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胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・(226)

【概要】
 胴仕立ての条件設定が何通りも考えられるが・・・

【解決方法】
 胴仕立てとは、版胴に装着された版と版下、ブランケットとブラン下を規定量巻いて、各胴間隔を調整する作業のことです。つまり、フィルム(原稿)上の画像を、印刷用紙上に同じ寸法で再現することが大きな目的です。
 基本的にはTRUE ROLLING法が根底に流れています。胴仕立て後の印刷再現の良否を判定するために、様々な品質管理ゲージなどがあります。測定機にはシリンダーパッキングゲージ等があり、それらを有効に活用して品質の維持に努めなければなりません。この基本概念を前提とすれば、条件設定が何通りもあるということにはなりません。
 現在では、ブランケットの胴仕立て後のオーバーベアラは基本的にはゼロ(つまりブランケット胴のカットダウン量が仕立て量になります)に、版胴の胴仕立て後のオーバーベアラ量がP-B間の印圧という事になります。P-B間の印圧は、実験の結果等により0.1~0.15がよいとされています。これは印刷再現性を考慮して出た結果です。
B-I間の印圧は、0.12~0.15が良いでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

胴仕立ての圧さについて(227)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

胴仕立ての圧さについて(227)

【概要】
 胴仕立てには色々な圧さがあるようですが,わかりにくいので教えてください。

 【解決方法】
 胴仕立て法は現在トルーローリング法を全部の印刷機種(小型卓上印刷機は除く)に使用されています。版胴のベアラ(枕)とブランケット胴のベアラはタッチしていて、ベアラタッチ・ベアラコンタクトと言います。
 基本的には、版胴の版のオーバーベアラは0.10mmでゴム胴のブランケットのオーバーベアラは、0mmにすることです。版=ゴム間の印圧は0.10mmになります。
 厚さのことですが、ブランケットの厚さには、1.60mm,1.80mm,1.90mm,2.00mmなど、いろいろあります。ブランケット下敷きも紙だけのもの・アンダーブランケット・布地等があります。アンダーブランケットの厚さも0.5・1.0mm、布地も0.3・0.5mmの厚さのものも有ります。ブランケットと紙の調厚紙・アンダーブランケットや布地などをブランケットの下に敷いて、版=ブランケットの圧を調節します。仕立てたブランケット胴の高さはベアラよりも高くなってはいけません。
トルーローリング法の基本理論はP>B、つまりプレートシリンダーはブランケットシリンダーより太く、ブランケットシリンダーはプレートシリンダーより細くが条件です。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付いてしまいます(262)

【概要】
 印刷をしばらく止めた後、ベタの印刷を行なうと紙が巻き付き,ブランケットにダメージを与えてしまいます。

 【解決方法】
 印刷中のインキは湿し水が15~17%程度混ざっています。その為にインキのタックは低く、ベタの着肉がよくなり、ブランケットからの紙離れも良くなっています。

 機械停止時間が長いと、ブランケット上のインキ中の湿し水は空気中に蒸発してインキのタック(粘り)が上がり、ブランケットに紙が巻き付くようになります。機械停止時間が1~2分以上になるとブランケット上のインキは粘りが増します。印刷機を停止した時は、たとえ短時間でもブランケットを洗浄します。

 短時間印刷機を停止した後、再度印刷にかかるときは、ブランケット上にスプレー式の乾燥抑制剤を散布すると、ベタ刷りでもブランケットに巻き付きませんが、版面に汚れが生じたり、刷本の乾燥が遅れたり、裏移り事故につながるので注意が必要です。

また、あまりブランケットに紙が巻き付くようであれば、クワエ爪調整を行うことを勧めます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : インキ・ブランケット

再生紙に印刷していると次第に網点が消えたり、ブランケットに多量の粉が着くのですが(256)

【概要】
 再生紙に印刷していると、次第に版の網点が消えたり、ブランケットに多量の粉(紙粉?)が着いたりするが、成分は何で、どのようにすればよいのでしょうか?

 【解決方法】
 再生紙は普通の上質紙に使うバージンパルプと再生パルプを混合して作られます。再生パルプはバージンパルプの繊維の大きさ(2~3mm)に対して3分の1~7分の1程度の細かいパルプになります。その細かいパルプがバージンパルプから離れてブランケットに紙粉として着いてしまいます。この細かいパルプの粉が版面を擦り、版の耐刷力を下げてしまいます。対策としてブランケットをまめに洗うようにしてください。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

水無しとPS版の6色機の管理(013)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

水無しとPS版の6色機の管理(013)

【概要】
 現在水無しの6色機を扱っており,第5,第6セットはPS版も使えるので,混乱してしまいます。水無し印刷のアドバイスなどをお願いします。

 【解決方法】
 水無し印刷を行っていく上での重要なポイントは印刷機の管理です。良い印刷物を得るには印刷機の仕立てが重要であり変動要因たるローラーニップ幅,印圧を適正に保つため定期的に調整して下さい。ローラーニップ幅設定は,印刷機の基準どおりで問題ありませんが,着けローラは仕上側のならし効果のあるローラのニップ幅を対版,対バイブ共に軽めに設定する事をお勧めします。胴仕立ても機械の標準設定で問題ありません。
シリンダーパッキングゲージを用い定期的に測定し調整して下さい。
・水あり印刷と水無し印刷の違い。
・ドットゲイン量が違う
・インキトラッピングが異なる。
・水無しはインキを盛っても濃くならない。
などを頭に入れて作業を行って下さい。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

オフの校正と水無し本刷りがあわない(015)

