研究調査」カテゴリーアーカイブ

用紙の伸縮の差(008)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙の伸縮の差(008)

【概要】
 用紙の伸縮は抄紙の仕方によって決るのでしょうか。印刷,保管条件等によって防ぐことができますか?

 【解決方法】
 用紙の伸縮は,パルプの伸縮が主な原因です。パルプ繊維は,水につけると縦方向は2~3%伸びます。横方向には30%~35%の膨潤をおこします。これは横目の用紙を用いると,紙伸びのために見当が合わなくなることでも判ります。縦目・横目は抄紙の過程で生じるものです。巻取りの紙は,全部縦目です。それを横長に切断すると横目となります。保管するときには,ワンプに包んだまま印刷室と同じ温度の所に2日間位置いて温度差を無くすこと(温度の平衡)が大切です

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

現場の静電気対策(006)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

現場の静電気対策(006)

【概要】
 四六半裁二色機を使っていますが,湿度低下でデリバリー部で静電気により紙が揃わないことがあります。何か静電気に対する良い方法があればアドバイスお願いします。

 【解決方法】
 湿度がどんどん低くなると,静電気が発生しやすくなります。特に,R.H(相対湿度)40%以下では発生しやすく,25%以下になると必ず発生します。
 通常印刷工場の環境は,室温23~25℃,湿度55~65%に 整えなければなりません。
 室温も大事な要素で,15℃以下になると,静電気が発生しやすくなります。
この条件の下において,ご質問の様なトラブルが発生するようでしたら
(1)フィーダー部の用紙に超音波加湿器などで,湿気を与える。
 (2)ブロアーポンプの吸入部にやはり超音波加湿器をセットして吸気に湿気を与える
(3)静電気防止テープをフィードボード上に貼る
(4)フィードボード上に石鹸水を薄く塗布する
大事な事は,印刷室の室温・湿度です。温湿度管理がきちっとできている工場の場合は印刷用紙は,少なくとも12時間以上は,室温にならします。工場の温湿度が適正に管理されておらず湿度が50%を下回っているようでしたら,印刷直前にワンプを開けた方が多少は用紙の湿気を保てるでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

コントロールストリップの比較(005)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

 

コントロールストリップの比較(005)

 

【概要】
コントロールストリップを選定するにあたって比較項目はどのようになるのでしょうか。

 【解決方法】
コントロールストリップスには,世界中で10種類以上ありますが管理する目的は
1.インキ濃度
2.インキトラッピング(2次色)
3.ダブリ・スラー
4.ドットゲインなど網点変量
5.刷版焼度スケール(刷版管理用ゲージ)
6.グレーバランス(カラセパレーションカーブや使用プロセスインキの種類によって多少変ります)
これらのうち1~5は各ストリップ共通で計測管理できます。海外から持ち込まれたグレーバランスチャートは,日本のプロセスインキを使い標準濃度で印刷すると赤っぽくなります。JPA(日本プリンティングアカデミー)で作られたGCS(グレーコントロールストリップス)+BS-595(ベーシックスケール5% 95%)の組合せが,グレーコントロールをより一層有効で,かつ簡易に出来るものとして使われています。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

用紙の静電気防止対策(004)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報 : 管理

用紙の静電気防止対策(004)

【概要】
 静電気防止のためには,用紙を印刷室内に置き,温度を一定にしてからワンプを解くのと,早期ワンプむきをするのではどのような差がありますか。
また静電気で用紙の出が悪く機械がよく止まる時,湿度の調整,印刷速度以外にはどのような方法が有効でしょうか。とくに合成紙の印刷で困っています。

 【解決方法】
 静電気の発生は,相対湿度によって大きく左右されます。その為にも印刷工場の環境を整えなければなりません。
 空調条件は室温23℃~25℃が枚葉インキに対して最適の温度です。相対湿度55~65%がRHは印刷用紙に対して最適の範囲です。印刷用紙を包んでいるワンプの内側の樹脂(ツルツルしている)は用紙の給湿に対してある程度一定に保つため塗布されています。
 温度と湿度の関係は次のとおりです。
 温度高い→単位体積当たり多くの水蒸気を含む事ができる。
 温度低い→単位体積当たり含まれる水蒸気量は少ない。
 相対湿度は20℃ で1立方メートルの空気中に水蒸気14.8gが均等にあるときを RH100%,7.4gが均等にあるときを RH50%,の様に表します。
RH40%以下の場合は静電気発生しやすく,RH25%以下ならば静電気必ず発生すると考えてください。製紙会社にて,製造されワンプに包まれている状態で印刷用紙中の湿度は55%~65%とされています。この事は,印刷室の湿度コントロール値と同一であるのが分ります。
 早朝のワンプむきは,その工場内の湿度が55~65%にコントロールされている状態であれば何も問題はありません。逆に冬期の湿度の低い状態の時にワンプむきをすると印刷用紙中の湿気がなくなり,用紙の変形等が発生し,静電気発生や紙の出が悪くなる要因ともなります。
 静電気に対する特別な対策方法として,フィードポンプのエアー吸入部に加湿器を置いて試してみてはいかがでしょうか。

 

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「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ロール紙の表裏の区別(012)

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印刷技術情報 : 管理

ロール紙の表裏の区別(012)

