研究調査」カテゴリーアーカイブ

ブランケットの締め方(017)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ブランケットの締め方(017)

【概要】
ブランケットを締めるとき、トルクレンチを使わずにそのまま締めています。メーカーや機種によって引っ張りは異なるとのことですが、4色分のブランケットの締める力は一定の方が良いのでしょうか。

 【解決方法】
 4色印刷機にブランケットを取り付け、張締する場合、通常はトルクレンチを使用して張締します。それは、4胴共均一に張り上げるためです。張り上げる力がまちまちであれば、各胴の天地の出会い見当が変わります。また時にはダブりが発生することがあります。
トルクレンチを使用しないで張締する場合は、各胴のブランケットを同じ力で締めなければなりません。そのためには1人のオペレータが4胴共同じ力で締めブランケットを取り付けた後に、シリンダーゲージ等で胴仕立てをチェックしてください。
 参考までにトルクレンチを使用した時の、トルクの力を記します。
 小森 リスロン 426(菊半裁4色機) 700kg/トルク
三菱 ダイヤ Iー4(菊半裁4色機) 650kg/トルク
三菱 ダイヤ Ⅲー4(菊全判4色機) 1,400kg/トルク

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

タックとフロー(016)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

タックとフロー(016)

【概要】
インキの「流動性」の中のタックとフローの違いがよくわかりません。ある本ではそれぞれの値を増減させる為の補助剤を指定しています。例えば粗面の紙へのベタ刷り不良において、「00ニス」によって対処した場合,この時点でフロー値は増しやわらかくなるとのことですが,タック値は低下しないのでしょうか?
また、「タック値の低下=インクはやわらかくなる」とは違うのでしょうか?

 【解決方法】
タックとは、印刷インキの粘り気の事です。これが大きすぎると版の汚れ、紙むけなどを生じ、多色刷りの場合(ウェット印刷)トラッピングにも影響します。
 次にフローとは、流体として均一な膜に広がろうとするインキの性質です。この数値が大きいほど、フローが良いと考えます。(一定量のインキに一定の圧力を加えると,インキは円状に拡がるが,その円の大きさを60秒後に測定した数値の事)
 助剤は次のように使いわけます。
・タックのみ下げるには、コンパウンドを添加
・タックを若干下げ、フローを出すには、00ニスを添加
・タックを下げ、フローを出すには、レジューサーを使う。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

湿し水のPH値と乾燥時間(019)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

湿し水のPH値と乾燥時間(019)

【概要】
 湿し水のPH値の酸性度合いが大きい場合、インキの紙面乾燥時間にどれだけの影響をもたらすのでしょうか。
 例えば、PH5.5がv4.5となった場合、インキの紙面乾燥時間は何時間くらい差がでるものでしょうか。

 

 【解決方法】
 湿し水のPH値と乾燥時間には明確な相関関係があり、PHが低いほど(酸性値が高い程)乾燥時間が多くかかります。
PH5.5とPH4.5とでは後者の方が前者に比べて,約3時間長く乾燥に時間がかかります。
ただし,インキの乾燥には、温度と湿度も影響をもたらします。 温度は10℃の変化で乾燥時間が約2倍(温度高い程早い) 湿度は高くなればなる程、乾燥時間は遅くなり、PH60%の時、10時間位かかったものがRH80%になると16時間以上もかかります。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ベタ部の色ムラが水負けしてしまう(018)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ベタ部の色ムラが水負けしてしまう(018)

【概要】
UVインキでベタ部の色ムラ水負けのような現象が起ります。100枚の内20~30枚が出たり出なかったりします。ロングランで20,000枚過ぎたあたりから発生します。条件はエッチ液PH5.5,IPA 7%,水温13℃です。

 【解決方法】
この現象は水負けだと思います。UVインキは水負け乳化を起こし易いインキです。印刷時は、湿し水量を出来る限り少なくする事が大切です。
 湿し水のPH5.5は適切です。
IPAは5%以内に押えたいものです。IPAはインキ乳化を進める働きがあります。
 湿し水温度は7℃~10℃くらいにしてみて下さい。これでも同様の問題が発生する場合はインキを他のメーカーに変えてみるのも一つの方法です。エッチ液とインキのタイプが合わない事もああるからです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

カラーアート校正と印刷の色の違い(021)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 :インキ・ブランケット

カラーアート校正と印刷の色の違い(021)

【概要】
 当社の校正刷はほとんどカラーアートで作成されています。印刷物と比べた場合,若干色が異なる為、色の基準にしにくいという問題があります。カラーアートで作成した校正刷の網点を見ると,正方形で若干丸みをおびたものとなっています。校正刷機で作成したならば、こういう問題は発生しないのでしょうか。校正刷機で作成した物とカラーアート(焼付)で作成した物との相違点はどこにあるのでしょうか。インキを使用した物の方が流動性等により濃く出るのでしょうか。

