print-better【印刷のツボ】」カテゴリーアーカイブ

ベタ部の色ムラが水負けしてしまう(018)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ベタ部の色ムラが水負けしてしまう(018)

【概要】
UVインキでベタ部の色ムラ水負けのような現象が起ります。100枚の内20~30枚が出たり出なかったりします。ロングランで20,000枚過ぎたあたりから発生します。条件はエッチ液PH5.5,IPA 7%,水温13℃です。

 【解決方法】
この現象は水負けだと思います。UVインキは水負け乳化を起こし易いインキです。印刷時は、湿し水量を出来る限り少なくする事が大切です。
 湿し水のPH5.5は適切です。
IPAは5%以内に押えたいものです。IPAはインキ乳化を進める働きがあります。
 湿し水温度は7℃~10℃くらいにしてみて下さい。これでも同様の問題が発生する場合はインキを他のメーカーに変えてみるのも一つの方法です。エッチ液とインキのタイプが合わない事もああるからです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

カラーアート校正と印刷の色の違い(021)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 :インキ・ブランケット

カラーアート校正と印刷の色の違い(021)

【概要】
 当社の校正刷はほとんどカラーアートで作成されています。印刷物と比べた場合,若干色が異なる為、色の基準にしにくいという問題があります。カラーアートで作成した校正刷の網点を見ると,正方形で若干丸みをおびたものとなっています。校正刷機で作成したならば、こういう問題は発生しないのでしょうか。校正刷機で作成した物とカラーアート(焼付)で作成した物との相違点はどこにあるのでしょうか。インキを使用した物の方が流動性等により濃く出るのでしょうか。

 【解決方法】
 第1の違いは色材です。カラーアートでは染料を使用し、印刷インキは顔料です。カラーアート使用上まずC,Mにおいて貴社使用のインキの発色に近い種類の色材を選び、使用しなければなりません。
 第2の異なる点は、トラッピングです。カラーアートでは、先刷りの色の上に、後刷の色がほとんど100%転移しますが、印刷インキ(平台校正機)の場合は70%~80%の間です。
 前者の場合、完全に先刷り色の上に後刷り色が乗るので、色の鮮やかさが後者の平台校正刷に比べ、はるかに良い事が解ります。校正刷(平台)の場合は、印刷インキが紙の目の中に浸透してゆき、印刷されたインキ表面は凸凹の状態で表面の平滑度も両者の間では全く異なります。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

金インキがうまく刷れない(020)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

金インキがうまく刷れない(020)

【概要】
 金刷の調子が悪く,うまく刷れません。効果的な補助剤などがあったら教えてください。油性のような光沢は出ませんか。印刷条件は,UV専用8色機,エッチ液 PH5.5 ローラー温度23℃, 水温13℃です。

 【解決方法】
 金インキは、特に乳化しやすいので、水温のコントロールを心掛けて下さい。現在、水温は13℃という事ですが、7~10℃に設定し試してみて下さい。
UVインキには一般インキ用の助剤は添加しないよう気を付けて下さい。思わぬ事故が発生してしまいます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

特練インキでオフセット印刷する時の注意点(022)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

特練インキでオフセット印刷する時の注意点(022)

【概要】
 特練インキでオフセット印刷する時、品質安定させるための何か良い方法が有りましたら、具体的に教えて下さい。

 【解決方法】
 特練インキの場合は,プロセスセットインキに比べて特に水負けしやすい傾向にあります。つまり、湿し水を辛目にして印刷をしなければなりません。その中でもセピア、ネズミなどはその代表と言えるでしょう。
 品質安定をさせるためには,乳化対策をすることが重要です。これはインキの水巾を増加させる事で対応できます。インキに石油系溶剤レジューサーを混ぜるとよいでしょう。ただし、その混合比率は、5%以内にして下さい。もし、レジューサーが手元にない場合は、灯油を代替とする事が出来ます。
 参考までに、コンピュータによる特練インキ製造時の調色機材として。(株)文祥堂扱のレインボーという商品が有ります。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

スノーフレーク(素抜け)の対策(023)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

スノーフレーク(素抜け)の対策(023)

【概要】
 乳化が原因でスノーフレーク(素抜けする)状態となっています。1号刷りにてパウダーを使用した後は500枚も通さないうちにこのような状態になってしまいます。ゴムローラーは定期的(6ヶ月/回)に交換し、ニップ圧も悪くありません。パウダーの散布状態は多少パウダ量が多いと思われますが異常だとは思われず、インキは新しいインキに交換しても直らずブランケットを交換しても直りません。つきを良くするために乳化は進行しやすくなりますが、ジェリーコンパウンドを3%混入して進行しています。水上りは汚れが出る寸前で進行していますが良くなりません。他に考えられる事を教えてください。

