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変わるフリーペーパーの役割

2014年のフリーペーパー広告費は7年振りに増加、再評価が進む。特にマーケティング、自社独自の資源やデジタルと組み合わせた新サービス開発、地域活性などで効果をあげている。4月開催セミナー報告。 続きを読む

印刷マーケティング部会 2014年度研究会セミナー開催予定

2014年度 研究会セミナー 開催予定

プリントメディア、印刷市場・印刷業界の動向を考える上で、関係の深い各界の第一人者やご活躍の方を招いてご講演いただきます。研究会メンバー企業は3名迄参加無料(メンバー以外の方も参加費負担にて聴講できます)。
開催予定日の10日から1カ月前に内容を確定し、HPやFAX、mailにてご案内します。
タイムリーなテーマ・適任講師選定のため、テーマや開催日時は適宜変更します。

日付 曜日 テーマ
4月21日 IPEX2014と英国印刷会社4社の視察報告
5月13日 変化する新聞折込広告と電子チラシの最新動向2014
6月26日 新たな活路を開くフリーペーパー、社内報・企業PR誌の最新事情
7月8日 出版業界の新たなビジネスモデルと最新事情
7月15日 速乾印刷を科学し、そのメリットを検証する
8月8日 3DビジネスとBtoCカフェ・ショップ運営の最新動向
8月28日 最新調査結果にみる印刷経営の現在と戦略
[東京開催]
8月29日 最新調査結果にみる印刷経営の現在と戦略
[大阪開催]
9月3日 消費者視点のメディアビジネス戦略
10月30日 新聞と地域コンテンツの収集配信ビジネス最新動向
11月25日 『印刷白書2014』印刷産業の明日を考える
11月28日 オムニチャネル時代のDMビジネス最新動向
1月15日 印刷ビジネスの動向と展望2014-2015[東京開催]
1月16日 印刷ビジネスの動向と展望2014-2015[大阪開催]
3月24日  火 広告ビジネス最新動向―広告手法の変化と実際

(注)
*ミーティング開催時間は通常2時間です。
*予定された日程、テーマ、内容などは変更する場合がございます。

プリンティング・マーケティング研究会の過去のミーティング・セミナー

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ギフトカタログのWeb to printと電子版制作

DTPによる印刷物制作とWeb用のHTML制作を別々に進行することは、校正やチェックが2重となり、時間・コスト的にもさまざまな無駄が発生する。コンテンツを一元化し、DTPソフトに依存せずにPDFデータ作成とHTML展開を行うことが出来ないか。
共同印刷の藤森良成氏にギフトカタログのWeb to printに取り組んだ経緯を聞いた。

■DTPによるカタログ制作の問題点

ギフトカタログは定型レイアウトがほとんどで、基本パターンとして1つのページに商品単位の小組をレイアウトする。自動化しやすいケースではあるが、さまざまな要因から自動化されていないことも多い。DTPでフルに制作している場合、商品ごとに製造元や生産者に原稿(データ)と掲載内容に関してアナログなやり取りが発生し、たいへんな手間・コストがかかる。また、DTP上の修正はデータベースに反映することはできないため、次年度のトラブルの種になってしまうという問題があった。

■CatalogPackerの構成と機能

CatalogPackerは、ネットワーク上で定型カタログを制作するためのWeb to Printであり、自動組版システムである。Webブラウザ上で動作するため、OSに依存せず、各PCにDTPソフトウェアをインストールすることも不要である。
商品DBをメンテナンスするユニットとそのデータを組版し割り付けるユニットで構成されている。DBの内容はクライアントや商品のサプライヤーに直接直してもらうことを想定している。DBを修正した後、小組単位で自動組版してPDFを作成し、校了まで進める。
ページアップした後の校正は行わない。実際にはバックグラウンドでXSL-FOを生成し、AH Formatterで組版レイアウトを行っている。

例えば旅行のカタログを作る場合、通常のRDBなら朝昼夕の食事回数を0,0,1と記号化して入力し、印刷物にする際に「朝食0回、昼食0回、夕食1回」という文字列に変換している。
食料品の通販であれば、チルド、冷凍などの区分を文字ではなくマークや画像で表現してほしいとなる。
このような印刷物上のルールを、全部印刷会社側で管理すると校正漏れやミスも多くなる。

そこで、価格・スペックなどを格納する商品DBと、印刷物上の文字列などをXML形式で記述する体裁情報DBに分けた。価格・スペックの修正は、常に体裁情報DBに同期されるようになっている。

小組のレイアウト指示は簡易設定画面から行う。小組の縦横サイズやどの位置にデータベースのどの項目を配置するか、その条件などを設定する。プレビューボタンを押すと、作ったレイアウトにデータベースの1件目が流し込まれて、結果を確認することができる。裏側ではXSL-FOで動作しているが、DTPや組版の専門的な知識は必要ない。簡単なトレーニングでWebオペレーターでも対応できるレベルである。

InDesignなどのDTPでカタログを制作する際、難しいとされているのが爪(インデックス)の自動発生である。例えば、北海道とか東北とか海鮮品なのか野菜果物なのか、フラグによって爪の色や文字、位置を変更する。DTPではオペレーターが手作業で配置するしかないが、XMLなので自動生成することができる。

レイアウト後にデータ修正をする際、画面をクリックすると「データを修正しますか。それともレイアウトを修正しますか」と選択できるようになっている。価格データを修正すると、連動して小組に修正が反映され、PDFが自動で作成される。
また、「今回だけこの価格を特別値引きにしたので、色を変えてほしい」といった修正であれば、レイアウトの情報だけを変更すればいい。
このような形でデータと体裁を分離し、管理しているためコンテンツの一元化を実現することができる。

■今後の課題

実際に運用してみると、一番の問題は商品のサプライヤーが画面上でのデータ修正に慣れていないことであった。
また、この仕組みは定型カタログが対象である。定型カタログはカタログの12~13%でしかない。大量部数であるため仕事としては重要だが、頻度は少ないというのが実態である。

今後は、CSS組版による印刷データ制作にトライしたいと考えている。CSS組版ができれば、Webと共通のラインで紙でも電子でも制作することができる。このような形でコンテンツの一元管理を進めていくことで、印刷会社がシステムインテグレーターやWeb制作会社と差別化することが可能になる。

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共同印刷_CatalogPacker_ページ_03

(JAGAT 研究調査部 千葉 弘幸)