 【解決方法】
 第1の違いは色材です。カラーアートでは染料を使用し、印刷インキは顔料です。カラーアート使用上まずC,Mにおいて貴社使用のインキの発色に近い種類の色材を選び、使用しなければなりません。
 第2の異なる点は、トラッピングです。カラーアートでは、先刷りの色の上に、後刷の色がほとんど100%転移しますが、印刷インキ(平台校正機)の場合は70%~80%の間です。
 前者の場合、完全に先刷り色の上に後刷り色が乗るので、色の鮮やかさが後者の平台校正刷に比べ、はるかに良い事が解ります。校正刷(平台)の場合は、印刷インキが紙の目の中に浸透してゆき、印刷されたインキ表面は凸凹の状態で表面の平滑度も両者の間では全く異なります。

 

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金インキがうまく刷れない(020)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

金インキがうまく刷れない(020)

【概要】
 金刷の調子が悪く,うまく刷れません。効果的な補助剤などがあったら教えてください。油性のような光沢は出ませんか。印刷条件は,UV専用8色機,エッチ液 PH5.5 ローラー温度23℃, 水温13℃です。

 【解決方法】
 金インキは、特に乳化しやすいので、水温のコントロールを心掛けて下さい。現在、水温は13℃という事ですが、7~10℃に設定し試してみて下さい。
UVインキには一般インキ用の助剤は添加しないよう気を付けて下さい。思わぬ事故が発生してしまいます。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

特練インキでオフセット印刷する時の注意点(022)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

特練インキでオフセット印刷する時の注意点(022)

【概要】
 特練インキでオフセット印刷する時、品質安定させるための何か良い方法が有りましたら、具体的に教えて下さい。

 【解決方法】
 特練インキの場合は,プロセスセットインキに比べて特に水負けしやすい傾向にあります。つまり、湿し水を辛目にして印刷をしなければなりません。その中でもセピア、ネズミなどはその代表と言えるでしょう。
 品質安定をさせるためには,乳化対策をすることが重要です。これはインキの水巾を増加させる事で対応できます。インキに石油系溶剤レジューサーを混ぜるとよいでしょう。ただし、その混合比率は、5%以内にして下さい。もし、レジューサーが手元にない場合は、灯油を代替とする事が出来ます。
 参考までに、コンピュータによる特練インキ製造時の調色機材として。(株)文祥堂扱のレインボーという商品が有ります。

 

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スノーフレーク(素抜け)の対策(023)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

スノーフレーク(素抜け)の対策(023)

【概要】
 乳化が原因でスノーフレーク(素抜けする)状態となっています。1号刷りにてパウダーを使用した後は500枚も通さないうちにこのような状態になってしまいます。ゴムローラーは定期的(6ヶ月/回)に交換し、ニップ圧も悪くありません。パウダーの散布状態は多少パウダ量が多いと思われますが異常だとは思われず、インキは新しいインキに交換しても直らずブランケットを交換しても直りません。つきを良くするために乳化は進行しやすくなりますが、ジェリーコンパウンドを3%混入して進行しています。水上りは汚れが出る寸前で進行していますが良くなりません。他に考えられる事を教えてください。

 【解決方法】
インキの過剰乳化により網点内に小さな斑点状の白抜けが起こる場合の対策として
1.湿し水を絞る(水を辛めにする)
 2.湿し水の冷却装置が正常かどうかのチェック
3.エッチ液を過剰添加していないかをチェック
4.インキの交換
が挙げられます。現状では、1.4.の対策を実施され効果がないようですので2.3.のチェックを行ってみて下さい。
 乳化以外の原因として考えられるのは、印圧不足による着肉不良です。版胴とブラン胴の圧が不十分なため、ベタのつぶれが悪くなっているということはないでしょうか。版胴、ブラン胴の仕立て量のチェックをしてみて下さい。もし、不足しているようなら正規の量にする必要があります。通常、ベアラコンタクトの場合、正規の仕立て量は、版のオーバーベアラ量は0.10mm、ブランケットのオーバーベアラ量は0mmです。最終的に仕立て量を確認する場合には、シリンダーパッキングゲージを使用してください。

 

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トラッピング不良と逆トラッピング(024)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

トラッピング不良と逆トラッピング(024)

【概要】
トラッピング不良と逆トラッピングとはちがうものなのですか?

 【解決方法】
トラッピング不良と逆トラッピングとはそれぞれ異なります。
トラッピング不良とは、ウェット印刷(多色刷機)時において、先刷りのインキの上に後刷りインキがうまくのってくれないことを指し、逆トラッピングとは、多色刷印刷において 先刷りインキが後胴ブランケットにとられてしまい,版を介して、先刷りインキが後刷りインキユニット(ローラ)にあがり、インキが濁ってくることを言います。

 

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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことか?(024-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことか?(024-2)

【概要】
インキの埋まりが厚いとはどのような状態のことですか?

 【解決方法】
この表現は適切ではないと思われますが、次の様な事が考えられます。
(1)シャドーの目の開きが悪い。つまし胴仕立量不良により、つぶれてしまう事。 (2)インキの盛りすぎによるシャドー部のつぶれ。

 

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