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ショック目とローラ目を見分ける方法について(310)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

ショック目とローラ目を見分ける方法について(310)

【概要】
ショック目とローラ目を見分ける方法として,版胴位相を少しずらして印刷テストする方法があると聞いたことがあります。具体的な手順を教えて下さい。

 【解決方法】
  版胴の位相をずらすというのは、版胴シリンダーとギヤを止めてあるボルト3本を緩め て、本機を手回しして版胴の位置を従来の位置から変えることをいいます。
 例えば、通常の印刷作業中に、絵柄が天地方向に大きく違った場合、シリンダーを動かし て見当を合わせる作業がありますが、それと同じことです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもあるのか?(309)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもあるのか?(309)

【概要】
ゴーストはくわえ側にあるベタや白抜きの影響を受けることによるものとなっていますが,くわえ尻にあるベタや白抜きは,影響しないのでしょうか?

 【解決方法】
ゴーストイメージは、くわえ側のベタや白抜きの影響を受けることもありますが、くわえ 側(枚葉機ではくわえ爪側)のベタ部にはゴーストイメージはハッキリと現れません。 くわえ尻側のベタ部のほうがはっきり現れます。例えば「額縁」のような、ベタで出来て いる絵柄を想像してみてください。くわえ側はベタ濃度にはあまり差は生じませんが、く わえ尻側にははっきりと、濃度差が生じます。これがゴーストイメージです。
ベタの中の白抜きが、インキローラが一回転した所のベタ部に白抜きの絵柄と同じような 形で濃く現れるものがリピートマークです。湿し水が多いときは、その絵柄は濃度が低下 して白っぽく見えることもあり、いずれもゴーストイメージの一種です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

乾燥不良による汚れの原因について(231)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:見当不良・汚れ・ゴースト

 

乾燥不良による汚れの原因について(231)

【概要】
 乾燥不良による汚れの原因について詳しく教えてください。

 【解決方法】
 乾燥不良による汚れの原因とは、裏移り(オフセッティング)の事だと思います。裏移り は、大きく分けて5つの原因があります。

1)インキ乳化によるもの。
インキの適性乳化率(インキ中の湿し水の量)は、15~17%と言われています。20%以上 乳化したものを、過剰乳化と言います。過剰乳化したインキはボソボソになり紙面上でイ ンキ表面は凸凹な状態になります。適性なインキの状態では、表面は平らになります。そ れをインキレベリングと言います。インキ乾燥も大幅に遅れて通常のインキ乾燥の1.5~2 倍位乾燥時間が掛かります。そのために、裏移りにつながります。

2)インキの盛り過ぎによるもの。
インキの盛り過ぎによる裏移りの原因は、不適切な校正刷りに色を合わせようとするため にインキを盛り上げることによります。校正刷りが標準濃度をはるかに越えた濃度になっ ているのに、それに色を合わせようとするからです。校正刷りにときたまダブリが発生し たものも有ります。印刷する前にルーペで必ず校正刷りをチェックして、不適当な校正刷 りの場合は上司に相談してください。特色印刷のとき、出来上った特色インキが薄めの場合、インキを盛り上げて色を合わせようとしますが、それも裏移りの原因になります。

3)紙質・紙くせによるもの。
 紙質とは、被印刷体のことです。トレーシングペーパー・フイルム・アルミホイルなどの 非吸収紙などは、インキ中の石油系溶剤や湿し水が原単に浸透せず、インキの乾燥が大幅 に遅れるために裏移りが起きます。合成紙の印刷で、普通のインキを使用すると、イ ンキ中の石油系溶剤が合成紙に浸透して、合成紙のインキが乗った所は膨潤して膨れ上が り裏着きにつながります。合成紙の印刷には、合成紙用インキを使用してください。

 再生紙の印刷でインキの擦れや、裏移りが増えています。再生紙は通気性が悪く、 吸油性・吸水性も悪いためインキの乾燥が遅れます。インキの表面がセットされたように 見えても、インキの下部は固まっていないことがありますので注意してください。
 紙くせは、くわえ尻のベタ部などがカールする、エンドカールは困りものですが、用紙の目は、縦目より横目のほうがカールが少ない事があります。また、カールが発生した場合インキを柔らかくしますが、助剤に00ニスは使用せず、コンパウンドかレジュウサーを使うようにします。湿度の多い部屋に用紙を置いておくと、用紙は周りから湿気を吸い波打ち状態になります(ウエービーエッジ)。反対に湿度の少ない部屋に用紙を置いておくと、用紙は周りから水分が蒸発してオチョコ状態(タイトエッジ)にります。いずれにせよ、紙くせが悪いと裏移りにつながります。