 【解決方法】
インキの過剰乳化により網点内に小さな斑点状の白抜けが起こる場合の対策として
1.湿し水を絞る(水を辛めにする)
 2.湿し水の冷却装置が正常かどうかのチェック
3.エッチ液を過剰添加していないかをチェック
4.インキの交換
が挙げられます。現状では、1.4.の対策を実施され効果がないようですので2.3.のチェックを行ってみて下さい。
 乳化以外の原因として考えられるのは、印圧不足による着肉不良です。版胴とブラン胴の圧が不十分なため、ベタのつぶれが悪くなっているということはないでしょうか。版胴、ブラン胴の仕立て量のチェックをしてみて下さい。もし、不足しているようなら正規の量にする必要があります。通常、ベアラコンタクトの場合、正規の仕立て量は、版のオーバーベアラ量は0.10mm、ブランケットのオーバーベアラ量は0mmです。最終的に仕立て量を確認する場合には、シリンダーパッキングゲージを使用してください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

トラッピング不良と逆トラッピング(024)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

トラッピング不良と逆トラッピング(024)

【概要】
トラッピング不良と逆トラッピングとはちがうものなのですか?

 【解決方法】
トラッピング不良と逆トラッピングとはそれぞれ異なります。
トラッピング不良とは、ウェット印刷(多色刷機)時において、先刷りのインキの上に後刷りインキがうまくのってくれないことを指し、逆トラッピングとは、多色刷印刷において 先刷りインキが後胴ブランケットにとられてしまい,版を介して、先刷りインキが後刷りインキユニット(ローラ)にあがり、インキが濁ってくることを言います。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことか?(024-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことか?(024-2)

【概要】
インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことですか?

 【解決方法】
この表現は適切ではないと思われますが、次の様な事が考えられます。
(1)シャドーの目の開きが悪い。つまし胴仕立量不良により、つぶれてしまう事。 (2)インキの盛りすぎによるシャドー部のつぶれ。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ドットロスとは?パイリングとは?(024-3)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ドットロスとは?パイリングとは?(024-3)

【概要】
ドットロスとは?パイリングとは?

 【解決方法】
ドットロスとは、網点の細かいことをさします。それは、中間からハイライトにかけて顕われ、特にハイライト部に特に顕われる。要因としては、P・Sプレートに絵柄を焼付ける時の露光オーバー、湿し水中のPHが低く、版の画線部が取れた時、それに、PS版を焼きつける時の密着不良等が考えられる。
パイリングとは、ブランケット上に紙粉:インキ等が残り、堆積することを指す。原因としては、インキのタック、ぬれ不良、インキの水負けによる転移不良などが考えられる。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

トラッピング不良(4色機)を最小限にする方法(025)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

トラッピング不良(4色機)を最小限にする方法(025)

【概要】
 刷り順はBk→M→C→Yですが,トラッピング不良(4色機)を最小限に抑える方法を教えて下さい。

 【解決方法】
トラッピング不良とは,ウェット印刷時において,先刷りインキの上に後刷りインキがうまくのってくれない現象の事です。
これには,後刷りのインキのタック値が先刷りのタック値より大きい事が考えられます。他には,先刷りインキのセットが遅い事と,よくある事ですが,先刷りインキの盛りすぎも考えられます。
 対策としては,印刷順序に従い,インキタック値の低い物を使用する。
 貴社の印刷順序にある,Bk-M-CーYの場合,M.Cのタック値を調べてみて下さい。CがMよりタック値が大きければこのようなトラブルになり易いと思います。
 先刷りインキの盛りすぎにて,この様なトラブルが発生することが考えられます。濃度の高いインキを先刷りに使用し,薄盛りにすると良い結果を得る事が出来るはずです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

マット系の厚紙で,ブロッキング発生(027)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

 

マット系の厚紙で,ブロッキング発生(027)

【概要】
マット系の厚紙による4色絵ハガキで,ブロッキングが発生しました。ドライヤ ,スプレー,パウダー,板割りは適当と思われるのですが,シャドー部がどうしても,うまく行きませんでした。

 【解決方法】
マット系と,アート系の紙では,それぞれ紙表面の平滑度が異なります。マット系の場合,表面が粗い為,アート紙等に印刷する場合に比べて,インキ濃度が低く見えます(乱反射)。そこで,アート紙同様の効果を得るためにインキを多く盛ってしまう傾向があります。
 対策としては,マットコート紙用インキを使用してみることを勧めます。このインキは,通常のインキに比べて,濃度が高い為,薄盛りでき,また,裏付き防止剤が多少多めに入っています。コスレ防止用の耐摩擦性コンパウンドも余分に入っていて,同様にドライヤも多めに含まれています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)