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ビジネス×マンガの最新動向 ~コロナ時代に活きる対面不要の広告、採用、教育戦略~

 

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の影響により、対面でのビジネス活動が見直されている。直に訪ねる営業手法は難しくなり、コンテンツを活用したプル型の営業手法や非接触のフリーマガジン、DMが注目されている。教育分野でも、自宅学習に力を入れる企業が増えた。 続きを読む

広告と通販、DMの最新動向、コロナの影響

<オンラインセミナー方式>あらゆるメディアを活用する広告と通販の最新状況分析を通して、印刷周辺市場への新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の影響を考える。そして、このようなコロナ禍の状況でも堅調な印刷メディアとして代表的なDMを取り上げる。
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メールはどうやって送っているのか、基本のしくみを知ろう

仕事でもチャットなどで連絡を行うことが増え、メールを使う機会が減ってきました。それでも連絡手段として今でもメールは欠かせないものです。

今回は、メールはどうやって相手に送られるのかについてざっくりご紹介します。

メールを送信する基本的なしくみとは

メールは、送信するときと受信するときでは違う方法でデータをやりとりしています。

マイクロソフトのメールソフトOutlookやグーグルのメールサービスGmailなど多くのメールソフト・サービスでは、SMTPという手順に沿って送信します。SMTPのような手順のことを通信プロトコル、と呼びます。

通信プロトコルとは、通信するときの手順・決まりを指す用語です。メールを送信するときはSMTP、受信するときはPOP3IMAPが使われています。

メールソフトを設定するときにサーバー設定として「smtp」や「pop」といった項目を入力された経験がある方もいるかと思います。それは「どういう手順でメールを送る(または受け取る)」と指定していることになります。

メール送信時の手順を簡単に説明すると、次のような流れです。

  1. 自分(送信者)のPCからメールを送信する
  2. 契約しているメールサーバー【A】に届く
  3. メールサーバー【A】がDNSサーバーへ問合せて送信先の
    住所(IPアドレス)を把握する
  4. メールサーバー【A】から送信先のメールアドレスを管理する
    メールサーバー【B】に向けてメールを転送する
  5. 受信者が契約しているメールサーバー【B】に届く
  6. 受信者のPCが自分宛のメールを受信する(POP3・IMAP)

ここで登場するのが「メールサーバー」と「DNSサーバー」です。ここでのサーバーとは、何らかの機能(サービス)を提供するコンピューターのことです。

メールサーバーとは、その名のとおりメール配送の機能を提供するコンピューターで、送信用のSMTPサーバーと受信用のPOPサーバーを合わせて一般的にメールサーバーと呼んでいます。

DNSサーバーというのはあまり聞き馴染みがありませんが、メール送受信やWebサイトの閲覧時に日々お世話になっています。メールアドレスのドメイン部分(@より後ろ)やWebサイトのURLに対応するIPアドレス情報を返す機能を提供するコンピューターです。

なぜDNSが必要なのかというと、メールを送信するときや、Webサイトを表示するときにはメールアドレスやURLの裏側に隠されているIPアドレスが必要になるからです。メールを送信するときにはメールアドレスを指定しますが、裏にあるIPアドレスから「どのメールサーバーへ届けるか」の情報を得ています。

ポート番号ってなんの番号?

SMTPなどのプロトコルとセットで登場するのが「ポート番号」です。ポート番号とは、パソコンがどの手順(プロトコル)でデータをやりとりするかがわかるようにつけられた番号のことです。

ポート番号は、よく番号付きのドアで例えられます。DNSという手順を行うためにはサーバーについている53番のドアを通ります、ということを表しています。

代表的なポート番号には、こんなものがあります。

番号 サービス 用途
20 FTP (データ) データのやりとりをする
21 FTP (制御) データ転送のコントロールを行う
22 SSH セキュアなファイル転送
25 SMTP メールを送信する
53 DNS 名前を解決する
80 HTTP Webサイトへアクセスする
110 POP3 メールを受信する
143 IMAP メールを受信する
443 HTTPS SSLでWebサイトへアクセスする
587 SMTP メールを送信。SMTP AUTH対応

表では、SMTPのポート番号は25番と587番が割り当てられています。

ここで「おや?私のメールソフトでは違う番号を入れたぞ。」と思われた方も少なくないと思います。

実はそのままのSMTPの手順ではユーザー認証の機能に対応していないため、なりすましによる迷惑メールなどを防ぐことができません。そこで最近では、メール送信時にSMTPサーバーにIDとパスワードで認証を取るSMTP認証を導入してなりすましを防ぐようにしています。25番ポートは認証のしくみに対応していないので、SMTP認証を使ったメール送信をする場合には、それに対応している587番のポート番号を使います(465番を使うこともあります)。

マイクロソフトOfficeのメールソフトOutlookでは「送信(SMTP)サーバーには認証が必要」というチェックを入れるのはSMTP認証の設定です。

普段「どうやってメールを送っているか」なんて意識することはほとんどありませんが、基本的なしくみをなんとなく理解しておくと、アプリケーションの設定を行うときや、なんらかのトラブルが起きたとき、何をしているのか、何が起きているのかを理解しやすくなるので知っておいて損はないかと思います。

(JAGAT 研究調査部 中狭亜矢)

