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二色刷りでローラ当りを調整しても着肉不良になる(202)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

二色刷りでローラ当りを調整しても着肉不良になる(202)

 

【概要】
 二色刷の場合,先刷りする色のノリが悪い場合があります。インキローラの調整ブラン圧,版へのローラーの当りを調整しても改善できません。この場合,インキは軟かいほうがいいのでしょうか。

 【解決方法】
インキの固さを調整する場合、助剤にワニスは使わないほうが良いでしょう。ワニスを加えると一見軟らかくなったようでもインキのタックはあまり下がりません。腰切りコンパウンドを3%程度加えて良く練ってから使用します。一番良いのは、レジューサー〔石油系溶剤)を5%程度加えて良く練ってから印刷すると良くなるでしょう。特に寒い時期はインキが硬めになるので注意しましょう。
インキローラを調整しても、ローラのゴム質がグレージング(表面がツルッツル状) を起こした場合、版の画像にインキが乗りずらくなります。ゴムローラの寿命は一年程度ですので、古くなったら(グレージングを起こしたら)ゴムローラを交換する必要があります。ゴムブランケットも表面がグレージングを起こすと、インキ転移不良を起こします。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

赤系統のインキの版への影響。(261)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

 

赤系統のインキの版への影響。(261)

 

【概要】
 赤系統のインキは、他のインキに比べて、親水層を壊すなど版に対する影響があるように思われるのですが。

 【解決方法】
 赤系統のインキには、紅・赤・金赤等があります。顔料は、紅が「ブリリアントカーミン6B」,金赤が「レーキレッドC」,赤は紅と金赤の顔料を混合したものです。従来は赤に「ウオッチングレッド」という顔料を使用していましたが、現在は混合されたものが多いようです。
 金赤の顔料「レーキレッドC」は水と相性が良い(完全な親水性ではありません)という性質を持つため,乳化を起こしやすくなります。しかし,親水層を壊すということは考えられません。汚れが出るとすれば,金赤の乳化によるインキの水への泣き出しによるものと考えられます。
 乳化は浮き汚れにつながりますので,金赤を使用した特色等は、湿し水の量を抑えてインキ乳化にならないように注意しましょう。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

インキローラの交換時期について、通し枚数、期間どちらを重視して交換した方が良いのでしょうか?(248)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

 

インキローラの交換時期について、通し枚数、期間どちらを重視して交換した方が良いのでしょうか?(248)

 

【概要】
インキローラの交換時期について、通し枚数、期間どちらを重視して交換した方が良いのでしょうか?

 【解決方法】
インキローラの交換時期は、期間的には約一年で交換するのが望ましい事ですが、ローラ巻変えの費用が高いためなかなか実行されません。印刷通し枚数から見ますと、一千万枚~一千二百万枚が目安と考えます。その差は使用しているインキとエッチ液との関連が関わってきます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

水有り、及び水無し印刷時、網部・ベタ部にギザ目が発生します。(240)

※本記事の内容は掲載当時のものです。

印刷技術情報:インキローラー

 

水有り、及び水無し印刷時、網部・ベタ部にギザ目が発生します。(240)
 
【概要】 水有り、及び水無し印刷時、網部・ベタ部にギザ目が発生します。対応策としては、印刷機械の回転を上げたり、下げたり、又、インキ練りローラのニップ圧を変えておりますが、不定期・不定位置・不形状のため、対応に苦慮しています。原因と対策は?

 【解決方法】
 印刷中にベタ部・濃い網部にギザ目が発生するのは、どの会社でも困っています。原因として考えられることは、
1.インキローラのセッティングが強過ぎる場合、特に練りローラと振りローラ間
2.インキ第4着肉ローラ(仕上げローラ)と振りローラ間が強すぎる場合
3.着肉・練りローラのゴムの表面がツルツルになった、グルージングを起こしている事
4.インキの流動性が悪い場合(インキが硬い時)、等が考えられます。

