印刷技術」カテゴリーアーカイブ

立体印刷でHALSとはどういう印刷ですか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:立体印刷でHALSとはどういう印刷ですか。

A:立体印刷は平面上で絵柄が浮かび上がって見えたり奥行き感をだす等、視覚的に立体感を得られる印刷であり、ホログラムやステレオグラム、2枚写真法、レンチキュラーレンズ法等さまざまな手法があり、立体感をだすための一つの手法としてHALSがあります。
  HALSとは、グラパックジャパン㈱の特許製法により製造されたマイクロアレイレンズシートです。このシートの片面には微細なレンズが碁盤の目状に規則的に配列されており、蒲鉾型のレンチキュラーレンズとは違い一定のピッチ間隔で半球状の微細なレンズが敷き詰められています。したがってこのレンズの片面はマイクロレンズが敷き詰められてザラザラしており、もう片面が平滑性をもつ光沢面となっています。
  現在HALSには400-PP、500-PP、400-PETG、500-PETGの4種類の製品があり、これは製品名の通り材質がPETかPPかということ、材料厚が0.4mmか0.5 mm であることを表しています。

 【製造方法】
  このHALSシートの光沢面に立体視させるためのドットパターンをデザインに合わせた色のUVインキで平版印刷します。このシートはフィルムという特殊原反であるため通常の油性インキの密着性と乾燥性に問題があるためUVインキを使用しています。
  HALSシートの一定のピッチ間隔をもった半球状の微細なレンズと印刷されたドットパターンのピッチがぴったり同じになると立体感は出ません。レンズとドットパターンのピッチを微妙にズラして印刷することにより立体感を出しています。このピッチ幅はIllustratorでデータを作成するときにピッチ幅を少なめにしたり大きめに調整しています。
  またレンズを通して小さい網点を大きく見せているので四角やハート型などドット形状を変えることによりさまざまなデザイン上の効果を出すことができます。そしてドットパターンを印刷した後にその上に白ニスや合紙などを貼って表面を保護します。
 上記の処理後、ザラザラのレンズ面側から見るとドットパターンが実際の印刷面より浮かんだり沈んだり立体的に見えます。
  ザラザラのレンズ側への絵柄の印刷は平版オフセット、スクリーン、グラビア、インクジェットプリンタのいずれかで印刷します。そして絵柄のバックグランドにドットパターンによる遠近感をだすことにより訴求力を高める効果が発揮されます。

 【用途】
  使用目的として注目されているのは、販促ツールやPOPなどのSP関係です。通常のプラスチック素材と同じように曲げ加工もできるのでパッケージの用途にも使えます。 どこに使うかの制限はありません。ただPPやPETですから極端に熱がかかるところには使えませんので材質的な制限はあります。そういう物理的な規制を除けばアイディア次第でどこにでも使用できます。
  また今後考えられる市場が交通広告です。交通広告は印刷の制作費の他に掲載料が必要です。この掲載料はバスや電車の中など人目につきやすいところに設置されるための料金と考えられます。
    確かにHALSという媒体は紙よりは高いかもしれません。しかし、紙よりも訴求力は高いと考えることができるので最終的な投資対効果でみたときにプラスの効果があるのではという期待もあります。通常の紙にするのか前例のないHALSのようなものにするかはそれぞれの企業の考え方です。今後の方向性として交通広告市場にも期待されます。

 取材協力:グラパックジャパン㈱
     TEL 03-5213-5554 FAX 03-5213-5559
 http://www.grapac.co.jp/

 

