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クリヤー印刷とはどんな印刷ですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:クリヤー印刷とはどんな印刷ですか?

A:クリヤー印刷とは、印刷辞典には掲載されていませんがポスターなどの絵柄の中で特に強調したい部分にスポット的にUVインキ(透明インキ)でスクリーン印刷することを指します。インキにUVに反応する樹脂が用いられ、肉盛りがよく定着・乾燥が速いという特長があります。
 効果としては、その部分に艶を出すことと耐擦傷性のために用いられ、ニス引き以上の効果をもちます。したかって、クリヤー印刷は、印刷というより実際は表面加工的な要素が強いといえます。
 クリヤー印刷と同じような効果を出すやり方として、バーコ印刷やニス引きがありますが少し違います。バーコ印刷は、ポスターなどの印刷物に強調したい部分にメジウムを平版オフセットで印刷します。そして、メジウムの部分が乾燥しない間に、熱乾燥性の粉(ホットメルトの一種)を印刷物の全面にかけてから粉を吸い上げます。そうすると、メジウムの部分にだけ粉が残り、熱炉にかけることにより粉を溶かして、透明な盛りあがった状態になるというところにその特長があります。
 ニス引きは、全面に透明ニスをローラーでコーティングすることです。その後、ドラムに載せて熱乾燥させます。全面へのコーティングの他に、グラビア、平版オフセット、スクリーン印刷で部分的に艶をだすことも可能です。 

 

(2002年10月21日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

光る印刷物にはどんなものがありますか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:光る印刷物にはどんなものがありますか。

A:特殊印刷の分野で光る印刷物には、顔料に光を蓄える性質があったり反射する粉末が混ぜられたりと特殊なインキを使用されています。版式は孔版が多く使われておりその他に平版やグラビアが使われることもあります。 
 光る印刷物には、蓄光印刷、フォトクロミック印刷、また反射して変化するインキを使ったラメ印刷、パール印刷、というものがあります。

● 蓄光印刷とは光エネルギーを蓄える性質をもつ顔料を練りこんだインキにスクリーン印 刷したものです。蛍光灯などの光を蓄えて暗がりで発光します。通常の蓄光インキは発光時間が30分~1時間程度ですが、7時間位発光するインキもあります。
●フォトクロミック印刷とは、紫外線で可逆的に反応し、発色するフォトクロミック物質をマイクロカプセル化し、印刷したものです。この印刷は、紫外線の存在を色によって確かめることができるのが特長です。紫外線チェックカードは、フォトクロミック印刷を紙に施したカードで、太陽光に当てると、いままで無色であったチェック部がアオに発色します。肌に影響を与える紫外線の存在を可視的に確認できるので、化粧品会社の日焼け止め製品の販促品として使用されました。あと、窓ガラスに貼ったUVカットフィルムとしても使われます。

●ラメ印刷とは、ラメ片を印刷インキ中(主にクリヤー)に混ぜ込んで使用インキとして印刷します。ラメ片を反射して通常の金属粉の反射とは全く違う変化に富んだ反射のしかたをします。ラメの種類としては金、銀、青、緑の単体とそれらを混ぜた7色に反射する物があります。
●パール印刷とは、可視光線をスペクトルに分ける効果があるパール粉をメジウム等に混ぜ込んでスクリーン印刷します。メタリック粉とは違うパール粉独自のわずかに7色に光を反射する効果が得られます。またパール粉の中には光の反射角度によって薄い黄色から薄紫、薄いオレンジ色から薄い青に変化する物もあります。
この2種類のインキは、インキの中に反射粉末を混ぜ込んでいるところに特長があります。

●その他に、蛍光インキを使用する印刷物もあります。蛍光インキは、可視光線および紫外線によって蛍光を発する昼光型顔料を用いたものです。ポスター、カタログ、パッケージ、その他誘目効果を目的とする用途で高彩度の印刷をするのに使用されたり、偽造防止の目的で、証紙類に刷りこんでおき、必要時に紫外線ランプで照らしてチェックする時などにも用いられます。
 最近では、インキジェットプリンタで出力されるケースもあります。

 熊沢印刷工芸(株) TEL 03-3905-1201

 

(2002年11月11日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

レンチキュラープリントとはどんなものですか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:レンチキュラープリントとはどんなものですか。

A:【概念】 
  レンチキュラープリントとは、微細なカマボコ形のプラスチックレンズを絵柄に貼り合わせて、立体像を見る方法です。断面がカマボコ形になっているレンズのことをレンチキュールといっており、それが均等なピッチで複数並んだものをレンチキュラーレンズといいます。レンズの厚みや1インチあたりのカマボコ形の本数などは何種類もあり用途ごとに厚みやレンズの線数も使い分けられています。

