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再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

【概要】
 再生紙に印刷していると、次第に版の網点が消えたり、ブランケットに多量の粉(紙粉?)が着いたりするが、成分は何で、どのようにすればよいのでしょうか?

 【解決方法】
 再生紙は普通の上質紙に使うバージンパルプと再生パルプを混合して作られます。再生パルプはバージンパルプの繊維の大きさ(2~3mm)に対して3分の1~7分の1程度の細かいパルプになります。その細かいパルプがバージンパルプから離れてブランケットに紙粉として着いてしまいます。この細かいパルプの粉が版面を擦り、版の耐刷力を下げてしまいます。対策としてブランケットをまめに洗うようにしてください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

水無しとPS版の6色機の管理(013)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

水無しとPS版の6色機の管理(013)

【概要】
 現在水無しの6色機を扱っており,第5,第6セットはPS版も使えるので,混乱してしまいます。水無し印刷のアドバイスなどをお願いします。

 【解決方法】
 水無し印刷を行っていく上での重要なポイントは印刷機の管理です。良い印刷物を得るには印刷機の仕立てが重要であり変動要因たるローラーニップ幅,印圧を適正に保つため定期的に調整して下さい。ローラーニップ幅設定は,印刷機の基準どおりで問題ありませんが,着けローラは仕上側のならし効果のあるローラのニップ幅を対版,対バイブ共に軽めに設定する事をお勧めします。胴仕立ても機械の標準設定で問題ありません。
シリンダーパッキングゲージを用い定期的に測定し調整して下さい。
・水あり印刷と水無し印刷の違い。
・ドットゲイン量が違う
・インキトラッピングが異なる。
・水無しはインキを盛っても濃くならない。
などを頭に入れて作業を行って下さい。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

【概要】
 当社の本機印刷は水無し印刷に移行しました。校正刷はオフセットで行い本機では水無し印刷で行うため印刷物の調子再現の誤差が生じトラブルの原因になっています。水無し印刷に合わせるオフセット校正の方法のヒントを教えて下さい。(版材,ブランケット,インキなど)

 【解決方法】
まず水無し印刷とオフセット校正とでは,ドットゲイン量の差が違い,インキ,トラッピングが異なります。水無し印刷は,ンキ盛り量を多くしてもただ単にインキ膜厚が厚くなるだけで,ドット変量は少ない。一方オフセット校正でインキを盛りすぎた場合,水無し印刷ではとても同様の品質のものは刷れません。
そこで
(1)校正機(4色)の版定盤を冷却しすぎると,インキが硬くなるので,爪抜けなどをしていないかルーペなどでダブりをチェックしてみる。
 (2)水無し印刷は,インキを盛っても濃くならない。(これはドットゲイン量に影響される)ということを認識しておく。

 

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

水無し印刷のドットゲインとインキの乾燥(014)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

水無し印刷のドットゲインとインキの乾燥(014)

【概要】
 当社では水無し印刷の棒積化を進めておいますが,通常の盛り量では校正刷と同じになりません。水無しはインキの盛り量が多くても網点がつぶれることはないのですが逆に盛らないと色が出ないため棒積できないのはもちろん,裏付なども出て困っています。湿度・温度が乾燥にどのように関係するのか教えて下さい。

 【解決方法】
 水無し印刷は,水有りのPS印刷と比較して網点のゲイン量(太り量)が小さい傾向にありますす。なぜなら,版式の構造上,水無しは凹版に近く,PS版は凸版に近いといえます。つまり,前者の場合,画線となるところには凹みの部分にインキが着肉され,後者においては,凸部へのインキ着肉となります。いくらインキを盛っても前者の場合には,凹みの部分にインキが高く盛られていくだけで,シリコン部にはインキが着きません。これに対し,後者は,凸部にインキを盛って印圧をかけるので,凸部に盛られたインキが圧力で太る訳です。(他にも網点が太る要因として色々考えられます。)
 対策には,分解線数を細かくする(網点の径が小さくなればゲイン量率が多少多く得られる)か,製版時に分解カーブを変えてみてください。
 湿度・温度と乾燥に関しては次のとおりです。
・温度は高くなればなる程インキは早く乾燥する(10℃の差では約2倍)
・湿度は(同温度ならば)高いと遅い
 ・風通しは(風入れは)酸素量を多くするのでインキ盛り量の多い仕事の時には,これをお奨めします。
・校正刷の (1)濃度 (2)網点変量 etcをチェックし適正な校正刷りかどうか調べ,前工程へ,情報をフィードバックしてみる。

 

 「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係(010)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係(010)

【概要】
 校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係と紙,インキ及び湿し水に与える影響を教えてください。

 【解決方法】
 室温と版定盤温度との関係は,室温を25℃±2℃(室温は空調されている事)に保ち, 版盤温度は,室温-5℃以内で(※冷やしすぎない事→冷やしすぎの場合インキがしまる), RH(湿度)は,55%~60%にします。
 版定盤温度を冷やしすぎると,飽和水蒸気量が減る為,版上に適度以上に結露発生(水が多い状態) し,インキもしまる為,ドット変量が小さくなりすぎます。(本機刷と校正刷のDot gain の差,拡大) これにより,校正刷の品質低下が起ります。
※参考までに 本機刷でのインキの乳化率は17~20%校正刷でのインキの乳化率は殆ど0%です