 (2006年3月20日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

3D印刷はどうして立体的に見えるのでしょうか

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:3D印刷はどうして立体的に見えるのでしょうか

A:3Dとは、印刷物を立体的にみせるために、かまぼこ型のレンズを万線状に並べた特殊シート(表面が波形、裏面は平面)に画像を印刷する技術です。 3Dを制作するには、特殊レンズシートを介して見たときに立体的に見えるような印刷版をつくらなければなりません。使用する原稿は複数の写真や3D用のイラストです。この原稿を専用の画像処理ソフトで処理します。
具体的には奥行きがでるように万線模様がつくられており、沈む部分の画像はより細かい万線で浮き出る画像は粗い万線でかつ絵柄をズラしてデータを作成して印刷用版をCTP出力します。
 通常の用紙に印刷して特殊シートを貼り合わせるやり方もありますが、これだと2工程になる為、特殊シートの平面側に直接印刷します。このときシートは非吸収素材であるためUVインキで絵柄を印刷し、かつ素材が透明であるため絵柄を印刷したあとにホワイトインキを2度以上印刷して透けないようにします。
 印刷された画像に特殊レンズシートを通して見ると、かまぼこレンズの作用により左目と右目の画像が分かれ、その画像が人の頭の中で合成され立体画像となって認識されます。特殊レンズシートのかまぼこ状の万線の本数は1インチあたり100本、75本、50本、40本、20本などがある。これは用途により選択されます。
用途としては、名刺・ハガキ・ポスター・清涼又はアルコール飲料缶の宣伝用ポスター・本の表紙・カード類に多く使われています。
3Dは印刷物全体に変化をもたらすため、名刺やハガキなどは初対面の人にインパクトを与え、ポスターやパンフレットは注目度を集めるという宣伝効果が期待できます。
 

取材協力:㈱陽成社
       新宿区赤城下町44 TEL 03-5229-4202
 URL http://www.yosey.co.jp

 

(2007年2月1日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

建材印刷とはどういう印刷ですか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:建材印刷とはどういう印刷ですか。

A:建材印刷とは居住空間やビルのオフィス、公共スペースなどの床、天井テーブル、キッチン等のアイテムに関する印刷です。 

 消費者はデザインや色について多くの情報や知識をもっているので趣向が多岐多様になっています。そのため1年・半年というかなり短いスパンでお客様の趣向も変わります。
 例えば木目にも流行があります。一般的に木の種類には杉や松、ブナ等がありますが木の種類自体にもトレンドがあります。またそれにかかわる色(明るいもの、暗いもの、中間色等)も消費者の趣向が変わってきますのでそれに先駆けた提案をしていかなければなりません。印刷会社としてはトレンドを追いかけることがかなり重要になります。

 「ツキ板」という1~2㎜の厚さで木を薄く剥いたもの用意して専用のスキャナで撮影してカラー分解します。以前はカメラで撮影していたが、今は多くがスキャナで撮影するようになりました。
建材印刷用のスキャナは専用のものであり、木目でも光のあて方によって凹凸が変わるため一番リアルに見えるように角度を変えてライティングします。
建材の印刷物は化粧紙と呼ばれています。化粧紙を貼って板ができますが、これは化粧板と呼ばれています。
 被印刷体は加工することを前提にしており多くの種類がありますが多く使われているのが金属のチタンを抄造時にいれたチタン紙というものです。この素材は建材印刷以外には使えません。又、薄葉紙もよく使われます。この2つが建材の代表的な原紙です。
チタン紙は80g/㎡で薄葉紙が30~45g/㎡近辺のものが多く使われています。印刷は平均で3000メートルの巻取り紙が使われます。建材のインキもさまざまですがチタン紙、薄葉紙とも専用のインキがあります。

 表面加工についてもいろいろありますがチタン紙ではメラミン加工、ダップ加工、ポリ加工が代表的です。メラミン加工やダップ加工の用途はテーブルや床、壁等です。ポリ加工は耐久性を求めないところに使われます。
薄葉紙はチタン紙よりもベースが薄くなりますから物性は落ちます。チタン紙の用途よりは物性の求めないところに使われています。加工としてはウレタンコートです。用途は棚板やシステムキッチンなどの内側に多く使われます。

 チタン紙にはメラミン、ダップ等の樹脂を浸透させます(含浸)。そして含浸した状態で板の上に載せて乾燥炉を通して乾燥させます。樹脂は熱硬化タイプなので熱圧でプレスすると一度溶けて固まることにより接着します。
ポリエステル化粧板加工では印刷されたチタン紙を板の上にのせ板に接着剤をつけて貼りつけ、ポリエステルを流して固めます。
 薄葉紙の場合、印刷した状態では表面物性がないため印刷機の最終ユニットでコートをします。このときコーティング剤としてウレタンが多く使われます。ある程度物性を保った紙になり板に接着剤で貼ります。建材の印刷物は化粧紙と呼ばれています。化粧紙を貼って板ができますが、これは化粧板と呼ばれています。