4)静電気によるもの。
 冬期の乾燥期には大気中の湿度は大幅に下がり、相対湿度(RH)は40%以下になりやす くなります。RHが40%以下になりますと用紙に静電気が起きやすくなり、25%以下にな ると静電気が起きます。用紙に静電気が起きると、フイーダーからの用紙の送りだしが悪く、2枚差し等でフイーダーストップの原因になります。一方デリバリサイドでは、刷られたばかりの刷り本と刷り本が静電気のために、ぴたっと吸い着いたようになり、裏移り事故になります。印刷室や製版室の湿度はRH60%±5%にしておかなければなりません。RH60%前後にしておくと用紙やポジフイルムなどに静電気は発生しません。

5)デリバリ部の紙の不揃い。
デリバリ部での紙の不揃いも裏移りの原因になります。排紙部の左右の寄せ木(サイドジ ョガー)と天地の寄せ木(バックジョガー)を紙サイズに正確に合わせなければなりませ ん。排紙される刷り本に左右の寄せ木が当たって、刷り本が左右に動く様では裏移りと言 うより、インキ面の擦れ汚れになります。裏にも着きます。デリバリ部で刷り本が、断 裁機で断ったように揃った時は裏移りは発生しません。

6)その他
 印刷し終わったばかりの刷り本を、急激に動かしたり、刷り本の上に物を乗せたりするこ とは常識外のことです。しないでください。
インキの乳化が激しいときは、エッチ液と使用しているインキがミスマッチを起こしている場合があります。その場合エッチ液を変えてみるのも一つの方法です。

 最も重要な事は、工場内の環境(温度・湿度)の整備でしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

特色,紙器印刷用エッチ液(053)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

特色,紙器印刷用エッチ液(053)

【概要】
 当社の仕事は紙器関係で特色印刷がほとんどです。ゴミ,紙粉を目立たなくさせる為に,インキメーカーでタックを下げてもらっています。タックを下げる意味としてもう一つ高速回転に適合させる為もあります。その為,乳化が早いように感じます。IPA規制の為,ノンアルコールを実施する計画はありますが,上記の理由より乳化が心配されます。エッチ液も変更が必要となりますが,このような場合,何を規準にエッチ液を選んだらよいか教えて下さい。

 【解決方法】
ノンアルコール用のエッチ液がいくつか発売されています。使用の際の注意点は,ph管理ではなく定量管理で使用して下さい。中性に近いエッチ液は,ph管理で使用すると,エッチ液が湿し水に入り過ぎてしまい,成分の一つであるアラビアガムが乳化を促してしまいます。湿し水原液の希釈倍率をキチンと守れば,大きな心配は要らないと思います。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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高速で水上りが悪くなる(051-3)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

高速で水上りが悪くなる(051-3)

【概要】
 現在ダールグレンを使った機械を担当しています。ノンアルコールで印刷しているためにダールグレンのモーターを最高回転にしても水上りが悪く,機械の回転があがりません。何か良い方法を教えて下さい。

 【解決方法】
ダールグレン装置のノンアルコール印刷はとても優れています。ダールグレンダンプニングシステムにアルコールを使うのは湿し水の粘度を上げローラ間のニップを通過させるためです。また,インキ中に入った湿し水をアルコールの蒸発の力を借りて蒸発させ,インキ乳化を防いでいるのです。
 質問のように,モーターを最高回転にしても水上りが悪いのは湿し水の粘度が不足しているためでしょう。
 対策として,グリセリンかグリコール類(共に水溶性)を湿し水に2~3%入れてみてください。湿し水の粘度は若干上がります。5%程入れている会社もありますが,入れ過ぎるとインキ乳化につながりますので注意してください。また,その時の湿し水温度も水槽内で10℃位に保つと良い結果が生じるでしょう。
 湿し水phの管理も忘れないようにしましょう。

 

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水元ローラ油がつきやすい(037)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

水元ローラ油がつきやすい(037)