【概要】
 当社の本機印刷は水無し印刷に移行しました。校正刷はオフセットで行い本機では水無し印刷で行うため印刷物の調子再現の誤差が生じトラブルの原因になっています。水無し印刷に合わせるオフセット校正の方法のヒントを教えて下さい。(版材,ブランケット,インキなど)

 【解決方法】
まず水無し印刷とオフセット校正とでは,ドットゲイン量の差が違い,インキ,トラッピングが異なります。水無し印刷は,ンキ盛り量を多くしてもただ単にインキ膜厚が厚くなるだけで,ドット変量は少ない。一方オフセット校正でインキを盛りすぎた場合,水無し印刷ではとても同様の品質のものは刷れません。
そこで
(1)校正機(4色)の版定盤を冷却しすぎると,インキが硬くなるので,爪抜けなどをしていないかルーペなどでダブりをチェックしてみる。
 (2)水無し印刷は,インキを盛っても濃くならない。(これはドットゲイン量に影響される)ということを認識しておく。

 

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

 

水無し印刷のドットゲインとインキの乾燥(014)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 水無し印刷

水無し印刷のドットゲインとインキの乾燥(014)

【概要】
 当社では水無し印刷の棒積化を進めておいますが,通常の盛り量では校正刷と同じになりません。水無しはインキの盛り量が多くても網点がつぶれることはないのですが逆に盛らないと色が出ないため棒積できないのはもちろん,裏付なども出て困っています。湿度・温度が乾燥にどのように関係するのか教えて下さい。

 【解決方法】
 水無し印刷は,水有りのPS印刷と比較して網点のゲイン量(太り量)が小さい傾向にありますす。なぜなら,版式の構造上,水無しは凹版に近く,PS版は凸版に近いといえます。つまり,前者の場合,画線となるところには凹みの部分にインキが着肉され,後者においては,凸部へのインキ着肉となります。いくらインキを盛っても前者の場合には,凹みの部分にインキが高く盛られていくだけで,シリコン部にはインキが着きません。これに対し,後者は,凸部にインキを盛って印圧をかけるので,凸部に盛られたインキが圧力で太る訳です。(他にも網点が太る要因として色々考えられます。)
 対策には,分解線数を細かくする(網点の径が小さくなればゲイン量率が多少多く得られる)か,製版時に分解カーブを変えてみてください。
 湿度・温度と乾燥に関しては次のとおりです。
・温度は高くなればなる程インキは早く乾燥する(10℃の差では約2倍)
・湿度は(同温度ならば)高いと遅い
 ・風通しは(風入れは)酸素量を多くするのでインキ盛り量の多い仕事の時には,これをお奨めします。
・校正刷の (1)濃度 (2)網点変量 etcをチェックし適正な校正刷りかどうか調べ,前工程へ,情報をフィードバックしてみる。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係(010)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係(010)

【概要】
 校正室の温度,湿度と版定盤の温度の関係と紙,インキ及び湿し水に与える影響を教えてください。

 【解決方法】
 室温と版定盤温度との関係は,室温を25℃±2℃(室温は空調されている事)に保ち, 版盤温度は,室温-5℃以内で(※冷やしすぎない事→冷やしすぎの場合インキがしまる), RH(湿度)は,55%~60%にします。
 版定盤温度を冷やしすぎると,飽和水蒸気量が減る為,版上に適度以上に結露発生(水が多い状態) し,インキもしまる為,ドット変量が小さくなりすぎます。(本機刷と校正刷のDot gain の差,拡大) これにより,校正刷の品質低下が起ります。
※参考までに 本機刷でのインキの乳化率は17~20%校正刷でのインキの乳化率は殆ど0%です

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

用紙のエージングとシーズニング(009-2)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙のエージングとシーズニング(009-2)

【概要】
 用紙のエージングとシーズニングの違いと効果について

【解決方法】
 抄紙された直後の用紙は一応湿度の調整は行われていますが,湿気ムラが用紙のあちこちにあります。それらの湿気を全体に平均にしなければなりません。平均になるのには約1週間は必要です。その時期をエージング(熟成期間)と呼んでいます。
シーズニングとはエージングが終った用紙を印刷室内の温度・湿度に合せることを言います。
 一般に印刷用紙は,含有相対湿度は55~60%程度です。そのため印刷室の湿度も55~60%にしておくと紙癖も生じなくスムーズに仕事がはかどります。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

用紙のカールと印刷の条件(009)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙のカールと印刷の条件(009)

【概要】
 印刷の条件によって用紙の波うち,オチョコ,カールはどう現われますか?

 【解決方法】
 用紙の波うち(ウェイビーエッジ)は印刷の条件よりも,工場内環境に左右されます。通常印刷用紙は相対湿度55~60%程度で安定する水分を持っています。その用紙を裸にして,工場内に放置しておくと,用紙の周りの湿度が80~85%と高い時は空気中の湿気はどんどん用紙の周りから入って,紙のパルプ繊維を膨潤させます。積まれた用紙の中央部は水分の変化が無く,周りはパルプが膨潤して伸びるため波うちが起きます。
 反対に,周りの湿度が25~30%と低い場合は,用紙の周りから紙の湿度がどんどん空気中に放出され,パルプ繊維が縮みます。それがオチョコ(タイトエッジ)となって現われます。
 冬の寒い時に波うちが起きる理由は,用紙が冷たい所に保管され,急に暖かい印刷室に持ち込まれた時に,冷たい紙の周りに湿気を含んだ空気が取り付きその湿気が用紙の周りから入り込み,波うちを起します。印刷用紙は印刷室と同じ環境の場所に最低2日は置きたいものです。

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)