛した部分のマスクを作り、「のり」をスプレーガンで吹き付け、その後短い繊維を静電気で付着して植毛します。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

3Dホログラムについて教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:3Dホログラムについて教えてください。

A:3Dホログラムとは、平面画像と立体画像をまぜ、角度を変えると、虹色に変化するレインボータイプのホログラムで、平面上の画像と立体感を感じさせるバックの画像を組み合わせたものです。
ホログラムは転写箔とステッカーの2種類のタイプがあります。
例えば、その製造方法は、4倍の線画版下で入稿し、レーザー光を使って高解像力乾板に記録します。その後、メッキ方式で表面の微細な凹凸を金型原盤に再現します。ポリエステルフィルムの表面に金型原盤を用いて熱と圧力を加えてプレスした後、アルミ蒸着を施し、接着剤をコーティングすることによって転写箔またはシールを製造します。
なお、この場合の色は虹色のような分光であり、印刷方式ではないので、色指定や色の直し指示はできません。最大サイズは150×150mm。納期は2~3ヶ月かかるので余裕をもって発注したほうが良いでしょう。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

感熱印刷とはどういうものですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:感熱印刷とはどういうものですか?

A:感熱印刷とは、暖めたり冷やしたりすると、はじめの色が変わったり無くなったり、無色のところに色が現れたりする印刷物です。
陶器のマグカップや、ガラスコップの外側に刷ったり、ラベルを貼っておけば、お湯を入れた時に絵の色が変わるようになります。
製造方法は、オフセット印刷後、スクリーン印刷またはグラビア印刷で部分的に感熱専用のインキを使用して絵柄、文字、マーク等を印刷します。
被印刷物としては、紙、プラスチック、布などがあります。
耐熱、耐圧、耐光性が一般インキより低いので長期に使用するものには使えません。

 

(2001年12月3日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

球体へ多色印刷するときのポイントは?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:球体へ多色印刷するときのポイントは?

A:ゴルフボールなどにカラー写真が印刷されている場合があります。これは、凹版オフセット印刷機によって印刷されます。
 通常、商印・出版などで多色印刷する場合、必ずトンボというものがあり印刷機の色見台のところでオペレータが各版のトンボを合わせて見当合わせをして印刷します。
 しかし、球体上ではトンボをつけて見当合わせをしてあとから截ちをする事が不可能なため、トンボによる見当合わせはできません。
 一例ですがご紹介します。球体へ多色印刷する場合、まず写真原稿を4色に色分解し、その分解データを(ポジ画像)パソコン上で横並びにBk/C/M/Yと並べます。分解データを並べるときに各色の絵柄間のピッチ幅を正確に決めておく必要があります。ここでレイアウトをしているわけです。ピッチ幅をどうやってどのように決めるかは各会社が独自にプログラミングしているノウハウでしょう。
 次に、このデータをイメージセッタでエマルジョンダウンの状態でポジ出力します。そして、金属版にエッチングを施し刷版します。ここで、正確にピッチ幅を決められた横並びのBk/C/M/Y版が完成します。
 この版を、タンポ印刷機に取り付けます。もちろん、各色ごとのシリコンゴムのタンポ転写体が版の絵柄のピッチ幅に合わせて横並びにセットされます。
ゴルフボールは、受治具というタンポ印刷特有の被印刷体固定器具に固定され、横並びになっている版のピッチ幅に合わせて順番に移動して印刷されます。ここで見当精度を出しています。
 受治具は、被印刷体によって木材などで簡易につくられる場合もあり様々ですが、球体の場合はゴムを素材にして球状の受治具を作成します。ゴムだと球体をはめ込むと、圧力をかけて印刷しても動くことがないからです。

タンポ印刷専門
 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:携帯電話のフレームやボタンへはどのように印刷するのか?