『ロウソクの科学』とデジタル印刷

出版市場が低迷しており、オフセットで大量に印刷して書籍のコストを下げ、大量に販売するというモデルが通用しにくくなっている。
一方でデジタル印刷が進化し、出版分野でも積極的に利用されるケースが増えている。例えば、在庫を持たないオンデマンド出版や極小ロット重版のようなフレキシブルな生産方式が増えつつある。

『ロウソクの科学』と緊急重版

2019年10月、リチウムイオン電池発明の功績によりノーベル化学賞を受賞した吉野彰博士が、自分の原点は『ロウソクの科学』という本であるとコメントし、話題となった。

KADOKAWAは、その翌日に『ロウソクの科学』(角川文庫)、『ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科』(角川つばさ文庫)の緊急重版を決定し、プレスリリースやSNSを通じた広報活動を行った。メディアでも取り上げられ、書店からは注文が殺到したという。

そして自社のデジタル印刷機器で印刷・製本し、2営業日で書店に並べた。その結果、重版累計10万部を販売したとのことである。

 角川文庫『ロウソクの科学』緊急重版2万部決定

(※KADOKAWA 2020年3月期 第2四半期決算説明資料より)

話題性の一番高いタイミングで緊急重版を決定し、発表した。さらに、通常10営業日以上のところ、わずか2営業日で製造・出荷した。これらは、自社内にデジタル印刷設備(輪転式大型インクジェット機)を保有するKADOKAWAならではの動きと言える。この事例のようなスピード感のある出版活動は、今後の参考となるのではないか。

小ロット出版とデジタル印刷

出版社が自社内にデジタル印刷設備を持つことは、資金面や人材面など容易ではない。生産設備を持つということは、機器を維持管理し、書籍を製造するだけでなく、資材の調達や保管、品質管理、梱包・発送などの業務を遂行することになる。
むしろ、印刷会社がそのような部分を代行し、スピード感のある出版活動を支えていくことの方が現実的だと考えられる。

また、『ロウソクの科学』は文庫という体裁であり、版型や用紙などの仕様が標準化されていたために、緊急重版がスムーズに実現したのではないか。つまり、出版分野でデジタル印刷を効果的に利用するには、仕様の統一などある程度の制約が伴うという側面もある。

書店・流通など出版界では、高い返本率が収益を圧迫しており、大きな課題となっている。デジタル印刷の活用がそのような課題を解決するキーになると考えられる。

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)

 

2019年度クロスメディア部会開催セミナー(印刷総合研究会)

2019年度 クロスメディア部会セミナー

マーケティング視点でデジタルメディア活用事例などを取り上げます。
>>過去に開催したセミナー情報はこちらです。

日程種類タイトル
4月24日(水)CMデータ分析の高度化と効率的なデータ収集~AI・BIで実現する売上向上、在庫最適化~  関連記事 
​aiforce solutions 西川智章氏/エブリセンスジャパン 眞野浩氏/データセクション 佐藤央氏
6月11日(火)CMアニメを活かした地域活性化と事業展開 ~聖地巡礼によるツーリズムと印刷会社の役割を事例に~  関連記事1 関連記事2
サイバーネット 高原一博氏、村上直樹氏/PARUS 佐古田宗幸氏/JAGAT 藤井建人
7月16日(火)CM動画マーケティングの先進事例と活用
NewsTV 杉浦健太氏/カクテルメイク 毛利直矢氏/
プランナッシュ 山崎準也氏
9月12日(木)CMビジネスを変えるIoT~製造業での自動化と新ビジネス創出事例 関連記事
バカン 中島純氏/東京エレクトロンデバイス  中村琢哉氏 /凸版印刷  諸井眞太郎氏 /情報通信研究機構  井上大介氏
11月27日(水)CM 『印刷白書2019』発刊記念特別セミナー
東京工科大学  藤崎実氏/JAGAT  郡司秀明、 藤井建人、花房賢、吉村マチ子
3月12日(木)CM企業と個人とをつなぐ「コミュニティ・場」の価値(コミュニティマーケティングの基礎と事例を知る)
オシロ 杉山 博一氏/シューズセレクション 坂口淳一氏 ※新型コロナウイルスのため延期

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2019年度印刷総合研究会イベント開催スケジュール

印刷総合研究会は、最新の技術・メディア・マーケットに関するテーマについて情報収集や事業可能性を追求する研究機関です。3部会から構成されています 月例研究会では部会ごとにテーマを選定、各界の第一人者を招聘して最新情報を提供します。研究会メンバーは参加無料です。

2019年度 開催スケジュール

日程 種類 タイトル
4月24日(水) CM データ分析の高度化と効率的なデータ収集
~AI・BIで実現する売上向上、在庫最適化~

​西川智章(aiforce solutions
眞野浩(エブリセンスジャパン
佐藤央(データセクション
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11月6日 (水) PM 新聞・ニュースビジネス最新動向2019
~新技術と報道の機械化が変えるジャーナリズムの将来像~
井上秋男(メディアテクノス)
松井正(読売新聞東京本社
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TG MIS連携による見える化の推進
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11月27日(水) CM 『印刷白書2019』発刊記念特別セミナー
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藤井建人(JAGAT
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12月3日(火) TG・CM 次世代型の組版システム構築とAI自動レイアウト
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小林隆弘(富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ
田端聡(大日本印刷
1月22日(水)
1月24日(金)
PM 印刷ビジネスの動向と展望2019-2020
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3月3日(火) TG 日本写真学会共催 page2020報告
~プリント技術セミナー~

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坂口淳一(シューズセレクション
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