print-better【印刷のツボ】」カテゴリーアーカイブ

本刷に入ると見当がずれる(054)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

本刷に入ると見当がずれる(054)

【概要】
 見当合せの最中には見当が合っていますが,本刷に入ると見当がずれてくることがあります。よい対策方法があったら教えて下さい。

 【解決方法】
 機種不明の為,明解な回答が出来ないが,次の件が考えられます。
 (1)版張りボルト,咬え尻を強く張りすぎていないか。
 (2)胴仕立ては標準通りか
 ブラン胴は太くなっていないか。それによる,ブラン下のズレ。
 (3)多色機の場合,印刷中に見当を左右に合せると,天地に少し動いてしまう。
 又,逆に天地に合せた時にも,左右に動いてしまう。
これは,ギヤにヘリカルギヤを取り入れている為で,それらは機械精度の許容範囲内です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

1胴目(スミ)の版だけが酸化する(057)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

1胴目(スミ)の版だけが酸化する(057)

【概要】
 現在使用している印刷機械では,1胴目(スミ)の版だけが酸化してしまいます。どうしてなのか分りません。水も替えて,ローラーもきれいに洗浄しています。

 【解決方法】
スミ版だけが酸化するというのは考えられません。他の版も同時に酸化(汚れと思われます)していると思います。以下の3つをチェックして下さい。
1.刷版(P.S版)の焼き度,現像のチェックとグレースケールが6~7段クリアーになっているかどうか?
2.エッチ液のPHの管理をきちんとする。
3.本機,停止時には,版面ガム引きを怠らない事
これらの事を行えば解消すると思われます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

浮き汚れの発生(056)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

浮き汚れの発生(056)

【概要】
 通帳の本文の入金,出金,残高など有価証券類を印字するページを印刷するのが主な仕事ですが,最近浮き汚れみたいな現象が発生するようになりました。いろいろ対策を立てているのですが,現在も,時々発生します。考えられる原因と対策をよろしくお願いします。
 水回りは,連続給水方式です。通常,裏面より印刷しますが,それは用紙でいうと表面です。だいたい片面3色なので1色目は胴入れ2空通し,2色目罫線,3色目バーコード,4色目地紋という刷り順です。回転は約13,000回転で紙ムケ防止の為,バーコードのスミインキはコンパウンドで腰を切って使用しています。

 【解決方法】
 紙の酸性度が影響しているかもしれません。phメーター等で測定してみてください。
インキに対して,コンパウンドを使用し,腰切りをしているとの事ですが,オロテックス(大日精化 扱い)という商品があるので,それを使用してみるとよいでしょう。(腰切りの効果はコンパウンドより良いようです)
また,エッチ液を取替えてみてください。水道水とのマッチングがあるので他の液との関係も調べた方がよいでしょう。これにより,湿し水のphの変動要因が解決できる場合もあります。
 最後にインキは出来る限り乳化させない様にします。絵柄模様が少ないときは,特に気を付ける事が必要です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

「版胴位相のずらし」とはどの様にするのか(062-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

「版胴位相のずらし」とはどの様にするのか(062-2)

【概要】
 「版胴位相のずらし」とはどの様にするのですか?

 【解決方法】
 版胴を回転方向にずらすことで,版胴横の固定ボルトをゆるめ,調整ボルトにより動かします。それにより,版胴の切欠け位置が変わるので条目の位置が移動する場合はローラ目,そうでない場合は,ショック目であると判断できる訳です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

枚葉機の天地の見当(055)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

 

枚葉機の天地の見当(055)

【概要】
6色機で1~5胴は水無し,6胴はPS版を使い,雑誌の表紙等を印刷しています。2S(アイ)の天地見当が一番大きく出て,アイとピンクの見当がずれて目立ちます。ピンク(PS版)の版を万力で引っ張っていますが,なかなか,引っ張りきれません。原因と対処方法を教えてください。

 【解決方法】
 天地見当が大きく出る原因として,胴仕立ての問題と紙の伸びが考えられます。もし,毎回同じように大きく出るならば,胴仕立ての問題でしょう。シリンダーパッキングゲージを使い,仕立て量のチェックをして下さい。版仕立てが細い(ブラン仕立てが太い)場合は,天地見当が大きくでます。
また,1~4Sを水ナシ,ピンクを水アリで刷った場合,ピンクを刷る時に,水により用紙が伸び,ピンクの見当が小さく出る傾向にあります。以上2つの点でチェックし,改善していって下さい。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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ショック目とローラ目を見分ける方法について(310)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