 建材印刷では新版の場合の納期は柄が決まってから印刷までが約一ヶ月半から二月です。色校正については、表面加工したものが評価になるので仕上がりと同じ条件でないと今のところ受け入れてもらえません。デジタル出力機による校正は表面加工した仕上がりではなかなか色は合いにくい為、グラビア枚葉機を使って本機と同じ紙とインキで校正刷りを製作します。
 しかし、出版、商印の分野ではデジタル出力機による校正が行われており、建材分野でも近い将来デジタル化していかないとコストの問題や印刷でも環境問題もあるためこれからの検討課題でしょう。

取材協力:㈱千代田グラビヤ
    URL http://www.chiyogra.co.jp/

 

(2007年5月1日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ペットボトルのシュリンクラベルはどうやって作られますか

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

 

Q:ペットボトルのシュリンクラベルはどうやって作られますか

A:ペットボトルのシュリンクラベルをデザインするには最終的にボトル形状による収縮を考えなければなりません。ボトルによっては太い部分や細い部分があり、そうした部分はシュリンクしたときの収縮率が違います。太い部分と細い部分では縮みかたが異なります。どのくらい縮むかは計算値で概算の収縮率をだしています。  基礎となるデザインについてはメーカー側が制作します。印刷会社は受け取った原稿をグラビヤ印刷で再現する為に加工を施し、分版作業をすることになります。商品の訴求性を高めるためにユーザーの欲するデザイン再現を常に考えなければなりません。

版校正はカラープリンタ(フィルムに出力)を使用する事が多く、ある程度の色の方向性を確認します(特色は、分解で表現する為、色を合わせることは難しいのが現状です)。

版校正の校了後は、専用の校正機で本番の収縮のフィルムを使って印刷し、お湯で縮めて実際の形状に仕上げて色校正及び収縮後のデザイン確認をします。

シュリンクラベルは熱収縮するフィルムです。材質はポリスチレンとポリエステルの二種類が多く使用されます。これは巻取りでグラビア印刷をしますが、最低でも2,000m以上は印刷します。飲料水でも売れているものそうでもないものによりさまざまです。印刷会社では印刷、ミシン目入れ、接着加工をして仕上げたロール状の製品、又はカットして枚葉に仕上げた形のいずれかで納品しています。

また、インキはフィルム材質によって種類がありますが、最終的にシュリンクされても大丈夫な専用の伸縮用インキです。

飲料ボトルの場合は、主に飲料充填メーカーでラベルの装着を行います。飲料などの中身が充填されてキャップがついた状態で流れてきたボトルにラベルをカットし落とし込み位置決めをしてから温風トンネルに入れてラベルを収縮させて出来上がりです。

取材協力:㈱千代田グラビヤ  URL http://www.chiyogra.co.jp/ 

 

(2007年5月14日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

軟包装について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:軟包装について教えてください。

A:基礎となるデザインについてはメーカー側が制作します。印刷会社は受け取った原稿をグラビア印刷で再現する為に加工を施し、分版作業をすることになります。商品の訴求性を高めるためにユーザーの欲するデザイン再現を常に考えなければなりません。 顧客のニーズをいかに形にしていくかということです。 

 軟包装の印刷素材はPET、OP、ナイロン、セロハンなどが代表的なものです。軟包装は内容物の保護という問題があり、その要求を満たさなければなりません。内容物・食品のライフ・流通形態・デザイン性などを考慮する為、材質構成は多岐にわたっております。
 包装の中身にはレトルト食品から乾き物など様々なものが充填されていて最終的に袋にしないといけません。充填されるものによって、材質構成は単層から複層と変化し、要求物性に応じて貼合するフィルムの内容も変わってきます。袋にするためにはフィルム同士を接着させないといけません。接着させる素材としてポリエチレン系のものとポリプロピレン系のものがあり、熱を加えて樹脂を溶かして接着します(単層の場合は、接着部のみ接着剤をコートする場合もあります)。

 食品包材は、食品衛生法、食品包装材料印刷インキに関する自主規制(NL規制に基づく)など衛生基準に適応した材料を使用します。  使用するインキ、素材の組み合わせにより、色の見え方も変わってきます。版校正はカラープリンタ(フィルムに出力)を使用することが多く、ある程度の色の方向性を確認します。色校正は版を作成して校正機を使用する場合もあります。  隠蔽をもたせるための白インキ、金インキ、銀インキ、パールインキ、などの特色は制約事項があります。そこは営業がすべて把握しているわけではないので、技術・工場がバックアップして顧客と交渉することになります。