  例えば、CDやDVDのジャケット・マウスパッド・ステッカー・トレーディングカード等によく使われていますが、表示されている人間の顔が正面から見ると笑顔、ちょっと角度を変えると怒った顔、別の角度から見ると寝顔になったりというようにいくつかのパラーンに絵柄が変化するものです。
  日本で最初にレンチキュラーが出たのは昭和30年代に流行したダッコチャン人形の開いたり閉じたりする目だったと言われています。

 【種類】
  レンチキュラーには、平面に3次元空間のように表現する3Dと、見る角度を変えることにより絵柄が変化する2Dがあります。3Dは、左目と右目で違うものを捕らえるという目の視差を利用しています。2Dには、見る角度によって通常3つまでの絵柄が切り替わるるものと、一つの対象を4枚以上のバリエーションにした画像によって拡大縮小を表現するズームエフェクト、角度により被写体の中の物が移動するように見えるアニメーションエフェクト、角度により被写体の中の物が他の物に徐々に変化するモーフィングエフェクトがあります。
  また、ズームエフェクト・アミメーションエフェクト・モーフィングエフェクトと表現のされ方が違いますが、すべて2Dエフェクトです。2Dの場合は、角度によって見える範囲を限定できるというレンズの特性を利用して画像を合成しています。2Dと3Dは、画像の合成の仕方がことなります。

 【製造方法】
  製造方法は、カマボコ形のレンズが万線状に並んでいるものに、例えばズームエフェクトを製造する場合、元画像で8画像(特に8画像である必要はない)違う画像で徐々に被写体の中の一部が大きくなる画像データを用意して、それを画像合成用のソフトに入れます。
  そして、例えば75線レンズの場合、万線のレンズの方向と直角に切ると山ができ、75線だとそれぞれの山の幅が0.336~0.337ミリになります。(75線というのは1インチの中に山が約75個あるということです。)プラスチックの成型品なので冷えて固まるわけですから、製造ロットごとに誤差も生じます。
  その8画像データを一枚にするには、正確なレンズピッチを仮に0.3364ミリとすると、レンズの裏側に8等分(0.3364÷8)した画像のラインを印刷することによって、ひとつのレンズの下に8つの画像を入れますが、1ミリあたり75本のレンズの下にそれぞれに8つに画像を分割することにより2Dや動きが表現されます。元原稿は原寸で300dpi以上の解像度があれば十分です。

 【レンズ線数】
  レンズの線数は、10線から100線まであります。そのレンズ線数は用途によって使い分けなければなりません。レンズの線数ごとに焦点距離があり、どのくらいの距離からみたら一番ピントが合って見えるかということから使い分けなければなりません。レンズの線数が細かければ細かいほど、焦点距離が近くなります。そうすると、1インチあたり10本・20本の粗いほうが遠くから離れて見る大きいディスプレイに向いています。
  手に持って動かすようなトレーディングカードやCDのジャケットやマウスパッドだと、75線が多く使用され、だいたい45センチくらいが焦点距離です。
  あとは、ディスプレイの場所によってもレンズの材質を使い分けています。屋内だと通常はPETを使います。屋外だとアクリルが多いでしょう。

     資料提供:日本コーバン株式会社
       〒104-0043 東京都中央区湊1-6-11 八丁堀エスワンビル3F
        TEL 03-3553-5721 FAX 03-3553-5771

 

(2003年1月20日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

スクリーン印刷について教えてください。(版について)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:スクリーン印刷について教えてください。(版について)

A:印刷版式には平版・凹版・凸版・スクリーン版の4つがあり、スクリーン版以外は転写式です。また、他の版式すべてが版上の画像が逆像です(オフセットの場合はブランケット等中間媒体が逆像)が、スクリーン版の場合は正像です。 
  スクリーン版は、画像以外のところはどんな手段を用いてもかまわないので塞いでしまうという考え方があります。なぜスクリーン版が使われるかというと、他の版式の機械では印刷できない被印刷体がたくさんあり、そういったものに柔軟に対処できるとこにスクリーン印刷の利点があります。しかし、機械のスピードは他の版式に比べ劣る部分もあります。
  ここで述べるスクリーン印刷は、用紙・布地・プラスチック・ガラス等への印刷するスクリーンについてで、プリント回路の基板など電子部品を作るステンレススクリーン印刷もあります。