ショック目とローラ目を見分ける方法について(310)

【概要】
ショック目とローラ目を見分ける方法として,版胴位相を少しずらして印刷テストする方法があると聞いたことがあります。具体的な手順を教えて下さい。

 【解決方法】
  版胴の位相をずらすというのは、版胴シリンダーとギヤを止めてあるボルト3本を緩め て、本機を手回しして版胴の位置を従来の位置から変えることをいいます。
 例えば、通常の印刷作業中に、絵柄が天地方向に大きく違った場合、シリンダーを動かし て見当を合わせる作業がありますが、それと同じことです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもあるのか?(309)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもあるのか?(309)

【概要】
ゴーストはくわえ側にあるベタや白抜きの影響を受けることによるものとなっていますが,くわえ尻にあるベタや白抜きは,影響しないのでしょうか?

 【解決方法】
ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもありますが、くわえ 側(枚葉機ではくわえ爪側)のベタ部にはゴーストイメージはハッキリと現れません。 くわえ尻側のベタ部のほうがはっきり現れます。例えば「額縁」のような、ベタで出来て いる絵柄を想像してみてください。くわえ側はベタ濃度にはあまり差は生じませんが、く わえ尻側にははっきりと、濃度差が生じます。これがゴーストイメージです。
ベタの中の白抜きが、インキローラが一回転した所のベタ部に白抜きの絵柄と同じような 形で濃く現れるものがリピートマークです。湿し水が多いときは、その絵柄は濃度が低下 して白っぽく見えることもあり、いずれもゴーストイメージの一種です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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乾燥不良による汚れの原因について(231)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

 

乾燥不良による汚れの原因について(231)

【概要】
 乾燥不良による汚れの原因について詳しく教えてください。

 【解決方法】
 乾燥不良による汚れの原因とは、裏移り(オフセッティング)の事だと思います。裏移り は、大きく分けて5つの原因があります。

1)インキ乳化によるもの。
インキの適性乳化率(インキ中の湿し水の量)は、15~17%と言われています。20%以上 乳化したものを、過剰乳化と言います。過剰乳化したインキはボソボソになり紙面上でイ ンキ表面は凸凹な状態になります。適性なインキの状態では、表面は平らになります。そ れをインキレベリングと言います。インキ乾燥も大幅に遅れて通常のインキ乾燥の1.5~2 倍位乾燥時間が掛かります。そのために、裏移りにつながります。

2)インキの盛り過ぎによるもの。
インキの盛り過ぎによる裏移りの原因は、不適切な校正刷りに色を合わせようとするため にインキを盛り上げることによります。校正刷りが標準濃度をはるかに越えた濃度になっ ているのに、それに色を合わせようとするからです。校正刷りにときたまダブリが発生し たものも有ります。印刷する前にルーペで必ず校正刷りをチェックして、不適当な校正刷 りの場合は上司に相談してください。特色印刷のとき、出来上った特色インキが薄めの場合、インキを盛り上げて色を合わせようとしますが、それも裏移りの原因になります。

3)紙質・紙くせによるもの。
 紙質とは、被印刷体のことです。トレーシングペーパー・フイルム・アルミホイルなどの 非吸収紙などは、インキ中の石油系溶剤や湿し水が原単に浸透せず、インキの乾燥が大幅 に遅れるために裏移りが起きます。合成紙の印刷で、普通のインキを使用すると、イ ンキ中の石油系溶剤が合成紙に浸透して、合成紙のインキが乗った所は膨潤して膨れ上が り裏着きにつながります。合成紙の印刷には、合成紙用インキを使用してください。

 再生紙の印刷でインキの擦れや、裏移りが増えています。再生紙は通気性が悪く、 吸油性・吸水性も悪いためインキの乾燥が遅れます。インキの表面がセットされたように 見えても、インキの下部は固まっていないことがありますので注意してください。
 紙くせは、くわえ尻のベタ部などがカールする、エンドカールは困りものですが、用紙の目は、縦目より横目のほうがカールが少ない事があります。また、カールが発生した場合インキを柔らかくしますが、助剤に00ニスは使用せず、コンパウンドかレジュウサーを使うようにします。湿度の多い部屋に用紙を置いておくと、用紙は周りから湿気を吸い波打ち状態になります(ウエービーエッジ)。反対に湿度の少ない部屋に用紙を置いておくと、用紙は周りから水分が蒸発してオチョコ状態(タイトエッジ)にります。いずれにせよ、紙くせが悪いと裏移りにつながります。

