研究調査」カテゴリーアーカイブ

ドットロスとは?パイリングとは?(024-3)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ドットロスとは?パイリングとは?(024-3)

【概要】
ドットロスとは?パイリングとは?

 【解決方法】
ドットロスとは、網点の細かいことをさします。それは、中間からハイライトにかけて顕われ、特にハイライト部に特に顕われる。要因としては、P・Sプレートに絵柄を焼付ける時の露光オーバー、湿し水中のPHが低く、版の画線部が取れた時、それに、PS版を焼きつける時の密着不良等が考えられる。
パイリングとは、ブランケット上に紙粉:インキ等が残り、堆積することを指す。原因としては、インキのタック、ぬれ不良、インキの水負けによる転移不良などが考えられる。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

トラッピング不良(4色機)を最小限にする方法(025)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

トラッピング不良(4色機)を最小限にする方法(025)

【概要】
 刷り順はBk→M→C→Yですが,トラッピング不良(4色機)を最小限に抑える方法を教えて下さい。

 【解決方法】
トラッピング不良とは,ウェット印刷時において,先刷りインキの上に後刷りインキがうまくのってくれない現象の事です。
これには,後刷りのインキのタック値が先刷りのタック値より大きい事が考えられます。他には,先刷りインキのセットが遅い事と,よくある事ですが,先刷りインキの盛りすぎも考えられます。
 対策としては,印刷順序に従い,インキタック値の低い物を使用する。
 貴社の印刷順序にある,Bk-M-CーYの場合,M.Cのタック値を調べてみて下さい。CがMよりタック値が大きければこのようなトラブルになり易いと思います。
 先刷りインキの盛りすぎにて,この様なトラブルが発生することが考えられます。濃度の高いインキを先刷りに使用し,薄盛りにすると良い結果を得る事が出来るはずです。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

マット系の厚紙で,ブロッキング発生(027)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

 

マット系の厚紙で,ブロッキング発生(027)

【概要】
マット系の厚紙による4色絵ハガキで,ブロッキングが発生しました。ドライヤ ,スプレー,パウダー,板割りは適当と思われるのですが,シャドー部がどうしても,うまく行きませんでした。

 【解決方法】
マット系と,アート系の紙では,それぞれ紙表面の平滑度が異なります。マット系の場合,表面が粗い為,アート紙等に印刷する場合に比べて,インキ濃度が低く見えます(乱反射)。そこで,アート紙同様の効果を得るためにインキを多く盛ってしまう傾向があります。
 対策としては,マットコート紙用インキを使用してみることを勧めます。このインキは,通常のインキに比べて,濃度が高い為,薄盛りでき,また,裏付き防止剤が多少多めに入っています。コスレ防止用の耐摩擦性コンパウンドも余分に入っていて,同様にドライヤも多めに含まれています。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ライト側の黄色の上り(太り)について。(028-1)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

ライト側の黄色の上り(太り)について。(028-1)

【概要】
ライト側の黄色の上り(太り)を防ぐ方法があれば教えて下さい。DICプロセスインキ使用(カップス)

 【解決方法】
 現在,異常な太りが見られるようなら,ブランケットの仕立てのチェックが必要です。もし,仕立てが太いようなら正規の仕立量にし,ソフトパッキング,セミハードパッキングであれば,ハードにすれば,網点の太りは改善されるでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

クリスタリゼーションとトラッピング(224)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

クリスタリゼーションとトラッピング(224)

【概要】
クリスタリゼーションもトラッピングを処置する同じ方法でよろしいのでしょうか。もし違う方法があれば教えて下さい。

 【解決方法】
クリスタリゼーションとは、多色印刷後インキ表面が乾燥してガラス状(クリスタル) になり、後刷りのインキが前に刷ったインキの上に着かなかったり、着いても直ぐに取り 去られる現象を言います。トラッピングは下刷りのインキの上に上刷りのインキが乗る状態を言います。下刷りのインキの上に上刷りのインキが何%乗ったというようにあらわします。トラッピング不良と着肉不良とは若干異なるので,クリスタリゼーションとトラッピングはその現象が違うものなのです。

  クリスタリゼーションは下刷りインキがセット(乾燥ではない)された段階で次の印刷 に掛れば事故は起きません。クリスタリゼーションを起こした場合の救済方法としては、 インキ画像の上をボロ(ウエス)で擦り、表面を荒らしてインキ着肉性を良くする方法が あります。ただし,ロットが大きくなれば大変な仕事量になってしまいます。助剤をインキに混入して助ける方法としては、ポリアミド樹脂+アルッキド樹脂+石油系溶剤を混合した助剤があります。商品名はインキリフレッシャー又はオロテックス5040などがあります。ただし,その助剤を使用しても完全なインキ乗りは望めません。