A:今、携帯電話を多くの人がもつようになりましたし、その種類の多さにも驚かされます。携帯電話のフレームにあるメーカーのロゴや文字表示、ボタンの部分の数字や文字やイラストは印刷されています。
 フレームへ印刷されているロゴや文字は、フレームが平面であるケースが少ないため、曲面用の凹版オフセット印刷されます。
 このとき、フレームにはプラスチックが多く用いられますが、その材質や塗装の種類やもいろいろあるようです。素材によってインキも選択されます。
我々が日常持ち歩くものですから、印刷した絵柄が剥げ落ちないようにしように、飲み物がこぼれても消えないように、等の実験を繰り返してインキが選択されているようです。
 ボタンの部分については、表面に通常の凹版オフセット印刷が施されています。
しかし、最近の機種は、よくみると透明なボタンでボタンの奥に数字などが印刷されているものが多いです。
 最近多いのが上記のタイプの印刷方法で、透明なアクリル樹脂のボタンの奥に文字が白、バックが黒で印刷されています。携帯電話は、暗い場所で使用するときに液晶画面とボタンの文字部分から光が透過します。透明なボタンの裏に白インキでスクリーン印刷やタンポ印刷が施されます。まず文字を逆文字で白や黒などで印刷したあとに(多くのスクリーン白インクは透過しにくい性質を持っています。)文字の上にホットスタンプを施したり、墨インキで印刷します。
 墨インキで印刷する場合、文字部分を抜いて光を透過できるようにしておく方法と、透過性のある墨インキで印刷する方法と、全面墨インキで印刷したあとにレーザーで文字部分を抜く方法などがあります。白インクと墨インクの光の透過性を考えながらさまざまな仕様を決定しているようです。
 以上のように、さまざまな機種の携帯電話が世に数ヶ月ごとに新発売されますが、世の中の人があまり意識していないであろう表示の印刷には、多くの手間がかかっていることを意識していただいて、大切に使いましょう。

 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

パソコンのキーボードへはどのように印刷しているのか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:パソコンのキーボードへはどのように印刷しているのか? 

A:やり方としては、レーザーを照射して印字する方法とタンポ印刷による方法があります。
いずれの場合でも、キーをセットした基盤を作成し、そのキーの配列に合わせてレーザー装置をセットしたり印刷機の見当をあわせます。 
 レーザーを掃射して印字する方法としては、レーザーで照射すると、キーの照射された部分が焦げ付くような状態にするやり方と、キーそのものが製造されるときにレーザーをあてると発色する材料を混合させておいて素材を作成するケースもあります。
 タンポ印刷する方法では、それぞれの各キーに対応したシリコンゴムをセットして印刷します。その後に印刷部分を保護するために、クリアー(透明インキ)で印刷します。
 デスクトップのパソコンのキーボードは、レーザーで処理され、ノート型パソコンは、パッド印刷される場合が多いようです。
なぜなら、デスクトップパソコンのキーボードはある程度キーの数を揃えられる結果、各キーの役割は限られていますので、使用する人間の作業性に影響をあたえることは少なく、表示は1色ですみます。しかし、ノート型パソコンのキーボードは限られた範囲のなかで一つのキーを多種類もの機能のために併用しなければならず、そのためには一つのキーに2色以上で表示しておくと使い易いわけです。
 2色印刷するには、レーザーでは無理で印刷にならざるをえません。また、印字品質がタンポ印刷の方がレーザーで印字したものと比べ良いため、高額なノートパソコンに使用されているのもその要因の1つです。
 あと、レーザー印刷加工が多くなっている理由としては、インクを使用しないので作業性が良いことと、近年ヨーロッパから盛んになったリサイクル化で、プラスチックに不純物であるインクをなくしリサイクル可能な状態に保つことが挙げられます。

 有限会社 海鴻社  TEL 03-3697-1686

 

(2001年12月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

商業印刷に使われる盛り上げ印刷の種類と手法について教えて下さい。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:商業印刷に使われる盛り上げ印刷の種類と手法について教えて下さい。