4)静電気によるもの。
 冬期の乾燥期には大気中の湿度は大幅に下がり、相対湿度(RH)は40%以下になりやす くなります。RHが40%以下になりますと用紙に静電気が起きやすくなり、25%以下にな ると静電気が起きます。用紙に静電気が起きると、フイーダーからの用紙の送りだしが悪く、2枚差し等でフイーダーストップの原因になります。一方デリバリサイドでは、刷られたばかりの刷り本と刷り本が静電気のために、ぴたっと吸い着いたようになり、裏移り事故になります。印刷室や製版室の湿度はRH60%±5%にしておかなければなりません。RH60%前後にしておくと用紙やポジフイルムなどに静電気は発生しません。

5)デリバリ部の紙の不揃い。
デリバリ部での紙の不揃いも裏移りの原因になります。排紙部の左右の寄せ木(サイドジ ョガー)と天地の寄せ木(バックジョガー)を紙サイズに正確に合わせなければなりませ ん。排紙される刷り本に左右の寄せ木が当たって、刷り本が左右に動く様では裏移りと言 うより、インキ面の擦れ汚れになります。裏にも着きます。デリバリ部で刷り本が、断 裁機で断ったように揃った時は裏移りは発生しません。

6)その他
 印刷し終わったばかりの刷り本を、急激に動かしたり、刷り本の上に物を乗せたりするこ とは常識外のことです。しないでください。
インキの乳化が激しいときは、エッチ液と使用しているインキがミスマッチを起こしている場合があります。その場合エッチ液を変えてみるのも一つの方法です。

 最も重要な事は、工場内の環境(温度・湿度)の整備でしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

特色,紙器印刷用エッチ液(053)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

特色,紙器印刷用エッチ液(053)

【概要】
 当社の仕事は紙器関係で特色印刷がほとんどです。ゴミ,紙粉を目立たなくさせる為に,インキメーカーでタックを下げてもらっています。タックを下げる意味としてもう一つ高速回転に適合させる為もあります。その為,乳化が早いように感じます。IPA規制の為,ノンアルコールを実施する計画はありますが,上記の理由より乳化が心配されます。エッチ液も変更が必要となりますが,このような場合,何を規準にエッチ液を選んだらよいか教えて下さい。

 【解決方法】
ノンアルコール用のエッチ液がいくつか発売されています。使用の際の注意点は,ph管理ではなく定量管理で使用して下さい。中性に近いエッチ液は,ph管理で使用すると,エッチ液が湿し水に入り過ぎてしまい,成分の一つであるアラビアガムが乳化を促してしまいます。湿し水原液の希釈倍率をキチンと守れば,大きな心配は要らないと思います。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

高速で水上りが悪くなる(051-3)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

高速で水上りが悪くなる(051-3)

【概要】
 現在ダールグレンを使った機械を担当しています。ノンアルコールで印刷しているためにダールグレンのモーターを最高回転にしても水上りが悪く,機械の回転があがりません。何か良い方法を教えて下さい。

 【解決方法】
ダールグレン装置のノンアルコール印刷はとても優れています。ダールグレンダンプニングシステムにアルコールを使うのは湿し水の粘度を上げローラ間のニップを通過させるためです。また,インキ中に入った湿し水をアルコールの蒸発の力を借りて蒸発させ,インキ乳化を防いでいるのです。
 質問のように,モーターを最高回転にしても水上りが悪いのは湿し水の粘度が不足しているためでしょう。
 対策として,グリセリンかグリコール類(共に水溶性)を湿し水に2~3%入れてみてください。湿し水の粘度は若干上がります。5%程入れている会社もありますが,入れ過ぎるとインキ乳化につながりますので注意してください。また,その時の湿し水温度も水槽内で10℃位に保つと良い結果が生じるでしょう。
 湿し水phの管理も忘れないようにしましょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)