 【スクリーン版の素材】
  もともとは絹糸をメッシュ状に編んでいたものを版(スクリーン)として使用していたのでシルクスクリーン印刷と呼んでいました。
  しかし、絹糸は自然の糸ですから均一性に欠けるという欠点があり、現在の印刷物製造上の精度を考えると限界があります。そこで絹糸に代わる材質としてテトロンやナイロンなどの合成繊維が出てきました。今ではテトロンやナイロンの糸をメッシュ状に編んで版として使用しています。実際のところ、テトロンが多く使われています。
  なぜかというと、版の伸縮はテトロンのほうが伸縮が少なく、ナイロンは伸縮が大きいからです。ナイロンは柔軟性がありますが、精度はよくないという欠点があります。

 【スクリーン版】
  メッシュ状に編んだ布を紗と呼んでいます。それを紗張機(紗を張る機械)で上下左右方向に引っ張ってある程度のテンションに達した時に、フレームに糊付け等をして固定してできあがったものがスクリーンと呼ばれています。
  これを素の状態といっています。その状態だと紗が張られているだけなので、目が詰まっているわけではなく、穴が開いているのでそこからインキが下に落ちてしまいます。
  それでこの後に、印刷画像以外の場所を塞ぐために、感光性のあるゾル(感光乳剤でいろんなメーカーのいろんな種類があります)をフレームに張った紗に塗布します。ゾルが塗布されるとインキは通過しなくなります。

 【刷版】
  刷版では、ポジフィルムを密着して露光します。ここでは、ポジフィルムを密着して紫外線を照射すると感光する部分と感光しない部分に分かれます。あとで水をかけるとゾルの性質として、感光した部分はそのまま残って、感光していない部分は水で流れてしまいます。(通常、水現像とよんでいます) 
  そうするとポジフルムの黒い画像の型通り、そこだけに孔が開き版が出来上がります。これがスクリーン印刷の版の作り方です。
  簡単ないいかたをすれば、イメージする部分以外はどんな方法でも塞いでしまうということです。絵描きさんの世界で、スクリーンをやっている方といのは、写真製版の技術ではないにしても、紗に水性の糊で書いて塞いでしまい、残ったとこだけが印刷できるという原始的なやり方で作品を作っている人もいます。
 

 (2003年2月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

スクリーン印刷について教えてください。(スクリーン線数)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:スクリーン印刷について教えてください。(スクリーン線数)

A:【スクリーン版のスクリーン線数】 
  版(スクリーン)は、一本の糸で編まれていて布地状になっています。日本ではインチが一つの規格になっており、1インチ角というマスの中に何本の糸が通っているかということで、1インチあたり何線といういい方をしています。 
  しかし、それもスクリーン版の場合は変動します。紗として売られている表示としてはそうとしても、実際に版にテンションをかけて固定するので、引き伸ばされていてスクリーン線数は減っているのが現実です。あくまで便宜上よんでおり、本当に定規で正確に測ると決して表示通りではないということです。 
  通常のスクリーン印刷で一番粗い線数が70線です。細かいのになると、460線というところまでできます。通常のテトロン繊維のスクリーンでは、460線が限界といわれています。しかし、今はステンレススクリーンというのもあり、500線以上の細かいスクリーン線数が可能です。そのようなスクリーンは、コンピュータなどの半導体や電気製品の基板などに用いられています。

 【スクリーン版のスクリーン線数の種類】
  現在一般的に使われている孔版のスクリーン線数は以下の通りです。
70、80、100、120、150、180、200、(225、230)、250、(270、280)、300、330、350、380、420、460 
  もしかしたら他にもあるかもしれません。表示の仕方が細かくなっており、225線と230線、270線と280線とを一括している場合もありますので( )書きにしました。以前は40線といったもっと粗いスクリーンもあったようです。 

 【スクリーン線数の使い分け】 
  70~80線までは、糸も太く紗の目が開いています。そこからインキが大量に出てしまいます。スクリーン印刷は、通常のインキだけではなくラメ粉など大きな粉体を混ぜるケースがあります。その時にスクリーンの紗の目を通過しなければなりませんので、必然的に粗いメッシュを使います。

  100~180線までが特に隠蔽性といって下を隠したい場合、厚盛りにしたい場合などの用途ではこの線数です。この線数の範囲までは、印刷物を見たときにインキが盛られている感覚が得られます。これ以上だと糸が細くなってきますから、盛られている感覚は得られません。このクラスまでは糸径が太いものが使われています。 

  200~250まではスクリーン印刷で一般的に使われている線数です。もっと鮮明度が求められてくるとやはりスクリーン線数を細かくしていかなければなりません。このスクリーン線数を使った一般的な例としては、オフィスビルの中にある「消火器」や「非常口」等といった表札があります。最近はこういった単純な絵柄の中でも輪郭の部分を細かく見るユーザーが多いようです。