トラッピング不良の場合は、多色機刷りでは後刷りのインキのタックを下げると上刷りの トラッピングは良くなります。クリスタリゼーションを起こした場合はインキのタックを 下げてもインキの乗りは良くなりません。   平台校正機(単色)で刷られた校正刷りのトラッピング率は、各色100%近くになります が、4色印刷機で印刷した場合、トラッピング率はC+Mは55~60% C+Yは75~80%  M+Yは60~65%程度です。これが校正刷りと本刷りの発色の違いになって刷り上がり品 質が異なり、問題を起こす原因になっています。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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印刷室の環境とインキの関係について(223)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

印刷室の環境とインキの関係について(223)

【概要】
トラッピングを良くするために助剤をいれてインキのタックを下げるのは適当ではないのでしょうか。

 【解決方法】
 印刷室の環境は、室内温度RT23~25℃、相対湿度RH60%±5%が標準であって年間 を通じて一定であるべきです。
その環境の中でインキは印刷するための最適な条件なのです。インキもその条件に合わせ て造られています。ドライヤーの添加量・裏付防止剤・インキによっては表面強化剤などが入っています。セットインキはそれぞれタック・フローのバランスをとりながら造られています。助剤を加えることでバランスが崩れて思わぬ事故につながることがあります。特に00ニスを加えたインキに事故が多く見られます。
いずれにしても,印刷インキは標準的な環境のもとでそのまま使用することが大切です。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になる(028-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になる(028-2)

【概要】
 多色刷りのとき,固有色のニゴリが気になります。何か防ぐ方法があれば教えて下さい。

 【解決方法】
おそらくバックトラッピングによるにごりではないかと思います。バックトラッピングは,インキのタック,つまり刷られたインキの膜厚が原因で起きます。先刷りインキよりも後刷りインキのタックを低く,膜厚を厚くすれば,バックトラッピングは防げると思います。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

【概要】
 胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・

【解決方法】
 胴仕立てとは、版胴に装着された版と版下、ブランケットとブラン下を規定量巻いて、各胴間隔を調整する作業のことです。つまり、フィルム(原稿)上の画像を、印刷用紙上に同じ寸法で再現することが大きな目的です。
 基本的にはTRUE ROLLING法が根底に流れています。胴仕立て後の印刷再現の良否を判定するために、様々な品質管理ゲージなどがあります。測定機にはシリンダーパッキングゲージ等があり、それらを有効に活用して品質の維持に努めなければなりません。この基本概念を前提とすれば、条件設定が何通りもあるということにはなりません。
 現在では、ブランケットの胴仕立て後のオーバーベアラは基本的にはゼロ(つまりブランケット胴のカットダウン量が仕立て量になります)に、版胴の胴仕立て後のオーバーベアラ量がP-B間の印圧という事になります。P-B間の印圧は、実験の結果等により0.1~0.15がよいとされています。これは印刷再現性を考慮して出た結果です。
B-I間の印圧は、0.12~0.15が良いでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
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胴仕立ての圧さについて(227)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての圧さについて(227)

【概要】
 胴仕立てには色々な圧さがあるようですが,わかりにくいので教えてください。

 【解決方法】
 胴仕立て法は現在トルーローリング法を全部の印刷機種(小型卓上印刷機は除く)に使用されています。版胴のベアラ(枕)とブランケット胴のベアラはタッチしていて、ベアラタッチ・ベアラコンタクトと言います。
 基本的には、版胴の版のオーバーベアラは0.10mmでゴム胴のブランケットのオーバーベアラは、0mmにすることです。版=ゴム間の印圧は0.10mmになります。
 厚さのことですが、ブランケットの厚さには、1.60mm,1.80mm,1.90mm,2.00mmなど、いろいろあります。ブランケット下敷きも紙だけのもの・アンダーブランケット・布地等があります。アンダーブランケットの厚さも0.5・1.0mm、布地も0.3・0.5mmの厚さのものも有ります。ブランケットと紙の調厚紙・アンダーブランケットや布地などをブランケットの下に敷いて、版=ブランケットの圧を調節します。仕立てたブランケット胴の高さはベアラよりも高くなってはいけません。
トルーローリング法の基本理論はP>B、つまりプレートシリンダーはブランケットシリンダーより太く、ブランケットシリンダーはプレートシリンダーより細くが条件です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

【概要】
 印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付き,ブランケットにダメージを与えてしまいます。

 【解決方法】
 印刷中のインキは湿し水が15~17%程度混ざっています。その為にインキのタックは低く、ベタの着肉がよくなり、ブランケットからの紙離れも良くなっています。

 機械停止時間が長いと、ブランケット上のインキ中の湿し水は空気中に蒸発してインキのタック(粘り)が上がり、ブランケットに紙が巻き付くようになります。機械停止時間が1~2分以上になるとブランケット上のインキは粘りが増します。印刷機を停止した時は、たとえ短時間でもブランケットを洗浄します。

 短時間印刷機を停止した後、再度印刷にかかるときは、ブランケット上にスプレー式の乾燥抑制剤を散布すると、ベタ刷りでもブランケットに巻き付きませんが、版面に汚れが生じたり、刷本の乾燥が遅れたり、裏移り事故につながるので注意が必要です。

また、あまりブランケットに紙が巻き付くようであれば、クワエ爪調整を行うことを勧めます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)