print-better【印刷のツボ】」カテゴリーアーカイブ

ライト側の黄色の上り(太り)について。(028-1)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ライト側の黄色の上り(太り)について。(028-1)

【概要】
ライト側の黄色の上り(太り)を防ぐ方法があれば教えて下さい。DICプロセスインキ使用(カップス)

 【解決方法】
 現在,異常な太りが見られるようなら,ブランケットの仕立てのチェックが必要です。もし,仕立てが太いようなら正規の仕立量にし,ソフトパッキング,セミハードパッキングであれば,ハードにすれば,網点の太りは改善されるでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

クリスタリゼーションとトラッピング(224)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

クリスタリゼーションとトラッピング(224)

【概要】
クリスタリゼーションもトラッピングを処置する同じ方法でよろしいのでしょうか。もし違う方法があれば教えて下さい。

 【解決方法】
クリスタリゼーションとは、多色印刷後インキ表面が乾燥してガラス状(クリスタル) になり、後刷りのインキが前に刷ったインキの上に着かなかったり、着いても直ぐに取り 去られる現象を言います。トラッピングは下刷りのインキの上に上刷りのインキが乗る状態を言います。下刷りのインキの上に上刷りのインキが何%乗ったというようにあらわします。トラッピング不良と着肉不良とは若干異なるので,クリスタリゼーションとトラッピングはその現象が違うものなのです。

  クリスタリゼーションは下刷りインキがセット(乾燥ではない)された段階で次の印刷 に掛れば事故は起きません。クリスタリゼーションを起こした場合の救済方法としては、 インキ画像の上をボロ(ウエス)で擦り、表面を荒らしてインキ着肉性を良くする方法が あります。ただし,ロットが大きくなれば大変な仕事量になってしまいます。助剤をインキに混入して助ける方法としては、ポリアミド樹脂+アルッキド樹脂+石油系溶剤を混合した助剤があります。商品名はインキリフレッシャー又はオロテックス5040などがあります。ただし,その助剤を使用しても完全なインキ乗りは望めません。

トラッピング不良の場合は、多色機刷りでは後刷りのインキのタックを下げると上刷りの トラッピングは良くなります。クリスタリゼーションを起こした場合はインキのタックを 下げてもインキの乗りは良くなりません。   平台校正機(単色)で刷られた校正刷りのトラッピング率は、各色100%近くになります が、4色印刷機で印刷した場合、トラッピング率はC+Mは55~60% C+Yは75~80%  M+Yは60~65%程度です。これが校正刷りと本刷りの発色の違いになって刷り上がり品 質が異なり、問題を起こす原因になっています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

印刷室の環境とインキの関係について(223)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

印刷室の環境とインキの関係について(223)

【概要】
トラッピングを良くするために助剤をいれてインキのタックを下げるのは適当ではないのでしょうか。

 【解決方法】
 印刷室の環境は、室内温度RT23~25℃、相対湿度RH60%±5%が標準であって年間 を通じて一定であるべきです。
その環境の中でインキは印刷するための最適な条件なのです。インキもその条件に合わせ て造られています。ドライヤーの添加量・裏付防止剤・インキによっては表面強化剤などが入っています。セットインキはそれぞれタック・フローのバランスをとりながら造られています。助剤を加えることでバランスが崩れて思わぬ事故につながることがあります。特に00ニスを加えたインキに事故が多く見られます。
いずれにしても,印刷インキは標準的な環境のもとでそのまま使用することが大切です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になる(028-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になる(028-2)

【概要】
 多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になります。何か防ぐ方法があれば教えて下さい。

 【解決方法】
おそらくバックトラッピングによるにごりではないかと思います。バックトラッピングは,インキのタック,つまり刷られたインキの膜厚が原因で起きます。先刷りインキよりも後刷りインキのタックを低く,膜厚を厚くすれば,バックトラッピングは防げると思います。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

【概要】
 胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・

【解決方法】
 胴仕立てとは、版胴に装着された版と版下、ブランケットとブラン下を規定量巻いて、各胴間隔を調整する作業のことです。つまり、フィルム(原稿)上の画像を、印刷用紙上に同じ寸法で再現することが大きな目的です。
 基本的にはTRUE ROLLING法が根底に流れています。胴仕立て後の印刷再現の良否を判定するために、様々な品質管理ゲージなどがあります。測定機にはシリンダーパッキングゲージ等があり、それらを有効に活用して品質の維持に努めなければなりません。この基本概念を前提とすれば、条件設定が何通りもあるということにはなりません。
 現在では、ブランケットの胴仕立て後のオーバーベアラは基本的にはゼロ(つまりブランケット胴のカットダウン量が仕立て量になります)に、版胴の胴仕立て後のオーバーベアラ量がP-B間の印圧という事になります。P-B間の印圧は、実験の結果等により0.1~0.15がよいとされています。これは印刷再現性を考慮して出た結果です。
B-I間の印圧は、0.12~0.15が良いでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

胴仕立ての圧さについて(227)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての圧さについて(227)