【概要】
 水元ローラに油などがついて線の様になって,水が上がらなくなっています。保水処理液などで洗浄してもなかなか取れない場合,どの様にしたら良いでしょうか。洗浄する時は,受け皿の水を抜いたりして一時きれいに取れたと思ってもすぐに線のように出てきます。

 【解決方法】
 金属ローラ(水元)表面の油を取り去るには,クレンザーを用いてローラ表面を洗浄して下さい。(水舟の水は抜いてから行う)油分を取り除いた後は,クレンザー粉など良く拭き取ります。その後,アラビアガムを金属ローラに薄く,ムラなく塗布し,充分に乾燥させて下さい。(乾燥させる事が重要です)

 

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水棒呼出しローラに筋が出る(044)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

水棒呼出しローラに筋が出る(044)

【概要】
 水棒呼出しローラ(調量ローラー)に水を巻いた際,調量ローラゴム全面に,1ミリメートル毎の筋が出ますが,これは,ローラー自体の不良でしょうか。それとも他に,原因が有るのでしょうか。

 【解決方法】
 原因としてゴムローラの劣化が考えられます。古くなって硬度が増し,ゴムローラ自体の保有水量が少なくなると発生しやすくなります。その他,水のならしローラに横振り動作がない場合や,湿し水の粘度が高い場合にも発生しやすい傾向にありますので,もし,アルコールを添加している場合ならば減らす方向に考えてみて下さい。

 

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ゴースト,汚れなどがとれない(038)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

ゴースト,汚れなどがとれない(038)

【概要】
ゴーストや汚れなどが,ブリッジローラーを付けても解消しません。水のトラブルが多いので水対策を詳しく教えて下さい。

 【解決方法】
ゴーストや汚れなどは,水とインキのバランスがくずれる時に発生するものと考えて下さい。水回りでは日頃のメンテナンスが重要となってきます。水槽等,汚れがひどくなると水上りが悪くなるため,必然的に水のダイヤルを増すことになります。その結果,過剰乳化がすすみ,様々なトラブルを発生します。
インキは,粘度を下げるためにコンパウンド,ニス等を添加すると水巾が増え,乳化しやすい傾向にあります。この様な場合には,レジューサーにて調子を整えるようにして下さい。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
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水関係のトラブル多発の対策(042)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

水関係のトラブル多発の対策(042)

【概要】
 導入して4年目の機械で水関係のトラブルに困っています。何かアドバイスがありましたら,教えて下さい。

 【解決方法】
 水の上りのバラツキが発生する時ゴムローラに起因する場合,アルコール使用の有無やその濃度などでゴムローラの寿命を著しく左右します。ゴムローラの硬度変化により,水上り等も影響を受けます。
 例えば,ゴムローラの交換時期にさしかかった時,他のメーカーに変更してみるのも一つの方法です。その場合テクノロール社より供給されている「ライノハイドロメトリックロがよいではないかと思われます。但し,湿し水,エッチ液との合性がありますので導入時に検討してみる事が重要です。
もし,アルコールを使用しているのであればアルコールレスのエッチ液に変えてみるのも一つの方法です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ノンアルコール印刷の普及状況(040)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:ダンプニング

ノンアルコール印刷の普及状況(040)

【概要】
ノンアルコール印刷について普及の状況や問題点を教えてください。

 【解決方法】
 連続給水機構が印刷界に出現して約25年になります。当初はダールグレンアルコールダンプニングシステムとして世界中でアルコールを湿し水に使いはじめました。当時のアルコール濃度は湿し水に25%を混入するものでした。
 現在はアルコール規制(日本)から1%以内というの規則値がありますが。5%以内であれば黙認されています。あくまでも黙認です。
ノンアルコール化は,日本全体の10%までは届いていないと思います。アルコールを使用すると(10~15%)刷り始めが楽になりますのでどうしても使いたくなる様です。
 連続給水装置でも各機種ごとに違います。例えばKOMORI,リスロン系,ローランド700などは,ノンアルコールでもあまり困りません。それはインキローラーとダンプニングローラの間がoffになっているからです。また三菱ダイヤシリーズ・ハイデルベルグ等は,アルコールを使った方が楽になります。
アルコール湿し水を使用しますと連続給水装置のメータリングローラーの寿命が短くなることが判明しております。いずれにせよアルコール使用は体に悪いので使用しない様おすすめします。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)