A:通常、盛り上げ印刷には 
Ⅰ盛り上げ印刷は樹脂を熱で溶かして盛り上げるバーコ印刷と、
Ⅱワニスをスクリーン印刷しUV照射器でインクを固めて盛り上げる(デコレート印刷)という2つの方式があります。
 前者は、CMYK4色の原版フィルムと隆起させたい部分の原版フィルム1枚を作成して刷版します。印刷はプロセスカラーで樹脂版又は平版オフセット印刷した後、隆起させたい部分に多少粘着性のあるインキをPS版又は樹脂版で追刷りします。そして、バーコ印刷用の樹脂を全面に散布し、その後バキュームしてバーコ印刷用の樹脂を吸い取ります。そうすると、粘着性のあるインキは接着剤の役割を果たしていますのでその部分にのみバーコ印刷用の樹脂が残ります。この状態で高温で加熱し樹脂を溶かして隆起させ、冷却します。
 後者は、平版印刷されたものに隆起させたい部分に隆起インキ(ワニス)をスクリーン印刷し、UV照射してインキを堅めることにより隆起させるもので、UVデコレートや厚盛り印刷と呼ばれています。
 両者の区別の仕方は、バーコ印刷は表面が単純に盛りあがっていますが、UVデコレートは表面が平滑でエッジが中央より盛り上がり輪郭が強調されているところから区別できます。
 バーコ印刷の際の諸注意点があります。まず用紙適正については、上質系・マット系の紙が加工には向いています。アート系、グロスのコート系の両面印刷してあるものは加熱した際に紙がバーストしてしまう傾向があります。(裏が上質のコート紙 ミラーコートゴールドやエスプリコートは問題ありません)また、ユポなどの合成紙には印刷できません。
 紙厚は、4/6判90kg以上から紙厚で0.30mm位まで加工できます。いずれにせよ、製作する前の段階で用紙を慎重に選択すべきでしょう。
 次にバーコ印刷の際表面加工については、基本的にOPニスは問題ありません(水性より油性の方が適しています)。PP貼りは、熱を通した際にビニールがはがれてしまうので加工できません。プレスコートは問題ありません。
 バーコ印刷の際の後工程については、断裁の場合は、盛り上がったところに圧力がかかりやすいので、通常の断裁同様に一遍に断裁するとバーコ面が潰れてしまう恐れがあります。断裁の際は25枚~50枚ずつ慎重に断裁して頂く場合が多いようです。一番無難な方法は型を作成し、型抜きでやることです。
  バーコ・ダイワ株式会社 Tel 03-3967-7641 

 

(2002年3月25日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

シールにはどのように印刷しているのでしょうか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:シールにはどのように印刷しているのでしょうか。

A:シール印刷といっても様々なものがありますが、ここでは、例えば電車の窓に貼ってあるウインドーステッカーや清涼飲料の缶に応募用のシール・調味料の表示のシールについて述べたいと思います。
 どのシールも通常は、商業印刷物などと同様にパソコン上でレイアウトされ、校正を経て面付けソフトで面付けしてイメージセッタ等の出力機で出力されます。
 電車の車内に貼られているウインドーステッカーなどは限られた地域での広告媒体としての性格があるため、少ロットの印刷物に含まれ、商業印刷用の枚葉オフセット印刷機で印刷されることが多いようです。ステッカーは約1ヶ月前後の期間にわたって貼られているケースが多いため、インキに耐光性が求められます。
 被印刷体は、厚めのフィルム系のタック紙(粘着紙ともいう)を使用します。電車の窓に貼られたステッカーは人の手の触れるところにあるため、簡単に剥がれてはいけません。そのためフィルム系のタック紙はノリの粘着性に強度をもたせています。

 清涼飲料の缶などに貼られている小さなシールなどの印刷は大ロットの印刷物に含まれます。この場合はシール輪転機で印刷されます。この輪転機は幅10インチ、円周が約8インチから12インチの間に数種類のシリンダーが揃えられており、シール自体の大きさから面付けされる数も決まってシリンダーが選択されます。
 被印刷体は上記フィルム系のタック紙よりも薄い材料を使用します。版は樹脂凸版を使用し、インキは光硬化型(UV)インキが使用され、印刷された直後に紫外光を照射して瞬間的に乾燥させます。輪転方式で印刷され印刷後も巻き取られるので乾燥させないと裏移りが発生するからです。
 シールを剥がすと、粘着面に印刷されているものもあります。シールの裏面への印刷は、表面へ印刷した後、剥離紙とシールを剥してシールの裏面に表面と同様に印刷します。粘着面への印刷ということで何か特殊な手法があるように思えますが、もともとインキはウエット状であるため、粘着面に樹脂版をプレスしても支障ありません。
 印刷されたシールは、再び剥離紙に貼り付けられてから型抜きが行われ、シールの型だけが残され、余分な部分はセパレータで剥ぎ取られ、シールが完成します。

 シールにも箔押し加工が施されているものがあります。箔押しはまず、金属をエッチングにより型を作り箔押し機にセットし、シールと型の間に箔材を通して行います。
箔材は、ベース面としてペットフィルムが使われ、その上に剥離層・蒸着層・ノリ層の4層構造になっています。
箔押しするときは、ヒーターで熱せられた型を箔材のベース面側からプレスし、ノリを溶かして箔押し加工します。この時のヒーターの温度は120度~150度で被印刷物の種類により異なります。同様に箔材の種類も被印刷物の種類により異なります。この箔押しはあくまでもシール印刷用のものであり、出版印刷・商業印刷に使われる箔押しとは別のものです。

