出版社にはたいていは用字用語と表記に関する基準があり、統一感をもたせている。しかし、一般企業のビジネス文書などにも重要な役割を担っている。 続きを読む
「研究調査」カテゴリーアーカイブ
印刷業定点調査 各地の声(2016年8月度)
8月の売上高は5カ月連続減少の△1.5%。マイナス幅はこの3カ月の最小に縮小したが、依然として売上高の減少傾向が続く。受注件数は△1.5%と2カ月連続の減少。8月には相次いだ台風襲来の影響もあって個人消費も伸び悩んだようだ。
最新調査結果に見る印刷会社の業績と戦略の傾向
2016年に実施した最新の印刷会社経営動向調査から、印刷会社の経営状況と戦略、そして設備投資・技術・サービスへの取り組み状況を考察する。
グッドデザイン賞と印刷
2016年度グッドデザイン賞の大賞ほか各賞が10月28日に発表された。多様な分野を対象とするこの賞は印刷とも無縁ではない。今年度の受賞と印刷会社の関わりについて見てみたい。
現代社会のスタンダードを発見する賞
グッドデザイン賞は公益財団法人日本デザイン振興会(会長:川上元美)が主催する日本で唯一の「総合的なデザイン評価・推奨の仕組み」である。
デザインの優劣を競うのではなく、くらしや社会を豊かにするという視点で評価を行う。また審査を通じて現在の社会におけるクオリティスタンダードや次なる社会への可能性を発見するという目的も持つ。 1957年に始まり、通算の受賞件数は4万件以上にのぼり、2016年に60年目を迎えた。
受賞すると、その証として「Gマーク」を使用することができる。また、グッドデザイン賞受賞展への参加、オンラインギャラリー、受賞年鑑への掲載などにより、受賞作が広くアピールされるため、販売促進や新たな事業展開の契機となるなど可能性は広がる。
グッドデザイン賞の応募カテゴリーは有形無形を問わず、極めて多岐に渡る。製品はもちろん施設や地域開発などの空間設計、メディア・コンテンツ、ソフトウェア・サービス・システム、教育や地域・コミュニティづくりなどの分野までカテゴリーが用意されている。
2016年度は4085件の審査対象作から1229件が受賞し、その中から「グッドデザイン・ベスト100」が選定され、さらに「大賞」のほか「金賞」や各種特別賞が選定された。
受賞した印刷・関連企業
2016年度グッドデザイン賞を果たした印刷・関連企業、また受賞に貢献した企業の一部を紹介したい。
株式会社ウイル・コーポレーションは、紙製品(広告宣伝) [ハサミも糊も要らない「魔法のペーパークラフト」]でグッドデザイン賞を受賞。
低学年の子供をターゲットに、安全・安心とローコスト、エコロジーをコンセプトに販促ツールとしてスタートし、現在では知育販促物から企業販促物まで幅広く展開しているという。
株式会社相互は、宿 [八寿恵荘]でグッドデザイン賞を受賞。
同社の事業部「カミツレ研究所」が運営する、自然素材にこだわり安心して過ごせるホテル。アメニティはもちろん、料理には有機栽培の野菜を使用したり、内装材にも自然素材を多用するなど、心地よい空間が作られている。 印刷業にとどまらず新たなビジネス領域への展開を図る相互の、多彩な取り組みの一つだ。
グッドデザイン賞を支える印刷技術
2016年度グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)は「世界地図図法 オーサグラフ世界地図」(慶応義塾大学 政策・メディア研究科 鳴川研究室+オーサグラフ株式会社)だ。
オーサグラフは、メルカトル図法よりも正確な地球の全体像を示す四角い世界地図を描く図法だ。大きさと形に歪みがない、世界のどこもが中心になれる、時間の流れが表現できるなどのメリットがある。
オーサグラフは既に日本科学未来館で採用されるなどの実績があり、関連商品も幾つか販売されている。香川県の株式会社マルモ印刷による地理・地形・地球をテーマにしたインテリア紙製品ブランド geografia(ジオグラフィア)もその一つだ。
2016年度グッドデザイン賞受賞展会場には、オーサグラフの仕組みがわかるgeografiaシリーズの地球儀「オーサグラフ・グローブ」も展示されていた。geografiaは「オーサーグラフ世界地図」の受賞を支えた存在といえる。
JAGATの会員誌「JAGAT info」2016年10月号では、マルモ印刷のビジネス展開について紹介させていただいた。
「geografia」は、国内はもちろん、海外でも約30カ国に展開しており、国内のメディアにも取り上げられている。これを機に、さらなる発展を期待したい。
グッドデザイン賞を俯瞰してみると、現代社会でデザインが扱う領域の広さに驚かされる。そのどの分野でも、印刷・メディアが必ず何らかの役割を果たしている。 顧客のアイデアを技術力で支える、あるいは、自身で新たなデザインを生み出すなど、デザインを意識した事業戦略を図ってほしい。
(JAGAT 研究調査部 石島 暁子)
用紙EDI導入により間接業務を年2000時間削減~日経印刷の挑戦
改善効果を定量化しづらい間接業務において、大きな成果を上げた日経印刷の業務改善の取組みを紹介する。
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印刷業定点調査 各地の声(2016年7月度)
7月の売上高は4カ月連続減少の△7.1%、マイナス幅が2カ月連続で拡大、減少傾向が顕著となった。マイナス幅はリーマン・ショック後(2009年)に匹敵する大きさ。受注件数も△3.2%と3カ月ぶりの減少。
印刷産業の労働【印刷界OUTLOOK2015/2016】
印刷業の定期給与平均は2014 年時点では製造業全体より5%程度低い水準にあります。 続きを読む
約物が連続した場合の処理
日本語組版とつきあう その62
インクジェット印刷機と印刷用紙
drupa2016の主役はデジタル印刷機、それもインクジェット印刷機であったといっても過言ではないだろう。しかし、用紙対応については課題が残されている。 続きを読む
「Print4.0」的な 考え方
印刷版Industry4.0ともいえる「Print4.0」について解説する。 続きを読む