 印刷は最低でも2000メートルは印刷します。商業印刷用のオフ輪は最近のコンピュータ技術により自動化・プリセット機能が進み以前は7万部以上という大量生産向けの機械であったが、今では1万部以下のロットにも対応できています。しかし、グラビアの輪転の場合は今のところ大きな変化はないようです。
 世の中の消費者のニーズも多様化しており、メーカーとしては商品が売れるかどうか判断しにくく、メーカーが力を入れたからといって決して売れる時代ではありません。逆に力を入れないものが売れることもあり、先をよめむのは難しいです。
取材協力:㈱千代田グラビヤ      URL http://www.chiyogra.co.jp/ 

 

(2007年7月2日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

スチール(金属)缶の印刷方法と特長について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:スチール(金属)缶の印刷方法と特長について教えてください。

A:金属スチールへの印刷は意匠性、美麗性、機能性がありリサイクルできる環境に優しい金属製品(容器)であることが特長です。素材が金属のためインキ・塗料を全く吸収しないので焼付けや速乾性が求められます。印刷・塗装した後、鋭角な折り曲げ・ロール成型・穴あけなどの加工があります。デコレーション(デザイン性)を有する製品であるため金属と塗料との密着性、加工性、表面硬度・光沢・耐摩擦性などの塗膜性能が必要です。

金属原板はSPTFS(ティンフリースチール)、SPTE(ブリキ)などがあります。その選択は印刷被膜機能および印刷外観表現において非常に重要です。それぞれの機能・特性を十分に研究して使用することが望まれます。その成分および規格は、JISG3303によって規定され、新日本製鐵、JFEスチール、東洋鋼鈑の大手メーカーで製造されています。

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プリプレス工程では、通常印刷業界で使用されているソフトで制作され、特別のものを使用しているわけではありません。金属オフセット印刷に使用される原版のスクリーン線数は被印刷体の種類によって異なることはありませんが、175線以上になると網点再現性が劣るため、現在は150線が一般的に使われています。

刷版について、金属印刷はアナログで行われていましたが、最近はデジタルに移行しています。CTPになったからといって金属刷版の専用出力機ではなく一般の紙への印刷に使用する出力機を兼用しています。通常の平版オフセット印刷と同一で、AL板へ感光剤を塗布したPS版を使用しております。

色校正についてはケースバイケースですが、平台校正機または本機校正で行います。尚、平台はブランケットがあるが、圧胴がなく版と板をテーブル上に固定して印刷しています。

印刷方法は、金属原板専用の平版枚葉印刷機で印刷されます。使用されるインキはUVインキで紫外線乾燥させる方法と、油性インキで熱乾燥させる方法があります。下版から納品までの納期は20~30日が目安です。

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金属印刷製品(容器)に使用する材料(スチール)は人と自然に優しい製品であり、リサイクル率が85.1%(2008年スチール缶リサイクル協会調査)と他の材料(PETボトル66.3%、古紙74.5%、)と比較すると優れたリサイクル容器であり、スチール缶(容器)は何度でも新たな資源としてリサイクルできます。

分別排出されたスチール缶(容器)は、磁力選別を行い他の材料(AL缶、樹脂)と区別されます。磁力選別されたスチール缶(容器)はプレス加工が行われ、鉄鋼メーカーに集められ圧延(溶けた鋼は圧延機で延ばされる。)され転炉(スチール缶等の鉄スクラップは溶かした鉄鋼石と転炉で一緒になったり、電炉でそのまま溶かされて鋼になる)の工程を経てスチール缶、冷蔵庫、洗濯機等の家電製品、自動車、橋やビルの鉄骨、自転車、講演遊具等、身の回りに有るあらゆる製品にリサイクルされます。

スチール缶をリサイクルすることでスチール缶を新しく作るよりエネルギーの消費が 1/4、CO2の発生を82%減らせ地球温暖化防止に寄与できます。スチール製品は材料、インキ、染料の組合せで種々の意匠(デザイン)のバリエーションの有る製品をつくります。スチール缶(容器)は保全(密封、防湿)、防ぐ(遮光)、守る(耐衝撃)、強い(耐水耐熱)、安心(危険物滴性)の特性を有しています。

取材協力、資料提供:共同印刷(株)

 

(2009年4月6日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

GCRとUCRとどこがちがうのでしょうか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:グラフィックス

Q:GCRとUCRとどこがちがうのでしょうか?

