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フォトイメージングの現在・未来
B2B2Cモデルに挑戦する印刷会社
一般に、消費者(Consumer)向けの製品やサービスを提供するビジネスをB to C(Business to Consumer)モデルという。B2Cと表記することもある。それに対して、企業対企業のビジネスが、B to B(B2B:Business to Business)モデルである。
印刷会社の事業は、特定の顧客企業との取引がほとんどであり、典型的なB2Bモデルである。ただし、近年の印刷通販・ネット印刷は、一般ユーザー向けと企業・法人ユーザー向けの両方の取引を含んでおり、B2CとB2Bの混合タイプと言えるだろう。
また、顧客企業のB2Cをサポートするビジネスを、BtoBtoC(B2B2C:Business to Business to Consumer)モデルという。代表的なものとして、商品を消費者に届ける流通業などがある。
近年ではECのマーケットプレイスを指して、B2B2Cモデルということもある。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWN等々のECサイトを運営する企業は、商品を販売する場所(プラットフォーム)を提供することから、プラットフォーマーとも呼ばれている。
B2B2Cモデルに挑戦する印刷会社
キャラクターや著名人などの画像の権利を保有する企業に対して、フォトブック・カレンダー販売のプラットフォームを提供している印刷会社がある。
Webサイト上でコンテンツを検索し、消費者自身が望む写真を選択して、フォトブック・フォトカレンダーを注文する。そうすると、指定された写真が掲載された製品が届けられる。つまり、この印刷会社はコンテンツを保有する企業にプラットフォームを提供し、消費者、つまりエンドユーザーの注文に応じてフォトブック・カレンダーを製造し、発送する。このようなプラットフォームを通じて、B2B2Cモデルを実現している。
現在、プロサッカーチームに、このプラットフォームを提供している。ファンは自分の好きな選手やシーンの写真を選択し、自分だけのフォトブック・カレンダーを注文することができる。球団は、自社サイトでカスタマイズしたフォトブック・カレンダーを販売することができる。ファンが望む選手や激闘シーンのコンテンツを形にして、ファンに提供することができる。
プラットフォーマーである印刷会社には、営業レスで日々注文が入る、という三社にメリットのあるシステムとなっている。
今後は、スポーツチームを始め、さまざまな分野でコンテンツを保有する企業に売り込む計画だという。
(研究調査部 千葉 弘幸)
関連セミナー: 11/30(金)「フォトイメージングの 現在・未来」