  版は紗に乳剤が定着しているだけなので、拡大してみると紗の桝目に沿って乳剤が付いているだけです。要するに、直線とはいっても完全に直線ではなく、紗の目に対してギザギザです。そうすると「消火器」のような柄でも輪郭を見られてギザギザが出ると駄目という場合もあります。  こうした場合は、乳剤の膜厚を上げてみるのも一つの方法です。薄いと紗の影響を受けやすいので、もう少し紗と紗を対角線でつながるように乳剤の膜厚を厚くするというわけです。それ以外には単純に線数をあげています。そうすると、もっと桝目が小さくなり、肉眼で見ると直線のように見えて、ギザギザがより目立ちません。 
  逆に線数があがりすぎると、皮膜が薄くなります。線数があがるということはそれだけ糸が細くなることになるので、膜厚が薄いとインキの出が少なくなりスクリーン印刷らしい盛りという迫力が感じられなくなります。 

 【スクリーン印刷での連続階調】 
  スクリーン版のスクリーン線数とポジフィルム上でのスクリーン線数との関係について、ポジフィルムの線数がいくつだからそれに対してスクリーン版の線数はいくつが適当であかという法則が公式というよりも経験値としてあります。 
  例えば、ポジフィルムの網の線数が60線だとすると、60線×5=±少々端数がでるぐらいのカウントが適当といわれています。そうすると60線×5=300線ということになります。  通常60線の網点に対して300線のメッシュを選びます。300線を選んで張りますので実際には270線ぐらいになっています。そうすると×5のちょっとプラスマイナスでマイナスの割り切れないくらいの数字になってきてちょうどいいといったところです。 

  ということはスクリーン印刷で連続階調を表現するにしても、ポジフィルム画像のスクリーン線数がだいたい100線ぐらいが限界なのかという疑問が出てきます。 
  たしかに今まではそうでした。しかし、現在はポジフィルムのスクリーン線数が175線でも印刷しています。175線クラスが平版オフセットの通常の線数ですが、そうした高線数の印刷をスクリーン版でもできないと勝負できない世の中になりつつあります。前途の法則でいくと、175×5でやると今度はえらい高い線数になり、不可能ということになります。しかし、実際のところ420線や460線というスクリーン版でなんとか印刷しているというのが現状です。ではどうやって印刷しているのかについては、各会社のノウハウになるでしょう。 

  実際、あるスクリーン印刷会社では、カレンダーをスクリーン印刷した際に、ポジフィルム画像の線数で300線という高線数のものを印刷しています。 
  これは印刷が非常に大変です。スクリーンの場合はインキが抜けてベチャっとなりがち、もしくは目詰まりを起こしがちで、画像が細かくなればなるほど顕著にでてきます。この場合、UVインキで印刷することになります。UVインキであれば目詰まりすることはありませんし、あとは業界で使われる用語で「泣く」と言っていますが、にじんでしまう事を防げれば可能です。 
  仮に175線というレベルの高線数のスクリーン印刷が可能になったというのも必ずしも版だけではなく、それをずっと印刷し続けることができるインキが開発されていないとだめだし、あとは印刷機やスキージ等すべての要素がある条件を満たさないとできません。 

 

(2003年2月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

スクリーン印刷について(インキ)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:スクリーン印刷について(インキ)

A:【スクリーン版インキ】 
  スクリーン印刷で使用されるインキは多種多用です。ひとつひとつについて述べることはできません。ここでは、乾燥形式という切り口から孔版インキについて述べたいと思います。
  現在使用されているインキで多いのは蒸発乾燥型インキです。蒸発乾燥といってもケトン系の溶剤、いわゆるシンナーを使用しています。平版オフセット印刷は、アマニ油系の樹脂で酸化重合という乾燥方式で、乾燥が遅いです。そういうタイプもあるにはありますが、スクリーン印刷でそれを使ったら、納期に間に合わないことが多くなるでしょう。 
  スクリーン印刷会社が、日常使っているのはシンナー系の蒸発乾燥型インキです。溶剤型のインキでその溶剤が飛んでしまうわけです。自然に放置していても飛んでいくし乾燥炉に入れて熱風をかけるやりかたもあります。 
  これと双璧をなしているのがUVインキです。UVインキは紫外光を照射して瞬間的に乾燥させ、作業効率を上げる等といった利点がありますがUVインキでも蒸発型インキの良さにかなわない部分があります。 
  蒸発型の良さは、インキの発色にあります。UVインキは紫外光を照射してUV照射光が完全にUVインキ層を通らないとインキは固まりません。ですから、光を通りやすくするために若干透明度を出しているので顔料の量が希薄です。 
  UVインキの墨と蒸発乾燥型インキの墨を一緒に刷ってみてどっちか黒いかといったら蒸発乾燥型インキの墨の方が黒いです。色の問題などに敏感なデザイナーの方は比べてみると絶対に蒸発乾燥型インキの方がいいといいます。 
  印刷の現場としては作業性を考えるとUVインキの方がいいのですが発色のことを考えると蒸発型インキのほうかいいです。用途、適材適所で使われています。 
  蒸発乾燥型インキとどっちが多く使われているかというと、比率は半々ぐらいといわれています。 
 