【概要】
 胴仕立てには色々な圧さがあるようですが,わかりにくいので教えてください。

 【解決方法】
 胴仕立て法は現在トルーローリング法を全部の印刷機種(小型卓上印刷機は除く)に使用されています。版胴のベアラ(枕)とブランケット胴のベアラはタッチしていて、ベアラタッチ・ベアラコンタクトと言います。
 基本的には、版胴の版のオーバーベアラは0.10mmでゴム胴のブランケットのオーバーベアラは、0mmにすることです。版=ゴム間の印圧は0.10mmになります。
 厚さのことですが、ブランケットの厚さには、1.60mm,1.80mm,1.90mm,2.00mmなど、いろいろあります。ブランケット下敷きも紙だけのもの・アンダーブランケット・布地等があります。アンダーブランケットの厚さも0.5・1.0mm、布地も0.3・0.5mmの厚さのものも有ります。ブランケットと紙の調厚紙・アンダーブランケットや布地などをブランケットの下に敷いて、版=ブランケットの圧を調節します。仕立てたブランケット胴の高さはベアラよりも高くなってはいけません。
トルーローリング法の基本理論はP>B、つまりプレートシリンダーはブランケットシリンダーより太く、ブランケットシリンダーはプレートシリンダーより細くが条件です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

【概要】
 印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付き,ブランケットにダメージを与えてしまいます。

 【解決方法】
 印刷中のインキは湿し水が15~17%程度混ざっています。その為にインキのタックは低く、ベタの着肉がよくなり、ブランケットからの紙離れも良くなっています。

 機械停止時間が長いと、ブランケット上のインキ中の湿し水は空気中に蒸発してインキのタック(粘り)が上がり、ブランケットに紙が巻き付くようになります。機械停止時間が1~2分以上になるとブランケット上のインキは粘りが増します。印刷機を停止した時は、たとえ短時間でもブランケットを洗浄します。

 短時間印刷機を停止した後、再度印刷にかかるときは、ブランケット上にスプレー式の乾燥抑制剤を散布すると、ベタ刷りでもブランケットに巻き付きませんが、版面に汚れが生じたり、刷本の乾燥が遅れたり、裏移り事故につながるので注意が必要です。

また、あまりブランケットに紙が巻き付くようであれば、クワエ爪調整を行うことを勧めます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

【概要】
 再生紙に印刷していると、次第に版の網点が消えたり、ブランケットに多量の粉(紙粉?)が着いたりするが、成分は何で、どのようにすればよいのでしょうか?

 【解決方法】
 再生紙は普通の上質紙に使うバージンパルプと再生パルプを混合して作られます。再生パルプはバージンパルプの繊維の大きさ(2~3mm)に対して3分の1~7分の1程度の細かいパルプになります。その細かいパルプがバージンパルプから離れてブランケットに紙粉として着いてしまいます。この細かいパルプの粉が版面を擦り、版の耐刷力を下げてしまいます。対策としてブランケットをまめに洗うようにしてください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

水無しとPS版の6色機の管理(013)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

水無しとPS版の6色機の管理(013)

【概要】
 現在水無しの6色機を扱っており,第5,第6セットはPS版も使えるので,混乱してしまいます。水無し印刷のアドバイスなどをお願いします。

 【解決方法】
 水無し印刷を行っていく上での重要なポイントは印刷機の管理です。良い印刷物を得るには印刷機の仕立てが重要であり変動要因たるローラーニップ幅,印圧を適正に保つため定期的に調整して下さい。ローラーニップ幅設定は,印刷機の基準どおりで問題ありませんが,着けローラは仕上側のならし効果のあるローラのニップ幅を対版,対バイブ共に軽めに設定する事をお勧めします。胴仕立ても機械の標準設定で問題ありません。
シリンダーパッキングゲージを用い定期的に測定し調整して下さい。
・水あり印刷と水無し印刷の違い。
・ドットゲイン量が違う
・インキトラッピングが異なる。
・水無しはインキを盛っても濃くならない。
などを頭に入れて作業を行って下さい。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

【概要】
 当社の本機印刷は水無し印刷に移行しました。校正刷はオフセットで行い本機では水無し印刷で行うため印刷物の調子再現の誤差が生じトラブルの原因になっています。水無し印刷に合わせるオフセット校正の方法のヒントを教えて下さい。(版材,ブランケット,インキなど)

 【解決方法】
まず水無し印刷とオフセット校正とでは,ドットゲイン量の差が違い,インキ,トラッピングが異なります。水無し印刷は,ンキ盛り量を多くしてもただ単にインキ膜厚が厚くなるだけで,ドット変量は少ない。一方オフセット校正でインキを盛りすぎた場合,水無し印刷ではとても同様の品質のものは刷れません。
そこで
(1)校正機(4色)の版定盤を冷却しすぎると,インキが硬くなるので,爪抜けなどをしていないかルーペなどでダブりをチェックしてみる。
 (2)水無し印刷は,インキを盛っても濃くならない。(これはドットゲイン量に影響される)ということを認識しておく。

 

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)