ギザ目の発生原因は、
 第3・第4インキ着けローラの上の振りローラと、その上の練ローラ間のセットが強いとローラニップ間でインキが留まり、振りローラの死点(デットポイント)の時に、その留まったインキがドーっと下へ流れて発生するようです。
 特に、練りローラと、着けローラのグレージングがひどい時に目立ちます。

 対策として、
1.振りローラと、その上の練りローラのニップ巾を軽くする。(3mm程度)
2.第4着けローラと、振りローラのニップ巾を、菊全で2.5・菊半で2.0mm程度にする。
3.インキを軟らかくする。軟らかくするのにニスの使用は不可、腰切りコンパウンドを3%程度いれる、または、レジュウサーを5%程度加えて良く練りこむ。
4.水無し平版の場合は、オロテックス5040(商品名)を3~5%入れて、良く練り込む。
 5.インキゴムローラの交換か、グレーズリムーバー等でグレーズを除去する。

 以上のことが考えられます。

 

「本記事の内容は、JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」
「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

印刷技術情報

この「印刷技術情報」に掲載している内容は,JAGATが印刷の技術者を対象として行なっている通信教育講座「印刷技術者トラブル対策コース」,「オフセット印刷技術者コース」の受講生から1993年から2000年までの8年間に寄せられた質問とその回答の中から編集しました。現場で実際に起こっている問題に対しての具体的な対応策が示されていますので,多くの方々の参考になると考え公開しました。 

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四六判・菊判の語源を教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:四六判・菊判の語源を教えてください。

A:四六判
 江戸時代以前から半紙は多くの人々に親しまれていましたが、その寸法は約1尺1寸×8寸(333mm×242mm)でした。しかし、大名の中には一般に使われているものより、やや大きめの半紙を作らせていたところもあり、特に尾張家の美濃で漉かせた紙は、1尺3寸×9寸(393mm×273mm)で有名でした。これが、明治維新になって全国的に流通し、美濃判ブームを起こし、日本在来の標準判となり四六判の原点になったといわれています。
 明治になり、用紙が輸入されるようになりましたが、その中でイギリスから輸入されたクラウン判の変形(31インチ×43インチ):787mm×1092mmが、ちょうど美濃判のちょうど8倍の大きさ(2尺6寸×3尺6寸):788mm×1091mmだったことから重宝され「大八つ判」と呼ばれて普及しました。
印刷術が一般化されるにつれ、この大八つ判が多くの出版物にも用いられるようになっりましたが、32面に断裁して化粧断ちすると、ちょうど横4寸×縦6寸の書物になったことから、いつしか大八つ判が四六判と呼ばれるようになりました。

菊判
 新聞印刷用には、明治10年代前半頃まで、ドイツから輸入された紙(700mm×1000mm)の四つ切が使われていました。この紙の寸法が2尺3寸×3尺3寸で日本古来の半紙(1尺1寸×8寸の8倍に相当するので、大八つ判に対応して、最初は「半紙八つ判」と呼ばれていました。これも尺寸法に下1桁が重なるということからも、いつしか三三判と呼ばれるようになりました。
 明治の中頃になると、新聞記事も次第に豊富になり、紙面の大きさが三三判の四つ切では満足できなくなり、当時日本橋区通り1丁目にあった川上商店が、アメリカン・トレーディングカンパニーから、アメリカの標準判24インチ×36インチ(2尺×3尺)の縦横それぞれ1インチ増した、25インチ×37インチ(2尺1寸×3尺1寸):636mm×939mm判を取り寄せてその半裁判を新聞用紙に当てることにした。プラス インチとしたのは、当時の「せんか紙」の4倍となって都合がよかったためといわれている。これが、三三判に代わって次の新聞用紙の主流になりました。この新しい用紙のPRのために、新しい名称をつくる必要がでてきました。当時その紙のアメリカの商標がダリアだったことや、新聞の「聞」の字がキクと読めることから,菊の花の標識を付けて、「菊印」の名称で売り出したといわれています。
 これも、後に新聞以外の印刷にも使用されるようになり、いつしか菊判で通用するようになったといわれています。
         日本印刷新聞社発行 野村忠義著「上手に付き合う印刷紙」より 

 