 (2003年2月24日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

電飾看板の印刷について教えてください

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:電飾看板の印刷について教えてください

A: 電飾看板は、従来は殆どが透明か半透明(柔版)の素材にスクリーン印刷やオフセット印刷されています。印刷した後、裏から光を透過させて表示されるものなので、透過することによって、反射では見えなかった不要な模様がよく見えます。また、屋外に設置するケースが多いので、ある程度の耐久年数が求められます。 
  例えばスクリーンのメッシュの跡やゴミや浮遊しているホコリやよく磨いだはずのスキージの線等よく見るといろんな不要な模様があったり、西日が直接当たる場所に設置すると耐久性はどうかとよくいわれます。 
  日常何気なく暮らしに役立てている電飾看板でも、印刷物としてみたときにその製作には書籍や雑誌やチラシ等とは違う大変さがあります。

 【スクリーン印刷でのベタ刷り】 
  電飾看板の印刷で大切なことの一つに、ベタを印刷したときにムラを含めた不要な模様が出ないようにすることがあります。 
  スクリーン印刷でベタ面を刷ったときに、スクリーンの紗の目を通ってインキが下に落ちます。そうするとスクリーンの紗の目の跡が付いていて然るべきですが、実際刷ってみるとそんな跡はどこにも見当たりません。ということは、刷られた後にインキが平らにつながり、ベタになっているということです。 
  電飾看板の場合は平らにつながってベタになるインキを使用しており、そのことをレベリング性が高いといっています。 
  透明度があってレベリング性が高く紗の目が残らなくなるり、多少のスキージの線があったとしても自然に消えてくれるということになります。 

 【被印刷体】 
  被印刷体の素材としてはアクリル板や、最近では透明や乳白色のステッカー状のシートに印刷してそれをアクリル板等に貼りつけるというやり方が多いです。 
  なぜなら、リスクの問題が大きいからです。例えば、アクリル板に直接100枚印刷して30枚失敗したとする場合と(検品の際に不要な模様が目立った場合等)、シートに印刷して貼ってダメなものを廃棄てシートを剥がすというのではどっちのリスクが少ないかといったら、当然シートに印刷するほうのリスクが少ないです。シートは剥離性のシートです。曲面の電飾看板にもシートに印刷したほうが都合はいいです。但し球体には対応できません。 
  以前はアクリル板へ直接印刷していました。アクリル板を一定の大きさに切ってそろえて荒立ちしたものを磨くと、アクリル板に磨いた跡がつきます。それから印刷する前に全部両面からきれいにアルコール等で拭くという印刷を始める前の段取りが大変でした。 
  そうした煩雑な手間がかかるということと、技術が発達しシートの素材が新しいのが出てきました。シートならばある程度の量を面付けしサイズを決めておけば、原価も安いしリスクも少なくなります。 

 【オンデマンド出力とスクリーン印刷】 
  透明シートに印刷するということになると、最近はいろんなメーカーからオンデマンドで出力されるシステムが発表されており、それに伴って様々なマテリアルも開発されています。電飾看板をオンデマンドのシステムで出力されているものも結構ありますが、オンデマンドで出力されたものとスクリーン印刷との区分けというのはどうなっているのかについて述べてみたいと思います。 
  今はオンデマンドのシステムが技術的にも機械そのものも精度が良くなっているので、出来上がったものはスクリーン印刷したものと殆ど同じです。 
  どっちを選ぶかといわれたときに客の好みもありますが、他にはロットの問題が大きいです。あくまでも一般論でいうと、大量生産だったらスクリーン印刷のほうが採算の面で安価でしょう。小部数だったらオンデマンドのほうが採算にあうでしょう。 
  あと、耐久性といったことも重要です。ここでの耐久性というのは主に耐光性ということです。 
  オンデマンドの出力機でも熱転写式や静電式の印字方式の機械から出力されたものは結構耐光性があるといわれています。スクリーン印刷も厚盛りで印刷すると耐光性が出ます。 
  スクリーン印刷後、表面処理をします。上からオーバーコート処理ということで紫外線吸収剤入りのクリアをかけ、さらに耐光性のラミネートかけるとある程度の耐光年数はあるといわれています。 
  例えば、企業が合併で看板を新しく製作するときに、最低限の耐光年数を求める場合があるようです。メーカーとすれば一応の年数を要求してきますが、実際に看板が設置される場所によって退色しやすいか否かは明言できないというのが現状でしょう。ですから実績ベースということになります。 