A:GCR(Gray Component Replacement:グレー成分を置き換え)とUCR(Under Color Removal:下色除去)の基本的な考え方は同じです。UCRはシャドー部分のCMYをスミ版に置き換え、GCRがハイライト部からシャドー部、つまりすべての階調部分のCMYをスミ版に置き換えています。このときCMYをどのくらいの割合でスミ版に置きかえるかで細部の再現が変わってきます。 印刷ではCMYKの4色のインキが重なり合ってカラーを表現しています。しかし、特に高速で運転するオフセット輪転機では、重なった網点の面積率の合計がある一定の%以上になるとうまく刷り重ならないという現象が起こることがあります。そこで、CMYで作られるシャドー部のベタを何割か減らしてスミ版に置き換えています。  またUCRは、CMYからB版を差し引いていく考え方で、シャドー部の色かぶりの補正やグレーバランスをとることにも利用されています。  GCRは、CMYで構成されたグレー部分をブラックインキに置き換えます。置き換えた分だけインキは除去され、適当な量のブラックインキが生成されます。これにより、シャドー部のコントラストと細部の再現性がよくなります。 

 

(2001年10月1日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

GCRによるカラー印刷再現性への影響やコスト的メリットは?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:グラフィックス

Q:GCRによるカラー印刷再現性への影響やコスト的メリットは?

A:GCRを使うのは、絵柄のグレーをよりニュートラルに表現したいときなどに使われているようです。CMYを重ねて刷るよりも、カラーバランスなどのことをそれほど気にせずに刷れると思います。
日本の伝統的な考え方に基づいて、CMYを刷り合わせてグレーを表現しなければならない物については、GCRはあまりかけられないことにもなります。
また、GCRを掛けると通常のプロセスカラーの総インキ量が300%近くあるのを、相当減らせることができます。つまり、ポスターなどの1枚ペラのものにはさほど影響はないと思いますが、分厚いカタログ類などの場合は重量が減るので郵送料金にも差が出てきます。
しかし、あくまでも絵柄にあわせて、お客さんの要望にあわせて印刷することが重要だと思います。したがって、墨インキが価格が安いというメリットも二義的には考えられると思いますが、メインではないと思います。

 

(2001年10月1日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

日本でのヘキサプリンティングの市場について。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:グラフィックス

Q:日本でのヘキサプリンティングの市場について。

A:日本でのHexaCromeの技術を利用した6色印刷の市場規模はどのくらいかという問い合わせがありました。
結果からいいますと、高品位印刷についての市場を捉えた客観的なデータはないようです。
HexaCromeの技術を利用した6色印刷については、アメリカではありますが日本では無いようです。
 7色印刷については、興味をもたれている会社はあるようですが、本当に採用しているのかどうかの確かな情報はありません。
 高精細印刷や、FMスクリーンを使って印刷できる印刷会社はあります。そういう会社では毎月高精細印刷やFMスクリーンの需要はあるようですが、それが全体の何割を占めているか、またどういうものに印刷しているかというデータは公表されていません。
 高品位印刷については、1994年ごろに注目を浴びて、特に高精細印刷やFMスクリーンについて、各印刷会社が新しい印刷技術の波に乗り遅れてはいけないという意識から積極的に取り組んでいた印刷会社が多かったようです。それ以来、取り組む会社が少なくなり、現在にいたっているというのが現状のようです。

 

(2001年11月26日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

キャストコート紙に印刷するとインキがこすれて汚くなるのはなぜですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:グラフィックス

Q:キャストコート紙に印刷するとインキがこすれて汚くなるのはなぜですか?

A:キャストコート紙の場合、印刷が終わるとビヒクルが用紙に浸透し、顔料が紙面上に取り残されてしまい、その結果顔料がこすれてチョーキングのような現象を起こすことがあります。こうしたケースではインキに約5%ほどニスを混ぜてみると効果的です。
また、1年程経過すると変色することがあります。この現象は、用紙のpHの酸性値が高いために発生することが考えられます。なるべく中性の用紙を使用することをお勧めします。

 

(2001年12月10日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)