印刷物制作過程における校正紙のやり取りは手間や時間がかかるなど、短納期化のネックとなることが多かった。場合によっては、多数の関係者に回覧する必要があり、校正作業が進まないこともあった。しかし、テレワークが浸透したことで、印刷物制作においても校正業務のオンライン化が急務となっている。
「テキスト&グラフィックス部会」カテゴリーアーカイブ
page2021から読み解く印刷業の未来
印刷機材展としては初めての完全オンライン開催となったpage2021。「リセット・ザ・フューチャー」をテーマに41社の出展、9本のオンラインカンファレンス、13本のスポンサーズセミナーなど多彩なコンテンツが提供されている。
デジタル印刷技術の最新事情ディスカッション Part2
ートピック技術セミナー2020を掘り下げるー
2020年の「JAGATトピック技術セミナー」は、10月上旬よりオンライン配信方式にて開催した。印刷機材メーカー10社より、各社の技術や新製品に関する解説を行った。時間と場所を選ぶことなく視聴できるオンデマンド形式のため、想定を超える多くの方に視聴していただいた。
デジタル印刷技術の最新事情ディスカッション Part1
ートピック技術セミナー2020を掘り下げるー
2020年の「JAGATトピック技術セミナー」は、10月上旬よりオンライン配信方式にて開催した。印刷機材メーカー10社より、各社の技術や新製品に関する解説を行った。時間と場所を選ぶことなく視聴できるオンデマンド形式のため、想定を超える多くの方に視聴していただいた。
『印刷白書2020』発刊記念セミナー
本研究会では、2020年10月発刊の『印刷白書2020』から主要なトピックを解説する。コロナウイルスによって始まったニューノーマルの時代に印刷ビジネスがどのように変わるのかを議論していく。 続きを読む
進化した自動組版と活用事例
DBなどを活用した一括処理や自動組版は、DTPが普及する以前、20~30年前から行われている。その時々のシステム環境や技術を取り入れ、さらにその時々のニーズに応じて進化を続けている。しかし、歴史があるから完成したとは言えない現実がある。つまり、印刷原稿やそのデータはいつの時代も完全ではなく、自動化によって校正の精度アップやミスの削減が進んだだけだとも言えるだろう。
なぜあなたの会社のMISはうまく動かないのか?
印刷会社におけるテレワークへの移行のネックのひとつが紙の伝票と承認印によって組み立てられている業務フローである。さらに、精緻なデータに基づく経営判断や製造の自動化を推進するうえでもMISのよりレベルアップした運用は今後欠かすことができない。
『ロウソクの科学』とデジタル印刷
出版市場が低迷しており、オフセットで大量に印刷して書籍のコストを下げ、大量に販売するというモデルが通用しにくくなっている。
一方でデジタル印刷が進化し、出版分野でも積極的に利用されるケースが増えている。例えば、在庫を持たないオンデマンド出版や極小ロット重版のようなフレキシブルな生産方式が増えつつある。
『ロウソクの科学』と緊急重版
2019年10月、リチウムイオン電池発明の功績によりノーベル化学賞を受賞した吉野彰博士が、自分の原点は『ロウソクの科学』という本であるとコメントし、話題となった。
KADOKAWAは、その翌日に『ロウソクの科学』(角川文庫)、『ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科』(角川つばさ文庫)の緊急重版を決定し、プレスリリースやSNSを通じた広報活動を行った。メディアでも取り上げられ、書店からは注文が殺到したという。
そして自社のデジタル印刷機器で印刷・製本し、2営業日で書店に並べた。その結果、重版累計10万部を販売したとのことである。
(※KADOKAWA 2020年3月期 第2四半期決算説明資料より)
話題性の一番高いタイミングで緊急重版を決定し、発表した。さらに、通常10営業日以上のところ、わずか2営業日で製造・出荷した。これらは、自社内にデジタル印刷設備(輪転式大型インクジェット機)を保有するKADOKAWAならではの動きと言える。この事例のようなスピード感のある出版活動は、今後の参考となるのではないか。
小ロット出版とデジタル印刷
出版社が自社内にデジタル印刷設備を持つことは、資金面や人材面など容易ではない。生産設備を持つということは、機器を維持管理し、書籍を製造するだけでなく、資材の調達や保管、品質管理、梱包・発送などの業務を遂行することになる。
むしろ、印刷会社がそのような部分を代行し、スピード感のある出版活動を支えていくことの方が現実的だと考えられる。
また、『ロウソクの科学』は文庫という体裁であり、版型や用紙などの仕様が標準化されていたために、緊急重版がスムーズに実現したのではないか。つまり、出版分野でデジタル印刷を効果的に利用するには、仕様の統一などある程度の制約が伴うという側面もある。
書店・流通など出版界では、高い返本率が収益を圧迫しており、大きな課題となっている。デジタル印刷の活用がそのような課題を解決するキーになると考えられる。
(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)
【3月の研究会のお知らせ】日本写真学会共催 page2020報告 ~プリント技術セミナー~
JAGATではこの2年あまり「デジタル×紙×マーケティング」というスローガンを掲げてきた。page2020ではfor Businessを加えて「デジタル×紙×マーケティング for Business」をテーマとし、この路線をより具体的にすすめた。
印刷ビジネスの動向と展望2019-2020
最新データと現時点で予想しうる2020年の与件に基づき2020年の印刷ビジネスを分析する。2019年までの状況を整理、来たる2020年の印刷市場に影響するだろう周辺関連トピックを洗い出し、市場動向を予想する。 続きを読む