 熊沢印刷工芸(株) TEL 03-3905-1201 

 

(2003年3月17日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

飲み物のグラスに敷くコースターについて教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:飲み物のグラスに敷くコースターについて教えてください。

A:業務用のコースターの場合、大口のユーザーからでも一回の発注が約5万部といわれています。バブル期の頃には、飲み水の紙コップにも使った時代がありました。そのときはもう少し需要がりましたけど、現在はそんなに需要はありません。 

 紙は吸水紙の一種で専用のコースター紙を使っています。この用紙は一般の印刷会社では使用しないため卸業社でも普段在庫していません。一部市販のものもありますが、製紙メーカは専用の原紙を抄いています。
 コースター原紙の寸法はメーカはによっても違いますが、800×1100ミリ、600×800ミリの判があります。連量も薄いもので137kg、厚いもので563kgといった数種類のものがあります。 

 版は樹脂凸版・フレキソ又はスクリーンで印刷されます。いまでこそドライオフセットという方法もありますが、コースター紙には水を使った平版オフセットは向きません。
コースター紙へは不透明度の高いインキを凸版で厚盛りで印刷しています。

 コースター自身、形が三角・四角、それ以上の多角形のものがあり様々で、大きさも約9cm角ものもが多いですから印刷機は小型の機械で印刷します。小ロットですので、通常の印刷のように四六判、菊判の全判や半裁で印刷し複数の後工程を含めるとコスト高になります。あくまでも消耗品なのでコストを追求した場合に一番いい方法としては小型の印刷機のほうが効率がいいことになります。印刷後は刃型を作成して型抜きします。 

 

(2003年4月7日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

紙コップの製作工程について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:紙コップの製作工程について教えてください。

A:紙コップはコーヒー、ジュース、ヨーグルト、アイスクリームなど飲食物の容器として幅広く利用されています。紙コップは一般的には知られていない多くの手間をかけ製作されており、また衛生上の規制もあります。 
  紙コップの製作方法は画一的なものではありませんが、ここでは基本的な製作工程と材料規制について述べてみたいと思います。

 【プリプレス】
  デザインについては、約100を超える型のサンプルがあり、ユーザーにはどのタイプの紙コップを製造するかを選んでもらいます。選ばれた型に対してどのようにデザインをしていくかということから始まります。
  デザインレイアウトには色々な方法がありますが、紙コップを展開した形が基本になります。紙コップを展開すると扇の下半分がないような状態(以下ブランクという)になります。
  また、貼りあわせ部分やカールという口部を丸めている部分には、文字や絵柄を入れても成型すると隠れてしまうため、成型後の状態を考慮してレイアウトをしていきます。
  またデザインレイアウトをするには一般的にテンプレートと呼ばれる雛型を使用します。(テンプレートはブランクの両サイドの辺を延長していくと交差し、それが扇の中心になりますが、この中心に対して弧が入っています。弧は中心に近づくにしたがってだんだん小さくなってきます。普通の印刷物(チラシ等)をレイアウトするソフト上にある正方形の格子状のグリットに相当するものです) 
  コップに成型したときに、文字や絵柄が水平に見えるためには、扇の中心に対する弧に沿ってレイアウトをする必要があります。例えば単純にまっすぐなレイアウトをすると、成型したときに文字や絵柄の両サイドが跳ね上がって見えてしまいます。 
  また真円は、平面で真円を作りレイアウトしても、コップに成型したときに円が歪んで見えるため、成型したときにどのように見えるかという事を念頭においてレイアウトをしていきます。  デザイン作業にはMacintoshを使用します。まず、ブランクを打ち抜く為の刃の図面はCADを使って作成し、そのデータを利用しデザインテンプレートを作ってイラストレータに落とし込み、デザインをレイアウトをします。 
  色校正については、ベタ印刷の場合はカラーチップで指示を受ける場合が多いようです。通常はカラー出力機を用いて校正しますが、厳密に色調を確認する場合はグラビア印刷機本機で校正をすることもあります。校正が終わったデータは製版部門へ渡り、直接彫刻機で刷版するか又はレーザー露光して腐食するという方法で刷版します。

 【プレス】 
  専用のグラビア輪転機で印刷されます。他の印刷方式は紙コップの印刷は不向きです。その理由の一つはブランクの形状にあります。ブランクは上と下に弧ができます。他の方式だと面付けする際に無駄な部分が出てしまいますが、グラビア輪転機だとエンドレスで印刷できるため、面付けという側面からみると紙の無駄が少ないからです。 
  もう一つの理由は、紙コップ成型時にはブランクに熱をかけたり、高速で搬送するため、耐摩擦性が必要になってきます。こういう耐性にはグラビア印刷が一番適正があるのです。 
  紙の目は、コップに対して垂直になっていなければなりません。なぜならば、後述しますが、加工工程でコップの口元と下部をカーリングさせるときに不都合が生じるからです。製造ロットは一概にいえませんが、最低でも数万という単位で受注されます。 