(2001年10月1日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

証券の印刷物は,用紙をみて,いつ印刷されたかわかりますか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:証券の印刷物は,用紙をみて,いつ印刷されたかわかりますか。

A:用紙からは判断できないと思います。通常、書籍印刷ですと奥付のところに印刷年月日が記されていますし、帳票関係のものでも帳票の隅の部分に小さく印行名が記されているものがあり、それによっていつその印刷物が印刷されたかを解るようにしています。
用紙はその保存状態の善し悪しによっても劣化速度が違いますので、用紙からその印刷物の古い新しいを判断するのはできないでしょう。

 

(2001年11月19日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

二次元バーコードとはどういうものですか。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:二次元バーコードとはどういうものですか。

A:バーコードシンボルキャラクタを直線的に並べて情報化しているのが一次元コードと呼んでいます。これに対し、シンボルキャラクタまたはそれに相当する情報単位を縦横に配置したシンボルを二次元コードまたは、二次元バーコードと言います。
 二次元バーコードには、バーコードを積み重ねたようなスタック型の二次元コードと碁盤の上に石を並べたようなマトリックス型の二次元コードがあります。二次元コードは、最大情報量が約1KBあり、英数字なら約2000字、数字なら約3000桁までエンコードすることができます。
また、情報化密度が非常に高くバーコードに比べ10倍から100倍ありますので、数ミリ四方の極小シンボルも作成できます。更に、仮名や漢字、図形、バイナリーコードもエンコードできるため、ICカードやフロッピーディスクのような汎用的な情報媒体としても利用でき、紙をベースとしているため低価格です。
 二次元コードは、シンボルの基本単位であるバーやセルがバーコードに比べ非常に小さいことから、汚れや傷の影響を受けやすいです。そこで近代的な二次元バーコードは、障害により読めなくなったデータや誤って読み取ったデータを元の正しいデータに復元する誤り訂正機能を備えています。
この誤り訂正レベルは、エンコードするときに任意に設定することができ、大きく設定すれば、シンボルの半分以上が障害を受けても正しく読み取ることができます。
  日本工業出版㈱「知っておきたいバーコード二次元バーコードの知識(P5~6)」より

 

(2001年11月19日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

ワラを原料とした用紙について教えてください。

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:ワラを原料とした用紙について教えてください。

A:基本的には、木材パルプを原料とした用紙が流通していますが、それ以外から製造されるパルプを非木材パルプといっています。現在の技術レベルでは植物繊維ならばどんなものからでも用紙をつくることができるのだそうです。バナナの葉からさつま芋のつる、海藻にいたるまでいろんな植物繊維を原料として実際に用紙がつくられている実績があります。(実用品として流通しているか否かはわかりません。)この中で、ワラを原料とした用紙もあるということです。この紙をワラ半紙といっています。
一般の消費者は、ワラ半紙のもつ質感に魅力を感じ、パンフや案内状に使いたいが手に入らないか、という問い合わせが紙商社に入るそうです。
しかし、先進国では殆ど使われていません。わが国では非木材パルプを原料とする用紙はわずか0.2%です。その理由は、集荷するのが難しく、腐りやすく、かさばるため貯蔵運搬が困難など木材に比べコストが高くつくことになるからです。したがって、非木材パルプは一般用紙向けには流通していないということです。
これに対し途上国では約半分ぐらいの割合で非木材パルプが使われています。その理由として、まず木材資源がすくないことと、竹やワラといったものが簡単に手にはいるといった事情があるようです。

 

(2001年11月19日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)

名刺の55×91ミリという寸法はどのように決まったのですか?

※本記事の内容は掲載当時のものです。

ナンデモQ&A:その他

Q:名刺の55×91ミリという寸法はどのように決まったのですか?

A:いつ誰がどういうことを根拠にきめたかというのは解りませんが、メートル法以前の名刺の寸法は1寸8分×3寸と伝統的に決まっていたようです。メートル法が導入されてからメートル法に換算された寸法が55×91ミリとなり現在に至っています。

 

(2001年11月19日)

(印刷情報サイトPrint-betterより転載)