 

(2002年3月25日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ラッピングバス広告についての申請手続きと製作について教えて下さい。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:ラッピングバス広告についての申請手続きと製作について教えて下さい。

A:街中でよく、車体一面に広告が掲載されたバスを見かけますが、そのバスのことをラッピングバスと言います。各地方自治体には、広告に関する条例・規則が制定されておりその規制のしかたもそれぞれ違います。ここでは、東京都の例について述べたいと思います。
 東京都では、それまで屋外広告には「東京都屋外広告物条例及び同施行規則」で面積制限が課されていましたが、平成12年4月にこの条例・規則が改正され、ラッピング広告が可能になりました。

【広告料金】
 広告主は東京都から指定された広告代理店にラッピング広告を出したい旨を依頼し、広告代理店から東京都交通局へ応募します。
 バスの路線はS・A・B・C・D・Eランクに分けられており、それぞれ基本料金が設定されています。これは都心に近い場所から郊外にいくにしたがってランクが……C・D・Eへと下がります。実際にどこの地区のどの路線がS・A・B・・かは東京都交通局で任意に決定しています。
 料金はSランクが月30万円(年間300万円)、Aランクが月20万円(年間200万円)、Bランクが月16万円(年間160万円)、Cランクが月12万円(年間120万円)、Dランクが月8万円(年間80万円)、Eランクが月6万円(年間60万円)です。また、ランクによっては、ダイヤ指定料金がかかる場合もあります。(この料金は2002年4月からです。)
これはあくまでも基本料金ですので、詳細についてはその都度お問い合わせ下さい。
 デザイン料は別途見積もりとなりますが、製作費は概算で120万~150万円/1台です(出力・施工の難易度によりまた違ってきます)。

【申請手続と審査】
 広告代理店は広告主の意思に基づいてランクごとに応募しますが、人気の高いランク(特にA・B)は抽選になります。抽選に当選すると、広告主から出されたデザインがラッピング広告として適切かどうかを審査する「デザイン審査委員会」でデザイン審査を受けます。
 このデザイン審査は東京都交通局が「東京都交通局車体利用広告デザイン審査基準」を作り、専門家を交えて広告デザイン案の審査を行います。
一般審査基準の要件としては、道路交通の安全を阻害するおそれがなく、車両運行上の支障とならず、都市景観との調和を損なうものでないこと等があります。例えば、全面金赤ベタだと消防車と間違われるおそれがあるのでダメだとか、細かい文章が多く書かれていると、他の車の運転手が思わず文章を読んでしまい事故につながるおそれがあるのでダメだとか、その他、善良の風俗・公の秩序を乱すような広告は一切ダメです。この審査でポイントになるのは、第一に交通事故が発生する原因をつくらないこと、第二に都市の美的景観を損なわないことです。

【製作】
 以上の審査をクリアして実際に製作にとりかかることができます。レイアウトは、パソコンでデータ処理されます。またデザイン上重要な部分(タレントの顔等)がドア等に掛かかって切れ目ができないように、配慮がなされます。また路線番号・車椅子の表示など必要部分をはフィルム施工後、別ステッカーを貼っています。
 このデータは、看板、内装用の専用の大型プリントシステムで出力されます。まず、専用紙にシステムの出力機でトナー出力します。この後バス専用のマテリアル(シール状になっているフィルム)にトナーのついた用紙から熱転写し、すぐラミネート加工します。マテリアルの耐候性は目的に応じて選択可能ですが、2~5年ぐらいです。
 出力されたマテリアルを施工業者が車体に貼り合わせます。このときに数枚のマテリアルを貼りますので絵柄の切れ目をうまく合わせるためにつなぎ目を数ミリオーバーラップさせています。また中にエアーが入らないように注意しなければなりません。
 こうした、ラッピング技術は様々なマテリアルが揃えられており、バスの他に電車・ビルのウィンドウ・天井・壁面・フロアー・展示パネル・室内装飾等、広告手段として工夫して使用されています。

       福島印刷工業(株)グラフィック事業部 
        TEL 03-3953-0121 
        URL http://www.net-fp.co.jp 

 

(2002年4月1日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)