 【ポストプレス】 
  耐水性をもたせるために、片側又は両側をポリエチレンラミネート加工します。ラミネート加工は、印刷前ラミ加工と印刷後ラミ加工があります。 
その後、胴の部分になるブランクを専用の形状カッターで打抜きます。 

  紙コップは、上記ブランクと丸い底紙といわれる2つの部品からできており、両者を合体させる工程を経て紙コップが出来上がります。 
  底紙は、ポリエチレンをラミネートされたロール状の原紙を底紙打抜機で外側の型で円形に打抜き、内側の型を突き出し絞込んで底紙を作ります。 
  この底紙をコップ状の金型の底に取り付けます。そしてブランクの端をバーナーであぶってポリエチレンフィルムを溶かし、底紙のついた金型にブランクを巻き付けて接着します。昔は糊を使って接着していましたが、今は殆ど内面または外面のポリエチレンラミを溶かして接着をしています。 
  次に胴貼といってブランクの下をバーナーであぶり折りこんで底紙とセットし接着させます。最後にカーリングといってコップの上部を型で外側に巻きこみ、完成です。 

 【材料】 
  紙コップ原紙は一般の紙とは違い、紙コップ専用で耐水性をもたせていたり、印刷適正が良くなるように、原紙の表面を滑らかにするなどの加工がなされています。 
 紙の厚さは原紙の坪量という単位面積あたりの重さであらわします。 
  また、コップ原紙の製造には食品衛生法を受けて食品・添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)の製造基準が適用され、又蛍光物質を使用することは厚生省食品衛生課長通達昭和46年5月8日環食第244号で規制されております。 
  紙コップには一般的に再生紙は利用されませんが、近年の環境問題から、再生紙でもその出所が分かっていれば使用できることもあります。出所が分からない一般の回収品は使用できません。 

  印刷に使用するインキは油性で、熱風をかけて蒸発乾燥させるタイプです。紙コップは食品や人間の口に直接触れるものですから、衛生上の規制が必要です。 
  この点について、食品衛生法には食品包装材料用印刷物を直接規制する条文はありません。そこで、昭和48年に厚生省の指導のもとに、印刷インキ工業連合会が「食品包装材料用印刷インキに関する自主規制」(ネガティブリスト規制)を作成しました。これは食品衛生法の趣旨に沿って、食品包装材料用印刷インキの適正化をはかり内容食品の衛生的安全性を保持することを目的としたものです。そのため、印刷インキの材料として使用される可能性のある物質から、使用してはならない物質を選定し、食品包装材料用印刷インキに配合することを禁止した規制です。
  現在はこの規制にしたがって紙コップは製造されており、この規制に従えば有害物質が入ることはありません。 

 取材協力 東罐興業㈱  
      東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビル 
      tel 03-3502-6054 fax 03-3502-6370 
      URL http://www.tokan.co.jp

      紙コップ製造図 
      URL http://www.tokan.co.jp/product/images/popup.gif  
 

 

(2003年5月5日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

点字制作の注意点について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:特殊印刷

Q:点字制作の注意点について教えてください。

A:点字印刷とは、縦3点、横2点の6点の組合せからなる点字を触覚により読み取れるように、凸状の点を印刷でつくる方法です。 
  本や名刺だけではなく、最近では公共施設にも点字の案内板や触地図などが多く設置されています。点字は、触れることで、色々な情報を読みとる文字ですから、目で読む普通の文字と比べると制作上の制約もあります。
  ここでは、あまり知られていない点字制作の特長について述べたいと思います。