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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用紙のエージングとシーズニング(009-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙のエージングとシーズニング(009-2)

【概要】
 用紙のエージングとシーズニングの違いと効果について

【解決方法】
 抄紙された直後の用紙は一応湿度の調整は行われていますが,湿気ムラが用紙のあちこちにあります。それらの湿気を全体に平均にしなければなりません。平均になるのには約1週間は必要です。その時期をエージング(熟成期間)と呼んでいます。
シーズニングとはエージングが終った用紙を印刷室内の温度・湿度に合せることを言います。
 一般に印刷用紙は,含有相対湿度は55~60%程度です。そのため印刷室の湿度も55~60%にしておくと紙癖も生じなくスムーズに仕事がはかどります。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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用紙のカールと印刷の条件(009)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙のカールと印刷の条件(009)

【概要】
 印刷の条件によって用紙の波うち,オチョコ,カールはどう現われますか?

 【解決方法】
 用紙の波うち(ウェイビーエッジ)は印刷の条件よりも,工場内環境に左右されます。通常印刷用紙は相対湿度55~60%程度で安定する水分を持っています。その用紙を裸にして,工場内に放置しておくと,用紙の周りの湿度が80~85%と高い時は空気中の湿気はどんどん用紙の周りから入って,紙のパルプ繊維を膨潤させます。積まれた用紙の中央部は水分の変化が無く,周りはパルプが膨潤して伸びるため波うちが起きます。
 反対に,周りの湿度が25~30%と低い場合は,用紙の周りから紙の湿度がどんどん空気中に放出され,パルプ繊維が縮みます。それがオチョコ(タイトエッジ)となって現われます。
 冬の寒い時に波うちが起きる理由は,用紙が冷たい所に保管され,急に暖かい印刷室に持ち込まれた時に,冷たい紙の周りに湿気を含んだ空気が取り付きその湿気が用紙の周りから入り込み,波うちを起します。印刷用紙は印刷室と同じ環境の場所に最低2日は置きたいものです。

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用紙の伸縮の差(008)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙の伸縮の差(008)

【概要】
 用紙の伸縮は抄紙の仕方によって決るのでしょうか。印刷,保管条件等によって防ぐことができますか?

 【解決方法】
 用紙の伸縮は,パルプの伸縮が主な原因です。パルプ繊維は,水につけると縦方向は2~3%伸びます。横方向には30%~35%の膨潤をおこします。これは横目の用紙を用いると,紙伸びのために見当が合わなくなることでも判ります。縦目・横目は抄紙の過程で生じるものです。巻取りの紙は,全部縦目です。それを横長に切断すると横目となります。保管するときには,ワンプに包んだまま印刷室と同じ温度の所に2日間位置いて温度差を無くすこと(温度の平衡)が大切です

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現場の静電気対策(006)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

現場の静電気対策(006)

【概要】
 四六半裁二色機を使っていますが,湿度低下でデリバリー部で静電気により紙が揃わないことがあります。何か静電気に対する良い方法があればアドバイスお願いします。

 【解決方法】
 湿度がどんどん低くなると,静電気が発生しやすくなります。特に,R.H(相対湿度)40%以下では発生しやすく,25%以下になると必ず発生します。
 通常印刷工場の環境は,室温23~25℃,湿度55~65%に 整えなければなりません。
 室温も大事な要素で,15℃以下になると,静電気が発生しやすくなります。
この条件の下において,ご質問の様なトラブルが発生するようでしたら
(1)フィーダー部の用紙に超音波加湿器などで,湿気を与える。
 (2)ブロアーポンプの吸入部にやはり超音波加湿器をセットして吸気に湿気を与える
(3)静電気防止テープをフィードボード上に貼る
(4)フィードボード上に石鹸水を薄く塗布する
大事な事は,印刷室の室温・湿度です。温湿度管理がきちっとできている工場の場合は印刷用紙は,少なくとも12時間以上は,室温にならします。工場の温湿度が適正に管理されておらず湿度が50%を下回っているようでしたら,印刷直前にワンプを開けた方が多少は用紙の湿気を保てるでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
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(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

コントロールストリップの比較(005)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

 

コントロールストリップの比較(005)

 

【概要】
コントロールストリップを選定するにあたって比較項目はどのようになるのでしょうか。

 【解決方法】
コントロールストリップスには,世界中で10種類以上ありますが管理する目的は
1.インキ濃度
2.インキトラッピング(2次色)
3.ダブリ・スラー
4.ドットゲインなど網点変量
5.刷版焼度スケール(刷版管理用ゲージ)
6.グレーバランス(カラセパレーションカーブや使用プロセスインキの種類によって多少変ります)
これらのうち1~5は各ストリップ共通で計測管理できます。海外から持ち込まれたグレーバランスチャートは,日本のプロセスインキを使い標準濃度で印刷すると赤っぽくなります。JPA(日本プリンティングアカデミー)で作られたGCS(グレーコントロールストリップス)+BS-595(ベーシックスケール5% 95%)の組合せが,グレーコントロールをより一層有効で,かつ簡易に出来るものとして使われています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)