【概要】
 包装資材用ロール紙(グラビア印刷)に対して,表面をあえて分ける必要がありますか?
 両面コート紙上質紙では一見差がないように思えるのですが。

 【解決方法】
 (1)両面コート紙は別にして,紙の表裏で印刷の効果は一般に違ってきます。
 (2)印刷効果の違いは,要求される品質レベルなどによっても異なり,近年,紙の表裏の性質の差も小さくなっています。(両面フェルト方式の採用により改善されました。)
 (3)したがって,実用上,特に表裏の区別をしなくても,結果として,印刷物に違いがないこともあります。
 (4)ロール紙(巻き取り紙)では表裏は「はっきりしている」ので,区別する方がよいでしょう。表面に重要な方の紙柄を刷っておけば間違いはありません。

 

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プリペイドカードの印刷(011)

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印刷技術情報 : 管理

 

プリペイドカードの印刷(011)

【概要】
プリペイドカード印刷を一昨年前から行っています。
カードに印刷するので水上りに大変苦労しています。室内の温度や湿度にも影響されるようです。カード印刷における適切な室内の温度,湿度がありましたら教えて下さい。

 【解決方法】
 印刷工場内 温度( 23℃,プラスマイナス2℃) 湿度(50~60%)に保ち,アルコール添加量を少し多めにしてみます(10%以上)。
 水上りに苦労されているとの事ですが,それならば水無し印刷に移行する事をお勧めします。
 現在では,水無し印刷用のUVインキも発売されています。取引きのあるインキメーカー等に相談されるのがよいでしょう

 

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プリペイドカード印刷の水上りに苦労しています(011)

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プリペイドカード印刷の水上りに苦労しています(011)

【概要】
プリペイドカード印刷を行っています。カードに印刷するので水上りに大変苦労しています。室内の温度や湿度にも影響される様です。カード印刷における適切な室内の温度、湿度がありましたら教えて下さい。

 【解決方法】
・印刷工場内 温度( 23℃+-2℃) 湿度(50~60%)に保つ。
・アルコール添加量を少し多めにしてみる(10%以上)
などの対策をしてみてください。
 水上りに大変苦労されているとの事ですが、水無し印刷に移行する事もお勧めします。現在では、水無し印刷用のUVインキも発売されています。

 

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バブルジェット方式の印刷機の価格やグラビア印刷との差について(305)

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バブルジェット方式の印刷機の価格やグラビア印刷との差について(305)

 

【概要】
バルブジェット方式の印刷機の特徴を教えてください。又グラビア印刷(コピー)との差はどのくらいありますか。

 【解決方法】
バブルジェット方式とはインクジェット方式プリンターのCanon社の商品名です。現 在はDTPのプリンター(小型)、屋内・屋外ディスプレー用に用いる大型ジェットプリンターなどがあります。印刷機はまだありません。価格は30万~300万円程度です。
 静電写真方式のカラーコピーで印刷機に近いものに、クロマプレス・E-プリント・三菱電子印刷機などがあり、価格も4,000~7,000万円位の高価なものもあります。 グラビア印刷との印刷品質との差は、グラビア印刷のほうが品質が数段上になります。

 

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印刷偽造防止の方法について(306)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

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印刷偽造防止の方法について(306)

【概要】
 印刷の偽造防止について教えてください。

 【解決方法】
 印刷偽造防止については、紙幣・金券などには、透かし入りの用紙,微細文字の印刷, 蛍光染料の部分的塗布,コピーすると文字が現れる特殊インキの印刷などがあります。これらの詳細については、印刷局では極秘事項になっています。
また,市場にはコピーするとオリジナル文字が読めなくなるという秘密文書用の用紙もありますが,これは特殊インキで印刷されています。

 

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片面印刷後に紙がそる(206)

印刷技術情報 : 管理

片面印刷後に紙がそる(206)

【概要】
 片面刷をして時間をおいてから裏面をする場合,紙が上にそり,紙おさえ,前当,横針等に接触して,うまく送られない場合がありますが,紙折り以外に良い方法はありますか?

 【解決方法】
  片面印刷後に、裏面印刷の時に紙が上に反る場合,工場内の湿度不足が原因と考えられます。
ワンプに包まれた用紙の持っている湿度は55~60%です。片面印刷した後も室内湿度を 55~65%程度に保つことが大切です。紙が上に反るのは、用紙に含まれている湿気がドン ドン空気中に逃げて行くためです。積まれた紙は周りから水分が蒸発して、中央部分は従 来の湿度になっているために、上に反ってしまうわけです。この状態の紙癖のことをタイ トエッジと言います。見当不良の原因にもなります。
タイトエッジが発生するような湿度が低い所に刷本や用紙を置いておくと、用紙に静電気 が発生してフィーダートラブルの原因になったり、デリバリ部では裏移りの原因になります。
 紙折りで癖を直すと、折った部分が裏移りの原因になります。できれば 紙折りをしな いで紙クセを直すほうが事故は少ないでしょう。空気が乾燥するシーズンには、夜間でも室内の湿度を60%前後に保つことをお進めします。刷本や用紙にビニール袋をかぶせて湿気を逃がさないようにしても、室内湿度が低ければ、ビニール袋を外した後、紙クセは発生するでしょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

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