 【制作上の注意点】
 〔1〕 点字は拡大や縮小ができない文字です。大きくしたり小さくしたりすると、触ったときのザラザラ感が変わってしまい、読みにくくなったり、それが点字だと認識できなくなるからです。点字には、原則として一つのサイズしかないと考えて、制作にのぞまなければなりません。スペースがないからといって、縮小しておさめるようなことはできません。
 〔2〕 点字は、私たちが普段使う一般の文字と表記も一部異なります。点字に対して一般の文字を「墨字」と呼びますが、墨字では、「彼は新宿へ行った」という文章の「彼は」の「は」、「新宿へ」の「へ」にみられるように、実際の発音と異なる表記を用いることがあります。しかし、点字では、こうした表記を発音通り「かれわ しんじゅくえ いった」と書くのです。
  また、例えば「くうき(空気)」や「そうじ(掃除)」などのように、「う」で伸びる長音についても、「くーき」「そーじ」などのように、点字では横棒線の長音符号をを用いて書き表します。
 〔3〕 点字を書く際には、マスあけのルールにも注意を払う必要があります。マスあけは「分かち書き」ともいいます。点字では漢字も一部使われていますが、一般にはカナ表記が殆どです。
  通常、私たちが目にする「墨字」の文章は漢字カナ交じり文で書かれていますから「分かち書き」の必要はありません。しかし、これをすべてカナだけで書いたら、非常に読みにくいものになりますし、場合によっては意味を取り違える恐れも生じることになります。たとえば、「ここではきものをぬいでください」という文章は、分かち書きをしなければ、「履き物を脱ぐ」のか、「着物を脱ぐ」のか区別できません。点字の「分かち書き」のルールでこの文章を書くと、「ここで はきものを ぬいで ください」となります。
  この「分かち書き」のルールを正しく書くことは、点字についてかなり熟練しないと難しいといわれています。たとえば、「東京都」という語は、分けて書くことをしませんし、「都知事」という語も分けて書く必要はありません。ところが、「東京都知事」になると、分かち書きの必要がでてきます。これは「とーきょー」「とちじ」と分けるべきでしょうか?「とーきょーと」「ちじ」と分けるべきでしょうか?
  点字は、表音文字なので、行末で自由に改行することもできません。先ほどの文章を例に挙げると、「ここで はきものを」という文章が行末にきたからといって「ここで は」と改行してしまうと、分かち書きの意味がありません。分かち書きで区切られたひとかたまりの語句は、ひとかたまりで書かれなければならないのです。点字は、拡大、縮小ができないだけでなく、文字の間隔をちょっと詰めるということができませんし、こうした分かち書きの都合から点字の行末は揃いませんし、墨字に比べて1ページあたりに入る分量がとても少なくなることにも注意が必要です。
 〔5〕 点字を書くときの難しさは、レイアウトの問題にもっともあらわれます。点字では、書体を変えて目立たせたりとか、文字を大きくして見出しにするなどというようなことはできません。レイアウトによる書き方の工夫でここは見出しだとか、強調されているとか、意味がわかれるなどとあらわさなければなりません。こうした書き方の工夫には、単に点字の表記に精通しているだけでなく、実際の視覚障害者のアドバイスが得られなければ難しいでしょう。
  今は、パソコンにより、漢字仮名交じり文で書かれたテキスト文書を点字に自動変換してくれる有料・無料のソフトウェアを利用することもできますが、100%正しく書けるということは、まずあり得ないと思って制作にのぞむ必要があります。

 点字には、文字の大きさや表記の仕方、1ページに入る文字の量や位置など様々なルールがあり、専門的な知識が必要で、企画の段階から視覚障害団体や点字の知識のある製作会社やデザイナーとの打合せが不可欠だということです。

 【製作方法】
  製作の仕方には大きく分けて、用紙そのものを加工するエンボス印刷と、専用のインキを使ったスクリーン印刷があります。

★エンボス印刷
  視覚障害者の手にする点字印刷物のほとんどは、エンボス印刷によるものです。エンボス印刷には、専用の点字プリンターを使って、データ上で作成した点字原稿を連続用紙に出力する方法と、一般的に亜鉛版式と呼ばれ、打刻をした2つ折りの亜鉛版の間に紙をはさみ、圧ローラーの間を通して紙に点字をエンボス印刷する方法とがあります。亜鉛版式は、単票用紙に対応しており、墨字印刷済みの用紙の上から点字を印刷することが可能です。また、小部数でも手軽に作成することができるため、部数がそれほど多くない物件にはコスト面でも安価な方法です。その一方、4C印刷された絵柄の上に印刷すると、絵柄が歪んでしまうことがあるので注意が必要です。

★スクリーン印刷
  スクリーン印刷にもいくつか種類がありますが、代表されるのが、専用の樹脂インキなどを使った手法です。透明のインキを使うことができるので、4C印刷した絵柄の上に点字印刷しても絵柄を生かすことができ、きれいに仕上がるのが特長です。そしてもう一つの特長は、絵柄の縁取りなどの表現ができるということです。点字印刷物には、点字のほかに触図という表現があり、たとえば絵本の絵柄やガイドブックの中の地図などを作成することができます。
  そして、大きくエンボス印刷と違うのは、印刷される素材を幅広く選べるという点です。厚紙はもちろん、PET、アクリル板などにも印刷できます。但し、密着の悪いものもありますので、密着テストが必要です。

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(2003年7月14日)
(印刷情報サイトPrint-betterより転載)